fc2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
<!-【↓2カラムテーブルここから↓】-->
 印外相、石破首相の“アジア版NATO”構想を支持せず
2024-10-03 Thu 06:31
 インドのジャイシャンカル外相は、1日(現地時間)、ワシントンのカーネギー国際平和財団で開かれたイベントで、「日本と異なりインドは他国と条約による同盟関係を結んだことがない」、「我々はそのような戦略的な構造は考えていない」として、石破茂首相が提唱する“アジア版NATO”の構想について否定的な見解を示しました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・第7回非同盟会議

 これは、1983年3月7日、ニューデリーで開催された第7回非同盟諸国首脳会議に際して、開催国のインドが発行した記念切手です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 10月4日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 10月11日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 10月27日(日) 13:30~  アメリカ大統領選挙~より理解するために
 よみうりカルチャー荻窪にて、アメリカ大統領選挙をより理解するための基礎知識と最新情報を交え解説します。詳細はこちらをご覧ください。

 11月3日(日) 14:00~ 正しい多文化共生セミナー 
 TKP新橋汐留ビジネスセンターにて、救国シンクタンク主催の第8回セミナーとして、埼玉県南部の川口市を中心とした“クルド人問題”を中心に内藤がお話しします。お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 在印イスラエル大使館の近くで爆発
2023-12-27 Wed 05:33
 きのう(26日)、インド・ニューデリーのイスラエル大使館の近くで爆発がありました。負傷者はなく、イスラエル当局がインド当局と協力して爆発の原因を調べているとのことです。というわけで、今日はこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・パレスチナ人民との連帯

 これは、1981年11月29日、パレスチナ人民連帯国際デーに際してインドが発行した“パレスチナ人民との連帯”の切手です。インドがイスラエルと正式に外交関係を樹立したのは1992年のことで、この切手が発行された時点では、両国間には正式の国交はありませんでした。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。また、拙著『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』も併せてご覧いただけると幸いです。

 * 昨日(26日)のニッポンジャーナルの内藤出演回は無事に終了しました。明年は1月10日(水)が最初の登場予定ですので、引き続きよろしくお願いします。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 12月29日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 2024年1月10日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がゲスト出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。


★ 『龍とドラゴンの文化史』 好評発売中!★

      龍とドラゴンの文化史・帯なし

 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 インド初の国産空母就役
2022-09-03 Sat 07:57
 きのう(2日)、インド初の国産空母“(2代目)ヴィクラント”が就役し、コーチ(コーチン)の造船所で記念式典が行われました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・空母ヴィクラント(1986)

 これは、1986年2月26日にインドが発行した“(初代)空母ヴィクラント就役25周年”の記念切手です。初代のヴィクラントは1997年1月31日に退役。その後、後継艦の建造が計画されたものの予算不足で頓挫していたところ、インド海軍がADS(Air Defence Ship,防空艦)計画を実行に移し、その1番艦として今回就役した空母が2代目として“ヴィクラント”を襲名しました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 9月9日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 好評発売中!★

      『本当は恐ろしい! こわい切手』

 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 … 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。
 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。
 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 日本人少女が印・伝統舞踊のプロに
2018-09-03 Mon 11:47
 父親の転勤に伴いインドで育った11歳の日本人少女、富安カナメさんが、きのう(2日)、ニューデリーで行われた公演で、インド四大伝統舞踊の一つ、“バラタナティヤム”のプロとしてデビューを果たしました。バラタナティヤムでは、14歳以下でのプロデビューはきわめて異例のことです。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されえます)

      インド・バラタナティヤム

 これは、1975年にインドで発行された古典芸能の切手のうち、バラタナティヤムを取り上げた1枚です。

 バラタナティヤムは、南インド・タミルナドゥ州を発祥とする古典舞踊で、ヒンドゥー寺院に仕える巫女(デーヴァ・ダーシー)の奉納舞がそのルーツです。

 奉納舞が起源であるため、音曲の歌詞は、神への祈りによって新たな生命を得ることが主題となっており、舞踊の神“ナタラージャ(=シヴァ神)”の踊りは、“宇宙のリズム”を足で、“空間”を手で表現していることにちなみ、ダイナミックで力強いリズムと、足で大地を踏み鳴らす、歯切れよい踊りが特徴です。同時に、優美さや細やかな舞踊表現も要求され、身体や腕、指先、顔や目の動きをつかって感情や物語が表現されます。なお、踊り手としては、女性が一人で舞うのが基本です。

 現在のバラタナティヤムの原型となった古典舞踊は、19世紀までに衰退していましたが、20世紀初頭、インド文化再認識の動きに伴って、復興が進みます。バラタナティヤムという名は、その過程で命名されたものです。特に、1918年生まれの舞踏家で、最後の“デーヴァ・ダーシー”と呼ばれた名手、バラサラスワティは、1935年、デーヴァ・ダーシーとして、初めて、ヒンドゥー寺院を出て、一般の観客の前で踊り、バラタナティヤムが舞台芸術として発展するうえで多いに貢献しました。

 さて、今回、プロデビューを果たした富安さんは、4歳だった2011年、母親の勧めでバラタナティヤムを始め、8歳の時、インド政府から文化勲章を受章した斯界の権威、サロジャ・バイディヤナタンの舞踏学校に通い始めました。本来、バイディヤナタン校長によると、本来、舞踏学校への入学は8歳以上で、最低7年間は練習を積まなければデビューはできないそうですが、富安さんはその才能と熱意ゆえに、異例の14歳でのデビューとなりました。

 2日の公演で、クリシュナに恋するラーダーの踊りなどを熱演した富安さんは、演技終了後、「舞台でライトが当たった瞬間、緊張が楽しさに変わった。今後は他人にも踊りの楽しさを教えられるようになりたい」と語ったそうです。今後に期待したいですね。
 

★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 世界の鬼:羅刹の王
2017-02-03 Fri 10:32
 きょう(3日)は節分です。というわけで、例年どおり、鬼に関連する切手の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・ラーヴァナ

 これは、1974年にインドで発行された仮面の切手のうち、鬼神・ラークシャサ(羅刹)の王、ラーヴァナの面を取り上げた1枚です。

 ラーヴァナは『ラーマーヤナ』に登場するラークシャサの王で、10の頭、20の腕と銅色の目、月のように輝く歯と山のような巨体を持つとされています。

 ラークシャサの一族は、かつてランカー島に住んでいましたが、その傲慢さと悪行のゆえに島を追われました。ラーヴァナは一族の再興を目指して、千年の間、10の頭を1つずつ切り落として火にくべるという荒行に励み、最後の1つを切ろうとしたとき、ブラフマー神に認められ、「神仏に負けない」という絶大な特権を得ます。また、シヴァ神の住むカイラス山を揺らして罰せられたラーヴァナは、シヴァに許された際、“月の派”を意味する剣、チャンドラハースを下賜されます。この二つを持って、ラーヴァナは当時ランカーを治めていたクベーラ神と戦って、空を飛翔する戦車プシュパカ・ラタを奪取し、クヴェーラ神をカイラス山に撤退させ、ランカーを奪取しました。

 その後、ラーヴァナは征服戦争に乗り出し、ラーヴァナ軍はインドラ神をも破って、多くの王や聖仙、半神たちから人妻や娘を奪ってランカーに連れ去りました。

 そこで、神々はヴィシュヌ神に助けを仰だため、ヴィシュヌ神はアヨーディヤーの王子ラーマとして転生し、ラーヴァナを討つことを約束。一方、ラーマによって同族が殺されたことに怒ったラーヴァナは、ダンダカの森でラーマの妃シーターを拉致し、これをきっかけに勃発したラーマとラーヴァナの大戦争の物語が、『ラーマーヤナ』のストーリーの中心となります。


★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。


 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 ニューデリーの青空
2016-11-07 Mon 11:24
 インドの首都ニューデリーでは、スモッグで視界不良になり、健康被害が懸念されるほどに大気汚染が深刻化したため、デリー首都圏政府のケジリワル首相は、きのう(6日)、ニューデリー市内の学校全校の3日間の休校、建設・解体工事の5日間の禁止等の緊急措置を発表しました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・独立25年

 これは、1972年にインドで発行された独立25周年の記念切手で、晴天の下、ニューデリーの国会議事堂の前を国旗を掲げて行進する人々が描かれています。来年の独立70周年に同じ構図の記念切手を発行するとしたら、背景の空をグレーにして、人々はマスクをした姿で描くことになるのかもしれません。(本当にそうなったら嫌だけど)

 ムガール帝国の時代、帝国の首都はデリーに置かれていましたが、1858年に大反乱(いわゆるセポイの乱)を鎮圧してインドを制圧した英国はカルカッタ(コルカタ)に行政府を置きました。しかし、カルカッタはインド全体からみると東に偏っていることもあって、旧ムガール帝国の帝都であったデリーこそ英領インド帝国の首都にふさわしいとの声は根強く、ジョージ5世は1911年12月にデリーへの遷都を宣言しました。

 ジョージ5世の宣言を受けて、ムガール帝国時代の首都中心部(現在、オールドデリーと呼ばれている地域)の南側、シャー・ジャハンが建設した地域にあった副王の宮殿に新首都の礎石が置かれ、エドウィン・ラッチェンスとハーバード・ベイカーにより新都の都市計画が立案されました。

 ラッチェンスの立案した都市計画は、第一次世界大戦で戦死した兵士を追悼するためのインド門から総督府(現大統領官邸)まで東西に伸びるラージパト通りを中心に、そこから放射状に街路を伸ばす構造となっており、ラージパト通りと平行にベイカーの設計した国会議事堂など行政機関が配されています。また、放射状の街路のもう一つの焦点であるコンノートプレイスは、商業地区として建設されました。

 今回ご紹介の切手に描かれている国会議事堂は、1921年に着工し、1927年1月18日に完成記念式典が行われました。建物は、アショーカの法輪にちなむ円形で、 議事堂中央のドームは直径29.87m。建物の周囲は、広大な庭園とサーンチーのストゥーパの柵をモデルとした柵で囲われています。

 さて、デリーの大気汚染は、急激な経済発展に環境対策が追い付いていなかったことに加え、この1週間は、ディーワリーを祝う爆竹や花火、パンジャブ、ハリヤナ、ウッタルプラデシュの各州の農家による作物の焼却などの影響が加わって深刻な状況になり、今回の緊急措置となりました。

 今後、事態が改善されなければ、車のナンバープレートの番号が偶数か奇数かで交互に使える日を割り当てる制度を導入するなど、さらなる対策が講じられる可能性があるそうです。いずれにせよ、一日も早く、切手に描かれたような青空が回復してほしいものですね。


★★★ 講座のご案内 ★★★

 11月17日(木) 10:30-12:00 
 毎日文化センターにて、1日講座、ユダヤとアメリカをやりますので、よろしくお願いします。(詳細は講座名をクリックしてご覧ください) 
  

★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。

 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 野生のトラ、100年ぶりに増加
2016-04-11 Mon 23:20
 WWF(世界自然保護基金)は、きのう(10日)、野生のトラの個体数が100年ぶりに増加したことを発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・ジム・コルベット生誕100年

 これは、1976年、インドが発行したジム・コルベット生誕100年の切手で、ベンガルトラが描かれています。

 切手に描かれたベンガルトラはトラの中でも最大級の体格を誇っており、成獣のオスは体長が約3m、体重は約25kg、メスは体長が約2m50cm、体重は約150kgに達します。インド・ネパールなど南アジアの針葉樹林や落葉樹林、湿地、乾燥した森林などに分布しており、メスとその子供以外は単独で生活します。

 20世紀初頭には、野生のベンガルトラは約10万頭が棲息していましたが、開発に伴う棲息地の自然環境の破壊に加え、毛皮や骨(漢方薬で用いられるため、高値で取引されます)を目的とした乱獲により激減し、現在ではワシントン条約の規制対象となっています。

 今回ご紹介の切手発行の名目となったジム・コルベットは、1875年、英領インド帝国のナイニタル(当時はアグラ・アウド連合州、現在はウッタラーカンド州)の生まれました。このため、当初、切手は1975年に発行すべく準備が進められており、切手にも額面数字の下に1975の表示がありますが、実際の切手発行は1976年1月24日にずれ込んでいます。

 さて、コルベットは若い頃、アグラ・アウド連合州政府の依頼を受けて、人間に危害を加えるトラを数多く駆除したことで名を馳せました。しかし、1920年代以降、みずからのカメラで野生のトラの撮影をするようになってから、インドの豊かな自然の価値を再認識し、トラ狩りで得た知識を活かして、野生動物の保護に取り組むようになります。そして、アグラ・アウド連合州猟獣保護協会ならびに全インド野生動物保護会議の設立に尽力したほか、デリー北東200km、サブヒマラヤ帯の標高400-1200mの丘陵地帯に、インド最初の国立公園として“ハイリー国立公園”を創設するうえで指導的な役割を果たしました。1947年にはインドを離れ、1955年、英領ケニアで亡くなりましたが、没後の1957年、インド政府は彼の功績をたたえて、ハイリー国立公園を“ジム・コルベット国立公園”と改称しました。

 さて、WWFによると、1910年から2010年までの100年間に、野生のトラは密猟と自然破壊が主な原因で97%減少。2010年の時点では3200頭にまで落ち込みましたが、インド、ロシア、ネパールなどでの保護活動が実を結び、直近のデータでは3890頭が観測されたというわけです。

 WWFは2022年の寅年までに個体数の倍増を目標としており、今後は、密猟と森林伐採が激しい東南アジアでの保護活動の強化が焦点になるとのこと。タイマレーにはトラの名品切手もあることですし、今後の成果に注目したいところですな。


 ★★★ 講座のご案内 ★★★

 ・よみうりカルチャー荻窪 「宗教と国際政治」
 4月から毎月第1火曜の15:30より、よみうりカルチャー荻窪(読売・日本テレビ文化センター、TEL 03-3392-8891)で講座「宗教と国際政治」がスタートします。ぜひ、遊びに来てください。詳細は、こちらをご覧いただけると幸いです。
 

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 中村屋のボース
2015-12-11 Fri 12:31
 安倍首相は、きょう(11日)から3日間の日程でインドを訪れ、明日(12日)、モディ首相と会談します。日印両国は毎年、首脳が相互に訪問しており、両首脳が個別に会談するのは今回で5回目だそうです。というわけで、日印友好ネタということで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・中村屋のボース

 これは、1967年にインドで発行された“中村屋のボース”ことラス・ビハリ・ボースの切手です。

 ラス・ビハリ・ボースは、1886年、英領インド帝国支配下のベンガルに生まれ、シャンデルナゴル(チャンダンナガル)とコルカタ(カルカッタ)の学校で学んだ後、デヘラードゥーンの森林研究所で事務員となりました。その後、インド国民会議に参加して独立運動に身を投じましたが、チャールズ・ハーディング総督暗殺未遂事件や、1915年のラホール蜂起の首謀者とされたため、日本に亡命しました。

 日本でのラス・ビハリ・ボースは東京を拠点に活動していましたが、来日4ヶ月後、日本政府は英国の要求に応じて国外退去を命じます。このため、彼は新宿中村屋の相馬愛蔵に匿われ、中村屋のアトリエに隠れて過ごしました。その後、日本政府は頭山満や犬養毅、内田良平などの働きかけもあり、国外退去命令を撤回しますが、英国の追及は1918年末まで続き、ラス・ビハリ・ボースは日本各地を転々とせざるを得ませんでした。

 なお、1918年、彼はかねてから恋仲にあった相馬夫妻の娘、俊子と結婚し、1923年には日本に帰化。中村屋が1927年に喫茶部を新設する際、相馬夫妻に本格的なインドカレーを出すよう強く進言し、みすから、同店の名物メニューとなった“純インド式カリー・ライス”の開発にも関わりました。

 その後、日英間の緊張が高まると、“中村屋のボース”は日本政府や軍部とのコネクションもあり、インド国外における独立運動の有力者の1人となります。さらに、1941年12月の日英開戦後、日本が占領したマレーやシンガポールでは、捕虜となった英印軍将兵の中から志願者を募ってインド国民軍が編制され、モーハン・シンがその司令官に就任します。これと前後して、ラス・ビハリ・ボース率いる“印度独立連盟”と、同じくシンガポールやバンコクを拠点に独立運動を行っていた“インド独立連盟”が合流してインド独立連盟が設立され、ラス・ビハリ・ボースは初代議長に就任しています。

 しかし、インド国民軍の司令官に就任したシンにはその地位に見合った能力がなく、軍内は混乱。このため、インド独立連盟はインド国民軍を管轄下に収めて、シンを司令官から罷免して事態を乗り切ろうとしましたが、その過程で、ラス・ビハリ・ボースはすっかり消耗して体調を崩してしまいます。そして、1943年7月4日、シンガポールで開催されたインド独立連盟総会において、ラス・ビハリ・ボースは、インド独立連盟総裁とインド国民軍の指揮権をスバス・チャンドラ・ボースに移譲し、自らはインド独立連盟の名誉総裁となりました。

 その後、ラス・ビハリ・ボースとチャンドラ・ボースは日本政府の援助を受けてシンガポールに自由インド仮政府を樹立。ラス・ビハリ・ボースも、同政府首班のチャンドラ・ボースとともにその指導者の1人となりましたが、1945年1月21日、体調の悪化により日本で客死。日本政府はその死に際し、勲二等旭日重光章を授与してラースの功績を称えました。なお、同年6月の沖縄戦では、長男で陸軍中尉だった防須正秀も戦死しています。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 印、火星探査機の打上げ成功
2013-11-06 Wed 10:48
 インド宇宙研究機構(ISRO)は、きのう(5日)、南東部チェンナイ近郊にあるサティシュ・ダワン宇宙センターから、同国初の火星探査機を打ち上げに成功しました。これまでに火星探査を成功させたのは米航空宇宙局(NASA)と旧ソ連、欧州宇宙機関(ESA)のみで、今回の探査機が予定通り来年9月には火星の周回軌道に達すれば、アジア初の快挙となります。という訳で、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       インド最初の人工衛星

 これは、1975年、インド最初の人工衛星アリヤバータの打ち上げ成功を記念してインドが発行した切手です。

 インドの宇宙開発は、1961年、科学技術の発展を重視していたネルー首相が、原子力省を宇宙研究開発の担当と決め、翌1962年に物理学者ヴィクラム・サラバイを長とするインド国立宇宙研究委員会 (INCOSPAR) を立ち上げたことで本格的にスタートしました。

 インドにおけるロケット開発の歴史は古く、19世紀のマイソール戦争(イギリスとインド南部の藩王国マイソールとの戦争)では、マイソール側はロケット花火を使ってイギリスを攻撃。ここからヒントを得たイギリス陸軍が、原初的な形態のロケット・ランチャー(コングリーブ・ロケット)を開発したという歴史もあります。英領インド帝国時代に、シッキム藩王国でロケット・メールが試験的に行われたのも、そうした背景があったためです。

 しかし、独立後のインドの宇宙開発は、弾道ミサイル技術を発展させて宇宙ロケットの技術を獲得するのではなく、当初から、人工衛星の打ち上げを目標としていました。その背景には、開発責任者のサラバイが、NASAの通信・放送衛星に関する研究に参加した経験から、軍用よりも民生用の衛星ロケットの開発に関心を持っていたという事情があったといわれています。

 サラバイは、研究の最初の目標として、放送衛星とその打上機(SLV)の開発を目指し、ケーララ州に設けられたトゥンバ赤道ロケット打上基地(TERLS)では、観測ロケットの打ち上げを繰り返しました。

 サラバイは1971年に亡くなりますが、その4年後の1975年、インド初の人工衛星として打ち上げられたのが、今回ご紹介の切手に取り上げられたアリヤバータです。ちなみに、アリヤバータは、西暦5-6世紀のグプタ朝の時代に活躍した数学者・天文学者で、23歳の時に書いたとされる『アーリヤバティーヤ』は、地動説にたつ宇宙モデルを提示するなど、当時としてはきわめて革新的な内容でした。

 人工衛星のアリヤバータは、X線天文学、超高層大気学、太陽物理学の実験を行うために制作されたもので、制作はインドが独自に行いましたが、1975年4月19日の打ち上げは、インド自前のSLVによってではなく、ソ連によってカプースチン・ヤールからコスモス3Mロケットで打ち上げられました。衛星は、軌道到達の4日後には、電力問題によって実験を中断せざるを得なかったのですが、それでも、インドの宇宙開発史の華々しい成果として、その雄姿は、1976年から1997年まで、2ルピー紙幣の裏面に使用されていました。

 なお、インドが自前のSLVによる衛星の打ち上げに成功したのは1980年のことで、2008年には無人探査機を月の軌道に乗せることに成功しています。今後、インドの宇宙開発計画では、2016年には有人宇宙船の打ち上げを目指すとされており、それが成功した暁には、インド人宇宙飛行士の切手が発行されることはほぼ確実と思われます。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★

 『蘭印戦跡紀行』広告

 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。
 
 また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


 ★★★  絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩  ★★★

 2014年1月11日・18日・2月8日のそれぞれ13:00-15:00、文京学院大学生涯学習センター(東京都文京区)で、「絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩」と題する講座をやります。(1月18日は、切手の博物館で開催のミニペックスの解説)

 新たに富士山が登録されて注目を集めるユネスコの世界遺産。 いずれも一度は訪れたい魅力的な場所ばかりですが、実際に旅するのは容易ではありません。そこで、「小さな外交官」とも呼ばれる切手や絵葉書に取り上げられた風景や文化遺産の100年前、50年前の姿と、講師自身が撮影した最近の様子を見比べながら、ちょっと変わった歴史散歩を楽しんでみませんか? 講座を受けるだけで、世界旅行の気分を満喫できることをお約束します。

 詳細はこちら。皆様の御参加を、心よりお待ちしております。


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は12月3日(原則第1火曜日)で、以後、1月7日、2月4日、3月4日に開催の予定です。時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 世界漫郵記:ゴア④
2013-01-29 Tue 10:49
 『キュリオマガジン』2013年2月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記 インド西海岸篇」は、前回に引き続き、ゴアの4回目。今回は、第二次大戦中の交換船の寄港地としても知られるモルムガオ港にスポットを当てました。その記事で使ったモノの中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

        シヴァージー即位300年

 これは、1974年にインドが発行したシヴァージー即位300年の記念切手です。        

 ゴアを支配したポルトガル人が、現在のモルムガオの地に要塞化された港の建設を始めたのは、1624年のことでした。

 ポルトガル以前にこの地を支配していたビジャープルのスルタン(イスラム系の地方君主)は失地回復の機会を虎視眈々と狙っており、しばしばモルムガオに攻撃をしかけました。また、新興勢力のオランダが徐々にポルトガルの覇権を脅かすようになり、1640年から43年にかけて、モルムガオもオランダに占領されています。

 何とか、オランダ軍を追い払ったポルトガル人でしたが、1683年にはヒンドゥーの王を戴くマラーター王国が攻めてきました。

 マラーター王国は、アラビア海に面したインド西部、ムンバイを中心とする現在のマハーラーシュトラ州の地域を拠点として、マラーター族の指導者、チャトラパティ・シヴァージーが1674年に建国した国家(今回ご紹介の切手はそこから起算して300年になるのを記念して発行されました)で、ヒンドゥー教を精神的な支柱として、イスラム王朝のムガル帝国に抵抗していました。

 建国の王、シヴァージーは1680年に亡くなり、後を継いだ息子のサンバージーの猛攻により、1683年にはモルムガオも陥落寸前に追い込まれます。ところが、アウラングゼーブ帝ひきいるムガル帝国の軍勢がマラーター王国に対する攻撃を強めたことから、サンバージーの軍もモルムガオからの撤退し、辛くもポルトガルの支配が維持されることになりました。

 なお、現在のモルムガオの街区は、マラーター王国の脅威が去った後の1685年以降、イエズス会士を中心に建設されたものがベースとなっています。

 さて、「郵便学者の世界漫郵記」ですが、2012年1月号から14回続いたインド・西海岸篇は今回で終了し、次回・2013年3月号からは新たにインドネシア篇がスタートします。引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします。


 【世界切手展BRASILIANA 2013のご案内】

 僕が日本コミッショナーを仰せつかっている世界切手展 <BRASILIANA 2013> の作品募集要項が発表になりました。国内での応募受付は2月1―14日(必着)です。詳細はこちらをご覧ください。


 ★★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★★

         『喜望峰』表紙画像
 
  『喜望峰:ケープタウンから見る南アフリカ』

  いままでなかった喜望峰とケープタウンの物語
  美しい風景とウンチク満載の歴史紀行!!     

 アマゾンセブンネット版元ドットコム楽天ブックスe-honhmvhontoJBOOKlivedoor BOOKSなどで好評発売中!
 
 なお、本書をご自身の関係するメディアで取り上げたい、または、取り上げることを検討したい、という方は、是非、ご連絡ください。資料を急送いたします。

 
 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 世界漫郵記:コーチン⑦
2012-09-27 Thu 23:31
 『キュリオマガジン』2012年10月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記 インド西海岸篇」は、前回に引き続き、コーチン(コーチ)の7回目です。その記事で使ったモノの中から、こんなモノをもってきてみました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

       カターカリ(1975)     カターカリ(実物)

 左の切手は、1975年にインドで発行された古典芸能の切手のうち、カターカリを取り上げた1枚です。右側には、去年、僕がコーチンで実際に見たカターカリの一場面の画像を貼っておきました。

 ケーララの古典舞踊劇として知られるカターカリのルーツは西暦2世紀の寺院の儀式にまでさかのぼるといわれてます。

 すなわち、世界最古の演劇の一つとされる呪術劇のクリヤッタムやクリシュナッタム(ヒンドゥーの神、クリシュナを題材にした舞踏劇)、カラリパヤットという武術の要素が加わり、西暦1500年頃に現在のようなスタイルのものとして確立。藩王をはじめ有力者の庇護を得て発展したものです。

 劇のストーリーはラーマ王子やクリシュナの神話に基づいており、本来は夜通し演じられるものですが、現在では2時間程度に圧縮されたダイジェスト版も演じられています。また、台詞やナレーションなどの言葉に相当する部分は歌で表現されますが、伴奏は打楽器のみというのも特徴のひとつです。

 舞踊劇としてのカターカリでは、ムドラー(指や手の動き)で物語を表現し、顔の筋肉を動かしてナヴァラサ(9種類の感情)を表現。これに、ストーリーとは直接関係なく、純粋にステップや肉体の動きを見せるためのヌリッタ(“純粋舞踊”とも訳される)が組み合わされることで、物語が表現されていきます。

 しかし、カターカリの最大の特徴といえば、なんといっても独特のメイクと衣装でしょう。最も有名なのはパッチャとよばれるもので、顔の色は高貴さを示す緑色で、目と眉毛は黒く、口は赤く塗られており、物語の主人公(高貴な心の英雄)を示すスタイルとなっています。なお、顔の周囲につけられている頬型は、ライス・ペーパーを段々になるように貼りあわせて作られたものです。

 さて、今回の連載記事では、実際のカターカリの演目についてもご紹介しながら、カターカリ関連のマテリアルをいろいろとご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ雑誌の実物を手にとってご覧いただけると幸いです。

 
 ★★★ 内藤陽介、カルチャーセンターに登場 ★★★
   
 10月から、下記の通り、首都圏各地のよみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)で8月の韓国取材で仕入れたネタを交えながら、一般向けの教養講座を担当します。詳細につきましては、青色太字をクリックしてご覧いただけると幸いです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。(掲載は開催日順)

 T-moneyで歩くソウル歴史散歩 
・よみうりカルチャー荻窪
 10月2日、10月30日、12月4日、1月29日、2月5日、3月5日 13:00-14:30

 * 10月2日は公開講座として、お試し聴講も可能です。
 
・よみうりカルチャー北千住
 10月17日、12月19日、1月16日、2月20日、3月20日 13:00-15:00


 ★★★★ 電子書籍で復活! ★★★★

 歴史の舞台裏で飛び交った切手たち
 そこから浮かび上がる、もうひとつの昭和戦史

         切手と戦争

   『切手と戦争:もうひとつの昭和戦史』
    新潮社・税込630円より好評配信中!
    出版元特設HPはこちらをクリック

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 大工大の衛星、印で打ち上げ
2012-09-10 Mon 14:50
 インド南部アンドラプラデシュ州のサティシュダワン宇宙センターで、きのう(9日)、大阪工業大学の学生が中心となって製作した小型衛星などを載せたロケットがインド宇宙研究機構によって打ち上げられ、きょう(10日)、軌道に乗ったことが確認されました。今回の打ち上げは、インドの宇宙ミッションとしては記念の100回目だそうです。というわけで、きょうは、この切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       サラバイ

 これは、1972年にインドで発行されたヴィクラム・サラバイ没後1周年の追悼切手です。

 インドの宇宙開発は、1961年、科学技術の発展を重視していたネルー首相が、原子力省を宇宙研究開発の担当と決め、翌1962年に物理学者ヴィクラム・サラバイを長とするインド国立宇宙研究委員会 (INCOSPAR) を立ち上げたことで本格的にスタートしました。

 インドにおけるロケット開発の歴史は古く、19世紀のマイソール戦争(イギリスとインド南部の藩王国マイソールとの戦争)では、マイソール側はロケット花火を使ってイギリスを攻撃。ここからヒントを得たイギリス陸軍が、原初的な形態のロケット・ランチャー(コングリーブ・ロケット)を開発したという歴史もあります。英領インド帝国時代に、シッキム藩王国でロケット・メールが試験的に行われたのも、そうした背景があったためです。

 しかし、独立後のインドの宇宙開発は、弾道ミサイル技術を発展させて宇宙ロケットの技術を獲得するのではなく、当初から、人工衛星の打ち上げを目標としていました。その背景には、開発責任者のサラバイが、NASAの通信・放送衛星に関する研究に参加した経験から、軍用よりも民生用の衛星ロケットの開発に関心を持っていたという事情があったといわれています。

 サラバイは、研究の最初の目標として、放送衛星とその打上機(SLV)の開発を目指し、ケーララ州に設けられたトゥンバ赤道ロケット打上基地(TERLS)では、観測ロケットの打ち上げを繰り返しました。

 今回ご紹介の切手には、サラバイの肖像の背景に、密林から打ち上げられるロケットの図が描かれていますが、当時のTERLS周辺の風景はこのようなものだったのかもしれません。また、ロケットの脇にはオリーブを加えるハトの絵も描かれており、インドの宇宙開発が、あくまでも平和目的のものであることも強調されています。

 なお、インドが最初の人工衛星打上に成功するのはサラバイの死から4年後の1975年のことでした。ただし、このときの衛星アーリヤバタは、インド自前のSLVによって打ち上げられたものではなく、ソ連のロケットによるものでした。インドが自前のSLVによる衛星の打ち上げに成功したのは1980年のことで、ここにいたり、ようやくインドの宇宙開発は本格的に開幕。きのう、100回目のミッションを達成したというわけです。

 ちなみに、インドの現政権は宇宙開発に積極的で、来年には火星探査機の打ち上げも予定されているのだとか。友好国として、素直に頑張っていただきたいと思いますな。


 ★★★ 内藤陽介、カルチャーセンターに登場 ★★★
   
 9月下旬から、下記の通り、首都圏各地のよみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)で8月の韓国取材で仕入れたネタを交えながら、一般向けの教養講座を担当します。詳細につきましては、青色太字をクリックしてご覧いただけると幸いです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。(掲載は開催日順)

 公開講座 ソウル・国立中央博物館へ行ってみよう
・よみうりカルチャー北千住 9月19日(水)13:00-15:00

 T-moneyで歩くソウル歴史散歩 
・よみうりカルチャー荻窪
 10月2日、10月30日、12月4日、1月29日、2月5日、3月5日 13:00-14:30
 
・よみうりカルチャー北千住
 10月17日、12月19日、1月16日、2月20日、3月20日 13:00-15:00


 ★★★★ 電子書籍で復活! ★★★★

 歴史の舞台裏で飛び交った切手たち
 そこから浮かび上がる、もうひとつの昭和戦史

         切手と戦争

   『切手と戦争:もうひとつの昭和戦史』
    新潮社・税込630円より好評配信中!

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 世界漫郵記:コーチン⑤
2012-07-24 Tue 10:13
 『キュリオマガジン』2012年8月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記 インド西海岸篇」は、前回に引き続き、コーチン(コーチ)の5回目です。その記事で使ったモノの中から、こんなモノをもってきてみました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

       聖トマス没後1900年     教会で祈る女性(コーチン)

 左は、1972年にインドで発行された聖トーマス没後1900年の記念切手です。右側には、コーチンのアワー・レディ・オブ・ライフ教会内で祈る女性たちの画像を貼っておきます。

 インドにキリスト教を伝えたのは、イエスの使徒のひとり、トマスだったと伝えられています。トマスは、西暦52年、布教のためにコーチンの北方40キロのクランガノール(コドゥンガール)に上陸し、マラバル海一帯に7つの教会を設立した後、東海岸に向かい、マドラス(チェンナイ)郊外のマイラポールで客死したとされています。

 その後、345年に商人としてこの地を訪れたシリア出身のクナイ・トマンは、現地でクリスチャンを自称する人々に会いましたが、彼らの信仰は“正しいキリスト教”とは似て非なるものでした。このため、トマンはエデッサ(現トルコ領ウルファ)の東シリア教会の主教に状況を報告し、主教の支持の下、エデッサやエルサレムなどからケーララへ移住するキリスト教徒を募集。これに応じた72家族400名がクランガノールに移住し、以後、ケーララに東シリア教会の信仰が広まりました。

 ところで、451年のカルケドン公会議では、いわゆる単性説(キリストの人性は受肉によって神性に融合され、キリストは神性のみを持つことになったとする)が異端として排除されますが、これに伴い、単性説とみなされた一派として、シリア正教会があります。シリア正教会は、聖書の使徒言行録にも登場するアンティオキア教会の直系を称し、イエスが話していたアラム語(古代シリア語)を用い、古代教会で使用されていた典礼によって礼拝を行うなど、現在でも古代キリスト教会の姿を色濃く残していますが、自説(ただし、彼らは自説を“単性説”であるとは考えていません)を撤回せず、主流派教会から分離することになりました。
 
 カルケドン公会議で単性説が異端として排除されると、単性説を主張するネストリウス派の一部はペルシャに逃れましたが、ペルシャがイスラム化すると、彼らの一部はさらにケーララに逃れて、在地のキリスト教徒と合流。こういうこともあって、古くからのケーララのキリスト教徒は“シリア・クリスチャン”と呼ばれることになりました。

 16世紀、香辛料と布教の場を求めてケーララにやってきたポルトガル人は、“異端”のキリスト教が広まっていることを憂慮し、シリア・クリスチャンをカトリックに改宗させようと、1599年にはコーチンの南14キロの地点にあるディアンパー(ウダヤンペルール)で公会議を開催。シリア・クリスチャンの“誤り”を正し、教会のラテン化を進めることを決議します。これにより、妻帯を続ける聖職者は破門され、教会内のアラム語で書かれた“異端”の書は焼き捨てられるとともに、ポルトガル人司教が採用され、教会の典礼もことごとく変更されました。

 しかし、ポルトガル人による強引な“改宗”に反発するシリア・クリスチャンも多く、そうした人々は、自分たちの伝統的典礼の継続とカトリックに代わる宗教的権威を求めます。これに応じるかたちで、1653年、バビロンのヤコブ派(6世紀の神学者ヤコボス・バラダイオスに由来するシリア正教の一派)総主教は主教のアハタッラをケーララに派遣しました。

 これに対して“異端”の側からの巻き返しを恐れたポルトガル人はケーララに到着したアハタッラを拘留し、殺害。当然のことながら、シリア・クリスチャンはポルトガル人の仕打ちに激怒し、以後、いっさいカトリックの大司教には従わないことを宣言。シリア・クリスチャンはカトリックとヤコブ派に分裂しました。

 今回訪れたコーチンのアワー・レディ・オブ・ライフ教会は、そうしたシリア正教会の教会で、最初に建立された年代は定かではありませんが、現在の建物は1808年のものがベースになっているそうです。僕が訪ねた時は、ちょうどミサが行われていて、右側の画像にみられるように、色とりどりの民族服姿の女性が跪いて祈りをささげていました。

 さて、今回の記事では、コーチンのアワー・レディ・オブ・ライフ教会を訪ねた時のことを中心に、周辺のスパイス・マーケットの話なども交えてご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、『キュリオマガジン』2012年8月号をお手に取り、ご覧いただけると幸いです。
 
 * 昨日(23日)、カウンターが107万PVを越えました。いつも閲覧していただいている皆様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。

 【アジア国際切手展SHARJAH 2012のご案内】

 僕が日本コミッショナーを仰せつかっているアジア国際切手展 <SHARJAH 2012> の作品募集要項が発表になりました。国内の応募〆切は8月3日です。くわしくはこちらをご覧ください。


 ★★★ 内藤陽介・韓国進出! ★★★

   『韓国現代史』の韓国語訳、出ました
    
       韓国現代史・韓国語版
     우표로 그려낸 한국현대사
    (切手で描き出した韓国現代史)

     ハヌル出版より好評発売中!


    米国と20世紀を問い直す意欲作

       切手、歴史を送る(正面)
       우표,역사를 부치다
       (切手、歴史を送る)

      延恩文庫より好評発売中!

 *どちらも書名をクリックすると出版元の特設ページに飛びます。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 今夜、デリーを発ちます
2011-02-22 Tue 14:00
 早いもので、今回のインド滞在もきょう(22日)で最終日となりました。きょうは現地時間21時過ぎのエア・インディアでデリーを発つ予定です。というわけで、この切手をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        インド・国際航空25年

 これは、1973年にインドが発行した国際航空25周年の記念切手で、尾翼方向から見たボーイング747-100型のエア・インディア機が描かれています。

 エア・インディアの前身は、イギリス植民地時代の1932年にタタ財閥のジャハンギール・ラタンジ・ダーダーバーイ・タタが知人のネヴィル・ヴィンセントとともに設立した“タタ航空”です。なお、ジャハンギールは1904年にパリで生まれましたが、高校時代から航空学に興味を示しており、パイロットを目指していたものの、父親の仕事の都合でムンバイへ移って財閥の御曹司として帝王学を学んだという経緯があります。

 タタ航空は、当初は国内線のみの運航で、イギリス製のデ・ハヴィランド・プス・モスなどを使用していましたが、第二次大戦後の1946年に現在のエア・インディアに社名を変更。さらに、独立後の1948年にインド政府との半官半民のフラッグ・キャリアになり、国際線へも進出しました。今回ご紹介の切手は、ここから起算して25周年を記念して発行されたものです。

 ちなみに、エア・インディア機は、1979年に翌年の国際展INDIA80のプロモーションのために発行された切手にも取り上げられいます。

 さて、僕の乗る飛行機は、予定では、明朝8時頃には成田に着く予定です。したがって、お昼ごろには自宅にたどり着いていると思います。留守中、ご不便をおかけした皆様には、もうしばらく、ご猶予をいただきますよう、よろしくお願いいたします。


  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

        マカオ紀行・表紙カバー

   マカオ紀行:世界遺産と歴史を歩く
       彩流社(本体2850円+税) 

   マカオはこんなに面白い!
   30の世界遺産がひしめき合う街マカオ。
   カジノ抜きでも楽しめる、マカオ歴史散歩の決定版!
   歴史歩きの達人“郵便学者”内藤陽介がご案内。

 全国書店・インターネット書店(amazonbk1boox storeconeco.netDMM.comHMVJBOOKlivedoor BOOKSYahoo!ブックスカラメル紀伊国屋書店BookWebゲオEショップジュンク堂セブンネットショッピング丸善楽天ブックスなど)で好評発売中! 

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 きょうから<INDIPEX 2011>
2011-02-12 Sat 11:53
 きょうからインドのデリーで、世界切手展<INDIPEX 2011>がスタートします。午前中のオープニング・セレモニーは招待者しか参加できないということなので、僕はセレモニー終了後の午後から会場に行き、きのう搬入した作品が無事に飾られていることを確認してくるつもりです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        プラガッティ・マイダン     

 これは、1989年の世界切手展<INDIA 89>のプロモーションのため、1986年にインドで発行された切手で、今回の切手展会場にもなっているプラガッティ・マイダンが描かれています。

 プラガッティ・マイダンは、1982年にオープンした総合展示・会議場で、展示施設としては現在なおデリー最大の規模を誇っています。この施設での最初のイベントは、同年、開催された国際交易フェアでした。なお、プラガッティ・マイダンというと、ホール2・3・4・5を連結した建物か、Hall of Nations'と名付けられたホール6が有名で、写真などにもよく取り上げられますが(切手もこのどちらかだと思います)、今回の切手展の会場は別の建物です。その正面入り口のゲートはこんな感じでした。

        インド展入口

 ちなみに、プラガッティ・マイダンとは、直訳すると“進歩の大地”という意味なのだとか。その名前にあやかり、今回の出品をステップとして、夏の横浜展(出品を申し込んだものの、現時点では、実際に出品が認められるかどうかは不明ですが…)へ向けて僕のコレクションも多少は進歩させたいものですな。
 

  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

        マカオ紀行・表紙カバー

   マカオ紀行:世界遺産と歴史を歩く
       彩流社(本体2850円+税) 

   マカオはこんなに面白い!
   30の世界遺産がひしめき合う街マカオ。
   カジノ抜きでも楽しめる、マカオ歴史散歩の決定版!
   歴史歩きの達人“郵便学者”内藤陽介がご案内。

 全国書店・インターネット書店(amazonbk1boox storeconeco.netDMM.comHMVJBOOKlivedoor BOOKSYahoo!ブックスカラメル紀伊国屋書店BookWebゲオEショップジュンク堂セブンネットショッピング丸善楽天ブックスなど)で好評発売中! 

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 着印(インドに着きました)
2011-02-11 Fri 11:22
 きのう(10日)の記事にも書きましたが、現在、世界切手展<INDIPEX 2011>に参加のため、インドのデリーに来ています。

 デリーに来るのは1997年12月以来、13年ぶりのことで、昨年(2010年)7月14日に開業したインディラ・ガンディー国際空港の国際線新ターミナルを利用するのはもちろん初めてのことですが、特に、さまざまな印相(仏の手のかたち)を配した斬新なデザインの入国審査場が特に印象に残っています。(以下、画像はクリックで拡大されます)

       デリー空港・印相(1)     デリー空港・印相(2)

 これを見て、僕が思いだしたのが下の切手です。 

        インド・国際展1972

 これは、1972年にインド・デリーで開催された国際切手展<asia 72>の記念切手で、施無畏印が描かれています。施無畏印は、手を胸の前に上げ、掌を正面に向けた姿勢のことで、人々を安心させ、恐れを取り除く身振りとされています。

 今回の切手展に出品した作品の評価もさることかがら、これから23日に帰国するまでのインド旅行については、いろいろと不安な面も多く、心細い点も少なからざるのですが、弱気の虫が頭をもたげそうになったら、今回ご紹介した切手や空港のオブジェ等を思い出し、乗り切っていきたいものです。

 なお、仏像に表現されたさまざまな印相については、拙著『切手が伝える仏像』でもいろいろご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。
   
  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

        マカオ紀行・表紙カバー

   マカオ紀行:世界遺産と歴史を歩く
       彩流社(本体2850円+税) 

   マカオはこんなに面白い!
   30の世界遺産がひしめき合う街マカオ。
   カジノ抜きでも楽しめる、マカオ歴史散歩の決定版!
   歴史歩きの達人“郵便学者”内藤陽介がご案内。

 全国書店・インターネット書店(amazonbk1boox storeconeco.netDMM.comHMVJBOOKlivedoor BOOKSYahoo!ブックスカラメル紀伊国屋書店BookWebゲオEショップジュンク堂セブンネットショッピング丸善楽天ブックスなど)で好評発売中! 

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 切手で巡る庭園散歩:ロック・ガーデン
2010-03-13 Sat 21:29
 (財)建設業振興基金の機関誌『建設業しんこう』の3月号が出来上がりました。僕が担当している連載「切手で巡る庭園散歩」では、今月はこの1枚をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ロックガーデン

 これは、1983年にインドで発行されたロック・ガーデンの切手です。

 インド北部のパンジャブ州は1947年にインドとパキスタンが分離独立したことで分断され、英領時代の州都ラホールはパキスタン領となりました。このため、インド側はフランスの建築家ル・コルビジェに依頼して新州都チャンディーガルを建設します。

 この地の交通局員だったネック・チャンドは、1951年から、新州都の建設に際して生じた大量の廃材を拾い集めて大量のオブジェを造り、それらを公有地に無断で配置。木を植え、水を引いて広大な庭園をひそかに造っていました。これが、ロック・ガーデンです。

 1975年、“秘密庭園”を発見した市当局は、公有地を不法占拠したかどでチャンドを処罰しようとしましたが、あまりにも壮大なスケールのオブジェと造園に驚嘆した市民の多くがチャンドを支持。このため、当局もロック・ガーデンを正式に認可せざるを得なくなりました。

 現在、ロック・ガーデンは観光名所となり、その独特の景観を楽しみにやってくる観光客は、市の財政に大いに寄与しています。今回ご紹介の切手では、園内の彫刻の一部が取り上げられただけですが、その独特の雰囲気は十分に伝わってきます。

 さて、1年間続いた「切手で巡る庭園散歩」は今回で最終回です。ご愛読いただいた皆様には、この場をお借りしてお礼申し上げます。4月以降の『しんこう』では、別のテーマでの新連載がスタートしますので、引き続き、ご贔屓のほど、よろしくお願いいたします。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

  総項目数552 総ページ数2256  
  戦後記念切手の“読む事典”(全7巻) ついに完結!

      昭和終焉の時代  『昭和終焉の時代』 日本郵趣出版 2700円(税込)

 2001年のシリーズ第1巻『濫造濫発の時代』から9年。<解説・戦後記念切手>の最終巻となる第7巻は、1985年の「放送大学開学」から1988年の「世界人権宣言40周年年」まで、NTT発足や国鉄の分割民営化、青函トンネルならびに瀬戸大橋の開通など、昭和末期の重大な出来事にまつわる記念切手を含め、昭和最後の4年間の全記念・特殊切手を詳細に解説。さらに、巻末には、シリーズ全7巻で掲載の全記念特殊切手の発行データも採録。

 全国書店・インターネット書店(amazonbk1JBOOKlivedoor BOOKS7&Y紀伊国屋書店BookWebゲオEショップ楽天ブックスなど)で好評発売中!

別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 インドの鳩
2009-12-30 Wed 10:33
 きのう(29日)、鳩山首相がニューデリーでインドのシン首相と会談しました。というわけで、きょうは“インドの鳩”の切手です。(画像はクリックで拡大されます)

     インドIAEA 1979

 これは、1979年に発行された第13回国際原子力機関(IAEA)総会の記念切手で、原子力の平和利用の象徴としてオリーブを加える鳩が描かれています。

 インドにおける原子力開発の歴史は古く、1945年8月、広島と長崎に原子爆弾が投下され、第二次世界大戦が終結すると、早くも同年12月、インドでは物理学者のホミ・バーバらの働きかけにより、原子力開発研究を行うための民間機関として“タタ基礎研究所”が設立されています。

 1947年8月、インドは独立を達成しますが、すでに2か月前の6月にはインド原子力庁が設立されており、翌1948年の原子力法の制定を経て、同年8月には原子力委員会が発足。委員長にはバーバが就任しました。なお、こうした原子力開発のための組織は、1954年に大幅に改編され、原子力庁が原子力省に昇格したほか、タタ基礎研究所の原子力基礎研究部門は独立して原子力研究施設(バーバ没後の1967年にバーバ原子力研究センターと改称)になっています。

 インド原子力の父とも呼ばれるバーバのプランでは、インドの原子力開発は、

 第1段階 天然ウラン重水炉発電。燃料再処理によるプルトニウム生産
 第2段階 プルトニウムを燃焼増殖。途中から重水炉と高速炉にトリウムを装荷し、ウラン233の生産を始める
 第3段階 最終的にトリウム・サイクルを確立する
 
 という段階を経て進められることになっており、1969年にまず、原子力発電所の1・2号基が稼動しています。ちなみに、現在、インドの原発は17基が稼動しており、バーバのプランの第2段階の最終局面として、2010年までに500MW高速増殖炉を完成させる水準にまで到達しています。

 こうした平和利用と並行して、インドは“必要悪”としての核兵器の開発にも早くから取り組み、1974年には最初の核実験も成功させています。

 その背景には、1959年から1962年まで3年間続いた中国との国境紛争での屈辱的な敗北に加え、1964年に中国が核実験を行い、さらに、1970年の核拡散防止条約(NPT)発効で核保有国が米英ソ中仏の5ヵ国に限定されたことに対する不満がありました。すなわち、核兵器は究極的には廃絶すべきであるが、現実にインドに脅威を与える国(中国)が核兵器を保有している以上、みずから核武装する権利はインドにもあるはずだ、というスタンスです。

 1995年、NPTは条約発効から25年を迎え、無期限延長が決定されましたが、インドにしてみれば、その不平等な性格は全く変化しておらず、しかも核保有国の保有する核兵器についての廃絶の見通しや削減義務が盛り込まれていないという点で、加盟に値するものとは言えません。

 今回の訪印で、鳩山首相は、インドのシン首相に包括的核実験禁止条約(CTBT)早期締結を要請したものの、シン首相から「米中両国が署名すれば新たな状況になる」とあっさりかわされたそうですが、上述のような歴史的経緯を考えれば、我らが首相の要請なるものはいかにも能天気で国民として恥ずかしくなりますな。


 ★★★ イベントのご案内 ★★★

 下記の日程で、拙著『昭和終焉の時代』の即売・サイン会(行商ともいう)を行います。入場は無料で、当日、拙著をお買い求めいただいた方には会場ならではの特典をご用意しておりますので、よろしかったら、遊びに来てください。

 1月10日(日) 切手市場 於・桐杏学園(東京・池袋) 10:15~16:30
 詳細はこちらをご覧ください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

  総項目数552 総ページ数2256  
  戦後記念切手の“読む事典”(全7巻) ついに完結!

      昭和終焉の時代  『昭和終焉の時代』 日本郵趣出版 2700円(税込)

 2001年のシリーズ第1巻『濫造濫発の時代』から9年。<解説・戦後記念切手>の最終巻となる第7巻は、1985年の「放送大学開学」から1988年の「世界人権宣言40周年年」まで、NTT発足や国鉄の分割民営化、青函トンネルならびに瀬戸大橋の開通など、昭和末期の重大な出来事にまつわる記念切手を含め、昭和最後の4年間の全記念・特殊切手を詳細に解説。さらに、巻末には、シリーズ全7巻で掲載の全記念特殊切手の発行データも採録。

 全国書店・インターネット書店(amazonbk1JBOOKlivedoor BOOKS7&Y紀伊国屋書店BookWebゲオEショップ楽天ブックスなど)で好評発売中!

 * 現在、在庫切れが続いてご迷惑をおかけしております。年明け5日頃には解消される予定ですので、ご了承ください。
別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 足首の刺青
2009-08-09 Sun 13:10
 きょうもメディアは覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された酒井法子容疑者の話題でもちきりですが、ニュースを見ていたら、彼女が足首に入れていたという刺青のデザインがちょっと気になったので、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 スワミ・シヴァナンダ   足首の刺青

 左の画像は、1986年9月8日にインドで発行されたスワミ・シヴァナンダ生誕100周年の記念切手とその初日印です。ここでご注目いただきたいのは、切手そのものよりも初日印のほうで、蓮と宝珠、梵字の“オーム”の組み合わせは、右の画像の酒井容疑者の刺青(産経新聞のサイトから拝借しました)と基本的に同じものです。なお、初日印の画像では梵字のオームがちょっと見づらいので、何か良い画像はないかと探してみたら、アメリカのPスタンプを作っているザズル社のサンプルに、はっきりとわかるモノがありましたので、ついでに下に貼っておきます。

 オーム(梵字)

 さて、スワミ・シヴァナンダは、1887年9月8日、南インド・タミルナドゥ州のパッタマダイ村の裕福かつ敬虔なバラモンの3男として生まれました。大学でタミル文学を学んだ後、タンジョール医科大学で西洋医学を修め、卒業後、マレーシアのゴム園に医師として赴任します。そこで過酷な労働と病に苦しむ人々と接するうちに、人々の肉体のみならず精神的な救済をも志すようになり、すべてを捨ててインドに帰り、ヨーガの行者としての修行の旅に出ました。

 放浪の末、ヒマラヤの麓のガンジス河沿いの寒村、リシケシに辿り着いた彼は、スワミ・ヴィシュワーナンダの下、修行を続け、1930年、悟りの境地に到達。以後、修行と布教に専念し、多くの弟子を育てました。名僧としての彼の評判は全インドにとどろき、弟子たちの尽力によって彼自身の僧院(シヴァナンダ・アシュラム)が開かれたのを皮切りに、1939年は精神活動ならびに奉仕活動の拠点としての“ディヴァイン・ライフ・ソサエティ”が設立され、インド独立後の1948年には、ヨーガ・ヴェーダーンタ・フォレスト・アカデミー大学もアシュラム内に設立されています。さらに、1953年には、同大学で「世界宗教者会議」を主催し、「真実は一つ、すべての宗教の教えも一つ。狭い心が不必要な争いを起こし、不幸をもたらしている」と演説するなど、インドの思想界に絶大な影響を与え、1963年7月14日に亡くなりました。

 初日印のデザインは、現代ヨーガの聖人・シヴァナンダにちなんでヨーガのマントラとしても唱えられる“オーム・マニパドメフーム(オーム、宝珠と蓮華よ、幸いなれ)”をイメージして蓮華と宝珠、オームの文字を組み合わせたもの。ヨーガのみならず、ひろくインド文化全般、さらにはチベット仏教などの関連ではしばしばみられるモノです。

 ちなみに、いわゆるドラッグ・カルチャーの世界では、ヨーガやチベット仏教の悟りの境地と薬物による幻覚と同一視する傾向がありますが、厳しい修行の末にようやく得られる(かもしれない)悟りの境地を、非合法のドラッグによって擬似体験しようとするのは、やはり、安直にすぎるわけで、インド文化やチベット仏教に対する冒涜と批判されてもしかたないでしょう。

 なお、“オーム・マニパドメフーム”を造形化したモノとしては、チベット仏教の六字観音が有名ですが、こちらについては、拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』でもご紹介しておりますので、機会がありましたら、ご覧いただけると幸いです。

 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★  
   
 異色の仏像ガイド決定版 
 全国書店・インターネット書店(アマゾンbk17&Yなど)・切手商・ミュージアムショップ(切手の博物館ていぱーく)などで好評発売中!

 切手が伝える仏像  『切手が伝える仏像:意匠と歴史』 彩流社(2000円+税)       

 300点以上の切手を使って仏像をオールカラー・ビジュアル解説
 仏像を観る愉しみを広げ、仏教の流れもよくわかる!
別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 インドの総選挙
2009-05-16 Sat 08:29
 4月16日から1ヶ月にわたり、5回に分けて投票が行われてきたインドの総選挙は、きょう(5月16日)、いよいよ開票です。香港展の会場にも、インド人がちらほらいますし、こんな切手を持ってきてみてもばちは当たらないでしょう。(画像はクリックで拡大されます)

 インド総選挙(1967)

 これは、1967年にインドが発行した“第4回総選挙”の切手です。があります。いわゆる記念切手というよりも、選挙の実施を広く周知し、国民に投票を呼び掛けるためのキャンペーン切手というべき性格のものといえましょう。

 インドは大統領を象徴的な国家元首とする議員内閣制ですから、総選挙の帰趨は政権の行方に直結します。

 インドの議会は連邦議会(上院・下院の2院制)と州議会で構成されており、国民の直接投票によって選ばれるのは各州議会や連邦下院の議員です。上院議員は各州議会から間接選挙で選ばれるほか、大統領の指名枠があります。上院は245議席、議員の任期は6年で、2年ごとに3分の1を改選、下院は545議席で任期5年(ただし、解散される場合もあります)となっています。

 下院の545議席のうち、2議席は大統領の指名枠で、アングロ・インディアン(植民地時代にイギリス人とインド人の間に生まれた人々とその子孫)に割り当てられ、残りの543議席がインド全土28州とデリー首都圏、6直轄領に1議席ずつ、残りは人口比に応じて配分する単純小選挙区制度(1選挙区1議席)となります。

 選挙区の区割りは前回(2004年)までは1977年に画定されたものがそのまま使われていましたが、今回は1票の格差を是正するため、499の選挙区で境界線が変更されました。ちなみに、長年にわたって選挙区の区割りが変更されなかったのは、単純に人口に比例した区割りとすると、連邦政府の方針に反して人口抑制策をとらない州が有利になるとの判断があったためです。

 また、社会的弱者に対する保護規定として、下院の543議席のうち、“指定カースト”に79議席、“指定部族”(山岳地帯などの少数貧困民族)に41議席が割り当てられています。

 なお、インドの識字率は現在でも65%程度にとどまっている(ただし、最も高いケーララ州で90%を超えているのに対して、最も低いビハール州では48%にとどまるなど、地域によって大きな開きがあります)ことに加え、多種多様な言語が用いられていることから、投票に際しては、有権者は支持する政党のシンボルマークにスタンプを押すという仕組みになっています。

 さて、今回ご紹介の切手が発行された1967年の総選挙では、与党の国民会議派が第一党を保ったものの、議席を大きく減らしましたが、今回はどうなりますかねぇ。ちなみに、選挙結果は、コンピューターを駆使して1日で結果が出ることになっているそうです。

 そういや、きょうはアジア国際切手展<HONG KONG 2009>の審査結果が発表される日ですが、僕としては、こちらの結果もかなり気になるところです。

 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★  
   
 異色の仏像ガイド決定版 
 全国書店・インターネット書店(アマゾンbk17&Yなど)・切手商・ミュージアムショップ(切手の博物館ていぱーく)などで好評発売中!

 切手が伝える仏像  『切手が伝える仏像:意匠と歴史』 彩流社(2000円+税)       

 300点以上の切手を使って仏像をオールカラー・ビジュアル解説
 仏像を観る愉しみを広げ、仏教の流れもよくわかる!
別窓 | インド:ガンディー母子時代 | コメント:2 | トラックバック:0 | top↑
| 郵便学者・内藤陽介のブログ | NEXT
<!-【↑2カラムテーブルここまで↑】-->
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/