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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 切手歳時記:小千谷縮
2024-06-09 Sun 03:00
 公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2024年6月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回は、衣替えの時季にちなんで、こんな1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      小千谷縮

 これは、1985年6月24日、伝統的工芸品シリーズの第4集として発行された“小千谷縮”の切手です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 6月10日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 6月14日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 7月4日(木) 19:00~ 日本ウイグル協会・追悼集会
 東京・四谷のTKPスター貸会議室 四谷2にて開催の緊急特別講演会「7.5ウルムチ虐殺から15年、中国のウイグル政策がどこへ向かうのか」(日本ウイグル協会主催)にて、「ウルムチ虐殺以降の中国のウイグル政策がどこに向かっているのか」と題して、内藤がお話します。参加無料。お申し込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 健大高崎が春夏通じて初の全国制覇
2024-04-01 Mon 02:54
 甲子園のセンバツ高校野球は、きのう(31日)、決勝戦が行われ、群馬の高崎健康福祉大高崎高校(健大高崎)が兵庫の報徳学園を3対2で下して初優勝しました。群馬県勢のセンバツ優勝は初の快挙です。というわけで、高崎にちなんで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      高崎観音とダルマ

 これは、1983年3月1日付の群馬・高崎局の風景印で、高崎のランドマークとして有名な高崎白衣大観音と高崎だるまが描かれています。観音像のある観音山が桜の名所であることから、風景印は桜の花も配したデザインになっているのが今の時季にもふさわしいと思い、選んでみました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 4月1日(月) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 4月12日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 4月26-28日(金-日) スタンプショウ 2024
 毎年恒例、東京・浅草で開催の世界切手祭り・スタンプショウの会期中、以下の日程でトークイベントを行います。事前予約不要・参加費無料ですので、ぜひご参加ください。なお、スタンプショウの詳細は主催者サイトをご覧ください。

 4月26日(金) 14:30-15:30 「セント・ジョージの龍退治:ソヴリン金貨と切手」
 4月27日(土) 11:00-12:00 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』出版記念講演
 4月27日(土) 12:30-13:30 「加賀・能登と戦後の記念切手」


 4月29日(月・祝) 謀略の世界史 特別編~リヒャルト・ゾルゲ
 毎月第1土曜日に開催している講座、「謀略の世界史」の特別編として、戦前の日本を震撼させたソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲについてお話しします。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。


 ★ 『今日も世界は迷走中』 オーディオブックに! ★

      今日も世界は迷走中audible

 拙著『今日も世界は迷走中』がAmazonのオーディオブック“Audible”として配信されました。会員登録すると、最初の1冊は無料で聴くことができます。お申し込みはこちらで可能です。

★ 『龍とドラゴンの文化史』 好評発売中!★

      龍とドラゴンの文化史・帯なし

 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 切手歳時記:うさぎおいし
2024-02-16 Fri 06:09
 公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2024年2月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回は、毎年2月15日前後に北信などで行われてきた“ウサギ追い”の習慣にちなんで、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      日本の歌・ふるさと

 これは、1979年11月26日、日本の歌シリーズ第2集として発行された「ふるさと」の切手です。

  詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 ちなみに、日本の歌シリーズの切手については、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 2月16日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 2月23日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

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 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

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 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 切手から見る世界と歴史:輪島塗
2024-02-09 Fri 04:21
 潮流社の雑誌『カレント』の2024年2月号が発行されました。僕の連載「切手から見る世界と歴史」は、今回は、元日に起きた令和6年能登半島地震で被災された方々のことを思いつつ、1枚をご紹介しました。(画像はクリックで拡大されます)

      輪島塗

 これは、1985年11月15日、伝統的工芸品シリーズの第6集として発行された”輪島塗”の切手です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(8日)のニッポンジャーナルの内藤出演回は無事に終了しました。次回は2月16日(金)に登場の予定です。引き続きよろしくお願いします。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 2月9日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 2月16日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

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      龍とドラゴンの文化史・帯なし

 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 切手歳時記:小春日和
2023-11-13 Mon 09:50
 公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2023年11月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回は陰暦10月(ことしは11月13日から12月12日まで)の異称“小春”にちなんで、小春日和の光景を描いた切手として、この1枚を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

      黒田清輝・舞妓

 これは、1980年5月12日、近代美術シリーズ第6集のうち、黒田清輝の「舞妓」を取り上げた切手です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。
 

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 11月17日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がゲスト出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 11月24日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 12/9、1/6、2/3、3/2 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

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      今日も世界は迷走中

 ウクライナ侵攻の裏で起きた、日本の運命を変える世界の出来事とは!内藤節炸裂。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 棟方志功生誕120年
2023-09-05 Tue 10:18
 1903年9月5日に棟方志功が生まれてから、ちょうど120年になりました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      弁財天妃の柵

 これは、1982年11月24日に発行された近代美術シリーズ第14集のうち、棟方志功の「弁財天妃の柵」を取り上げた1枚です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 9月8日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。
 
 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

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 ウクライナ侵攻の裏で起きた、日本の運命を変える世界の出来事とは!内藤節炸裂。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 あすから全日本切手展
2022-07-15 Fri 00:40
 あす(16日)から、東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)が開催されます。(以下、画像はクリックで拡大されます)

      全日展2022・小型印

 この画像は、今回の全日展の会場内の本所郵便局の臨時出張所で使われる小型印で、1982年に発行された“沖縄復帰10年”の記念切手(下の画像)のシーサーに近い雰囲気のデザインになっています。

      沖縄復帰10年

 本年は、沖縄の祖国復帰50周年という節目の年にあたっておりますので、沖縄切手の世界的な研究者・収集家として知られる石澤司さんのご協力により、明治・大正時代の沖縄の郵便物を特別出品として展示しております。小型印のモチーフも、それにちなんで選んでいます。会期・会場や入場料などの詳細については、下記「全日本切手展のご案内」の同展チラシ画像をクリックしてご覧ください。

 なお、小型印のモチーフとなっているシーサーについては、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 一人でも多くの皆様に会場でお会いできるのを楽しみにしております。


★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月16-18日(土-月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)が開催されます。全日本切手展のオフィシャルサイトおよびフェイスブックの特設ページ(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2022


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 7月17日(日) 全日本切手展2022でのトークイベント 
 11:00~ 「切手でたどる郵便創業150年の歴史」
 *5月に第3巻の平成・令和編を刊行し、シリーズとして完結した拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史』について、第3巻の内容を中心にお話するイベントです。

 15:00~ 「本当は恐ろしい! こわい切手」
 *7月20日にビジネス社から刊行予定の『本当は恐ろしい! こわい切手』の出版記念のトークイベントです。一般販売に先駆け、会場内では先行販売も行います。

 両イベントとも、事前予約不要・参加費無料(全日本切手展への入場料は必要)です。親イベントとなる切手展、全日本切手展の詳細は同展のオフィシャルサイトまたはフェイスブックの特設ページ(どなたでもご覧になれます)をご覧ください。

 7月22日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 読書人Web 「切手がつなげた人と時代」
 6月24日に『切手でたどる 郵便創業150年の歴史』シリーズ完結を記念して、田中秀臣先生と行ったトークイベントのアーカイブ配信のご案内です。7月24日まで、こちらでチケット(1500円)を販売しておりますので、よろしくお願いします。

 武蔵野大学のWeb講座
 4月13日-7月19日 日本の郵便150年の歴史2 占領時代(1945年の終戦から1952年)
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 5月18日-8月23日 日本の歴史を学びなおす― 近現代編その2― 幕末
 詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 7月20日発売!★

      『本当は恐ろしい! こわい切手』

 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 …… 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。
 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。
 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、
 そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.3 平成・令和編』 好評発売中!★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史③表紙

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの最終巻。平成以降、郵政省が郵政事業庁、日本郵政公社を経て、株式会社化され現在に至るまでを扱っています。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 世界禁煙デー
2022-05-31 Tue 08:14
 きょう(31日)は“世界禁煙デー”です。毎年書いていることですが、僕自身は煙草を嗜みませんし、喫煙者が周囲の吸わない人へ配慮するのは当然のことだと思っています。しかし、禁煙・嫌煙を掲げれば何でも許されると勘違いし、問答無用で煙草を排除しようとする“禁煙活動家”のヒステリックな言動は、煙草の煙よりもはるかに不愉快です。というわけで、愛煙家を描く切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      Nの家族

 これは、1981年6月18日に発行された近代美術シリーズ第10集のうち、小出楢重の「Nの家族」を取り上げた1枚で、作品には、煙草をくわえた画家本人の姿も描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 また、この切手を含む近代美術シリーズについては、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 6月10日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 6月24日(金) 19:00~  読書人Web 「切手がつなげた人と時代」
 『切手でたどる 郵便創業150年の歴史』シリーズ完結を記念して、『読書人』で田中秀臣先生とトークイベントをやります。イベントの詳細とご来場チケット(1500円)の販売はこちら、オンラインのライブ配信チケット(1500円)の販売はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座
 4月6日-7月12日 鏑木清方と江戸の残り香
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 4月13日-7月19日 日本の郵便150年の歴史2 占領時代(1945年の終戦から1952年)
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 5月18日-8月23日 日本の歴史を学びなおす― 近現代編その2― 幕末
 詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.3 平成・令和編』 好評発売中!★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史③表紙

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの最終巻。平成以降、郵政省が郵政事業庁、日本郵政公社を経て、株式会社化され現在に至るまでを扱っています。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 切手歳時記:春がきた
2022-03-20 Sun 00:58
 ご報告が遅くなりましたが、公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2022年3月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回はこんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

      春がきた

 これは、1981年3月10日、日本の歌シリーズ第9集の1枚として発行された「春がきた」の切手です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 ちなみに、日本の歌シリーズの切手については、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。
 

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 3月20日(日) 21:55~  拉致被害者全員奪還ツイキャス
 3月20日(日)、拉致被害者全員奪還ツイキャスのゲストで内藤が出演しますので、よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。

 3月21日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 武蔵野大学のWeb講座
 4月6日-7月12日 鏑木清方と江戸の残り香
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 4月13日-7月19日 日本の郵便150年の歴史2 占領時代(1945年の終戦から1952年)
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 5月18日-8月23日 日本の歴史を学びなおす― 近現代編その2― 幕末
 詳細はこちらをご覧ください。

 5月4日(水・祝) 13:00~ よみうりカルチャー北千住 公開講座 
 よみうりカルチャー北千住にて、公開講座「アフガニスタン現代史」を行います。拙著『アフガニスタン現代史』の内容を90分にギュッと凝縮した内容をお届けいたします。お申込など詳細は、こちらをご覧ください。
 

★ 最新作 『アフガニスタン現代史』 3月5日発売!★

      アフガニスタン現代史・表紙帯付き
 
 出版社からのコメント
 混迷のアフガニスタン情勢の理解に必須の通史!
 911同時多発テロ事件とその後のアフガニスタン空爆から20年。西側が支援した新共和国が崩壊し、再びタリバンが実効支配下に置いたアフガニスタン。英国、ソ連、米国…介入してきた大国の墓場と呼ばれてきたこの国の複雑極まりない現代史を、切手や郵便資料も駆使しながら鮮やかに読み解く。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

★ 期間限定の無料サービス、ぜひご活用ください! ★

      世界はいつでも不安定・表紙カバー

 2月1日から3月31日まで、拙著『世界はいつでも不安定 国際ニュースの正しい読み方』(ワニブックス)が電子書籍版アマゾン・アンリミテッドの対象になっております。期間中、アマゾンKindle Unlimited会員限定ですが、無料で読み放題となりますので、この機会に、ぜひ、こちらをクリックしてご活用ください。

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 長崎二十六聖人殉教の日
2022-02-05 Sat 10:13
 きょう(5日)は、1597年2月5日、豊臣秀吉の命令によって長崎で26人のカトリック信者が磔刑に処せられたことにちなむ“長崎二十六聖人殉教の日”です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      近代洋風建築・大浦天主堂

 これは、1981年8月22日、近代洋風建築シリーズ第1集として発行された大浦天主堂(正式名称は日本二十六聖殉教者堂)の切手です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。
 
 * 昨日(4日)の“上念司チャンネル ニュースの虎側”でのライブ配信「チベット、ウイグル、香港の人権問題に抗議しながら、北京オリンピック開会式を勝手に副音声! 」は無事に終了いたしました。ご視聴いただきました皆様には、この場をお借りしてお礼申し上げます。なお、アーカイブ動画はこちらからご覧いただけますので、よろしかったら、ぜひご覧ください。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 2月7日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 2月15日(火) 19:00~ 内藤陽介×掛谷英紀オンライントークイベント
 掛谷英紀先生と2022年の“世界”を語る『読書人』のオンラインイベントです。お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 2021年12月1日~2022年2月8日
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編その1 ― 黒船来航」

 12月1日から2月8日まで、計7.5時間(30分×15回)の講座です。お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。


★ 期間限定の無料サービス、ぜひご活用ください! ★

      世界はいつでも不安定・表紙カバー

 2月1日から3月31日まで、拙著『世界はいつでも不安定 国際ニュースの正しい読み方』(ワニブックス)が電子書籍版アマゾン・アンリミテッドの対象になっております。期間中、アマゾンKindle Unlimited会員限定ですが、無料で読み放題となりますので、この機会に、ぜひ、こちらをクリックしてご活用ください。

★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』 好評発売中! ★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史②表紙 2530円(本体2300円+税)

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第2巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱った第1巻に続き、第二次大戦後の1946年から昭和末の1989年までを扱っています。なお、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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 この種のサイトは多種多様な出版物を無許可で取り扱っているものと思われます。

 内藤および拙著の出版元・販売元ではこのような行為は一切認めておらず、フィッシング詐欺等に巻き込まれる可能性もありますので十分ご注意ください。

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 旧グラバー住宅、リニューアル完了
2021-11-19 Fri 07:35
 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する“旧グラバー住宅”(長崎市南山手町)で2018年12月から行われていた大規模改修工事が完了し、きのう(18日)から一般公開が始まりました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      旧グラバー住宅(1983)

 これは、1983年6月23日、近代洋風建築シリーズ第8集として発行された旧グラバー住宅の切手です。

 旧グラバー住宅は、幕末の長崎で武器商人として活躍したトーマス・ブレイク・グラバー(グラヴァー、グローヴァ―とも)が住んでいた日本最古の木造洋風建築で、1863年に竣工しました。ちなみに、私事ですが、今回の大規模改修工事が始まる直前の2018年9月、僕自身もグラバー園を訪れる機会がありましたので、その時に撮った写真を下に貼っておきます。

      旧グラバー住宅・実物(2018B)
      旧グラバー住宅・実物(2018A)

 旧グラバー住宅の主だったグラバーは、1838年、スコットランド生まれ。ギムナジウム卒業後、1859年に上海へ渡り、ジャーディン・マセソン商会に入社。同年9月19日(安政6年8月23日)、開港後まもない長崎に移り、2年後にはフランシス・グルームと共にジャーディン・マセソン商会の長崎代理店として“グラバー商会”を設立しました。

 当初は生糸や茶の輸出を中心として扱っていましたが、1863年の“八月十八日の政変(尊攘派公卿と長州藩が追放されました)”後の政治的混乱に着目して討幕派・佐幕派・幕府問わず、武器や弾薬を販売して巨額の利益を上げました。今回ご紹介の切手の邸宅は、この時期に建てられたもので、グラバー自身が設計し、裏手には馬小屋や貯蔵庫なども残っています。

 1865年4月12日(元治2年3月17日)、大浦海岸で蒸気機関車(アイアン・デューク号)を走らせ、1866(慶応2)年には、大規模な製茶工場を建設したほか、1868年(明治元年)には肥前藩(=佐賀藩との合弁)と契約して高島炭鉱開発に着手。さらに、長崎の小菅に船工場(史跡)を建築したほか、薩摩藩の五代友厚・森有礼・寺島宗則、長澤鼎らの海外留学、長州五傑の英国渡航を仲介するなど、幕末維新期の西洋文明の移入に大きく貢献しました。

 明治維新後も造幣寮の機械輸入に関わるなど明治政府との関係を深めましたが、武器が売れなくなったことや諸藩からの資金回収が滞り、グラバー商会としては1870年に破産。しかし、グラバー自身は高島炭鉱(のち官営になる)の実質的経営者として日本に留まり、1881年、官営事業払い下げで三菱の岩崎弥太郎が高島炭鉱を買収してからも所長として経営を担当します。また、1885年以降、三菱財閥の相談役となり、経営危機に陥ったスプリング・バレー・ブルワリーの再建参画を岩崎に勧めて後の麒麟麦酒(現・キリンホールディングス)の基礎を築きました。

 グラバー本人は晩年は東京で過ごし、1908年、勲二等旭日重光章を受章し、1911年に亡くなります。切手に取り上げられた旧宅は1939年に長崎造船所の所有となりましたが、1957年、同造船所の創業100周年を記念して長崎市へ寄贈され、1961年、重要文化財に指定されました。

 なお、今回のグラバーの話を含む幕末維新期の外国人居留地については、12月1日から武蔵野大学Web講座の一コマとして配信予定の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編その1 ― 黒船来航」でも詳しくご説明する予定です。同講座の詳細につきましては、こちらをご覧ください。皆様のご参加をお待ちしております。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 11月22日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 武蔵野大学のWeb講座 2021年12月1日~2022年2月8日
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編その1 ― 黒船来航」

 12月1日から2月8日まで、計7.5時間(30分×15回)の講座です、お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』 11月20日刊行! ★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史②表紙 2530円(本体2300円+税)

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第2巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱った第1巻に続き、第二次大戦後の1946年から昭和末の1989年までを扱っています。なお、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 


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 漆の日
2021-11-13 Sat 06:12
 きょう(13日)は、文徳天皇の第一皇子・惟喬親王が京都・嵐山の法輪寺に参籠し、その満願の日である11月13日に漆の製法を菩薩から伝授されたとの伝説にちなみ、“漆の日”です。というわけで、漆器の切手の中からこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      春日山蒔絵硯箱・70円

 これは、1982年12月6日に発行された“春日山蒔絵硯箱”を取り上げた70円切手(普通切手)です。

 春日山蒔絵硯箱は、室町幕府第8代将軍・足利義政が愛用していた硯箱で、蓋には『古今和歌集』巻4に収められている壬生忠岑の「山里は秋こそことにわひしけれ 鹿の鳴く音に目をさましつつ」を題材にした装飾がなされています。

 切手に取り上げられているのは、その表面の装飾で、満月の下、女郎花や桔梗、薄、菝葜が生い茂り、三頭の鹿がたたずむ秋の野の風景が金研出蒔絵と高蒔絵で表現されています。文様の中には、歌の中の“盤(は)”、“こ・と・尓(に)”、“け”、“連(れ)”の文字が葦手(装飾文様の一種で、文字を絵画的に変形し、葦・水鳥・岩などになぞらえて書いたもの)の手法で表されています。また、裏面(蓋の内側)には、山中の茅屋で鹿の声に耳を傾けているかのような男が描かれています。現在は根津美術館の所蔵品です。

 ところで、1970年代末まで、郵政省は、普通切手のデザインを一定のコンセプトの下に構成するのではなく、その時々の料金体系に応じて必要な額面の切手を五月雨式に発行していました。このため、郵便局の窓口では新旧さまざまな図案の切手が混在し、シリーズとして統一的な図案の普通切手を使用している諸外国に倣って普通切手の図案統一を望む声が上がっていました。

 そこで、1981年1月20日の郵便料金改正を前に、郵政省は、新発行の普通切手について、書状料金未満の低額面については花、書状料金以上の中高額面については文化財を題材とする“図案統一”を発表。まず、1980年10月1日、“つばき”を描く30円切手、“菜の花”をえがく40円切手、“さくら”を描く50円切手が発行され、11月25日には料金改正後の書状基本料金となる60円切手(図案は平等院の梵鐘)が発行されました。ただし、新普通切手の発行後も従来の切手の多くは販売が継続されたため、“図案統一”は中途半端に終わっています。

 この時の図案統一では、当初、1980年11月25日に発行された70円切手には“法隆寺金堂小幡”が取り上げられていましたが、子に炉の刷色が濃く消印が見づらかったため、1982年12月6日、今回ご紹介の切手が新たに発行されたという経緯があります。

 なお、この辺りの事情については、拙著『切手でたどる郵便創業の歴史 vol.2 戦後編』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 11月15日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 武蔵野大学のWeb講座 2021年12月1日~2022年2月8日
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編その1 ― 黒船来航」

 12月1日から2月8日まで、計7.5時間(30分×15回)の講座です、お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』 11月20日刊行! ★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史②表紙 2530円(本体2300円+税)

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第2巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱った第1巻に続き、第二次大戦後の1946年から昭和末の1989年までを扱っています。なお、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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 西新宿高層ビル群50年
2021-06-05 Sat 11:33
 東京・西新宿の高層ビル群の最初の高層ビルとなる京王プラザホテルが1971年6月5日に開業してちょうど50年です。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      エコーはがき(東芝)

 これは、1981年7月7日に発行された広告つきハガキの最初の1枚(この葉書のスポンサーは東芝)で、印面には当時の「新宿副都心の高層ビル群」がデザインされています。(下に、その部分のトリミング画像を貼っておきます)

      エコーはがき印面(高層ビル)

 広告付きはがきは、通常はがきの下部スペースの一部をスポンサー(広告主)の提供する広告に当て、額面よりも5円引きで販売するもので、1981年7月7日、今回ご紹介の東芝に加え、ホンダをスポンサーとする最初の2種が発行されました。その背景には、1981年に葉書料金が20円から(過渡期の30円を経て)40円に値上げされたことを踏まえ、葉書の利用が落ち込むのを少しでも食い止めようという意図もありました。なお、“エコーはがき”との愛称は、今回ご紹介の葉書が発行された後、一般公募により決められたものです。

 さて、印面の「新宿副都心の高層ビル群」ですが、これは、当時の東京都庁が丸の内にあったためで、都庁の新宿への移転は1991年のことでした。

 現在の西新宿の高層ビル群がある一帯は、かつては淀橋浄水場がありましたが、1960年、東村山浄水場が竣工・通水したことで徐々に機能の移転が進められ、干あがった濾過池での感謝祭(1965年1月)を経て、1965年3月31日、淀橋浄水場に廃止されました。ちなみに、ヨドバシカメラは、1960年4月に東京・渋谷区本町で藤沢写真商会として創業し、浄水場廃止後の1967年7月4日、西新宿で(株)淀橋写真商会を設立して、1974年10月に(株)ヨドバシカメラに商号を変更しており、淀橋の地名を現在に留めています。

 浄水場跡地の再開発事業としては、1968年11月、「新宿副都心建設計画」に基づき、京王帝都電鉄(現:京王電鉄)が浄水場跡地に造成された新都心6号地に超高層ホテルを建設することを発表。翌1969年からホテル建設を開始し、1971年6月5日に京王プラザホテルとして開業しました。

 エコーはがきの印面に取り上げられているビルですが、左端の三角ビルが新宿住友ビルで、その隣が国際通信センタービル(KDD本社ビルとも。現:KDDIビル)です。国際通信センタービルの隣の少し低いビルが京王プラザホテルで、その右隣りには新宿三井ビルが描かれています。空白を挟んで、黒っぽいビルは新宿センタービルで、その右隣は新宿野村ビル、そして右端には、低層階部分がスカート上に広がっているのが安田火災海上本社ビル(現:損保ジャパン本社ビル)が描かれています。また、ビルの並びから、手前の森は、明治神宮の森と推測できます。

 
★ 武蔵野大学の生涯学習講座は開講が再延期となりました ★

 6月5日開講の予定だった下記の講座は、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言の再延長に伴い、開講日(対面授業の初回の日)が7月3日に再延期になりました。詳細が決まりましたら、このブログでもご案内いたしますので、今しばらくお待ちください。なお、対面授業の時間割は、土曜日の同じ時間帯で変更はありません。

 13:00~14:30 「日本の郵便150年の歴史 その1 ―“大日本帝国”時代の郵便事情―」
 15:15~16:45 「東京五輪と切手ブームの時代 ―戦後昭和社会史の一断面―」
 対面授業、オンラインのライブ配信、タイム・フリーのウェブ配信の3通りの形式での受講が可能です。お申し込みを含め、詳細については、こちらをクリックしてご覧ください。(現在は旧日程が掲載されておりますので、ご注意ください)

 ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 6月7日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。


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      誰もが知りたいQアノンの正体 1650円(本体1500円+税)

 出版社からのコメント
 なぜQアノンにみんなハマったのか?
 ネットならではの引き寄せ構造と、現代格差社会の生んだ分かりやすい解釈。
 これは米国だけじゃない!
 人はみんなQを求めている!? (笑)

 * 編集スタッフの方が個人ブログで紹介してくれました。こちらをご覧ください。

 ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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 切手歳時記:茶壷
2021-05-26 Wed 02:55
 ご報告が遅くなりましたが、公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2021年5月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回は、新茶の季節に合わせて、こんな切手を取り上げています。(画像はクリックで拡大されます) 

      色絵藤花文茶壷

 これは、1982年12月6日に発行された410円の普通切手で、野々村仁清の色絵藤花文茶壷が取り上げられています。

 八十八夜(ことしは5月1日でした)の頃に積まれた新茶は製茶して茶壺に詰められるが、かつての宇治では、ここまでが茶師の仕事で、茶壺は買い手が自ら持ち帰ることになっていました。そこで、江戸時代には幕府に献上する茶を運ぶ“御茶壷道中(正式な名称は宇治採茶使)”の制度がありました。

 採茶使は、旧暦の4月頃、将軍家伝来の100以上の空の茶壷とともに江戸を出発して東海道を西に向かい、宇治で初昔や後昔など最高級の碾茶を詰めた後、中山道・甲州街道を経て、土用の頃に江戸に戻ります。行列は、責任者の徒歩頭以下、茶道頭や茶道衆(茶坊主)のほか警備の役人など、ピーク時には1000人を超える大規模なものでした。

 運ばれる茶壺は、将軍がみずから飲むだけでなく、家康以来の徳川家祖廟にも献ずるため、摂関家や門跡と同格。御三家の行列であっても行列に道を譲る決まりとなっていました。沿道の庶民にいたっては、行列が通る間は田植えが禁止されていただけでなく、子供の戸口の出入り、たこ揚げ、屋根の置き石、煮炊きの煙、さらには野辺送りの葬列さえも禁止されていたというから、堪ったものではありません。

 一説によると、「ずいずいずっころばし」の歌詞は、御茶壷道中を題材にしたもので、「胡麻味噌を摩っていたら、御茶壺道中が来るというので、家の中に入って戸を閉めて(=トッピンシャン)やり過ごし、行列が通り過ぎて、ようやく一息つけた(=ぬけたらドンドコショ)。この騒ぎで、俵の米を食べていた鼠は驚いてチュウと鳴き、(行列の後)喉が渇いた子供達が井戸に殺到して水を飲むなかで、誰かが茶碗が割った」との意味だとか。真偽はともかく、御茶壷道中に振り回された沿道の人たちの気苦労はわかる気がします。

 ところで、将軍家の茶壷は駕籠に担がれて麗々しく運ばれましたが、壺そのものの頂点に君臨する名品といえば、今回ご紹介の切手に取り上げられた「色絵藤花文茶壷」ではないでしょうか。

 この壺は、京都・仁和寺の門前に窯を構えていた名工、野々村仁清が制作したもので、口径約10センチ、高さ約29センチ。その名の通り、蒔絵的な絵付けにより藤花文様が壺の局面に飾られています。

 藤の花が盛りを迎えるのは、ちょうど八十八夜の頃。この時期に摘んだ新茶の茶葉は、半年ほど茶壷の中で熟成させ、11月に口切して使い始めます。もちろん、装飾用の茶壷に茶葉は詰めないのですが、名家の粋人たちは藤棚の見える座敷にこの壺を飾り、内外の藤を見比べながら、蔵にしまったばかりの茶壷の中身について、あれこれ話をしていたのではないかと想像が膨らみますね。

 なお、壺は、江戸時代には茶道を好んだ大名・佐々木京極家に、明治維新後は三井家に伝来したが、現在は、茶どころ静岡県のMOA美術館が所蔵しています。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★
 
 5月31日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 6月2日(水) 20:30~ KAZUYAチャンネルGX
 KAZUYAチャンネルGXに、新作『誰もが知りたいQアノンの正体』の著者として内藤がゲスト出演します。皆様、よろしくお願いします。

 6月5日(土)~ 武蔵野大学の生涯学習講座
 6月5日、12日、19日、7月3日、10日、17日の6回、下記のふたつの講座でお話しします。 

 13:00~14:30 「日本の郵便150年の歴史 その1 ―“大日本帝国”時代の郵便事情―」
 15:15~16:45 「東京五輪と切手ブームの時代 ―戦後昭和社会史の一断面―」

 いずれも、対面授業、オンラインのライブ配信、タイム・フリーのウェブ配信の3通りの形式での受講が可能です。お申し込みを含め、詳細については、こちらをクリックしてご覧ください。よろしくお願いします。


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 尖閣諸島開拓の日
2021-01-14 Thu 01:50
 きょう(14日)は、1895年1月14日、日本政府が尖閣諸島の日本領への編入を閣議決定したことにちなむ“尖閣諸島開拓の日(尖閣の日)”です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      尖閣宛葉書(日本)

 これは、1992年7月27日、那覇から尖閣諸島の魚釣島宛に差し出された葉書で、尖閣諸島は無人島のため、8月1日から10月18日まで、最寄りの八重山局で保管されていたものの、受取人が保管期間内に現れなかったため、差出人に返戻されています。

 1885年以降、わが国は沖縄県当局等を通じて尖閣諸島の現地調査を幾度も行い、無人島であるだけでなく、清国を含むいずれの国にも属していない土地(無主地)であることを慎重に確認したうえで、1895年1月14日の閣議決定で、尖閣諸島を沖縄県に編入しました。

 翌1896年、魚釣島と久場島はまもなく八重山郡に編入され、北小島、南小島と共に国有地に指定され地番が設定。同年9月、魚釣島、久場島、北小島及び南小島は実業家の古賀辰四郎に対して30年間無償で貸与されることになり(無償貸与期間終了後は1年契約の有償貸与)ました。その後、尖閣諸島は1903年に行政上は登野城村の一部となりましたが、1908年に島嶼町村制が施行されると、登野城は八重山郡八重山村(八重山列島全域)の字となり、さらに、1914年八重山村より分村した石垣村に編入されました。石垣村は1926年に石垣町に、さらに米施政権下の1947年に石垣市となり、1964年に当時の大浜町との合併により、現在の市域になっています。

 尖閣諸島に関しては、1932年、魚釣島、久場島、北小島及び南小島4島が古賀辰四郎の嗣子である古賀善次に払い下げられ私有地となり、アホウドリの羽毛の採取、グアノ(海鳥糞)の採掘、鰹漁業、鰹節の製造等が行われていましたが、1940年頃、古賀善次は尖閣諸島での事業を撤退し、再び無人島となります。

 第二次大戦後の1946年1月29日、GHQは「外郭地域分離覚書」を発し、北緯30度以南の南西諸島の行政権は日本から分離されました。これに伴い、尖閣諸島は沖縄の一部として米国の施政権下に置かれ、米軍の射爆演習場として利用されていました。

 ところが、1969年、国連アジア極東経済委員会の海洋調査で、尖閣周辺にイラクの埋蔵量に匹敵する大量の石油埋蔵量の可能性が報告されると、1971年4月、台湾の国民政府が尖閣諸島の領有権を主張しはじめます。さらに、同年12月には、中国も尖閣諸島の領有権を主張し始めました。

 しかし、そうした主張は国際的には全く相手にされず、1971年6月に沖縄返還協定が調印され、1972年5月に沖縄が祖国に復帰すると、尖閣諸島もそれに伴い、日本国沖縄県石垣市に編入されて現在にいたっています。

 近年、中国は尖閣諸島への領土的野心を隠そうとせず、2008年以降、尖閣諸島沖の日本領海内での侵略行為を頻繁に繰り返し、はなはだしくは、彼らの息のかかった反日団体を魚釣島西側の岩礁に不法上陸させるなど、まさにやりたい放題の状態です。

 もちろん、一義的には、侵略行為を繰り返す中国が悪いことはいうまでもないのですが、その一方で、多くの日本国民が尖閣諸島については無関心であったことが今日の事態を招いてしまったのだという現実を受け止め、真剣に反省するとともに、尖閣の防衛には何が必要なのか、まずは我々自身は真剣に考えることが必要ではないかと思います。


★ 内藤陽介の最新刊 『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』 ★

      日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史カバー 本体1600円+税

 出版社からのコメント
 【中国の札束攻勢にソロモン諸島は陥落寸前!】
 日本軍の撤退後、悲劇の激戦地は
 いかなる歴史をたどり、
 中国はどのように浸透していったのか

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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 切手歳時記:相撲節会
2020-07-16 Thu 00:32
 公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2020年7月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回は、7月16日(旧暦)の相撲節会にちなんではこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます) 

      陣幕と雷電

 これは、1978年9月9日、相撲絵シリーズの第2集として発行された「陣幕と雷電の取組の図」の切手です。

 『日本書紀』によると、垂仁天皇七(紀元前23)年7月、力自慢で知られた野見宿禰と当麻蹶速が召されて相撲を取り、野見が当麻の腋骨と腰を折って殺したのが、相撲の始まりとされています。

 その後も宮中では7月頃、相撲観覧が行われていましたが、奈良時代の天平6年7月7日(734年8月10日)、聖武天皇は野見宿禰と当麻蹴速の試合の故事にちなみ、七夕の日、全国の力自慢を集め、宮中紫宸殿の庭で相撲を取らせ、あした。これが、七夕の歌会にあわせて、その年の農作物の収穫を占う宮中行事、“相撲節会”の由来とされています。また、桓武天皇は、延暦11(792)年に軍制の改革を行い、兵役を廃止して郡司や富裕者、有位者の子弟から健児を採用することとしましたが、相撲の技はその鍛錬の手段として取り入れられます。

 天長元年7月7日(824年8月5日)、平城上皇が崩御すると、相撲節会の日取りは7月16日に移され、以後、七夕の諸行事から独立。その後、相撲節会は武力の鍛錬という意味合いが薄れ、雅な宮中行事となりましたが、11世紀半ばに御所で火災が相次いだことで徐々に簡素化されていきます。さらに、12世紀に入ると京の治安が悪化して、保安3(1122)年以降は停止されました。その後、後白河天皇が一時的に再興したものの、承安4(1174)年を最後に、宮中行事としての相撲節会は行われなくなります。

 鎌倉以降の武士の世になると、武芸としての相撲の技を主君の前で競うことが行われるようになり、戦国時代に貴族の都落ちで京の文化が全国に広がると、それに伴い、相撲を職業として巡業などで生計を立てる相撲人が現れました。彼らの巡業は神社の祭礼で行われ、寺社仏閣の建築修復費用を調達のため“勧進”を称することも多かったため、“勧進相撲”の名での興行が次第に定着していきます。

 江戸幕府は、秩序を乱すとの理由から、慶安元(1648)年に勧進相撲を禁じましたが、徐々に禁令は緩められ、寛保2(1742)年には勧進相撲が完全に解禁。11代将軍家斉と12代家慶の時代には、江戸城吹上で将軍の前での上覧相撲が七回催されました。

 特に、寛政3年6月11日(1791年7月11日)、家斉の御前で行われた上覧相撲では、谷風、小野川が横綱土俵入りを披露したほか(公式の横綱土俵入りはこれが初めて)、家斉から弓を賜った谷風が土俵上で敬い奉げて四方に振り回し、これが現在の弓取式の原型になるなど、現在の大相撲の原型ともいうべき要素がいくつか見られます。

 しかし、当時の江戸の人々にとっては、それまで無敗を誇った雷電(当時の番付は関脇)が、陣幕にのど輪で土俵外に押し出され、初黒星を喫したことが最大の話題でした。今回ご紹介の切手に取り上げられた「陣幕と雷電の取組の図」は、相撲絵を得意とした勝川春英がこの取組を題材として描いたもので、手前に雷電が、奥に陣幕が描かれており、行司は木村庄之助です。

 不覚を取った雷電は、その心境を「陣幕に張りつめられし御上覧 今年ゃ負けても来年(=雷電)は勝つ」と、自分の四股名と来年をかけた狂歌でその悔しさを詠んでいます。その後、雷電は同年の江戸11月場所で陣幕を破って雪辱を果たし、その後も陣幕に負けることはありませんでした。
 

★ 文化放送「おはよう寺ちゃん 活動中」 出演します!★

 7月17日(金)05:00~  文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時のスタートですが、僕の出番は6時台になります。皆様、よろしくお願いします。

 
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      みんな大好き陰謀論(帯なし表紙) 本体1500円+税

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 あなたは大丈夫?賢い人ほどダマされる!
 無自覚で拡散される負の連鎖を断ち切ろう
 まずは定番、ユダヤの陰謀論を叱る! !

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 切手歳時記:三十郎の黒椿
2020-03-07 Sat 13:41
 公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2020年3月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回はこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます) 

      椿30円

 これは、1980年10月1日に発行された30円の普通切手で、椿の花が描かれています。

 黒澤明の名画『椿三十郎』は、某藩の次席家老・黒藤と国許用人・竹林の汚職を告発すべく、九人の若侍が森の中の社殿で密談している場面から始まります。若侍のリーダー、井坂は叔父で城代家老の睦田に意見書を出したものの、取り合ってもらえずに憤慨していましたが、大目付の菊井が話を聞きたいと言われて喜んでいました。そこへ、たまたま近くで寝ていた素性不明の浪人者が、菊井こそ敵の黒幕と指摘。若侍たちは半信半疑でしたが、菊井の配下、室戸半兵衛ひきいる同心に取り囲まれ、浪人の機転で何とか逃げおおせたことから、彼を軍師に祭り上げます。

 一方、悪人一味は睦田を拉致して汚職の罪をなすりつけようとし、睦田の妻子も人質に取られてしまいましたが、浪人者の見事な働きにより救出。一同は黒藤の屋敷の隣家に潜伏しました。

 ここで名前を訊かれた浪人者は、黒藤の屋敷の椿の花を壁越しに眺めながら「名前は…椿三十郎、まぁ、もうすぐ四十郎だが」と出まかせを名乗ったため、これが物語の中での通り名になります。

 ちなみに、椿の落花は首がぽとりと落ちるようで縁起が悪いとして、武家屋敷では椿を嫌ったという俗説がありますが、これは明治以降、薩長の出身者に椿を好む者が多かったことから、彼らの“野暮”を揶揄するために江戸っ子たちが言い出したものです。したがって、黒藤の屋敷が”椿屋敷”と呼ばれるほどに見事な椿が咲き誇っていたとしても、時代考証上は問題ありません。

 さて、三十郎は、睦田の監禁場所を探るべく、室戸の誘いに寝返ったふりをして、悪人側に雇われ、睦田の居場所を探ろうとします。その後、監禁場所が黒藤の屋敷であると判明。屋敷の庭からは隣の屋敷へ川が流れており、三十郎は若侍たちに「川に大量の椿(色は問わない)を流して合図するから、それを見たら屋敷を襲撃しろ」と知らせておきました。

 ところが、合図のため椿を集めているところを室戸に見つかり、三十郎は縛られ、「何のために椿を集めていた?」と詰問されます。窮地に陥った三十郎は、「赤い椿を流せば襲撃の合図、白い椿を流せば撤退の合図」と言いくるめ、まんまと騙された悪人一味は白い椿を川に流しました。

 これを合図に若侍たちは黒藤の屋敷に討ち入り、睦田と三十郎を救助。一味の不正も暴露され、菊井は切腹、黒藤と竹林は家名断絶となり、苦杯を飲まされた室戸も三十郎に最後の勝負を挑んだものの、一瞬の居合切りで斬り倒され、三十郎が去っていくところで物語は幕となります。

 さて、『椿三十郎』の映画が公開されたのは1962年元日のことで、この時点で椿を描いた日本切手といえば、前年(1961年)3月20日に発行された花切手の“つばき”があります。ただし、切手に描かれた花は赤地に班の入った姿から、江戸椿の岩根絞のようですが、これでは、椿の紅白で合図を送るという物語には使いづらいでしょう。

 そうすると、今回ご紹介の切手に取り上げられた赤一色の花の方が、『椿三十郎』の物語にはふさわしいように思います。

 ちなみに、映画『椿三十郎』の画面はモノクロですが、当初、監督の黒沢は、川に椿が流れる場面では椿だけ赤くパートカラーにしようと考えていました。しかし、当時の技術では不可能だったため、モノクロの画像でより“赤”に近い雰囲気が出るよう、撮影現場では椿を黒く塗って流したそうです。そういわれてみると、たしかに、拙稿の掲載誌『通信文化』の誌面でも、赤い椿は黒色での印刷になっています。

      
★★ イベント・講座等のご案内 ★★

 今後の各種イベント・講座等のご案内です。詳細については、イベント名・講座名をクリックしてご覧ください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 4/7、5/5、6/2、7/7、8/4、9/1(1回のみのお試し受講も可)

★★  内藤陽介の最新刊 『日韓基本条約』 ★★

      日韓基本条約・表紙 本体2000円+税

 出版社からのコメント
 混迷する日韓関係、その原点をあらためて読み直す!
 丁寧に読むといろいろ々発見があります。

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 納めの観音
2019-12-18 Wed 01:09
 きょう(18日)は、今年最後の観音様の縁日“納めの観音”の日です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      普陀落山観世音菩薩像

 これは、1982年7月10日に発行された近代美術シリーズ第13集の1枚で、富岡鉄斎の「普陀落山観世音菩薩」が取り上げられています。

 富岡鉄斎(1836-1924)は京都の出身で、幼少の頃から勉学に励み、富岡家の家学である石門心学のほか、国学や勤王思想、漢学、陽明学、詩文などを学びました。絵に関しては、1856年、南北合派の窪田雪鷹、大角南耕に手ほどきを受けたのが初めで、後に長崎に遊学して南画を学び、1862年以降は画業で生計を立てています。

 明治維新後は、大和国石上神社や和泉国大鳥神社の神官を勤めながら、日本各地を旅する傍ら、私塾立命館や京都市美術学校でも教鞭をとりました。また、京都青年絵画研究会展示会の評議員、京都美術協会委員、京都市立日本青年絵画共進会顧問、帝室技芸員、帝国美術院会員など、美術界の要職を歴任するとともに、生涯で1万点以上もの作品を残しています。

 なお、鉄斎本人は、自分を画家ではなく儒者と意識しており、絵画はあくまでも余技との立場から、「自分は意味のない絵は描かない」、「自分の絵を見るときは、まず賛を読んでくれ」というのが口癖でした。その画風は該博な知識に裏打ちされ、主に中国古典を題材とする文人画を基本に、大和絵、狩野派、琳派、大津絵などさまざまな絵画様式を加え、独自の世界を作り出しています。

 切手に取り上げられた「普陀落山観世音菩薩」は、鉄斎晩年の1924年の作品で、現在は、兵庫県宝塚市の清荒神清澄寺の所蔵品です。

 画題にある普陀落山(補陀落山とも)は観音菩薩が降り立つとされる伝説上の山で、漢字表記はサンスクリット語のポータラカ(チベットのポタラ宮もこれに由来します) の音訳です。インドの南端の海岸にある八角形の山とされているほか、中国では現在の浙江省にある舟山群島を補陀落(普陀山)として、日本でも熊野日光が補陀落になぞらえられ、観音信仰が広がりました。

 切手ではトリミングでカットされていますが、オリジナルの作品には、右上に宋代の詩人、蘇東坡(鉄斎は自分と誕生日が同じということで、蘇東坡を非常に敬愛していました)の応夢観音賛が記されています。その文言は以下の通りです。

 稽首觀音 宴坐寶石 忽忽夢中 應我空寂 觀音不來 我亦不往 水在盤中 月在天上(稽首す観音 宝石に宴座す 忽々たる夢中我が空寂に応ず 観音来らず 我も亦往かず 水は盤中に在り 月は天上に在り)

 なお、今回ご紹介の切手を含む“近代美術シリーズ”の切手については、拙著<解説・戦後記念切手>の第6巻『近代美術・特殊鳥類の時代』でも詳しくまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★★ イベント等のご案内 ★★

 今後の各種イベント・講座等のご案内です。詳細については、イベント名をクリックしてご覧ください。

第11回テーマティク研究会切手展
 1月11-12日(土・日) 於・切手の博物館(東京・目白)
 * 12日(日)の13:00-14:30には、内藤の新刊書籍を題材としたトークイベントを開催の予定です。ぜひ、遊びに来てください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)


★ 最新作 『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』 11月25日発売!★

       (増補改訂版)アウシュヴィッツの手紙・表紙  本体2500円+税(予定)
 
 出版社からのコメント
初版品切れにつき、新資料、解説を大幅100ページ以上増補し、新版として刊行。独自のアプローチで知られざる実態に目からウロコ、ですが淡々とした筆致が心に迫る箇所多数ありです。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 切手歳時記:朧月夜
2019-04-05 Fri 01:26
 ご報告が遅くなりましたが、公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2019年3月号が発行されました。僕の連載「切手歳時記」は、今回は、この1点を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      朧月夜

 これは、1980年4月28日、日本の歌シリーズの第5集として発行された「朧月夜」の切手です。

 切手の図案は、春の満月の下、満開の菜の花を描いたもので、歌を聞くと、まさに、こんな風景が頭に浮かぶという人も多いことでしょう。

 「朧月夜」の歌詞は「菜の花畠に、入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし」で始まります。

 『枕草子』の「春はあけぼの」は、明け方、陽が昇るにつれて、だんだん白くなっていく山際あたりが少し明るくなり、紫がかった雲がほそくたなびいている風景をめでていますが、「朧月夜」はその逆に夕暮れ時の山の端からストーリーが始まる格好です。朝夕を問わず、霞の中で時間が流れていくのが日本の春の景色ですが、この“霞”はあくまでも日中の霧や靄を指す言葉で、陽が落ちると、“霞”は “朧”と名を変えます。

 さて、「朧月夜」の歌詞は、この後、「春風そよふく 空を見れば」と来て、「夕月かかりて、にほひ淡し」で一番が終わっています。

 “月がかかる(懸る)”ということは、この時点で月は中空に浮かんでいるという構図ですが、そうすると、この月は、切手に描かれているような満月ではなく、上弦の月と考えるのが妥当でしょう。

 満月は太陽が沈んだ直後の東の空に上るからで、蕪村の有名な句「菜の花や月は東に日は西に」が、まさにその景色となります。したがって、切手のように、菜の花の真上に満月が浮かんでいる風景は、深夜にならないと拝めません。

 ちなみに、新月は朝、太陽とともに昇り、上弦の月は昼頃、東の空に昇るので、「朧月夜」の歌詞を素直に読んで、夕暮れ時に月が中空に浮かんでいるということは、上弦の月もしくはそれに近い(広義の)三日月ということになります。

 ところで、太陽と違って、月は春と秋とで軌道が異なるから、傾きの変化に対応して三日月の形も変化します。春の月は地面に対して垂直に近い角度で昇り、沈んでいくため、太陽に下側が照らされて、三日月はお椀のような形に見えます。ちなみに、秋の月は地面に対して水平に近い角度で移動するため、月の横側が照らされて、三日月は立った形です。

 このため、西洋の言い伝えでは「春は三日月のくぼみに水が溜まるので、霞がかかって、朧月夜になるが、秋の三日月は立って水が溜まらないので澄んで見える」とされています。また、三日月を盃に例えて「春の三日月はお酒がよく入る」として、月見酒を楽しむ風流人も数多くいました。

 それに倣って、「朧月夜」をBGMに一献傾けるとしたら、肴は何が良いでしょうか。

 まずは、題名の“朧”にちなんで、おぼろ豆腐におぼろ昆布を乗せたもの。それから、菜の花は辛し和えでも良いでしょうが、二番の歌詞にある「田中の小路」に見立てて、油揚げとの出汁びたしにするのも悪くありません。

 さらに、「蛙のなくね」にあわせて炙ったカエルの足を齧るのも良いですね。ただし、居酒屋などで出てくるウシガエルは、1918年に北米から食用として輸入されたものですから、1914年に作られた「朧月夜」の風景の中で鳴いていたカエルとは種類が異なりますが…。

 そうそう、板わさも忘れてはなりますまい。なんといっても、「朧月夜」は“夕月”なのですから。


 ★★ 4月5日、  文化放送「おはよう寺ちゃん 活動中」 出演します!★★

 4月5日(金)05:00~  文化放送で放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時のスタートですが、僕の出番は6時台になります。皆様、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。


 ★★★ メディア史研究会で発表します! ★★★

 4月20日(土) 14:00から、東京・水道橋の日本大学法学部三崎町キャンパス4号館地下1階 第4会議室A(地図はこちらをご覧ください)にて開催のメディア史研究会月例会にて、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』の内容を中心に、「メディアとしての“英雄的ゲリラ”」と題してお話しします。

 なお、メディア史研究会はまったく自由な研究会で、会員以外の方でも気楽にご参加いただけますので(もちろん、無料)、よろしかったら、ぜひ、遊びに来てください。

      
★★ 内藤陽介の最新刊 『チェ・ゲバラとキューバ革命』 好評発売中!★★

      チェ・ゲバラとキューバ革命 表紙カバー 本体3900円+税
 
 【出版元より】
 盟友フィデル・カストロのバティスタ政権下での登場の背景から、“エルネスト時代”の運命的な出会い、モーターサイクル・ダイアリーズの旅、カストロとの劇的な邂逅、キューバ革命の詳細と広島訪問を含めたゲバラの外遊、国連での伝説的な演説、最期までを郵便資料でたどる。冷戦期、世界各国でのゲバラ関連郵便資料を駆使することで、今まで知られて来なかったゲバラの全貌を明らかする。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 切手歳時記:南部鉄器
2018-10-07 Sun 01:23
 公益財団法人・通信文化協会の雑誌『通信文化』2018年10月号ができあがりました。僕の連載「切手歳時記」は、今回は、10月6-7日に岩手県奥州市で開催される“南部鉄器まつり”にあわせて、この1点を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      伝統的工芸品・南部鉄器

 これは、1985年8月8日に発行された伝統的工芸品シリーズ第5集のうち、“南部鉄器”の切手です。

 南部鉄器は、鉄に恵まれた北上川沿いの岩手県盛岡市、奥州市水沢区で作られる鉄器の総称で、歴史的には、水沢の方が歴史があります。

 奥州の鋳物は、平安時代後期、江刺の地にいた藤原清衡が近江国より鋳物師を招いて始めたもので、それが南下して羽田(現在の水沢)に伝わりました。当初、鋳物師は“歩き筋”と呼ばれ、必要に応じて各地を転々と移動していたため、清衡に従って平泉に移り、中尊寺の備品なども鋳造していました。

 奥州藤原氏は、三代当主の秀衡が、1185年に源頼朝に追われた源義経を匿っていましたが、四代当主の泰衡は頼朝の圧力に屈して、1189年、義経の起居していた衣川館を襲い、義経と妻子を自害へと追いやりました。

 このとき忠臣の弁慶は降り注ぐ矢を受けて仁王立ちのまま息絶えましたが、この故事にちなんでか、鉄器まつりでは“弁慶鉄下駄飛ばし大会”も行われています。弁慶の鉄下駄といえば、五条大橋で若き牛若丸と戦った時に履いていた話が有名ですが、その下駄は、近江の産だろうと思います。ちなみに、清水寺の“弁慶の鉄下駄”は、明治時代に吉野の修験者が奉納したもので、実は弁慶本人とは無関係。そもそも、弁慶が衣川で鉄下駄を履いていたのかどうか…などとくどくど言い出すと、金剛杖で叩かれそうなので、この辺で止しておきましょうか。

 さて、奥州藤原氏の滅亡後、スポンサーを失った鋳物師たちは日常品を細々と作るだけになっていましましたが、室町時代初期、京都聖護院の鋳物師、長田正頼が黒脇千葉家に養子に入り、羽田に到来しました。千葉家は奥州総奉行の葛西氏に召し抱えられ、正頼の弟子や関西から訪れた鋳物師たちも羽田に住み、地域に鋳物業が定着します。

 江戸時代に入ると、1629年以降、水沢伊達氏の当地の下、鉄器は庇護を受けて発展し、幕末には大砲も鋳造されました。

 一方、盛岡では、慶長年間(1596-1615年)、盛岡藩主・南部氏の築城の頃から鉄器の鋳造が始まり、やはり、歴代藩主の庇護を受けて発展しました。

 1884年の盛岡大火災では鉄器工場も大きな被害を受けましたが、焼け跡から見つかった鉄瓶をとりあえず使ってみたところ、錆がでなかったことから、これにヒントを得て、以後、内部を備長炭で焼き付ける“金気止め”の手法が使われるようになります。

 1890年に東北本線が開通すると、南部鉄器の販路は飛躍的に拡大。さらに、1908年、皇太子・嘉仁親王(後の大正天皇)の東北行啓の際に(八代)小泉仁左衛門が鉄瓶の製造を実演したことが話題を呼び、全国的に有名になりました。

 さて、伝統的工芸品シリーズの切手は、オーソドックスな黒色の南部鉄瓶と“波に鯉文富士形鉄瓶”の組み合わせで発行されました。

 このうち、富士形の鉄瓶は、山形・米沢方面から馬を買いにきた馬喰が土産として好んで買い求めたことから “米沢富士”とも呼ばれました。銀色なのは砂鉄を原料としているからで、湯が沸くとちんちんという音がします。

 ちなみに、黒色の鉄瓶は、本来、“金気止め”に加え、表面には漆が塗られていますが、そうした処理を省略した大量生産の“鉄製ケトル”なら、1万円以下の手ごろな値段で購入可能です。一方、砂鉄の鉄瓶を買うつもりなら、十万円単位の出費を覚悟しないとならないでしょう。

 なお、鉄瓶は高級品になればなるほど、良質の鉄を使い、持ち手も中空の“くるみ”になって軽くなるので、鉄瓶は重いなどと不用意にいうと、財布の軽さがばれてしまうことになるのでご用心。


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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