2014-07-18 Fri 22:53
今日(18日)は、1995年7月18日、カリブ海の英領植民地モントセラトで、首都プリマスの近郊にあるスーフリエール・ヒルズが大噴火を起こし、人口の3分の2が島外に脱出するという出来事があった日です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1932年にモントセラトで発行された“モントセラト300年”の記念切手で、スーフリエール・ヒルズを背景に、当時のプリマスの風景が描かれています。 モントセラト島は、1493年11月3日、クリストファー・コロンブスが発見し、スペインのモンセラート修道院にちなんで“サンタ・マリア・デ・モントセラテ”と命名しました。スペイン人はこの島に興味を示さなかったため、1631年、英国によって、アンティグア島とともに、アイルランド系のカトリックを強制移住させる土地とされ(切手左上に描かれた紋章に、アイルランドの象徴として、ハーブを手にした女性が描かれているのはこのためです)、さらに翌1632年、セントキッツ(セントクリストファー)島から到来した英国人プロテスタントが入植してたことで、英国の植民地となりました。 島の南西部に位置する首府プリマスは、東カリブの重要な港町で、綿や柑橘類、ラム酒などの輸出で繁栄していましたが、1995年の噴火により大きな打撃を受け、人口の3分の2が島外へ避難し、英国が救助のため軍艦を派遣する事態となりました。その後、復興もまだ半ばだった1997年、ふたたびスーフリエール・ヒルズが噴火したことで、プリマスは壊滅的被害を受けたため、翌1998年、首府機能は島の北部に位置するブレイズに移転。現在、プリマスはゴーストタウンと化しており、残念ながら、今回ご紹介の切手に見られるような港町の風景は見られなくなっています。 さて、ことし(2014年)は、わが国とカリブ共同体(旧英領を中心にカリブの14か国1地域が加盟。このうちの“1地域”がモントセラトです)の事務レベル協議開始後20年が経過した年であるとともに、ジャマイカならびにトリニダード・トバゴとの国交樹立50周年にもあたることから、“日・カリブ交流年”とされています。 8月1-3日、東京・墨田区で開催が予定されている<全日本切手展2014>でも、これにちなみ、外務省の認定を受けた“日・カリブ交流年”の行事として“カリブ切手展”を併催の予定で、同展では、今回ご紹介した絵葉書を含め、古き良き時代のジャマイカの絵葉書をご紹介するコーナーも設ける予定です。今後も、会期当日まで、同展の事前プロモーションを兼ね、機会を見つけてカリブ共同体加盟諸国・地域の切手をご紹介していきたいと考えておりますので、よろしくお付き合いください。 *おかげさまで、愛知県名古屋市の栄中日文化センターでの講座は、本日、無事に開講いたしました。今後の内容や途中参加の可否等につきましては、こちらをご覧ください。 ★★★ トークイベントのご案内 ★★★ 8月2日(土) 14:00より、東京・錦糸町のすみだ産業会館で開催の全日本切手展(全日展)会場内で、新著『朝鮮戦争』の刊行を記念して、トークイベントを開催することになりました。 トークそのものの参加費は無料ですが、全日展への入場料として、3日間有効のチケット(500円)が必要となります。あしからずご了承ください。皆様のお越しを心よりお待ち申しております。 ★★★ 『外国切手に描かれた日本』 電子書籍で復活! ★★★ 1枚の切手には 思いがけない 真実とドラマがある 光文社新書 本体720円~ アマゾン・紀伊国屋書店ウェブストアなどで、6月20日から配信が開始されました。よろしくお願いします。(右側の画像は「WEB本の雑誌」で作っていただいた本書のポップです) ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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