2023-12-22 Fri 03:40
アフリカ南部、アンゴラのアゼベド石油相は、きのう(21日)、「アンゴラは石油輸出国機構(OPEC)にとどまっても何の利益も得られないと感じており、利益を守るために脱退を決断した」として、同国がOPECから脱退することを発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2020年10月1日にアンゴラが発行した“OPEC創立50年”の記念切手のうち、同国沖合の海底油田の石油プラットフォームを取り上げた1枚です。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 12月22日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 12月26日(火) 10:00~ ニッポンジャーナル インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がゲスト出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『龍とドラゴンの文化史』 12月26日発売!★ 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 ★ 『今日も世界は迷走中』 好評発売中!★ ウクライナ侵攻の裏で起きた、日本の運命を変える世界の出来事とは!内藤節炸裂。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2022-09-17 Sat 08:11
アンゴラの初代大統領で詩人のアントニオ・アゴスティニョ・ネトが1922年9月17日に生まれてから、ちょうど100年になりました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1980年9月17日にアンゴラが発行した“国民的英雄の日”の記念切手で、独立戦争時代のネトの肖像が取り上げられています。アンゴラでは、ネトの没後1年にあたる1980年、彼の誕生日である9月17日を“国民的英雄の日”として国民の祝日に指定しました。今回ご紹介の切手は、その第1回を記念して発行されたものです。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 9月23日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 好評発売中!★ 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 … 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2022-08-27 Sat 04:24
今月24日に議会選挙が行われたアフリカ南部のアンゴラで、きのう(26日)、ジョアン・ロウレンソ大統領の与党、アンゴラ解放人民運動(MPLA)が勝利宣言をしました。アンゴラでは、議会選挙で最多得票を獲得した政党の名簿第1位の者が自動的に大統領となる“議院大統領制”を採用しているため、ロウレンソ大統領の再任も事実上決まりました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1986年12月3日にアンゴラで発行された“MPLA創立30年”の記念切手で、左端の切手に描かれているハンティング帽姿の人物が、MPLAの初代党首でアンゴラ初代大統領のアゴスティーニョ・ネトです。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 * 昨日(26日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。リスナーの皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。次回は9月9日に登場の予定です。引き続きよろしくお付き合いください。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 9月9日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 好評発売中!★ 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 … 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2022-07-28 Thu 07:10
アフリカ南西部アンゴラでダイヤモンド鉱山を運営するルカパ・ダイヤモンド社は、きのう(27日)、同国北東部のルロ鉱山で、過去300年間に見つかった中で最大とみられるピンクダイヤモンドの原石が採掘されたと発表しました。というわけで、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1998年5月25日、アンゴラが発行した“国民和解統一政府成立1周年”の切手シートです。シートにはアンゴラの産業地図を12枚に分割した連刷形式の切手が収められていますが、今回、史上最大とみられるピンクダイヤモンドが見つかったルラ鉱山のあるルンダ・ノルテ州は、最上段右端の切手の部分に相当しており、この一帯にダイヤモンドの鉱脈があることもしっかりと示されています。 詳細につきましては、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 8月12日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 好評発売中!★ 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 …… 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、 そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2021-06-06 Sun 10:19
おととし(2019年)、茨城県のペットショップから逃げ、昨年7月から千葉県柏市周辺での目撃情報が相次いでいたミナミジサイチョウ(絶滅危惧種)が、きのう(5日)午後、千葉県白井市の田んぼでようやく捕獲されました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1984年にアンゴラが発行したミナミジサイチョウの切手です。 ミナミジサイチョウは、今回ご紹介の切手を発行したアンゴラを含むアフリカ大陸赤道以南のサバンナを中心に棲息しているサイチョウ科(またはジサイチョウ科)の鳥で、体長はオスで130センチ、メスで90センチほど。サイチョウ科の特徴として、くちばしはサイの角のように長く硬く発達しています。ほぼ全身が黒い羽毛で覆われていますが、眼の周囲や喉に羽毛がなく、赤い皮膚が裸出しており(メスは喉の裸出部に青色部があります)、長い睫毛が特徴です。 動物の死骸や昆虫類、小型哺乳類、カエルやトカゲ、蛇などを主に捕食し、棲息地では、ヘビやサソリを食べる益鳥として飼育されていることもあります。また、旱魃の際に雨乞いの儀式の生贄や、伝統医療の薬種としても使われてきた歴史があります。 自然保護団体の国際自然保護連合(IUCN)の評価では、1988年から2000年頃までは絶滅のおそれは少ないとみられていましたが、2004年頃から絶滅の危険性が徐々に高まり、2010年以降、絶滅のリスクが高いと評価されるようになっています。 ミナミジサイチョウは長い距離を飛ぶことができず、長距離移動ができないため、棲息地の環境が悪化してもなかなか他の地域へ移動することができません。このため、自然災害や農地の開発が進んで棲息地が減少したり、棲息地で紛争が起きると地雷などの犠牲になる個体も少なくありません。また、ガラスに映った自分を攻撃し、窓ガラスが壊されることから、害鳥として毒餌で処分されることもあり、これらの要素が複合的に絡み合って、絶滅危惧種になってしまったというわけです。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内★ 6月7日(月) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。 7月3日(土)~ 武蔵野大学の生涯学習講座 6月5日開講の予定だった下記の講座は、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言の再延長に伴い、開講日(対面授業の初回の日)が7月3日に再延期になりました。詳細が決まりましたら、このブログでもご案内いたしますので、今しばらくお待ちください。なお、対面授業の時間割は、土曜日の同じ時間帯で変更はありません。 13:00~14:30 「日本の郵便150年の歴史 その1 ―“大日本帝国”時代の郵便事情―」 15:15~16:45 「東京五輪と切手ブームの時代 ―戦後昭和社会史の一断面―」 対面授業、オンラインのライブ配信、タイム・フリーのウェブ配信の3通りの形式での受講が可能です。お申し込みを含め、詳細については、こちらをクリックしてご覧ください。(現在は旧日程が掲載されておりますので、ご注意ください) ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。 ★ 『誰もが知りたいQアノンの正体』 好評発売中! ★ 1650円(本体1500円+税) 出版社からのコメント なぜQアノンにみんなハマったのか? ネットならではの引き寄せ構造と、現代格差社会の生んだ分かりやすい解釈。 これは米国だけじゃない! 人はみんなQを求めている!? (笑) * 編集スタッフの方が個人ブログで紹介してくれました。こちらをご覧ください。 ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2019-04-13 Sat 03:16
ご報告がすっかり遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2019年3月13日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はアンゴラ(と一部トーゴ)の特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1975年に発行された“アンゴラ独立”の記念切手を貼り、“アンゴラ解放人民運動(MPLA)創立19周年”の記念印を押したオンピースです。 アフリカにおけるポルトガル領植民地の独立運動は、ポルトガル領ギニア出身のアミルカル・カブラルが、リスボンの農業経営学院(現リスボン工科大学)在学中の1945年、アンゴラ出身の医学生アゴスティーニョ・ネトに出会ったことから始まったとされています。 第二次大戦後、世界的に植民地の独立運動が盛んになる中で、ポルトガル本国の独裁者サラザールは独立運動を徹底的に押さえ込むべく、アンゴラを含む多くのポルトガル領を植民地から“海外県”に変更し、本国との“対等な立場”が強調しました。 これに対して、1952年、ポルトガル領ギニアに戻ったカブラルは、1954年、独立運動を行ったかどで一時アンゴラに追放されます。このことはアンゴラの民族主義にも大きな刺激となり、1953年、アンゴラでは独立を唱える初の民族主義政党として“アンゴラのアフリカ人のための統合抗争党(PLUA)”が結成されたほか、1954年には北アンゴラ人民連合が結成され、アンゴラ外周部を含む歴史的コンゴ王国の領域の独立を主張するようになります。 また、1955年、ジョアキムとマリオのピント・デ・アンドラーデ兄弟がアンゴラ共産党(PCA)を結成。さらに、1956年9月、カブラルがアンゴラで独立運動団体としてギニア・カーボベルデ独立アフリカ党(PAIGC)を結成すると、アンゴラの独立諸派も統合の機運が進み、同年12月、カブラルとネトを軸として、PLUA とPCAは統合して、“アンゴラ解放人民運動(MPLA)”が結成。当初、MPLAはポルトガルの平和的な撤退を求める穏健な独立運動を展開していました。 そうした状況の下、1961年1月3日、マランジェ州のバイサ・デ・カッサンジェ地方の小作農達が労働条件の改善を求めて、コトナング(英独の投資の下、ポルトガル人が経営していた企業)の綿農園でボイコットを起こすと、翌4日、ポルトガル軍はナパーム弾を用いて現地住民を400人以上殺害し、叛乱を鎮圧します。 これに対して、2月4日、ネトらによって率いられたMPLAの50人が政治犯の解放を求めて首都ルアンダの刑務所を襲撃。MPLAは40人が死亡し、囚人の解放には失敗したものの、7人の警察官を殺害しました。 MPLAの活動に対して、1961年3月15日、反共を掲げるアンゴラ人民同盟(UPA。主体は北部のコンゴ人)は、ホールデン・ロベルトの下、4-5000の軍がコンゴからアンゴラに侵入。UPA軍は農地や植民者居留地、商業地域を奪い公務員や市民を殺害しました。その犠牲者は、大半が中央高地から来たオヴィンブンド人の契約労働者だったとされています。以後、アンゴラ独立運動が本格化。1961年だけで2-3万人のアンゴラ人市民が殺害され、4-50万人がコンゴ共和国(コンゴ・レオポルドヴィル)に避難しました。 ポルトガル側の掃討作戦により、UPAはアンゴラから逃れ、コンゴ軍の実力者モブツ・セセ・セコと米国、さらにイスラエルの支持を得てレオポルドヴィル(現キンシャサ)に拠点を移します。UPAはレオポルドヴィルで他の組織と合併し、アンゴラ民族解放戦線(FNLA)として再編され、同地に亡命アンゴラ政府を樹立しました。 一方、1961年2月の蜂起失敗後、MPLAもレオポルドヴィルに逃れ、レオポルドヴィルでFNLAとの組織統一を訴えましたが、FNLAの攻撃を受け壊滅の危機に陥ります。このため、MPLAは1963年中にレオポルドヴィルを退去してコンゴ共和国(コンゴ・ブラザヴィル)のブラザヴィルに本部を移転し、ソ連やキューバの支援を受けて闘争を継続しました。 さらに、部族主義的な体質の強かったFNLAのジョナス・サヴィンビは、1966年3月、中国の支援を受け、アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)を結成。MPLAと対立します。 こうして、アンゴラでは独立を目指す諸派の対立抗争も交えながらの独立戦争が続いていましたが、1974年4月、リスボンでカーネーション革命が発生し、革命政権がアフリカ植民地での全軍事行動を止め独立を認めると宣言したことで局面が転換。1975年1月、ポルトガル政府とUNITA、MPLA、FNLAがアルヴォー合意に署名し、同年11月11日、アンゴラ人民共和国の独立が達せられました。 しかし、ソ連とキューバの支援の下、首都を掌握する最大勢力のMPLAと、ザイール(1971年、コンゴ共和国から改称)の支援を受けるFNLAの対立は根深く、東西冷戦の文脈で米国がFNLAを支援。さらに、米国はMPLAを敵視する南アを通じてUNITAを支援し、ソ連と対立していた中国もこれに同調するなど、独立後のアンゴラは諸外国をも巻き込んだ泥沼の内戦に突入していくことになります。 さて、『世界の切手コレクション』3月13日号の「世界の国々」では、アンゴラ独立運動史についてまとめた長文コラムのほか、ンジンガ女王、文学者としてのネト、ぺドラス・ネグラスの奇岩の切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。 なお、「世界の国々」の僕の担当ですが、今回のアンゴラ(と一部トーゴ)以降は、3月13日発売の同20日号でのコロンビア(と一部パラグアイ)、4月10日発売の同17日号でのブルガリアの特集となっています。これらについては、順次、このブログでもご紹介する予定です。 ★★★ メディア史研究会で発表します! ★★★ 4月20日(土) 14:00から、東京・水道橋の日本大学法学部三崎町キャンパス4号館地下1階 第4会議室A(地図はこちらをご覧ください)にて開催のメディア史研究会月例会にて、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』の内容を中心に、「メディアとしての“英雄的ゲリラ”」と題してお話しします。 なお、メディア史研究会はまったく自由な研究会で、会員以外の方でも気楽にご参加いただけますので(もちろん、無料)、よろしかったら、ぜひ、遊びに来てください。 ★★ 内藤陽介の最新刊 『チェ・ゲバラとキューバ革命』 好評発売中!★★ 本体3900円+税 【出版元より】 盟友フィデル・カストロのバティスタ政権下での登場の背景から、“エルネスト時代”の運命的な出会い、モーターサイクル・ダイアリーズの旅、カストロとの劇的な邂逅、キューバ革命の詳細と広島訪問を含めたゲバラの外遊、国連での伝説的な演説、最期までを郵便資料でたどる。冷戦期、世界各国でのゲバラ関連郵便資料を駆使することで、今まで知られて来なかったゲバラの全貌を明らかする。 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2010-10-26 Tue 12:32
ヨハネスブルグ滞在2日目になりました。きょう(26日)は、夕方4時からミーティングがあるのですが、それまでは時間が空いているので、朝食を取ったら、午前中、ヨハネスブルグ南西部のソウェトへのツアーに参加してきます。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1981年にアンゴラが発行したソウェト蜂起5周年の切手です。 ソウェト(SOWETO)は“South Western Townships(南西居住地区)”の短縮形で、1904年、ヨハネスブルグ郊外ブリックフィールズの黒人居住地区で疫病が発生したため、アフリカ系住民とインド系住民を移動させてつくった居住地区がルーツとされており、アパルトヘイト政策によって迫害されたアフリカ系住民の象徴の地とされてきました。 1976年、当時の南アフリカ政府は、学校でアフリカーンス語(オランダ系白人の言語)の授業の導入を決定。これに対して、アフリカーンス語を“白人支配の象徴”と見なす黒人たちが激しく反発し、同年4月30日、ソウェト地区のオーランドウエスト小学校の子供たちが学校へ行くことを拒否してストライキに突入しました。その後、抗議行動はソウェト地区の多くの他の学校に広がり、6月16日、学生たちが抗議集会とデモを展開。それに対し警察隊が出動、催涙ガスなどを使用して鎮圧を試みると、デモ隊は投石で応酬し、黒人学生1万人と警察隊300人が衝突し、6人が死亡、約300人が負傷する流血の惨事が発生しました。 その後も暴動は治まらず、6月25日までに死者176人、負傷者1139人、逮捕者1298人(警察発表による)が発生。事態を憂慮した国連安保理は南アフリカを非難する決議案を全会一致で可決し、南アフリカのアパルトヘイト体制はさらに国際的孤立を深めていくことになります。 さて、今回ご紹介の切手が発行された1981年の時点では、南アフリカは依然としてアパルトヘイト体制でしたから、当然のことながら、ソウェト蜂起の記念切手など発行されるはずもなかったのですが、切手を発行したアンゴラも内戦のさなかにありました。当然、切手発行の背景にはアンゴラ内戦の影響があります。 ポルトガルの植民地だったアンゴラでは、1975年3月、アンゴラ解放人民運動 (MPLA)、アンゴラ民族解放戦線 (FNLA)、アンゴラ全面独立民族同盟 (UNITA) の独立運動の主要3組織がポルトガルと休戦協定を調印し、独立が達せられました。当初、MPLAはソ連とキューバの、FNLAはザイールの支援を受けており、最大勢力で首都ルアンダを掌握していたMPLA主体の政権が樹立されるものとみられていました。 ところが、親ソ政権の発足を嫌ったアメリカがFNLAを支援したことで内戦が勃発。さらに、アメリカは、ともかくもMPLAを打倒するため、UNITAに対しても支援を行います。その際、アメリカとUNITAの窓口になったのが、反アパルトヘイトを唱えるMPLAに危機感を抱いていた南アフリカで、反ソという観点から、中国もUNITAへの支援に加わりました。 その後、FNLAは首都進攻を試みたものの、キューバ軍事顧問団が指揮するMPLAに大敗。さらに、キューバ軍は、ナミビア(当時は南アフリカが実質的な支配下においていた)からアンゴラに侵攻した南アフリカ軍を撃退。戦闘の続く中で、1975年11月11日、MPLAが“アンゴラ人民共和国”の、UNITAとFNLAが“アンゴラ人民民主共和国”の独立を宣言しましたが、国際的には、MPLA政権がアンゴラの正統政府とみなされていました。今回ご紹介の切手も、そうした文脈の下でMPLAが発行したもので、アパルトヘイト政策を展開するのみならず、UNITAを支援して内戦に干渉する南アフリカに対する強い抗議の意思が表されたものといえます。 その後、UNITAはゲリラ化し、アメリカと南アフリカの支援を受け続け闘争を継続しましたが、FNLAは1984年に降伏し、1988年に国外へ撤退。冷戦終結後の1991年、MPLAとUNITAは包括和平協定に調印し、翌1992年の選挙ではMPLAが勝利し新政府が樹立されたものの、UNITAはこれを認めず、最終的に、2002年まで内戦が続きました。 なお、アンゴラの内戦が終結する前年の2001年、すでに黒人政権が発足していた南アフリカでは、ソウェト蜂起25周年の記念切手が発行されています。ソウェト地区には関連の博物館もあり、切手に取り上げられたのと同じ写真を用いたモニュメントもあるそうなので、しっかりと拝んでくるつもりです。 (追記) で、先ほどホテルに戻ってきました。モニュメントは博物館前庭の噴水の中にこんな感じで立っていました。忘れないうちに、アップしておきます。 ★★ 突然ですが、テレビに出ます ★★ きょう(あす?)10月27日深夜00:20~01:15、テレビ朝日系の「お願い!ランキング」という番組の「怪しい本の集まる図書館」というコーナーにて、おなじみの佐藤B作切手の話とともに、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』が登場します。もちろん、すでに収録済みのVTR放送で、南アからの衛星生中継ではありません。 当初の予定では、11月3日放送の「スマステーション」に登場の予定だったのですが、急遽、前倒しになりましたので、ご案内いたします。 よろしかったら、ぜひご覧ください。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 事情のある国の切手ほど面白い メディアファクトリー新書007(税込777円) カッコよすぎる独裁者や存在しないはずの領土。いずれも実在する切手だが、なぜそんな“奇妙な”切手が生まれたのだろう?諸外国の切手からはその国の抱える「厄介な事情」が見えてくる。切手を通して世界が読み解ける驚きの1冊! 全国書店・インターネット書店(amazon、bk1、DMM.com、JBOOK、livedoor BOOKS、TSUTAYA、Yahoo!ブックス、7&Y、紀伊国屋書店BookWeb、ジュンク堂書店、楽天ブックスなど)で好評発売中! |
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