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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 露ミサイル攻撃で、在キーウ葡大使館にも損害
2024-12-21 Sat 06:32
 きのう(20日)、ウクライナの首都キーウでロシア軍の弾道ミサイルによる攻撃があり、ポルトガル大使館も損害を受けたとして、ポルトガルのモンテネグロ首相がロシアを批難しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・ウクライナ国民との連帯(2022)

 これは、2022年9月27日、ポルトガルが発行した“ウクライナの人々との連帯”の切手です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(20日)のニッポンジャーナルの内藤出演回は無事に終了しました。次回は12月25日(水)に登場の予定です。引き続きよろしくお願いします。


 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 12月25日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 12月27日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 現在配信中の「日本の歴史を学びなおす ―近現代編その11―」「切手・郵便物でみる朝鮮半島現代史 1956-61」は、2025年1月7日までの配信となり、1月8日からは新たに「切手・郵便物でみる朝鮮半島現代史 1956-61」と巳年にちなむ新企画「蛇の文化史」の配信がスタートします。詳細は各講座名をご覧ください。 


 ★ 『蛇の文化史』 12月30日発売!★

      蛇の文化史・表紙

 「干支の文化史」シリーズ第2作。巳年にちなんで、蛇をめぐるポジティヴ・ネガティヴ、さまざまなイメージの背景にある歴史的・社会的文脈について、主に切手を手掛かりとして読み解いています。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 切手から見る世界と歴史:4月25日橋
2024-04-25 Thu 04:28
 潮流社の雑誌『カレント』の2024年4月号が発行されました。僕の連載「切手から見る世界と歴史」は、今回は、1974年4月25日にポルトガルで発生したカーネーション革命から50周年ということで、1枚をご紹介しました。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・4月25日橋

 これは、2008年10月16日にポルトガルが発行した橋の切手のうち、リスボンの4月25日橋を取り上げた1枚です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 4月26日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 5月1日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 4月26-28日(金-日) スタンプショウ 2024
 毎年恒例、東京・浅草で開催の世界切手祭り・スタンプショウの会期中、以下の日程でトークイベントを行います。事前予約不要・参加費無料ですので、ぜひご参加ください。なお、スタンプショウの詳細は主催者サイトをご覧ください。

 4月26日(金) 14:30-15:30 「セント・ジョージの龍退治:ソヴリン金貨と切手」
 4月27日(土) 11:00-12:00 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』出版記念講演
 4月27日(土) 12:30-13:30 「加賀・能登と戦後の記念切手」


 4月29日(月・祝) 謀略の世界史 特別編~リヒャルト・ゾルゲ
 毎月第1土曜日に開催している講座、「謀略の世界史」の特別編として、戦前の日本を震撼させたソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲについてお話しします。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 5月1日刊行!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


 ★ 『今日も世界は迷走中』 オーディオブックに! ★

      今日も世界は迷走中audible

 拙著『今日も世界は迷走中』がAmazonのオーディオブック“Audible”として配信されました。会員登録すると、最初の1冊は無料で聴くことができます。お申し込みはこちらで可能です。

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 ポルトガル総選挙、“極右”のシェーガが躍進
2024-03-13 Wed 07:39
 10日に行われたポルトガルの総選挙は、中道左派の与党、社会党が前回120議席から77議席に激減する一方、最大野党の社会民主党を中心とする中道右派連合が2議席増の79議席を獲得して勝利を宣言しました。また、“極右”とされる新興保守勢力のシェーガが12議席から4倍増の48議席と躍進しています。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・議事堂(2010)

 これは、2010年9月15日にポルトガルが発行した“共和国100周年:共和国議会”の切手のうち、共和国議会議事堂の正面を取り上げた1枚です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 3月22日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 3月27日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
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 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
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★ 『龍とドラゴンの文化史』 好評発売中!★

      龍とドラゴンの文化史・帯なし

 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 ポルトガルで主要食料品の消費税ゼロに
2023-04-19 Wed 10:06
 ポルトガルで、きのう(18日)から、肉や魚、野菜、果物、パン、コメなどの主要食料品40品目超について、日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)の税率を0%にする特例が10月までの時限措置として導入されました。というわけで、今日はポルトガルの食料品に関する切手の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・缶詰(イワシ2016)

 これは、2016年10月31日にポルトガルが発行した“ポルトガルの缶詰”の切手のうち、イワシ(の缶詰。オイル・サーディン)を取り上げた1枚です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 4月22日(土) スタンプショウ 2023
 於・都立産業貿易センター台東館

 毎年恒例、東京・浅草で開催の世界切手祭り・スタンプショウで、22日(土) 11:00から拙著『現代日中関係史 第2部 1972-2022』の出版記念イベントやります。事前予約不要・参加費無料です。親イベントとなる切手展、スタンプショウの詳細は主催者サイトをご覧ください。

 4月28日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 4月30日(日) 英秘密情報部(MI6)入門
 4月30日(日) 13:00~14:30 よみうりカルチャー荻窪での公開講座です。
 映画「007シリーズ」などにも名前が出てくる英秘密情報部(MI6)について、実際の歴史的事件とのかかわりなどを中心にお話します。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。
 
 よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 原則毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 

★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★

      現代日中関係史2

 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 東京五輪、海外客受け入れ断念
2021-03-21 Sun 03:35
 きのう(20日)、今夏の東京五輪・パラリンピックに関係する日本政府、東京都、大会組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者協議が開催され、海外からの観客の受け入れを断念することが正式に決定されました。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・コロナ時代のスポーツ

 これは、昨年(2020年)6月18日、汎イベリア・オリンピック・アカデミー協会(APAO:Asociación Panibérica de Academias Olímpicas)のオンラインセミナーの記念印が押されたリスボンからサント・アンドレ宛の実逓カバーで、記念印には、セミナーのテーマである「新型コロナウイルス時代のスポーツ」の文言と、参加国・地域を示す地図、五輪マーク、図案化された新型コロナウイルスなどが描かれています。

 APAOは、1968年11月25日にスペイン語圏最初のオリンピック・アカデミーとしてスペイン・オリンピック・アカデミーが創設されてから20周年になるのを機に、1988年、スペイン語およびポルトガル語圏の国・地域のオリンピック・アカデミーによる国際組織として誕生しました。

 2020年6月のAPAOのオンライン・セミナーは、「新型コロナウイルス時代のスポーツ:汎イベリア・オリンピズムの視点から」のテーマの下、3つのセッションから構成されており、新型コロナウイルス禍の中で、スポーツの競技、教育、コミュニケーション、経済など、多角的な面からの報告と討議が行われました。
 
 このうち、6月4日に行われた第1セッションでは、「東京2020-21に向けてのオリンピック・スポーツの挑戦」をテーマに、スポーツの競技、教育、コミュニケーション、経済などさまざまな観点から、新型コロナウイルス禍で、国や企業のスポーツ担当部門が直面するであろうシナリオ、特に、東京五輪が2020年から2021年に延期されることに伴う影響についての報告と討議が行われました。

 ついで、6月11日の第2セッションでは「ソーシャル・スポーツと全ての人々のスポーツ」をテーマに、オリンピック運動についてのアカデミックな報告と討議(これがAPAOの本来の活動です)が行われました。

 そして、今回ご紹介の記念印の押された6月18日には、「スポーツと教育、コミュニケーション」と題してスペイン時間の17時から第3セッションが行われ、スペイン語およびポルトガル語圏から250名がオンラインで参加して活発な討議が行われています。

 さて、今夏に予定されている東京五輪をめぐっては、現在なお、新型コロナウイルスの世界的な流行が続き、世界各国の人々の生活が制限されている中で、今月3日、関係5者協議の第1回会合が開かれ、3月中に海外からの観客受け入れ可否に関する判断を行い、4月には国内の観客の上限を決める方針が決定されていました。

 これを受けて、日本側としては、3月25日には日本国内での聖火リレーがスタートするため、それまでに海外からの観客受け入れの見送りを正式に決める方向で調整を進めていましたが、おととい(19日)、世界陸連の会長でIOC委員も務めるセバスチャン・コー氏が「ワクチンが普及して世界が変化している中、無理に決定を下す必要はない。決断が早すぎないことを願う」と決定の先延ばしを要求。

 このため、五輪組織委員会の橋本聖子会長は都内での定例会見で、25日の聖火リレースタート前に判断するという従来の考えを強調したうえで、「国内外の感染状況を見ながら判断を遅らせるのはできることならそうしたい」とコー氏に理解を示しつつ、「あらゆる業界、職種の方、移動手段、宿泊、準備している方々のことを考えると早い判断が求められる」と、早期決定の意義を訴え、昨日の会合での決定となりました。

 これを受けて、100万人規模の一般客の受け入れはなくなり、海外在住者が組織委から購入した五輪・パラリンピックのチケットは払い戻しされることになりますが、今後、五輪・パラ合わせた約1万5000人の選手を含め、メディア、スポンサー関係者など数万人が入国できるよう調整が進められるそうです。


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 土用丑の日
2020-07-21 Tue 01:06
 きょう(21日)は、土用の丑の日。というわけで、毎年恒例、ウナギに関する切手の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・ウナギ(2016)

 これは、2016年10月31日にポルトガルが発行した“ポルトガルの缶詰”の切手のうち、ウナギのエスカベシュの缶詰が取り上げられています。

 欧州有数の漁業国として知られるポルトガルは水産缶詰の生産も盛んな国で、缶詰の専門店のみならず、缶詰のバーや缶詰料理専門店まであるほどです。ちなみに、1999年の“返還”から50年間はポルトガル領時代の制度が維持されることになっているマカオにも、ポルトガル本国と似たような店構えの缶詰専門店があり、2018年にマカオを訪れた際には、僕もその店を覗いてきました。(下の画像)

      マカオ・缶詰店

 今回ご紹介の切手に取り上げられたウナギのエスカベシュの缶詰は、1942年、ポルトガル中部の漁港、アヴェイロで創業したコムル社が考案しました。コムル社はポルトガルを代表する水産缶詰メーカーの一つで、ポルトガル国内に22店の直営店(うち、14店舗はリスボン市内で営業)があり、その製品は全世界に輸出されています。なお、ウナギのエスカベシュの缶詰は、現在、ポルトガル国内では同社しか製造していません。

 ポルトガルではウナギは好んで食される食材の一つで、コムル社の創業の地、アヴェイロは国内有数のウナギの産地として有名です。その代表的な調理法としては、ウナギを骨ごとブツ切りにしてトマトソースで煮込んだ“エンソパード・デ・エンギーア”のほか、缶詰にもなっているエスカベシュ(エンギーア・フリッテス・コン・モーリョ・エスカベシュ)などがあります。

 切手に取り上げられた宣伝ポスターの女性が手にしている大きさからもわかるように、エスカベシュの材料となるウナギは小ウナギで、これをフライにした後、ニンニク、酢、ヒマワリ油、赤唐辛子、塩に漬け込んで作ります。ちなみに、揚げた魚を酢に漬け込むエスカベシュの調理法は、南蛮貿易の時代にスペインおよびポルトガルから日本にもたらされ、これが現在の南蛮漬けの元になりました。


★ 内藤陽介の最新刊 『みんな大好き陰謀論』 ★

      みんな大好き陰謀論(帯なし表紙) 本体1500円+税

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 お菓子の切手:国王が愛した新大陸からもたらされたチョコレート
2019-10-17 Thu 02:16
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、大手製菓メーカー(株)ロッテの広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』での僕の連載記事、「お菓子の切手」の最新版がアップされました。今回は、こんな切手を取り上げています。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・チョコ切手シート(2018)

 これは、2018年7月16日、ポルトガルが発行した“チョコレートの歴史”の切手シートです。

 ヨーロッパにカカオの実を初めて持ち込んだのはクリストファー・コロンブスですが、食品化されたチョコレートをヨーロッパにもたらしたのは、1544年、ユカタン半島の先住民、ケクチ・マヤ族の使節がスペインのフェリペ皇太子(1556年に国王フェリペ2世として即位)を訪問した際、容器に入れた飲料のチョコレートを献上したのが最初とされています。

 ちなみに、1521年にアステカを征服した、スペインの探検家エルナン・コルテス(1547年没)の一行は、すでに現地でカカオ豆にとうもろこしの粉やスパイスを加えたチョコレートを飲んでおり、スペインでも“珍奇な新大陸の飲み物”の存在は知られていたようです。なお、固形のチョコレートが発明されたのは1847年の英国で、それ以前のチョコレートは原則として飲み物でした。

 さて、チョコレートはフェリペ皇太子に大いに気にいられ、スペインの宮廷ではチョコレート飲料が急速に広まります。そして、ほどなくして、アメリカ大陸の植民地ではカカオのプランテーション栽培も始まります。

 当初、スペインでのチョコレートのレシピはケクチ・マヤ族のものと同じでしたが、次第に、ヨーロッパ人の好みに合わせたものになっていきます。砂糖や牛乳を加え、コショウやシナモン、ローズオイル、麝香(じゃこう)などの香料が入れられるようになりました。ただし、そうしたレシピは17世紀にいたるまで、スペイン王室が門外不出の秘中の秘として厳重に保管していました。

 ところで、1580年、スペインの隣国、ポルトガルでは国王エンリケ1世が亡くなりましたが、後継者は決まっていませんでした。そのころ絶頂期を迎えていたスペインのフェリペ2世は自分がエンリケ1世の甥(おい・姉の子)であることを理由にポルトガル王位を要求。リスボンを陥落させ、ポルトガルとスペインが合同しないという条件の下、フェリペはポルトガル王(ポルトガル王としてはフィリペ1世)に即位します。

 ポルトガル王を兼ねることになったフェリペは、ポルトガルの宮廷に宮廷ココア担当官“チョコラティロ”を設け、これにより、ポルトガルはヨーロッパで2番目にチョコレートを飲用する国となり、植民地のブラジルでもアマゾンを中心にカカオの実が収穫され、大西洋岸の港町、サルバドール(バイーア)から本国向けに盛んに輸出されました。

 なお、ポルトガルは1640年、ブラガンサ家のジョアン4世がポルトガル王として即位し、スペインとの同君連合を解消しますが、チョコレートを愛飲する習慣はその後も引き継がれます。

 今回ご紹介の切手シートには、左半分に、大西洋を挟んでブラジルとポルトガル本国の地図と現在の板チョコを背景に、アステカ時代の遺跡から出土したカカオの実を手にした先住民をかたどった土器を、右半分には廷臣に囲まれながらチョコレートが注がれるのを待つ国王ジョアン5世(在位1706-50年)を描いた油絵を、それぞれ取り上げた切手が収められています。この1枚で、ブラジルから海を越えてやってきたカカオがリスボンの宮廷で国王も愛飲したチョコレートになるというイメージが表現されているわけです。

 なお、シートの余白には色鮮やかなカカオの実が描かれていますが、こちらは、フランスの植物学者エティエンヌ・デニス(1785-1861年)の手になるもので、ポルトガルとは直接の関係はありません。


★★ 講座のご案内 ★★

 10月からの各種講座のご案内です。詳細については、各講座名をクリックしてご覧ください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 11/5、12/3、1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)

・武蔵野大学生涯学習秋講座 
 切手と浮世絵
 2019年10月31日 ー11月21日 (毎週木曜・4回)

 飛脚から郵便へ―郵便制度の父 前島密没後100年―
 2019年12月15日(日) 
 (【連続講座】伝統文化を考える“大江戸の復元” 第十弾 )

★★ 内藤陽介の最新刊 『チェ・ゲバラとキューバ革命』 好評発売中!★★

      チェ・ゲバラとキューバ革命 表紙カバー 本体3900円+税
 
 【出版元より】
 盟友フィデル・カストロのバティスタ政権下での登場の背景から、“エルネスト時代”の運命的な出会い、モーターサイクル・ダイアリーズの旅、カストロとの劇的な邂逅、キューバ革命の詳細と広島訪問を含めたゲバラの外遊、国連での伝説的な演説、最期までを郵便資料でたどる。冷戦期、世界各国でのゲバラ関連郵便資料を駆使することで、今まで知られて来なかったゲバラの全貌を明らかする。

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 ファティマの聖母出現の記念日
2017-05-13 Sat 10:22
 きょう(13日)は、“ファティマの聖母出現の記念日”です。今年(2017年)は、1917年の聖母出現から100周年という節目の年ですから、今日はストレートにこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・ファティマの聖母出現100年

 これは、ことし3月13日にポルトガルで発行された“ファティマの聖母出現100周年”の記念切手で、ロザリオの聖母像が取り上げられています。

 1917年5月13日、ポルトガル中央部、サンタレン県オウレン市の農村、ファティマで、10歳のルシアと従弟で9歳のフランシスコ、8歳のジャシンタの3人の純朴で信心深い子供が、羊たちの面倒を見ていた遊牧地で、昼食を終え、ロザリオ(聖母マリアに霊的なバラの冠を捧げるために繰り返される祈りの言葉)を唱えていました。ちなみに、ロザリオというと、日本では十字架のついた首飾りというイメージが強いのですが、もともとは、聖母マリアに霊的なバラの冠を捧げるために繰り返される祈りの言葉のことです。そして、そこから転じて、祈りの回数を数えるための数珠のこともロザリオと呼ぶようになりました。それゆえ、手にかけて祈りながら数を数えるのがロザリオ本来の使い方となります。

 さて、3人の子供たちがロザリオを唱えていると、そこへ、突如聖母マリアが現れ、みずからを“ロザリオの聖母”と名乗り、 罪人の改心と世界の平和のために毎日ロザリオを祈ること、すべての困難と苦しみを犠牲として神に捧げることを子供たちに願うとともに、毎月13日に同じ場所へ会いに来るように命じました。ルシアは急いで両親にその出来事を報告。両親も最初は信じなかったのですが、噂が広がり、ファティマには大勢の参拝客が訪れるようになります。

 聖母は3度目の出現となる7月13日、最後の出現となる10月13日に奇跡を起こすことを約束。はたして、10月13日には 7万人もの人々が見守る中、太陽が色や大きさを変えて激しく回転するような動きを見せ、人々はファティマの奇跡を信じるようになったそうです。

 聖母は5月13日から10月13日までの6回の出現に際して、さまざまな予言を残しました。その内容には、第一次世界大戦の終結ロシア帝国の崩壊と共産主義の台頭、核兵器の使用やローマ教皇の暗殺事件などが含まれていたといわれています。

 その後、カトリック教会は聖母出現から50周年の1967年に聖母の出現を公認し、5月13日は“ファティマの聖母出現の記念日”とされるようになりました。ちなみに、3人の子供のうちのジャシンタとフランシスコは1919年から1920年にかけて流行の病で相次いで亡くなりましたが、その後、調査のために墓が開かれた際、ジャシンタの遺体の顔の部分は腐敗していなかったといわれています。一方、残されたルシアは修道女となり、2005年2月13日に97歳で亡くなりました。

 なお、このエピソードにちなみ、毎年、マカオでは“ファティマ聖母の行列(花地瑪聖母像巡禮)”として、聖職者が祈祷をあげるなか、白い装束に身を包んだ女性達によって聖母の像が掲げられ、ロザリオの聖母を祀った聖ドミニコ教会から、南灣大馬路へ出て、ペンニャ教会(西望洋聖堂)までパレードするというイベントが行われます。

 なお、マカオのお祭りとしての“ファティマ聖母の行列”については、拙著『マカオ紀行』でもパレードを撮影した写真を交えてご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 

      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

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 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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 次期国連事務総長にグテレス氏
2016-10-07 Fri 18:34
 国連安全保障理事会は、きのう(6日)、年末に退任する潘基文事務総長の後任として、元ポルトガル首相で前国連難民高等弁務官のアントニオ・グテレス氏(以下、敬称略)を総会に勧告する決議を満場一致で採択しました。総会は勧告を受け、来週、グテレス氏を第9代事務総長に任命する見通しです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・UNHCR60年

 これは、2010年にポルトガルが発行した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)60周年の記念切手です。

 次期国連事務総長に内定したグテレスは、1995年10月28日から2002年4月6日 までポルトガルの首相を務めた後、2005年6月15日から2015年12月31日まで、国連の難民高等弁務官を務めていますので、この切手は彼の在任中の発行ということになります。なお、UNHCRの周年切手に関しては、2000年の創立50周年に記念切手を発行する国が多かったのですが、ポルトガルは50周年の記念切手は発行していません。ポルトガル郵政としては、やはり、自国の元首相であるグテレスが高等弁務官の地位にある以上、周年記念切手を発行しないわけにはいかないという判断から、60周年の切手を発行したということなのでしょう。

 さて、UNHCRは、第二次世界大戦によって生じた大量難民の問題に対処するために、1946年4月20日に設立された“国際難民機関 (IRO) が1951年に活動を終了するのを前に、1950年12月14日、国連総会によって設立されました。これを受けて、翌1951年7月28日、難民を救済する法的な基盤かつUNHCRの活動の基本的な法的指針となる「難民の地位に関する条約(難民条約)」が採択されます。

 当初、UNHCRは3年間の期限付きでスタートしましたが、実際に活動を開始すると、わずか3年で難民問題を解決することが不可能であることはすぐに明らかになりました。さらに、ハンガリーで1956年革命(ハンガリー動乱)がおこり、ソ連がそれを武力で弾圧したことから大量の難民が発生。UNHCRは最初の重大な緊急事態に直面し、将来的にUNHCRが不要になるとの理想論は完全に吹き飛びました。

 その後も、パレスチナ紛争や1960年代以降のアフリカ諸国での独立紛争と内戦、中国での大躍進政策の失敗による難民潮、インドシナ紛争やバングラデシュ独立戦争、ラテンアメリカ諸国での内戦、アフガニスタン紛争、ソ連を含む旧東側諸国崩壊後の混乱などが相次ぎ、世界各国で難民が発生し続けており、UNHCRの予算規模も設立年の30万米ドルから、2015年には70億米ドルに拡大しています。

 ちなみに、2005-15年に高等弁務官を務めたグテレスが取り組んだ難民問題のうち、大きなものとしては、イラク戦争とその後の治安の悪化に伴う難民問題と2011年以降のシリア内戦による難民問題がありますが、グテレス本人は、あまり一般に知られていない難民危機として、中央アフリカ共和国コンゴ民主共和国における危機を挙げています。

 次期事務総長への就任が内定したことを受けて、グテレスは早速「紛争やテロの犠牲者など最も脆弱な人々に奉仕する」との声明を発表。難民が第二次大戦後最悪の6500万人を超える中、UNHCRのトップとしての経験を持つ彼のリーダーシップが期待されるところです。


★★★ 講座のご案内 ★★★

 ・毎日文化センター
 下記の通り、1日講座をやりますので、よろしくお願いします。(詳細は講座名をクリックしてご覧ください)

 10月11日(火) 19:00-20:30 リオデジャネイロ歴史紀行
 11月17日(木) 10:30-12:00 ユダヤとアメリカ 
  

★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

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 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


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 ポルトガルがEURO初優勝
2016-07-11 Mon 11:39
 サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)は、10日、決勝が行われ、ポルトガルが延長でフランスを下し初優勝を飾りました。というわけで、手持ちのポルトガル関係のマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル王・ジョアン3世書簡

 これは、1522年5月9日付で、ポルトガル王ジョアン3世からアルコス公ロドリゴ・ポンセ・デ・レオン宛の手紙です。書簡は大きな紙に文面を書き、下に王の署名を記したのち、折りたたんでアルコス公に届けられました。裏面(届けられた時の状態では表面)には、下の画像のような宛名(左)と日附(右)が記されています。

      ジョアン3世書簡・宛名  ジョアン3世書簡・日附

  ジョアン3世は1502年6月7日、ポルトガル王マヌエル1世の長子としてリスボンで生まれ、1521年、父王の死去により19歳で王位を継承しました。今回ご紹介の書簡は1522年の差出ですので、即位後間もない時期のモノとなります。

 書簡に記されている王の称号は“ポルトガルならびにアルグレイヴ、アラビアからインドまで我らの通商を通じて航海し、征服した大洋と陸地の王”となっています。なお、ジョアン3世は、イグナチオ・デ・ロヨラがイエズス会を創設したことを知り、デ・ロヨラに対してポルトガル植民地内の異教徒へキリスト教を布教する宣教師を派遣してほしいと依頼。これを受けて、ロヨラが推薦したのが、フランシスコ・ザヴィエルとシモン・ロドリゲスで、ザヴィエルとアジアとのつながりができることになりました。

 また、マカオにポルトガル人が初めて来航したのは1513年のことでしたが、ポルトガルが明から居留権を得て中国大陸における唯一のヨーロッパ人居留地が形成されたのは、ジョアン3世晩年の1557年(ジョアン3世はこの年に心臓麻痺で崩御)のことです。また、この間、1542または1543年にはポルトガル人が種子島に漂着してわが国に鉄砲を伝えており、ジョアン3世の時代はポルトガルのアジア進出が大きく進んだ時代だったといえます。

 なお、ポルトガルのアジア進出の拠点となったマカオとその歴史については、拙著『マカオ紀行』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 全日本切手展(+内藤陽介のトーク)のご案内 ★★★

 7月22-24日(金ー日) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにオリンピックとブラジル切手展が開催されます。詳細は、主催団体の一つである日本郵趣連合のサイト(左側の“公式ブログ”をクリックしてください)のほか、フェイスブックのイベントページにて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2016チラシ

 *画像は全日展実行委員会が制作したチラシです。クリックで拡大してご覧ください。

  会期中の7月23日15:00から、すみだ産業会館9階会議室にて「リオデジャネイロ歴史紀行」と題するトークイベントを行います。ぜひ、ご参加ください。


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 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。


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 小さな世界のお菓子たち:アイスクリーム・バーの切手
2013-07-17 Wed 08:39
 ご報告が遅くなりましたが、大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第20号(2013年夏号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

       ポルトガル・味覚

 これは、2009年10月2日にポルトガルで発行された味覚の切手です。

 最近でこそ、シール式の切手も増えていますが、現在でも、切手は裏糊を濡らして手紙に貼るものというイメージというイメージを持っている人の方が多いと思います。このため、しばしば、切手の裏糊に味をつけて舐めたら味のする切手を作ったらいいのに…という声が聞かれますが、それを実現したのが、ポルトガルで発行された「五感」の切手の1枚です。

 「五感」の切手は、人間の持つ視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚を体感できるように企画されたもので、このうちの“味覚”の切手はチョコレート・コーティングされたアイスクリーム・バーを描き、裏糊にバニラ味のフレーバーが含まれています。切手を舐めると、“味覚”によってバニラ味を体験できるという仕掛けです。

 以前、TV朝日の「雑学家族」という番組で、世界の変わった切手をご紹介するという企画があり、ゲストとして出演したことがあるのですが、その際、この切手をご紹介し、出演者の小林星蘭さんに実際に裏糊を舐めてもらい、どんな味がするかを試してもらいました。星蘭さんの感想では、裏糊はかすかにバニラの味がするという程度で、実物のアイスクリームのような濃厚な味というわけではなかったようです。やはり、郵便物に貼って剥がれないようにするという糊本来の役割を優先させると、味は二の次にならざるを得ないようです。

 ちなみに、ポルトガルでは、1975年まで同国の植民地だったサントメ・プリンシペ民主共和国(西アフリカ・ギニア湾に浮かぶ島国)産のカカオを原料としたチョコレートが名物となっていますが、その中には、生姜や塩コショウ味のものなど、お菓子というよりもお酒のおつまみに近いものもあるそうです。今回ご紹介の切手の裏糊も、バニラではなく、塩コショウの味付けにすれば、よりはっきりと“味覚”を表現したものとなったかもしれませんが、我々の感覚では、ちょっとアイスクリームのイメージとあわないですね。

 なお、同時に発行された五感の切手のうち、“嗅覚”は湯気の立つコーヒーのデザインでコーヒーの香りつき、“視覚”はサングラスのレンズの部分が切手の角度を変えると色などが変化するホログラム印刷、“触覚”はチューブからこぼれたインクの部分が盛り上げ加工の印刷になっており、“聴覚”はヤスリの部分をこすると音が出るという仕掛けになっています。


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 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は7月30日、9月3日(原則第1火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 表紙の切手
2012-11-10 Sat 17:39
 きょう(10日)は、拙著『喜望峰』の奥付上の刊行日です。というわけで、プロフィール画像にも使っている表紙カバーの下段で取り上げた切手についてご説明しましょう。なお、上段の絵葉書につきましてはこちらをご参照ください。(画像はクリックで拡大されます)

         喜望峰発見500年(ポルトガル)

 これは、1988年にポルトガルで発行された喜望峰発見500年の記念切手で、4種連刷でリスボンからケープまでの航海のイメージが表現されています。

 1486年、バルトロメウ・ディアスは、ポルトガル国王ジョアン2世から、アジアにいたる交易路を確保するとともに、アフリカにあるキリスト教徒の王、プレスター・ジョンの国を探し出し、友好関係を樹立せよとの命を受け、準備期間の後、1487年10月、ポルトガル艦隊を率いてリスボンを出港しました。

 ディアスの船団は、まずコンゴ川の河口に向かい、そこから南下して、ウォルヴィス・ベイ(現ナミビア領)に入港。さらに南下してポート・ノロス(現南ア領)付近に達しましたが、嵐に遭遇し、沖に流されてしまいます。このため、陸地に近づこうと東へ向かったのですが、陸地に到達できなかったため、北上してみると西側に陸地が見えたと伝えられています。彼らは、漂流しているうちに、いつの間にかアフリカの南端を通過していたというわけです。

 その後、彼らは1488年2月3日にモッセル・ベイに上陸。これが、後の歴史書に「ディアスのアフリカ南端到達」として記されることになる出来事となりました。ちなみに、モッセル・ベイという地名は、1601年にこの地に上陸したオランダ人航海士が、ムール貝(=mussel)が大量にとれることから命名したもので、ディアスとは直接の関係はありません。

 さらに、一行は海岸沿いにアガラス岬をまわり、このまま航海を進めればインドに到達できるとの見通しが立ったことで帰路につき、その途中で1488年5月に喜望峰を“発見”。同年末、リスボンに帰還しました。今回ご紹介の切手は、それから500年にあたることを記念して発行されたものです。

 なお、当初、ディアスはリスボンへの帰途で発見した岬を“嵐の岬”と命名して国王ジョアン2世に報告しましたが、国王は、アフリカ南端を廻って東方への航路を拓いたことをいたく喜び、“喜望峰”と改名させました。この改名が結果的に大成功だったことは、実際のアフリカ大陸最南端のアガラス岬よりも、喜望峰=アフリカ南端の地というメージが人々の間に深く浸透していることからも明らかだったといえましょう。

 さて、本日午前中、全国切手展<JAPEX>会場内で行った拙著『喜望峰』の出版記念トークは無事終了いたしました。ご来場いただきました皆様には、この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。

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 世界漫郵記:カリカット①
2012-01-24 Tue 22:54
 『キュリオマガジン』2012年2月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は、インド西海岸篇の2回目として、今回はカリカットを取り上げましたが、その記事の中から、こんな切手をもってきてみました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

      ガマとザモリン     ザモリン宮殿跡

 左の切手は、1998年にポルトガルが発行した“ヴァスコ・ダ・ガマ(以下、ガマと略)のインド到達500年”の記念切手の1枚で、カリカットのザモリン(地方君主)の前でポルトガル国王の親書を読み上げるガマの姿が描かれています。右側には、かつてのザモリンの宮殿跡であるマナンチラ広場の現在の写真を貼っておきました。

 1498年5月20日、カッパドの沖に投錨したガマ一行は、5月28日、いよいよカリカットに上陸します。時間がかかったのは、ザモリンが首都のカリカットに不在だったため、戻ってくるのを待っていたためです。ちなみに、カリカットに上陸した最初の晩、ガマは地元の貴族の邸宅で「バターを使ったコメ料理と素晴らしい煮魚の料理」を供されたものの、緊張と興奮で食事がのどを通らなかったのだとか。

 さて、ガマとザモリンの最初の会見では、ガマはザモリンに対して、自分はポルトガル王の使節であり、キリスト教の王を探して外交関係を築きに来たという趣旨のことを述べたにとどまり、翌々日の5月30日になって、ようやく、ポルトガル国王の親書をザモリンに手交しました。親書はポルトガル語とアラビア語のバイリンガルで、ザモリン側近のムスリム(イスラム教徒)4人がアラビア語で内容をチェックしたうえで、ガマがポルトガル語で読み上げたそうです。

 今回ご紹介の切手では、ザモリンの前でポルトガル国王の親書を読み上げるガマの姿が描かれていますから、5月30日の親書奉呈の場面を取り上げているということになります。

 なお、今回の記事では、ガマとザモリンの会見の場となったマナンチラ広場周辺を中心に、ヒンドゥーのターリー寺院やイスラムのモスクなど、ケララ様式の建築の写真などもいろいろとご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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 ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(2011年11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、同『信濃毎日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号、12月29日付エキレピ!、『郵趣』2012年1月号、『全日本郵趣』1月号、『歴史読本』2月号、『本の雑誌』2月号で紹介されました。

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 ポルトガル・ワイン
2010-11-18 Thu 10:12
 きょう(18日)は11月の第3木曜日。いわずと知れたボジョレー・ヌーボーの解禁日です。というわけで、本来なら新刊の拙著『マカオ紀行』にちなんで、マカオ切手の中からワインがらみの1枚を持ってきたいのですが、あいにくマカオではワインは取れません。というわけで、旧宗主国ポルトガル切手の中からこの1枚です(画像はクリックで拡大されます)

         ポルトガルワイン

 これは、1938年にポルトガルで発行された世界ワイン会議の記念切手です。

 ポルトガルは、ヨーロッパでも最も古いワイン生産国のひとつで、いまから2000年以上前にフェニキア人やカルタゴ人たちによって、ワイン文化が伝えられたとされています。ちなみに、現在のポルトガルのルーツとされる古代ローマの属州“ルシタニア”の名は、ワインと饗宴の神バックスの息子または従者とされるルスス(Lusus)に由来するとされており、ローマ帝国の時代にはローマへワインを輸出していました。

 さて、マカオでワインを楽しもうとすると、必然的に、ポルトガルワインが主流となるのですが、その中でも個人的に僕の好みなのが“緑ワイン(VINHO VERDE)”です。これは、白ワインのうち、完熟していない葡萄を使ったもので、実際にグラスに注いでみるとかすかに青みがかっています。フルーティーでやや酸味があり、ラベルに“Deve beber-se muito frio(冷やして飲め)”と書かれているものもありますがが、たしかに、よく冷えた緑ワインは、ビールとは違った爽快感を味わえます。

          緑ワインとバカリャウのコロッケ

 この画像は、マカオ中央郵便局裏のポルトガル料理店エスカーダでバカリャウ(馬介休球)のコロッケをつまみに、緑ワインを飲んでいたときのものです。

 バカリャウは、骨や内臓を取り除いて塩漬けにした鱈を乾燥した場所で数ヶ月保存してつくった干物のことで、日本ではスペイン料理で使われるバカラオないしはイタリア料理で使われるバッカラといった方が、通りがよいかもしれません。長期間の保存が可能なため、しばしば船乗りたちの食糧としても利用されました。

 かつて、南欧のカトリック文化圏では、いわゆる四旬節(謝肉祭の最終日の翌日から復活祭の前日までの40日間)の期間内には、鳥獣の肉を絶つことになっていたため、魚を食べる習慣がありました。現在では、この習慣もだいぶゆるくはなってきているようですが、それでも、キリストが十字架にかかった聖金曜日を含む四旬節最後の1週間には、伝統的な食事をとる人も多く、バカリャウはその際の象徴的な食べ物にもなっています。

 揚げたてのコロッケのサクサクした衣をかじると火傷しそうな具が口中にあふれてくるのは万国共通の現象。はふはふ言いながら、思わず、きりっと冷えた緑ワインに手が伸びてしまいます。その作業を何度か繰り返していると、コロッケと付け合わせのオリーブがなくなる頃には、たいてい、ボトルのワインは半分くらいに減っているものです。

 拙著『マカオ紀行』では、そうしたマカオの食の楽しみについてもいろいろとご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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 マカオ返還10年
2009-12-19 Sat 13:30
 1999年12月20日にマカオがポルトガルから中国に返還されて10年になります。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ポルトガル・マカオ回顧

 これは、ポルトガル領マカオ最終日の1999年12月19日、ポルトガル本国で発行された“マカオ回顧”の小型シートです。シート地左の地図は、16-17世紀にかけてのマカオが、ポルトガル本国やインド、マラッカと、長崎や広州、マニラ、ティモールなどとの交易の中継地として最盛期を迎えたことを想起させるもので、下には“南蛮貿易”時代のポルトガル人と中国人を描く絵が取り上げられています。切手部分はマカオの市章のレリーフで、ポルトガル領としてのマカオの正式名称“Cidade do Nome de Deus de Makau, Não ha Outra Mais Leal(最も忠貞なる主の名の街)”の後半部分の文字がはっきりと読めます。なお、ポルトガル領マカオでも同日・同図案の小型シートが発行されました。

 1984年12月19日、香港返還を決めた英中共同声明が署名されたことを受けて、マカオ問題に関する中国とポルトガルの交渉が開始されたのは1986年のことです。そして、翌1987年4月、マカオは中国の領土であり、ポルトガルは1999年12月19日までマカオの行政管理責任を有し、中国は翌20日にマカオに対し主権を回復することを定めた中葡共同声明が署名されました。中華人民共和国の特別行政区なったマカオが、以後50年間、ポルトガル領時代の社会・経済制度が維持される(ことになっている)のは、香港の場合と同様です。

 さて、昨年秋から雑誌『キュリオマガジン』で僕が連載を担当している「郵便学者の世界漫郵記」ですが、2010年1月号からは新たにマカオ篇がスタートします。今年連載したルーマニア篇は『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』として1冊の本になりましたが、新たにスタートするマカオ篇も1年後には書籍としてまとめられたらいいなぁ…と思っています。


 ★★★ 出版記念パーティーのご案内 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』の刊行を記念して、ルーマニア民主革命20周年の記念日にあたる12月22日、下記のとおり出版記念パーティーを開催いたします。当日は、僕のトークのほか、日本におけるジプシー・バイオリンの第一人者、古館由佳子さん(当日は彼女のCDも販売します)による生演奏もお楽しみいただけますので、ぜひ、遊びに来てください。

      トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行      古館由佳子 古館由佳子さん

 ・日時 2009年12月22日 18:30~

 ・会場 レストラン・ルーマニア(本格的ルーマニア料理のレストランです。)
     *東京都中野区本町1-32-24(東京メトロおよび都営地下鉄中野坂上駅1分)
      tel: 03-5334-5341 地図などはこちらをご覧ください。
      料理は下の画像のようなイメージで、ブッフェ・スタイルです。
      ルーマニアのワイン(もちろん飲み放題)も出ます。

       ルーマニア料理

 ・会費 7000円(『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』1冊つき)
     *当日会場にてお支払いをお願いいたします。

 ・参加ご希望の方は、キュリオマガジン編集部まで、電子メール[email protected])にてお申し込みください。たくさんの方々のお越しを心よりお待ちしております。

 
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  戦後記念切手の“読む事典”(全7巻) ついに完結!

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 2001年のシリーズ第1巻『濫造濫発の時代』から9年。<解説・戦後記念切手>の最終巻となる第7巻は、1985年の「放送大学開学」から1988年の「世界人権宣言40周年年」まで、NTT発足や国鉄の分割民営化、青函トンネルならびに瀬戸大橋の開通など、昭和末期の重大な出来事にまつわる記念切手を含め、昭和最後の4年間の全記念・特殊切手を詳細に解説。さらに、巻末には、シリーズ全7巻で掲載の全記念特殊切手の発行データも採録。

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 外国切手の中の中国:ポルトガル
2006-11-20 Mon 00:49
 NHKラジオ中国語講座のテキスト12月号が刊行となりました。僕が担当している連載「外国切手の中の中国」では、今回はポルトガルを取り上げています。その中から、こんな1枚をご紹介しましょう。(画像はクリックで拡大されます)

ルイス・フロイス400年

 これは、1997年に発行されたポルトガル人宣教師のルイス・フロイス没後400年の記念切手の1枚で、マカオのセントポール天主堂(跡)を背景にしたフロイスの像が描かれています。

 マカオのシンボルともいうべきセントポール天主堂は、17世紀初頭にイタリア人によって設計されたといわれています。建設には、江戸幕府の弾圧を逃れて長崎から渡ってきた日本人も加わりました。完成当時は東洋最大の教会でしたが、1835年の火災で建物正面のファサードを残して焼失。その特異な姿ゆえに、マカオを代表する建設物として多くの観光客が連日訪れています。

 一方、フロイスは天主堂が完成する以前の1597年に亡くなっていますから、切手のような構図は現実にはありえません。また、彼の主な活動の場は戦国時代の日本であって、彼の著書『日本史』も高く評価されていますが、マカオには3年弱しか滞在していません。

 それにもかかわらず、フロイスとマカオを結びつけるデザインの切手が発行されたのは、マカオのポルトガル人がヨーロッパ文明の伝道師として東アジアに与えた影響を誇示する意図が込められているためと見るのが妥当でしょう。

 今回ご紹介の1枚をはじめ、1999年のマカオ返還を前にしたポルトガルは、16世紀以来のポルトガルによるマカオ支配の意義を強調するような切手をさかんに発行しています。今回の「外国切手の中の中国」では、それらをご紹介しつつ、20世紀後半のポルトガルと中国の関係についてもまとめてみました。是非、ご一読いただけると幸いです。
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