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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 中国の貨物船、台湾の海底ケーブルを破壊した疑い
2025-01-07 Tue 04:21
 台湾の海巡署(わが国の海上保安庁に相当)は、きのう(6日)、今月3日、台湾通信社の中華テレコム(CHT)から北部・基隆沖で通信用の海底ケーブル4本が損傷したとの通報を受け、船舶の運航情報やレーダーを調査したところ、周辺海域を航行していた貨物船“順興39”(船籍はカメルーンですが、船主は香港籍で船員7人は全員中国人)が損傷させたとみて調べていることを明らかにしました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      台湾・電信100年08

 これは、1981年12月28日、台湾が発行した“電信100周年”の記念切手のうち、当時の台湾の海底ケーブルの地図を描いた1枚です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 1月7日(火) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 1月10日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 現在配信中の「日本の歴史を学びなおす ―近現代編その11―」「切手・郵便物でみる朝鮮半島現代史 1956-61」は、2025年1月7日までの配信となり、1月8日からは新たに「切手・郵便物でみる朝鮮半島現代史 1956-61」と巳年にちなむ新企画「蛇の文化史」の配信がスタートします。詳細は各講座名をご覧ください。 


 ★ 『蛇の文化史』 好評発売中!★

      蛇の文化史・表紙

 「干支の文化史」シリーズ第2作。巳年にちなんで、蛇をめぐるポジティヴ・ネガティヴ、さまざまなイメージの背景にある歴史的・社会的文脈について、主に切手を手掛かりとして読み解いています。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 黄砂にご注意ください
2023-04-12 Wed 09:09
 中国の広い範囲で発生した大規模な黄砂が、今日(12日)から明日(13日)にかけて、西日本から北日本の広い範囲に飛来し、地域によっては視程が5キロ未満になり、交通へ影響が出るおそれがあるそうです。十分にご注意ください。というわけで、今日はこんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      台湾・蒙蔵風光(1983-11)

 これは、1983年9月15日、台湾が発行した“蒙蔵(モンゴルとチベット)風光”の切手のうち、モンゴルの砂漠地帯を進む駱駝の隊商を取り上げた1枚です。黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象ですので、その発生源にあたる地域のイメージを描いた1枚ということで選んでみました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 なお、中国とモンゴルの関係については、拙著『現代日中関係史 第1部 1945-1972』でもいろいろまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 4月12日(水) 19:00~  林修のニッポンドリル
 フジテレビ系で放送の「林修のニッポンドリル」の“学者とめぐるシリーズ・日本郵便”に内藤が登場します。よろしかったら、ご覧ください。番組の公式サイトはこちらです。

 4月14日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 4月22日(土) スタンプショウ 2023
 於・都立産業貿易センター台東館

 毎年恒例、東京・浅草で開催の世界切手祭り・スタンプショウで、22日(土) 11:00から拙著『現代日中関係史 第2部 1972-2022』の出版記念イベントやります。事前予約不要・参加費無料です。親イベントとなる切手展、スタンプショウの詳細は主催者サイトをご覧ください。

 4月30日(日) 英秘密情報部(MI6)入門
 4月30日(日) 13:00~14:30 よみうりカルチャー荻窪での公開講座です。
 映画「007シリーズ」などにも名前が出てくる英秘密情報部(MI6)について、実際の歴史的事件とのかかわりなどを中心にお話します。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。
 
 よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 原則毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 

★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★

      現代日中関係史2

 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 国際障碍者デー
2022-12-03 Sat 11:59
 きょう(3日)は、1982年12月3日の第37回国連総会で「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念して、1992年の第47回国連総会で制定された“国際障碍(障害)者デー”です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      台湾・国際障碍者年 (1981)

 これは、1981年2月19日に台湾が発行した“国際障碍者年”の切手で、ろうそくの明かりに照らされた義足の人物と結合双生児(いわゆるシャム双生児)が描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。
 

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 12月9日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 12月24日(土) 13:00~  大英帝国のクリスマス
 英国は、1840年に世界で最初に郵便切手を発行した国で、かつて”日の沈まぬ国”と呼ばれたその広大な領土では、ヴィクトリア女王からエリザベス女王に至るまで、歴代の国王の切手を貼った郵便物が縦横無尽に往来していました。今回は、クリスマスに関する切手・郵便物をピックアップし、それぞれの時代の英国・英領の歴史や社会を読み解きます。お申込などの詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『現代日中関係史 第1部 1945-1972』 好評発売中! ★

      現代日中関係史表_第1部

 日本郵趣出版の新レーベル「郵便×歴史シリーズ」の第一弾の企画として、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解く『現代日中関係史』。その第1巻となる本書は、第二次大戦後、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する1972年9月以前を取り扱っています。なお、1972年の国交”正常化”以降については、2023年3月に刊行予定の第2巻でまとめる予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページのリンクがあるほか、主要書店の店頭在庫も確認できます。また、販売元の郵趣サービス社のサイト、スタマガネットの特設サイトサイトでは、本書の内容見本をご覧いただけます。 

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 中国、台湾の高級魚ハタを禁輸
2022-06-11 Sat 11:08
 中国海関総署(税関当局)は、きのう(10日)、台湾産の高級海水魚ハタについて、昨年以降、禁止薬物や基準を上回る抗生物質がたびたび検出されたとして、13日からの輸入を一時停止すると発表しました。中国は昨年3月以降、パイナップルなど3種類の果物を相次いで禁輸にしており、台湾に対する圧力の一環とみられています。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      台湾・花石斑(1983)

 これは、1983年8月20日、台湾が発行した“漁業資源保護”の切手のうち、ヒトミハタ(の養殖)を取り上げた1枚です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(10日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。リスナーの皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。次回は6月24日に登場の予定です。引き続きよろしくお付き合いください。

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 6月24日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 6月24日(金) 19:00~  読書人Web 「切手がつなげた人と時代」
 『切手でたどる 郵便創業150年の歴史』シリーズ完結を記念して、『読書人』で田中秀臣先生とトークイベントをやります。イベントの詳細とご来場チケット(1500円)の販売はこちら、オンラインのライブ配信チケット(1500円)の販売はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座
 4月6日-7月12日 鏑木清方と江戸の残り香
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 4月13日-7月19日 日本の郵便150年の歴史2 占領時代(1945年の終戦から1952年)
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 5月18日-8月23日 日本の歴史を学びなおす― 近現代編その2― 幕末
 詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.3 平成・令和編』 好評発売中!★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史③表紙

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの最終巻。平成以降、郵政省が郵政事業庁、日本郵政公社を経て、株式会社化され現在に至るまでを扱っています。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 張大千、ピカソを抜く
2012-02-24 Fri 17:28
 美術品情報大手アートプライス(本社パリ)によると、2011年に全世界で行われた美術品競売で、制作者別の落札額合計で前年まで首位だったピカソに代わり、台湾の画家、張大千が初めてトップとなったそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        撥墨荷花図

 これは、1984年に台湾で発行された「張大千の絵画」のうち、彼の代表作である「撥墨荷花」を取り上げた1枚です。

 張大千は、1899年、中国四川省内江の生まれ。伝統的な中国画の修行を積んだ後、1917年、日本に留学し、京都芸術専門学校で染色を学びました。帰国後、1920~30年代には上海などで個展を開催して画家としての地位を確立。1942年から取り組んだ敦煌・莫高窟の壁画の模写は、敦煌の壁画を世界に知らしめるきっかけになりました。

 国共内戦が始まると、共産党の支配を嫌って1948年に香港に脱出。その後、南北アメリカでの活動を経て、1978年、台湾に移住。1983年に亡くなりました。今回ご紹介の切手を含む「張大千の絵画」は、彼の没後1周年にあわせて発行されたものです。

 中華人民共和国の建国後も大陸に残って共産党から厚遇された斉白石に対して、中華民国籍のまま海外で活動し、最終的には台湾で亡くなった張大千は、中国の画家というよりも台湾の画家と紹介するのが妥当だと思うのですが、今回の一件を報じたメディアなどでは、“中国の画家”として紹介されていることが多いようです。本来はチベットの動物であるパンダが“中国の動物”として紹介されるのと同様のケースといえましょう。

 ところで、欧米の美術館には中国の古典絵画を収蔵しているところも多いのですが、その中には、張大千による贋作も少なからず含まれているのだとか。もっとも、加熱する中国の美術品市場では、張大千の贋作もかなり出回っているものと思われます。中には、“張大千の作った贋作”と称して、現在の画家が作った商品もありそうです。いずれにせよ、あと何十年かすると、現在、張大千の贋作を作って世に出た人物が、張大千並みのスターになっているということもあるかも知れません。

 いずれにせよ、ホンモノの張大千だと最低でも数百万は覚悟しないと入手できませんが、切手ならせいぜい数百円で入手できるのがうれしいです。このクラスの切手なら、偽物の心配というのもまずありませんしね。


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 ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(2011年11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、同『信濃毎日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号、12月29日付エキレピ!、『郵趣』2012年1月号、『全日本郵趣』1月号、CBCラジオ「朝PON」(1月26日放送)、『スタンプマガジン』2月号、『歴史読本』2月号、『本の雑誌』2月号で紹介されました。

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 雪中送炭
2011-03-19 Sat 23:35
 きのう(18日)、台湾で紅十字会(赤十字に相当)やテレビ各局などの主催で東日本大震災の被災者を支援するチャリティー番組が行われ、生放送中に7億8800万台湾ドル(約21億5000万円)の義援金が寄せられたとのこと。なんともありがたい話です。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

        雪中送炭

 これは、1980年9月23日に台湾で発行された「民間故事」のうち、“雪中送炭”を取り上げた1枚です。

 “雪中送炭”とは、宋の太宗(趙光義)の時代、天候異変で大雪に見舞われた際に、皇帝が城内の貧しい人々に米と炭を与えた故事にちなみ、人が苦難を抱え困っている時に助けの手を差し伸べることをいう表現となりました。今回の台湾の方々の善意は、いまだ厳しい寒さの中で震えている被災地の方々にとって、文字通り“雪中送炭”の義挙であり、日本人として感謝の念に堪えません。

 わが国では、ときどき、大陸の共産政権に阿り、彼らの主張する「一つの中国」論なる荒唐無稽なデタラメに追従して台湾を粗略に扱う人がいますが、大陸の共産政権は、わが国に向けて核兵器の照準を合わせ、尖閣諸島に事実上の軍事侵略を行う国だということを忘れてはなりません。

 もちろん、今回の震災に際して大陸からの支援にも感謝すべきではあるのでしょうが、彼らが潜在的な敵国であるという厳然たる事実は、震災の前後でも何ら変わっていないのが現実です。それゆえ、無邪気に彼らの“善意”を信じ、安易に原発事故の処理や重要な防衛拠点での“支援活動”に参加してもらうのは、控えた方が良いように思います。

 じっさい、震災復興のために必要であるとはいえ、自衛隊の兵力が一挙に10万人も被災地に派遣されているという現状では、わが国の国防には大いに不安があります。したがって、中国がわが国に対する“援助”を申し出るのなら、なによりもまず、わが国に向けて核兵器の照準を向けることを止め、尖閣地域での侵略活動を停止することこそが、わが国に対する真の援助といえるのではないでしょうか。

 ちなみに、19日付の香港紙『東方日報』には、「中国が釣魚島を奪回するには、コストとリスクを最小限にしなくてはならず、今が中国にとって絶好のチャンスだ」との論評が掲載されたそうです。日本に支援をしようという一般の香港人が多数いる中で、中共政権の本音が垣間見えた瞬間といえましょう。

 なお、“雪中送炭”の反対語は“錦上添花”ですが、これは金持ちにへつらい、堤燈を持つことの比喩として使われます。対中ビジネスでの目先の利益を追求するばかりに、真に日本のことを心配してくれている友邦を蔑にする人には、ぴったりの表現ですな。

 こういう時だからこそ、我々には真の友好国を見極める眼力が必要だということを忘れてはなりません。


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 中正紀念堂
2007-12-09 Sun 15:47
 台北の観光スポットとして有名な中正紀念堂で、蒋中正(=蒋介石)の名前にちなむ“大中至正”の文字が当局によって撤去されたという記事をネットのニュースで読みました。というわけで、今日はこんな切手を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

中正紀念堂

 これは、1985年に発行された蒋介石没後10周年の記念切手の1枚で、中正紀念堂が取り上げられています。

 台湾の独裁者であった蒋介石が1975年に亡くなると、行政院(日本の内閣に相当)は同年6月、紀念堂の建設を決定します。紀念堂の工事は蔣の生誕90年にあたる1976年10月31日に始まり、1980年3月31日に完成。同年4月5日から、一般公開されています。

 紀念堂を取り上げた最初の切手は、一般公開前日の1980年4月4日に発行された“蒋介石没後5周年”の2円切手ですが、このときは紀念堂のメインの建物のみで、今回問題になった正門と“大中至正”の額は登場しません。正門から紀念堂を臨む構図の切手としては、1981年4月5日から発行が始まった普通切手が最初のものとなりますが、いかんせん、“大中至正”の文字が小さくてわかりにくいので、今回は、1985年の記念切手を持ってきたという次第です。

 蒋介石に関しては、1947年の2・28事件をはじめとする数々の本省人(1945年以前から台湾に居住していた人々とその子孫)への差別と弾圧、戒厳令や白色テロによる恐怖支配などから、本省人の中では「アメリカは、日本には原爆を落としただけだが、台湾には蒋介石を落とした」として、台湾の本省人の間では根強い拒否感があります。

 こうしたこともあって、台湾を中国とは別個の存在として台湾の独自性を内外にアピールしたい陳水扁政権は、今年(2007年)5月、人権侵害を重ねてきた独裁者の名前を冠した記念施設は不適切として、中正紀念堂を台湾民主紀念館へと改名しようとしました。これに対して、翌6月、立法院(台湾の“脱中国化”に否定的な野党勢力が多数を占めている)が政府提出の「台湾民主紀念館組織規程」を否決し、建物の名称は中正紀念堂に戻されたという経緯があります。

 今回の措置について、陳水扁は「蒋介石の威光を維持し続けることは反民主、反人権であり、反台湾でもある」と説明し、“大中至正”の文字が取り外された跡には、自由廣場の文字が取り付けられています。まぁ、建物そのものを破壊してしまえとならないだけ、旧朝鮮総督府庁舎を解体してしまった韓国なんかと比べて、台湾での“過去の清算”のやり方はマイルドだといえるのかもしれません。

 僕の個人的な感覚からすると、台湾では清朝の時代から現在にいたるまで、原則として、中国本土と別の切手が使われ続けてきたことでもありますし、台湾が“中国”の一部であるというロジックには、感覚的になじめないものがあります。それだけに、現在の陳政権による“脱中国化”の流れは至極まっとうなことのように思えてならないのですがねぇ。
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