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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ボツワナ、建国以来初の政権交代へ
2024-11-02 Sat 09:46
 アフリカ南部のボツワナの選挙管理委員会は、昨日(1日)、10月30日に行われた議会選挙の結果を発表し、与党ボツワナ民主党(BDP)が大幅に議席を減らして敗北し、モクウィツィ・マシシ大統領が退陣して野党連合“民主改革のためのアンブレラ(UDC)”の指導者で弁護士のドゥマ・ボコが新大統領に就任すると発表しました。ボツワナはアフリカ屈指の民主主義国家とされていますが、政権交代は、1966年の独立以来、今回が初めてのことです。というわけで、今日はこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ボツワナ・自治政府10年

 これは、1975年3月24日にボツワナが発行した“英領ベチュアナランド自治政府創設10周年”の記念切手で、BDPの創設者にしてボツワナ共和国初代大統領のセレッツェ・カーマの肖像が描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 11月3日(日・祝) 14:00~ 正しい多文化共生セミナー 
 TKP新橋汐留ビジネスセンターにて、救国シンクタンク主催の第8回セミナーとして、埼玉県南部の川口市を中心とした“クルド人問題”を中心に内藤がお話しします。お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 11月4日(月・振休) 09:00~ 減税&規制廃止カンファレンス 
 2017年から開催されてきた日米の「税制改革」について議論するシンポジウム“Japan-US Innovation Summit”を継承したイベントで、内藤も15:00から登壇します。お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 11月6日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 11月8日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 きょうからテーマティク研究会切手展
2023-02-04 Sat 01:32
      テーマの会2023ポスター

 きょう・あす(4・5日)の2日間、東京・目白の切手の博物館で第14回テーマティク研究会(旧テーマティク出品者の会。JTPC:Japan Thematic Philatelists Club)の切手展が開催されます。(冒頭の画像は展覧会のポスター。以下、画像はクリックで拡大されます)

 今回は、バオバブの木を題材とした作品を御出品の羽賀正雄さんの御尽力で、会場では初日限定で、下のデザインの小型印(バオバブの木が描かれています)が使用されます。

      テーマティク研究会小型印(2023)

 ちなみに、バオバブが描かれた最初の切手は、1932年12月12日、南部アフリカの英領ベチュアナランド(現ボツワナ)で発行された普通切手で、同図案で額面ごとに刷色の異なる12種があります。(下の画像)

      ベチュアナランド・1932年10シリング

 切手は、当時の英国王ジョージ5世の肖像の下に現地の風景を描いたもので、コブウシのいる水辺の風景の一部として、画面の左側にバオバブの木が描かれています。詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 さて、JTPCは、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。

 なお、会期中のあす。5日(土)13:00からは、拙著『現代日中関係史』を題材にしたトークイベントも開催します。3月刊行予定の第2巻の予告編的な内容もありますので、切手展の参観と合わせて、ぜひ、ご参加いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 2月5日(日) 13:00~ 「現代日中関係史」
 2月4・5日(土・日)に東京・目白の切手の博物館で開催される「第14回テーマティク研究会切手展」にあわせて、下記の通り、拙著『現代日中関係史』の刊行記念トークイベントを開催します。切手展の参観と合わせて、ぜひ、ご参加ください。(切手展の詳細はこちら

 【日時】 2月5日(日) 13:00~14:30
 【会場】切手の博物館3階会議室
 【参加費】無料 ※先着順・最大20名
 【問合先】(公財)日本郵趣協会 TEL:03-5951-3311 

 2023年2月10日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 原則毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『現代日中関係史 第1部 1945-1972』 好評発売中! ★

      現代日中関係史表_第1部

 日本郵趣出版の新レーベル「郵便×歴史シリーズ」の第一弾の企画として、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解く『現代日中関係史』。その第1巻となる本書は、第二次大戦後、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する1972年9月以前を取り扱っています。なお、1972年の国交”正常化”以降については、2023年3月に刊行予定の第2巻でまとめる予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページのリンクがあるほか、主要書店の店頭在庫も確認できます。また、販売元の郵趣サービス社のサイト、スタマガネットの特設サイトサイトでは、本書の内容見本をご覧いただけます。 

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 現生人類は20万年前、ボツワナで誕生
2019-10-30 Wed 00:37
 現生人類は20万年前、アフリカ南部、ボツワナのマカディカディ(マカリカリとも)・オカヴァンゴ地域で誕生したとする論文が、28日付の科学誌『ネイチャー』に発表されたそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ボツワナ・地図

 これは、1975年、ボツワナが発行した“ベチュアナランド保護領成立90年”の記念切手で、現在のボツワナ国家の原型となった同保護領の地図が取り上げられています。今回の論文で取り上げられているマカディカディ・オカヴァンゴ地域は、同国北部に位置しており、今回ご紹介の切手の地図でも、マカディカディ塩湖の位置がしっかり示されています。

 世界最大の内陸デルタとして知られるオカヴァンゴ・デルタは、ボツワナ北部のカラハリ砂漠に、アンゴラから流れてくるオカヴァンゴ川が流れ込んで生じたデルタです。面積は季節によって変化し、真夏の1月に最小となりますが、この時期、オカヴァンゴ川の源流域は雨季となっており、膨大な量の雨水は4月にデルタ入口のパンハンドル地帯に到達。5-8月まで、4ヶ月にわたり一帯に水がいきわたります。また、カラハリ砂漠の中では広大なオアシスとして、アフリカゾウやサイ、カバやライオンなどの大型動物を含む様々な野生動物が生息しており、1996年にはラムサール条約に登録されました。

 一方、マカディカディ塩湖は、スア・パン、ントウェトウェ・パン、ンサイ・パンの3つに別れており、1年の大半は塩に覆われた乾燥した白い平原となっていますが、雨季にはジンバブエのブラワヨ周辺から流れてくるナタ川やオカヴァンゴ・デルタから流れてくるボテティ川から水が注ぎこみます。

 かつてのマカディカディ湖は、現在の4倍、6万平方キロに及ぶ巨大なモノでしたが、気候の乾燥化とともに縮小し、現在の塩湖の部分を残して消滅。ただし、塩湖の周辺からは石器が豊富に出土することから、完新世初期にはすでに人間が居住していたと考えられてきました。

 さて、現生人類のホモ・サピエンス・サピエンスがアフリカで誕生したことは以前から知られていましたが、その正確な場所は、これまで特定されていませんでした。

 そこで、今回の論文を発表した国際研究チームは、現在、南アフリカとナミビアで生活しているコイサン人200人からDNAサンプルを採取し、地理的分布や考古学、気候変動のデータと合わせ、ゲノム年表を作製。年表から人類の起源が20万年前のマカディカディ・オカヴァンゴ地域であると推測。研究チームによると、人類はこの地域に約7万年の間住んでいたものの、約13万年前に起きた気候変動により世界各地に広がっていったそうです。


★★ 講座のご案内 ★★

 10月からの各種講座のご案内です。詳細については、各講座名をクリックしてご覧ください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 11/5、12/3、1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)

・武蔵野大学生涯学習秋講座 
 切手と浮世絵
 2019年10月31日 ー11月21日 (毎週木曜・4回)

 飛脚から郵便へ―郵便制度の父 前島密没後100年―
 2019年12月15日(日) 
 (【連続講座】伝統文化を考える“大江戸の復元” 第十弾 )


★ 最新作 『(改訂増補版)アウシュヴィッツの手紙』 11月25日発売!★

       (増補改訂版)アウシュヴィッツの手紙・表紙  本体2500円+税(予定)
 
 2015年の拙著『アウシュヴィッツの手紙』の内容を大幅に充実させた改訂増補版です。近日中にウェブ上に特設ページも解説しますが、当面、詳細につきましては出版元のえにし書房にお問い合わせください。

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 世界の切手:ボツワナ
2019-07-06 Sat 01:13
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2019年6月12日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はボツワナ(と一部ルワンダ)の特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ボツワナ・独立加刷

 これは、1966年のボツワナ独立時、英領ベチュアナランド時代の切手に“ボツワナ共和国”の文字を加刷して発行された切手です。

 現在のボツワナ国家に相当する地域には、19世紀前半、トランスヴァール地方からツワナ系の人々が移住し、クウェナ支族のセチェレ1世によるバクウェナ首長国やタワナ支族によるバタワナ首長国などが成立していました。

 19世紀後半になると、そうしたツワナ系の首長国は、トランスヴァール共和国から西進を狙うアフリカーナー(オランダ系入植者の子孫)と、南西アフリカ(現ナミビア)を保護領化したドイツ帝国の間に挟まれ、両者の標的となったため、英国に保護を求めます。これを受けて、188年、英国は遠征隊を派遣してアフリカーナーを追放し、東はリンポポ川、西はドイツ保護領のモロポ川の北にまで領域を広げて“ベチュアナランド保護領”を建設。1890年にはドイツとの協定により、チョベ川まで北に保護領を拡大、現在のボツワナ共和国の前身となる領域を確立します。

 ベチュアナランド保護領の成立後、ウィットウォーターズランド(現・南ア)で発見されていた金鉱脈が北にも存在すると信じた人々はベチュアナランド保護領への進出を企て、セシル・ローズはベチュアナランド保護領を英国南アフリカ会社に移管するように要求しましたが、カーマ、セベレ、バトエンのツワナ系首長三人が英本国を直接訪問して強く抗議したため、1895年11月、ベチュアナランド東部の一部を割譲することを条件に、大英帝国内でのベチュアナランド保護領の自立性は保持されました。

 第一次大戦後、旧ドイツ領南西アフリカが南アの委任統治下に置かれると、ベチュアナランドはアフリカーナーおよび彼らと協調する白人国家に包囲されてしまいます。このため、ベチュアナランドのツワナ人にとっては、英国を最大限に利用して、周囲のアフリカーナーの圧力をいかに減じるかが最大の課題となりました。

 特に、第二次大戦後の1946年、南アは一方的に南西アフリカの併合を宣言したばかりか、1948年には、アパルトヘイト政策を開始。こtれは、ベチュアナランドにとって深刻な脅威でした。

 1948年9月、ングワト首長の王子(王位継承権者)で、英国留学中のセレッツェ・カーマが英国人女性のルース・ウィリアムズと結婚すると、アパルトヘイト政策を掲げる南アがこれに介入。南アはこの結婚に反対し、英国にカーマの王位を放棄させるよう圧力をかけたため、戦後復興のために南アの資源を必要としていた英国はカーマに王位継承権の放棄を要求しました。

 また、ングワト族の長老たちもカーマの結婚に難色を示し、膠着状態が長らく続きましたが、1956年、カーマの叔父で結婚に反対していたツェケディが訪英してカーマを説得。カーマは、英国の承認の下、王位を放棄し、一市民としてベチュアナランドに戻ります。

 帰国したカーマはングワト議会に議会を得て、副議長となり、1962年、ベチュアナランド民主党(現ボツワナ民主党)を結成して独立運動を展開しました。

 それまで独立運動の中心であった急進左派のベチュアナランド人民党が、白人入植者の追放、首長を中心とする伝統的政治体制の打破などの過激な主張を展開していたのに対して、カーマの民主党は穏健な現実主義路線を唱えたため(たとえば、周囲を南西アフリカ、南ア、ローデシアのアパルトヘイト諸国に囲まれている現実を踏まえ、アパルトヘイトに反対しつつも、経済封鎖や軍事衝突はさけるべく、周辺諸国との決定的対立は避けるよう、言動には細心の注意が払われた)、次第にベチュアナランド全体へと支持を拡大。また、英国もカーマの民主党であれば、独立後も影響力を残せると考えるようになります。

 この結果、1963年、英国はベチュアナランド独立の予定を公開。翌1964年にはベチュアナランドの選挙人登録を行い、1965年に実施されたベチュアナランド議会選挙では、カーマの民主党が8割の票を集め、31議席中28議席を獲得。カーマは英領ベチュアナランド自治政府として最初で最後の首相に就任して独立の準備を進め、1966年、ボツワナ共和国としての独立を達しました。

 さて、『世界の切手コレクション』6月12日号の「世界の国々」では、ボツワナ独立にいたるまでの経緯をまとめた長文コラムのほか、ツオディロの岩絵やオカヴァンゴ・デルタの切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。

 なお、「世界の国々」の僕の担当ですが、今回のボツワナ(と一部ルワンダ)の次は、6月12日発売の同19日号でのソロモン諸島、6月26日発売の7月3日号でのキューバの特集となっています。これらについては、順次、このブログでもご紹介する予定です。

      
★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月13-15日(土-月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにポーランド切手展が開催されます。全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2019ポスター

 *画像は実行委員会が制作したポスターです。クリックで拡大してご覧ください。


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      チェ・ゲバラとキューバ革命 表紙カバー 本体3900円+税
 
 【出版元より】
 盟友フィデル・カストロのバティスタ政権下での登場の背景から、“エルネスト時代”の運命的な出会い、モーターサイクル・ダイアリーズの旅、カストロとの劇的な邂逅、キューバ革命の詳細と広島訪問を含めたゲバラの外遊、国連での伝説的な演説、最期までを郵便資料でたどる。冷戦期、世界各国でのゲバラ関連郵便資料を駆使することで、今まで知られて来なかったゲバラの全貌を明らかする。

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 ボツワナでゾウの狩猟解禁
2019-05-28 Tue 02:33
 アフリカ最後の“ゾウの聖域”とも呼ばれているボツワナで、先週、ゾウの生息数が増加し、農家の生計手段に深刻な影響が出ているとして、5年にわたった狩猟禁止措置が終了となりました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ボツワナ・チョベ国立公園(ゾウ)

 これは、2001年にボツワナが発行した“チョベ国立公園”の切手のうち、同公園内のアフリカゾウを取り上げた1枚です。

 ナミビア北東部に細長く突き出たカプリヴィ回廊の南側はボツワナの北部国境と接していますが、その厳密な境界については、1990年にナミビアが独立するまで、必ずしも明確ではありませんでした。

 このため、ナミビアの独立を機に、国境の画定をめぐって両国間で対立が発生。その際、論争の中心となったのは、チョベ川のどの水路を国境とするかというもので、これは、川の中央の小島(ナミビアではカシキリ島、ボツワナではセドウドウ島と呼ばれる)の帰属と密接に関係していました。

 ところで、ボツワナでは、英領時代の1931年、現在のチョベ国立公園の地域を国立公園として野生生物を保護する構想が提案され、翌1932年、チョベ区域周辺の2万4000平方キロが公式に狩猟禁止区域となりました。その後、1960年、狩猟禁止区域のうちの2万1000平方キロのエリアにチョベ動物保護区が成立。1966年のボツワナ独立を経て、1967年にはチョベ国立公園に指定されます。その後、徐々にこの地域の入植・居住が制限され、1975年には全域で人間の居住がなくなりました。さらに、1980年と1987年の2回にわたり、国立公園のエリアは拡大されています。

 1990年以降、ナミビアとの領有権の対立が生じた地域について、ボツワナ政府は、チョベ川中央の島はチョベ国立公園の一体不可分なものと主張。これに対して、ナミビア政府は、回廊東部の住民が数世代にわたって島を牧草地や埋葬地に使ってきたことを主張したため、対立は国際司法裁判所に持ち込まれ、1999年12月、主要な水路と今後の国境線を島の北側とし、島はボツワナ領とする決定が下されました。今回ご紹介の切手は、これ受けて、あらためて、チョベ国立公園の全域がボツワナ領であることを有れたものです。

 さて、チョベ国立公園のエリアは、アフリカゾウのうち、カラハリゾウが多く住むことでも知られており、将来的に見ても地球上で最も多くのゾウが生息し続ける場所とみられています。1970年代以降、密猟が横行し、個体数が激減したため、2014年、当時のイアン・カーマ大統領は、それまで、ボツワナ政府が認可していた年間420-800頭のゾウの狩猟を全面的に禁止しました。

 ところが、これにより、ゾウの数が増え、農業にも悪影響が出ているとして“対策”を求める声が上がったため、昨年4月に就任したモクウィツィ・マシシ大統領は、今回、首領禁止措置の終了に踏み切ったというわけです。

 これに対して、自然保護の活動家はもとより、狩猟ではなく動物や自然の写真を撮るのが目的の“フォトグラフィックサファリ”の関係者(ちなみに、狩猟による雇用が1000人程度なのに対して、フォトツーリズム関係の雇用は8万4000人分とされています)が反発。この問題は、今年10月の選挙をにらんで、政争の具になりつつあるというのが実情のようです。


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 ダイヤモンドの露天掘り
2010-10-19 Tue 16:05
 きのう(18日)、来日中のボツワナのカーマ大統領が天皇陛下と会見。席上、陛下が「ボツワナはダイヤモンドの産出国として有名ですが、チリで最近起きたような事故はあまりないんでしょうか」と質問されると、大統領は、ダイヤモンドは露天掘りのため閉じ込められる心配はないと説明したそうです・というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

         ボツワナ・ダイアモンド採掘

 これは。1970年にボツワナが発行した鉱山開発の切手の1枚で、ダイヤモンド鉱山のようすが描かれています。たしかに、大統領のいうように、露天掘りですから落盤の危険性はなさそうです。ただし、組み上げたプラントが崩落する可能性はないのかという点では不安がないわけではありませんが…。

 ボツワナは、南部アフリカの内陸に位置しており、南を南アフリカ共和国、西と北をナミビア、東をジンバブエに囲まれています。1966年にイギリスから独立して現在の国名になりましたが、収集家にとっては、それ以前のベチュアナランドの方が通りが良いかもしれません。

 アフリカでは数少ない複数政党制に基づく民主主義が機能している国として知られ、独立以来クーデターや内乱は一度も起きたことがなく、最大政党のボツワナ民主党が独立以来政権を保っているものの、ボツワナ国民戦線やボツワナ会議党等の野党も実質的に機能しているようです。

 経済面では、独立当初は、牧畜を基幹産業として牛肉の輸出に全面的に依存していましたが、1967年にダイヤモンドが発見されて以降、急速な経済発展を達成。アフリカでは世界最貧国に位置づけられる国が多い中、1人あたりGDPはマレーシアやアルゼンチン、ルーマニアなどの他の大陸の工業国と同クラスの世界60位前後に位置し、中所得国に分類されています。

 国家経済を支えるダイヤモンドは産出高世界第1位で、ダイヤモンド産業がGDPの42%、輸出総額の75%、政府歳入の約5割を占めています。また、ダイヤモンド大手のデビアスのDTC(ダイヤモンド・トレーディング・カンパニー)が、2008年にロンドンからボツワナに移転したことで、近年、多くの研磨工場が作られました。デビアスは日本でも派手な広告で知られていますから、読者の皆様の中には、案外、気付かずにボツワナ産のダイヤモンドをお持ちの方というのも少なくないかもしれませんね。


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