2024-01-31 Wed 04:34
雑誌『キュリオマガジン』2024年1月号が発行されました。僕の連載「エドワード7世の郵便学」は、今回は、1892年、エドワード7世(当時は王太子)の長男、クラレンス公アルバート・ヴィクターが1892年に亡くなり、二男のジョージ・フレデリック(後のジョージ5世)が王位継承順位2位となったことについて取り上げました。その記事の中から、きょうはこの1枚をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1899年6月、ジョージ王子の肖像を描くニューファンドランドの5セント切手です。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 1月31日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。 2月9日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『龍とドラゴンの文化史』 好評発売中!★ 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2018-01-11 Thu 05:35
本日(11日)16:05から、NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第14回が放送される予定です。(番組の詳細はこちらをご覧ください)。今回は、今年最初の放送ということで、こんなモノもご紹介しながら、1887年に世界で最初の犬切手を発行したニューファンドランドについてお話します。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1949年、ニューファンドランドのカナダ編入時に作られたニューファンドランド切手とカナダ切手の混貼カバーで、ニューファンドランドを象徴する犬とカナダを象徴するビーヴァーが握手するイラストがカシェとして描かれています。 大西洋北西部のニューファンドランド島へは、1497年、イタリア人の探検家、ジョン・ガボットが上陸して以来、隣接するラブラドール半島の大西洋岸(ラブラドール地方)ともども、英仏やスペインなどから漁民が渡ってくるようになりました。これは、この地域の沖合はタラの好漁場だったためで、その後、漁業権や領有権をめぐってはたびたび英仏間で対立が生じています。 1713年のユトレヒト条約により、ニューファンドランドは英領植民地になりますが、その後、米国の独立戦争やフランス革命などを経て入植者たちは自治を求めるようになったため、1854年、ニューファンドランド自治政府が樹立。この自治政府の下、1857年、ニューファンドランドとして最初の切手が発行されました。以後、1949年3月まで、ニューファンドランドは独自の切手を発行し続けています。 ところで、現在のカナダの領域には、当時、ニューファンドランドの他にも、上カナダ(現在のオンタリオ州)、下カナダ(現在のケベック州)、ノヴァスコシア、ニューブラウンズウィックといった英領植民地がありました。1867年に制定された英領北アメリカ法により、カナダの英領植民地の大半は統合され、カナダ自治領が発足し、現在のカナダの原型ができあがるのですが、ニューファンドランドはこれに加わらず、独自の自治領という立場を維持。1907年、自治権を拡大して、事実上の独立国となりました。なお、ラブラドール半島でのニューファンドランドとカナダ・ケベック州との境界線が最終的に確定されたのは1927年のことです。 1914年、第一次世界大戦がはじまると、ニューファンドランドは英国とともに参戦しましたが、戦費の負担は重く、また、出征した若者の4分の1が戦死するなど、大きなダメージを受けました。さらに、1929年の世界恐慌により財政事情は一層悪化します。 このため、1931年にウェストミンスター憲章が成立して自治領の独立が認められた際にも、カナダが独立国となったのに対して、ニューファンドランドは同憲章を受け入れる余裕がなく自治領にとどまらざるをえませんでした。このため、1934年には自治権を返上してイギリスの直轄植民地に復帰。結局、第二次大戦後の1949年3月31日、ニューファンドランドは住民投票により、ニューファンドランド州としてカナダ連邦に加わります。今回ご紹介のカバーに貼られている緑色のカナダ切手は、これを記念して発行されたものです。 その後、1964年から、州内ではニューファンドランド・ラブラドール州という名称を使用し始めますが、ラブラドール半島の主部を占めるケベック州が難色を示したため、連邦レベルで正式に採用されることはありませんでした。2001年10月のカナダ憲法改正により、同年12月6日以降、州の名称は正式にニューファンドランド・ラブラドール州へと変更され、現在に至っています。 *昨日(10日)の「クロノス」の放送は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。 ★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回は11日!★★ 1月11日(木)16:05~ NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第14回が放送予定です。今回は、年明け最初ということで、世界で最初に犬の切手を発行したニューファンドランドについてお話する予定です。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。 ★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★ 本体2500円+税 【出版元より】 中東100 年の混迷を読み解く! 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史! 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2013-07-25 Thu 11:43
先日ご誕生の英国王室の王子のお名前は“ジョージ・アレクサンダー・ルイ”に決まりました。というわけで、きょうは“プリンス・ジョージ”の切手の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1911年、英国王ジョージ5世の即位を記念してニューファンドランドで発行された“ロイヤル・ファミリー”の切手のうち、ジョージ王子(プリンス・ジョージ)を取り上げた8セント切手です。ジョージ王子はジョージ5世の次男で、長男のエドワードが皇太子でしたが、エドワードは国王エドワード8世として即位後まもない1936年12月、いわゆる“王冠をかけた恋”で退位したため、突如、ジョージ王子が国王ジョージ6世として即位することになりました。皇太子時代のジョージ6世を取り上げた切手は、他にもあるのですが、やはり、新たな“プリンス・ジョージ”の誕生に合わせての記事ですので、子供の頃の肖像の切手がよかろうと思い、この1枚を選んだという次第です。 切手を発行したニューファンドランド自治州は、現在のカナダ・ニューファンドランド・ラブラドール州の領域に相当しています。 ニューファンドランドの地に白人の入植がはじまったのは、1497年にイギリスがこの地を植民地としてからのことで、1854年には自治政府が樹立されます。その後、1907年にはカナダとは別の事実上の独立国となりましたが、第一次大戦に参戦したことで財政が逼迫。さらに、1929年の世界恐慌により財政事情は一層悪化しました。 このため、1931年にウェストミンスター憲章が成立して自治領の独立が認められた際にも、カナダが独立国となったのに対して、ニューファンドランドは同憲章を受け入れる余裕がなく自治領にとどまらざるをえず、1934年には自治権を返上してイギリスの直轄植民地に戻らざるを得ませんでした。結局、第二次大戦後の1949年3月、ニューファンドランドは住民投票によりカナダ連邦に加わり、現在にいたっています。 この間、1857年1月から1949年3月末まで、ニューファンドランドでは、カナダ本土とは別に、独自の切手が発行されていました。今回ご紹介の切手もその1枚ですが、クラシックな雰囲気がなんともいい感じです。今後、生まれたばかりの“プリンス・ジョージ”の切手がいろいろと発行されることになるのでしょうが、こういう雰囲気の切手は出てこないんだろうなぁ。 ★★★ 内藤陽介の次回作(予告) ★★★ ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★ 『マリ近現代史』 北アフリカ・マリ共和国の知られざる歴史から混迷の現在まで、 切手・絵葉書等で色鮮やかに再現したオールカラーの本格的通史! amazon、e-hon、hontoネットストア、Honya Club、JBOOK、7ネット・ショッピング、紀伊國屋書店、版元ドットコム、ブックサービス、文教堂、丸善&ジュンク堂書店、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★ 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は7月30日、9月3日(原則第1火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2012-02-06 Mon 23:11
1952年2月6日、ジョージ6世の崩御に伴いエリザベス2世がイギリス国王として即位してから、ちょうど60年です。というわけで、きょうはエリザベス女王の切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1932年にニューファンドランドで発行された6セント切手で、当時6歳のエリザベス王女が描かれています。 現在のカナダ・ニューファンドランド・ラブラドール州の領域は、かつては、ニューファンドランド自治領としてカナダ本土とは別に独自の切手を発行していました。 ニューファンドランドの地に白人の入植がはじまったのは、1497年にイギリスがこの地を植民地としてからのことで、1854年には自治政府が樹立されます。その後、1907年にはカナダとは別の事実上の独立国となりましたが、第一次大戦に参戦したことで財政が逼迫。さらに、1929年の世界恐慌により財政事情は一層悪化しました。 このため、1931年にウェストミンスター憲章が成立して自治領の独立が認められた際にも、カナダが独立国となったのに対して、ニューファンドランドは同憲章を受け入れる余裕がなく自治領にとどまらざるをえず、1934年には自治権を返上してイギリスの直轄植民地に戻らざるを得ませんでした。結局、第二次大戦後の1949年3月、ニューファンドランドは住民投票によりカナダ連邦に加わり、現在にいたっています。 この間、1857年1月から1949年3月末まで、ニューファンドランドでは、カナダ本土とは別に、独自の切手が発行されていました。今回ご紹介の切手もその1枚です。 この切手が発行された1932年の時点では、イギリス国王はジョージ5世で、皇太子はエドワード(のちのエドワード)でした。この時点では、4年後の1936年12月、エドワード8世がいわゆる“王冠をかけた恋”で突如退位し、弟のジョージ6世が国王として即位するとは予想できなかったでしょうし、ましてや、この切手に描かれた幼女が20年後の1952年にエリザベス2世として即位することになるとは思いもよらなかったことでしょうな。 ちなみに、今年6月には即位60周年を記念する行事が4日間にわたって行われる予定だそうですが、そういうことなら、このブログでもそれに合わせて、在位60年の間に彼女の肖像がどんなふうに変化していったか、4日連続でたどってみても面白いかもしれません。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 年賀状の戦後史 角川oneテーマ21(税込760円) 日本人は「年賀状」に何を託してきたのか? 「年賀状」から見える新しい戦後史! ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(2011年11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』、『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、同『信濃毎日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号、12月29日付エキレピ!、『郵趣』2012年1月号、『全日本郵趣』1月号、CBCラジオ「朝PON」(1月26日放送)、『スタンプマガジン』2月号、『歴史読本』2月号、『本の雑誌』2月号で紹介されました。 amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoor BOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、 セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! |
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