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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 台風11号の被害、ヴェトナムは死者250人超
2024-09-15 Sun 10:08
 南シナ海で一時、猛烈な勢力に発達した台風11号が今月7日にヴェトナムに上陸して以来、きのう(14日)までの1週間で、土砂崩れや洪水などにより、これまでに254人が死亡し、82人が行方不明になっています。というわけで、今回の台風で最も被害の大きかったラオカイ省に関する切手として、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・ラオカイ省(棚田2017)

 これは、2017年2月9日、ヴェトナムが発行した観光宣伝切手のうち、ラオカイ省の棚田を取り上げた1枚です。今回の台風では、ラオカイ省の被害が最も大きく、集落ごと大量の土砂に飲み込まれ、住民46人が死亡したほか、今も40人以上が行方不明になっていて、地元当局などが捜索活動を続けているとのことで、亡くなられた方に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災地の一日も早い復旧をお祈りしつつ、選んでみました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 また、ラカイン省は1979年の中越戦争の戦場になった地域でもありますが、中越戦争と日本との関係については、拙著『現代日中関係史 第2部 1972-2022』でもいろいろご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 9月20日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 9月27日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 ヴェトナム最高指導者、グエン・フー・チョン共産党書記長亡くなる
2024-07-20 Sat 02:54
 ヴェトナム最高指導者のグエン・フー・チョン(阮富仲)共産党書記長(以下、敬称略)が、きのう(19日)、ハノイ市内の病院で亡くなりました。80歳。というわけで、謹んで哀悼の意を表しつつ、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・第11回党大会(2011)

 これは、2011年1月5日、ヴェトナムが発行した第11回共産党大会の記念切手です。グエン・フー・チョンは、2011年1月の同大会開催中の第11期党中央委員会第1回総会で党書記長・政治局員に選出され、翌日の党大会で書記長就任を承認されましたので、この切手を選んでみました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(19日)のニッポンジャーナルの内藤出演回は無事に終了しました。次回は7月24日(水)に登場の予定です。引き続きよろしくお願いします。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 7月20日(土) 13:30~  栃木「正論」友の会 第22回講演会 
 7月20日 (土) 13:30-15:00(開場13:00)、栃木県護国神社・護国会館(宇都宮市陽西町1-37)で開催の栃木「正論」友の会 第22回講演会にて、「迷走する国際情勢の背景を読み解く」と題してお話しします。会費は2000円。お申し込みは、下記画像のチラシをプリントアウトして、03-3241-4281までFAXでご送信いただくか、 seiron.k★sankei.co.jp (スパム防止のため★を@に変えてご利用ください)に必要事項をお送りください。 皆様のご参加をお待ちしております。

      正論の会・チラシ

 7月24日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 7月26日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 8月10日(土) 13:30~  本当は恐ろしい!こわい切手
 よみうりカルチャー荻窪にて、拙著『本当は恐ろしい!こわい切手』からの選りすぐりのエピソードを中心にお話しします。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

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 ディエンビエンフーの戦い70周年
2024-05-07 Tue 02:58
 第一次インドシナ戦争の勝敗を決定づけた“ディエンビエンフー(ディエン・ビエン・フー)の戦い”で、1954年5月7日、ヴェトナム人民軍が勝利し、フランスのインドシナ撤退が決定的になってから、ちょうど70年になりました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・ディエンビエンフー60年(2014)

 これは、2014年5月5日、ヴェトナムが発行した“ディエンビエンフーの勝利60周年”の記念切手で、2004年に戦勝50年を記念して建立されたディエンビエンフー勝利記念碑が取り上げられています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


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 5月8日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 5月10日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

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 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

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 映画「バービー」、ヴェトナムで上映禁止
2023-07-07 Fri 07:31
 米ワーナー・ブラザースの映画「バービー」が、劇中に登場する地図に“九段線(中国が南シナ海のスプラトリー諸島パラセル諸島の領有権や海洋権益を主張するために一方的に設定した地図上の線で、ハーグの常設仲裁裁判所で”法的根拠がなく、国際法に違反する”との判決が出されたもの)”が描かれていたことから、ヴェトナム政府は“主権の侵害”を理由に、「バービー」の上映を禁止しました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・沿岸警備艇(2020)

 これは、2020年8月27日、ヴェトナムが発行した“ヴェトナムの海と島”シリーズ第2集のうち、中国による領海侵犯等を取り締まるヴェトナム海上警察の巡視船、“CSB-4033”を描いた1枚です。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月15-17日(土-月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)が開催されます。今回は、会期中3日連続で、内藤が併催の韓国切手展の展示解説を行うほか、トークイベントも行う予定です。時間等は現在、最終調整中ですが、展覧会の情報は全日本切手展のオフィシャルサイトなどで、随時アップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2023・招待券(ブログ用)
 
 *招待券(裏面押印なきものは無効)の画像です。

 会期中、内藤は以下の展示解説とトークイベントを行います。事前予約不要ですので、ぜひご参加ください。

 15日・16日・17日 13:00~ 併催の韓国切手展の展示解説
 15日 15:00 新刊『今日も世界は迷走中』刊行記念講演 

  

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 7月14日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 ジョン・F・ケネディとその時代
 7月22日(土)から、毎月第4土曜日開催のよみうりカルチャー北千住での講座です。今から60年前の1963年11月に暗殺をされたケネディ大統領とその時代について、様々な角度から解説をします。詳細はこちらをご覧ください。

 切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史 7月25日開講!
 武蔵野大学の新たな講座(対面式)「切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史」が7月25日にスタートします。詳細はこちらをご覧ください。

 新講座「龍の文化史」 8月9日配信開始!
 武蔵野大学の新たなWeb講座「龍の文化史」が8月9日から配信開始になります。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。今回の講座では、日本の龍を皮切りに、中国、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。
 
 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★

      現代日中関係史2

 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 ヴェトナム国家主席、コロナ汚職で解任
2023-01-19 Thu 07:06
 ヴェトナムで、新型コロナウイルス禍に対応した在外国民向けの特別機や検査キットを巡る汚職事件で複数省庁の幹部らが次々と逮捕されていた問題で、きのう(18日)、臨時国会が開かれ、引責辞任を申し出ていたグエン・スアン・フック国家主席(最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長に次ぐ序列2位)の解任決議案が承認されました。国家主席が任期途中で解任されたのは1976年の南北統一以来初めてのことで、後任が決まるまでボー・ティ・アイン・スアン副主席が代行を務めます。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・コロナ(2020A)

 これは、2020年3月31日にヴェトナムが発行した“手を携えて新型コロナウイルスを予防し、戦おう”の切手のうち、マスクの着用や検温、消毒などのコロナ対策を表現した1枚です。

 今回解任されたフック氏は、この切手が発行された当時は首相としてコロナ対策の指揮を執りました。その後、2021年3月15日の国会常務委員会で次期ヴェトナム社会主義共和国主席に推薦。国家主席就任のためには首相を辞する必要があるため、4月1日付で首相を解任され、国家主席に就任しました。なお、ヴェトナムで前首相が国家主席となるのは、これが最初のケースでした。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。
 

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 2023年1月27日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 1月28日(土)開講! よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。 

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『現代日中関係史 第1部 1945-1972』 好評発売中! ★

      現代日中関係史表_第1部

 日本郵趣出版の新レーベル「郵便×歴史シリーズ」の第一弾の企画として、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解く『現代日中関係史』。その第1巻となる本書は、第二次大戦後、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する1972年9月以前を取り扱っています。なお、1972年の国交”正常化”以降については、2023年3月に刊行予定の第2巻でまとめる予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページのリンクがあるほか、主要書店の店頭在庫も確認できます。また、販売元の郵趣サービス社のサイト、スタマガネットの特設サイトサイトでは、本書の内容見本をご覧いただけます。 

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 切手から見る世界と歴史:ヴェトナムのネコ年
2023-01-03 Tue 05:27
 潮流社の雑誌『カレント』の2023年1月号が発行されました。同誌では、今月から「切手から見る世界と歴史」と題する僕の新連載がスタートしましたが、今回は新年号でもあるので、干支にちなんでこんな切手をご紹介しました。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・1987年用年賀切手(ネコ年)

 これは、いまから36年前の1987年1月6日、同年のテト(旧正月)を前にヴェトナムが発行した年賀切手で、ヴェトナムではウサギの代わりに卯年の動物とされるネコが木を植える少女と老人の足元でじゃれている様子が描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


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 2023年1月13日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 1月28日(土)開講! よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。 

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 日本郵趣出版の新レーベル「郵便×歴史シリーズ」の第一弾の企画として、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解く『現代日中関係史』。その第1巻となる本書は、第二次大戦後、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する1972年9月以前を取り扱っています。なお、1972年の国交”正常化”以降については、2023年3月に刊行予定の第2巻でまとめる予定です。

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 菅首相、初外遊でヴェトナムへ
2020-10-19 Mon 02:32
 菅義偉首相は、就任後初の外遊として、昨日(18日)午後、東京を出発し、ヴェトナム・ハノイ市に到着しました。というわけで、きょうはヴェトナム関連のマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・朱文安カバー

 これは、1992年にヴェトナムで発行された“儒者・朱文安(チュー・ヴァン・アン)生誕700周年”の記念切手が貼られた実逓カバーです。
 
 朱文安は、昇龍(タンロン、現ハノイ)の生まれ。幼少時から秀才として知られ、科挙に合格し大学生となりましたが、清廉剛直な人柄で、不正を憎むがゆえに、腐敗した宮廷には出仕せず、自宅で私塾を開き、弟子たちの教育を行っていました。その才を惜しんだ陳朝大越の第5代皇帝、明宗(在位1314-29)は、彼を国子監(官吏養成機関)の教師として招聘。皇太子で後の第6代皇帝、憲宗の教育にあたらせました。

 憲宗は、1329年、父から譲位されて11歳で即位したものの、父の明宗が太上皇として権力を保持。憲宗は1341年に23歳の若さで崩御し、弟の裕宗が6歳で第7代皇帝となりましたが、その後も太上皇の明宗が実権を握り続けました。

 1357年、明宗が崩御すると、ようやく裕宗の親政が始まりましたが、裕宗は酒色に耽り奢侈を好むなどして国政が乱れたため、朱文安は皇帝を諌め、7人の奸臣を処断するよう「七斬疏」と題する上奏文を献じましたが、裕宗は聞き入れませんでした。このため、朱は職を辞して隠棲し、1370年に亡くなりました。死後、朱は勅命により文貞公の称号を追贈され、孔子を祀る文廟に合祀されました。

朱文安はヴェトナム史上最高の知識人の1人としてヴェトナム人の尊敬を集めており、ハノイ市内には、文廟近くには彼の名を冠したチュウ・ヴァン・アン通りや、チュウ・ヴァン・アン中学、高校があります。ちなみに、同中学校は、2003年、ヴェトナムの中等教育段階で初めて、第1外国語科目としての日本語教育を開始した学校で、同高校でも、2007年から日本語教育が行われています。

 今回ご紹介のカバーの切手に貼られた切手は、そんな朱文安の生誕700年を記念して発行されたもので、“忠孝”の文字の前で講義を行う朱を題材としています。しかし、彼の時代にはヴェトナムには眼鏡が伝来していなかったにもかかわらず、切手の朱は眼鏡をかけた姿で描かれていたため、“図案ミス”として発行後すぐに回収されました。このため、今回ご紹介のように、実際に郵便に使用された例は多くはありません。


★ 内藤陽介の最新刊 『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』 ★

      日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史カバー 本体1600円+税

 出版社からのコメント
 【中国の札束攻勢にソロモン諸島は陥落寸前!】
 日本軍の撤退後、悲劇の激戦地は
 いかなる歴史をたどり、
 中国はどのように浸透していったのか

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 ヴェトナムで初の新型コロナ死者
2020-08-01 Sat 03:02
 ヴェトナム政府は、きのう(31日)、新型コロナウイルスによる初めての死者が出たことを明らかにしました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・コロナ(2020B)

 これは、ことし3月31日にヴェトナムが発行した“手を携えて新型コロナウイルスを予防し、戦おう”の切手のうち、医療チームの活動を取り上げた1枚です。緑色の五角形は“隔離地域”を意味しており、背後には世界各国の国旗と拳を描き、全世界一丸となってのウイルスとの戦いが表現されています。ちなみに、緑の五角形の下辺の右側には日章旗も見えています。

 ヴェトナムにおける新型コロナウイルスの感染例は、ウイルスの発生源とされる中国・武漢市からハノイに帰国した男性の感染が確認されたのが最初です。

 感染者の確認を受けて、ヴェトナム政府は早くも1月24日にはヴェトナムと武漢の間の全フライトを禁止。その後も各地で感染者の報告が相次いだことから、グエン・スアンフック首相は、ウイルスのヴェトナムへの蔓延を防止およびその措置を命じ、ヴェトナム国民にクラスターが発生している地域への立ち入りを避けるよう警告し、徹底した感染拡大の防止策を採ります。

 たとえば、あるマンションで感染者が発見されると、そのマンションが全棟封鎖されるだけでなく、感染者と接触した人が住んでいるマンションも封鎖の対象となり、最低2週間、住民はマンションからの外出が禁じられました。この間、住民の食事はすべてデリバリーで手配され、隔離期間中のPCR検査により、建物の住民全員が陰性でないと、外出禁止は解除されません。こうして、中国人労働者5000人以上を含め、感染者の出た地域の住民の大規模な隔離を行い、軍や大学の寮を隔離施設として使い、8万人に及ぶ住民が収容されたといわれています。

 また、2月に入ると、教育訓練省は、ウイルスの拡散に対する検疫措置の一環として3月末まで全国のすべての学校活動を一時停止し、その後、4月中旬までこれを延長しています。一方、新型コロナウイルスの最初の症例が報告された後、他の国同様、ヴェトナムでもマスクと消毒剤がすぐに売り切れたことから、保健大臣は国民に対して不要不急の買いだめを避けるよう要請する一方、ウイルス禍に乗じたマスクなどの転売で利益を上げる者を逮捕しました。

 今回ご紹介の切手は、こうした状況の下で、新型コロナウイルスとの戦いにおいて、医療従事者を讃え、国民の団結を訴える趣旨の切手が発行されたものです。
 
 こうした対応の結果、ヴェトナムのウイルスの封じ込めは効果を上げ、6月末の時点でヴェトナムの感染者は累計300名超に留まり、これまで、死者はゼロを維持し続けてきました。
 
 ところが、7月25日に中部ダナンでクラスター(感染者集団)の発生が判明。同31日には新たに45人の感染が確認され、国内で428番目の患者だった70歳の男性が亡くなりました。これが、ヴェトナムにおける新型コロナウイルスによる最初の死者で、米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、7月末の時点でヴェトナムの感染者は545人となりました。


★ 文化放送「おはよう寺ちゃん 活動中」 出演します!★

 8月7日(金)05:00~  文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時のスタートですが、僕の出番は6時台になります。皆様、よろしくお願いします。

 
★ 内藤陽介の最新刊 『みんな大好き陰謀論』 ★

      みんな大好き陰謀論(帯なし表紙) 本体1500円+税

 出版社からのコメント
 【騙されやすい人のためのリテラシー入門】
 あなたは大丈夫?賢い人ほどダマされる!
 無自覚で拡散される負の連鎖を断ち切ろう
 まずは定番、ユダヤの陰謀論を叱る! !

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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 海自潜水艦、カムラン湾寄港
2018-09-18 Tue 03:53
 きのう(17日)、海上自衛隊の潜水艦“くろしお”が、1973年9月21日の日越国交樹立から45周年を記念し、南シナ海に面するヴェトナム中部の軍事要衝カムラン湾に寄港しました。南シナ海で中国との領有権問題を抱えるヴェトナムとの連携を示し、中国を強く牽制することが目的です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・チュンオンサ諸島の植物

 これは、2016年にヴェトナムが発行した“チュンオンサ諸島の植物”の切手です。

 ヴェトナム語でいうチュンオンサ諸島は、南シナ海南部の無数の岩礁・砂州などから構成される“諸島”で、日本では英語のスプラトリー諸島、中国語の南沙諸島などの名称が一般的です。ただし、“諸島”の名とは裏腹に、最大の“太平島”でも陸上面積は約0.5 平方キロで、国連海洋法条約上の “島”とみなせる領域は一つもありません。

 南沙諸島をめぐっては、1907年に日本漁船が長島(現・太平島)付近で操業を開始。その後、1929年に日本の業者が硫黄の採掘を始めたものの、世界恐慌の影響を受けて間もなく採掘は中止されました。そこへ、1933年、当時、インドシナを支配していたフランス軍がここを占拠しましたが、その後、日本が奪還して台湾・高雄市に編入。第二次大戦中の1944年には日本海軍の潜水艦基地がおかれていました。

 こうした経緯から、日本敗戦後の1945年12月、中国国民政府(以下、国府)は広東省に“南沙管理処”を設置したのに対して、1946年10月、フランス軍は西鳥島および長島に上陸。その後、この地域の帰属をめぐり中仏協議が行われる予定でしたが、第一次インドシナ戦争が勃発したこともあり、協議は行われないままに放置されました。

 1951年、サンフランシスコで対日講和条約が調印されると、わが国は台湾および澎湖諸島、新南群島(スプラトリー諸島)および西沙群島(パラセル諸島)の領土権を正式に放棄しましたが、放棄後、それらの領域がどの国に帰属するか未定のままとされました。

 こうした中で、1956年10月22日、南ヴェトナム政府が、南シナ海の諸島とバリア省の一部と併せ“フックトゥイ省”を設置しましたが、中国は突如、パラセル諸島(西沙諸島)に侵攻して東半分を占領。西半分を領有する南ヴェトナムと対峙するようになります。さらに、ヴェトナム戦争末期の1974年1月には、中国はパラセル諸島西半部にも侵攻し、南ヴェトナム軍を排除して同諸島を完全に占領してしまいました。

 ヴェトナム戦争の時代、北ヴェトナムは中国からの援助を受けているという建前もあって、中国による南ヴェトナム領への侵攻に対しては事実上黙認せざるを得ませんでした。

 しかし、ヴェトナム戦争が終結後、1979年の中越紛争を経て、1988年、中国はパラセル諸島に2600メートル級の本格的な滑走路を有する空港を完成させて南シナ海支配の戦略拠点とし、同年3月、ヴェトナム支配下のチュンオンサにも侵攻。両国海軍は、ジョンソン南礁(中国名:赤瓜礁)で衝突し、ここで勝利をおさめた中国が、赤瓜礁(ジョンソン南礁)、永暑礁(ファイアリー・クロス礁)、華陽礁(クアテロン礁)、東門礁(ヒューズ礁)、南薫礁(ガベン礁)、渚碧礁(スビ礁)と名付けられた岩礁または珊瑚礁を支配するようになりました。

 このように、南シナ海の島々の領有権問題はヴェトナムにとって中国による侵略の脅威を象徴するものとなっており、この問題をめぐり、しばしば、ヴェトナム国内反中デモが発生していることは周知の通りです。


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

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 米空母、ダナン寄港へ
2018-03-04 Sun 17:07
 米空母「カールビンソン」が、あす(5日)、1975年のヴェトナム戦争終結後初めて、ヴェトナム中部のダナン港に寄港するそうです。といわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・ダナン解放

 これは、南北ヴェトナム統一後間もない1976年12月14日に発行されたダナン解放の場面を取り上げた切手です。

 ヴェトナム中部のダナンはハン川の河口に位置する港町で、地名は、チャム語で“大河”または“大河口”を意味しています。1835年、阮朝の明命帝が全ての欧州船にダナンに入港するよう勅令を発したため、ヴェトナム中部最大の港として急成長しました。

 1887年、フランス領インドシナ連邦(仏印)が成立すると、1889年、フランスのインドシナ総督府はダナン市をクアンナム省から切り離し、トゥーランと改称して総督直轄地としましたが、1949年6月14日、フランス支配下の自治国としてヴェトナム国が発足すると旧称のダナンに復しました。

 ヴェトナム戦争下の1965年3月、米軍がダナンに上陸し、軍事拠点を構築。中でも、ダナンの空軍基地はヴェトナム戦争で米軍が設置した空軍基地の中でも最も大規模なもので、戦争中は一日平均2595機の離発着が行われました。これは、民間空港・空軍基地をあわせて、世界で最も離発着の多い飛行場という記録になっています。

 1967年には、ダナンは第一・第二戦略地域の政治、文化、軍事面の中心として中央直轄市となり、米軍によって、飛行場、港、銀行、情報・通信システムなどの基地インフラが整備されました。これに伴い、ダナンは機械工業をはじめとする産業都市になりましたが、1968年の旧正月に南ヴェトナム解放民族戦線がダナン駐留米軍に大攻勢をかけた“テト攻勢”によって大きな損害を受けています。 

 1973年1月のパリ平和協定を受けて、同年3月29日に米軍がヴェトナムから撤退した後も、ダナンは南ヴェトナム側の拠点として維持されていましたが、戦争最末期の1975年3月29日から30日にかけて、北ヴェトナム軍によって“解放”されました。今回ご紹介の切手は、その時の模様を再現したもので、北ヴェトナム側による戦車の接収場面が描かれています。

 1975年のヴェトナム統一後、ダナンはクァンナム省に編入されましたが、1996年11月の地方行政区に伴い、旧ダナン市にホアヴァン県とホアンサ島地区が加えた現ダナン市が中央直轄市としてクァンナム省から分離され、現在に至っています。

 * 昨晩、アクセスカウンターが189万PVを超えました。いつも閲覧していただいている皆様には、あらためてお礼申し上げます。  


★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回は8日!★★

 3月8日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第17回(最終回)が放送予定です。今回は、平昌パラリンピックの開幕前日の放送ということで、パラリンピックの切手についてお話する予定です。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。

  
★★★ 世界切手展< THAILAND 2018>作品募集中! ★★★

 本年(2018年)11月28日から12月3日まで、タイ・バンコクのサイアム・パラゴンで世界切手展<THAILAND 2018>が開催される予定です。同展の日本コミッショナーは、不肖・内藤がお引き受けすることになりました。

 現在、出品作品を3月12日(必着)で募集しておりますので、ご興味がおありの方は、ぜひ、こちらをご覧ください。ふるってのご応募を、お待ちしております。


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 世界の国々:ヴェトナム
2015-02-04 Wed 11:17
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2015年2月4日号が、先週刊行されました。僕が担当しているメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はヴェトナムを取り上げました。その記事の中から、この切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・アオザイ

 これは、1997年にヴェトナムで発行されたアオザイの切手です。

 ヴェトナム人が正装として着用する民族衣装アオザイは、もともとは“長上着”の意味で、かつては官服として男性も着用していましたが、現在の日常生活で着用するのはほぼ女性に限られています。18世紀に清朝から移入された旗袍(チャイナドレスの原型)が起源で、上衣は前合わせの立襟で、足首にかかるほど丈は長く、深いスリットが入っています。これに合わせる下衣は、白い長ズボン(クワン)です。

 切手に取り上げられたような女性用の白いアオザイは伝統的に未婚女性用のもので、現在でも多くの高等学校では女子生徒の制服として採用されています。

 さて、『世界の切手コレクション』2月4日号の「世界の国々」では、第二次大戦後の独立宣言から第1次インドシナ戦争ヴェトナム戦争を経て統一ヴェトナムが誕生するまでの概要をまとめた長文コラムのほか、竹の繊維を使ったホーチミンの切手や“猫年”の年賀切手、民族的英雄のチュン姉妹や羅漢寺の切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、本日発売の2月11日号では、「世界の国々」はベラルーシを特集していますが、こちらについては、来週、このブログでもご紹介する予定です。 


 ★★★ イベント「みんなで絵手紙」(2月8日)のご案内 ★★★

      狛江絵手紙チラシ・表     狛江絵手紙チラシ・裏

 2月8日(日) 10:00-17:00に東京・狛江のエコルマホールにて開催のイベント「みんなで絵手紙 見て、知って、書いて、楽しもう」のトークイベントに内藤陽介が登場します。内藤の出番は13:30-14:15。「切手と絵・手紙」と題してお話しする予定です。是非、遊びに来てください。主宰者サイトはこちら。画像をクリックしていただくと、チラシの拡大画像がごらんになれます。


 ★★★ 講座「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」(2月20日)のご案内 ★★★ 

       ミズーリの消印

 2月20日13:00~14:30、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」と題する講座を行います。

 2015年は第二次世界大戦の終戦から70周年にあたります。終戦の年の1945年はあらゆる意味で社会が激変した年ですが、その影響は切手や郵便物にもさまざまな痕跡を残しています。今回の講座では、当時の切手や郵便物を読み解いていくことで、一般の歴史書では見落とされがちな終戦の諸相を、具体的なモノの手触りとともに明らかにしてみたいと思っています。

 詳細は、こちらをご覧ください。(画像は、日本の降伏文書調印が行われた米軍艦ミズーリ号から降伏文書調印日に差し出された郵便物の一部分です) 

 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 毎月1回(原則第1火曜日:2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は2月3日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


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 在日ヴェトナム人、都内でデモ
2014-05-12 Mon 15:23
 南シナ海・パラセル諸島(中国名:西沙諸島)のヴェトナムの排他的経済水域で中国が勝手に石油掘削を行い、ヴェトナム艦船に体当たり攻撃をするなど乱暴狼藉の限りを尽くしている問題で、きのう(11日)、都内でも在日ヴェトナム人ら300人以上による抗議デモが行われました。というわけで、久しぶりのヴェトナム応援企画として、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ヴェトナム・白藤江

 これは、1988年にヴェトナムで発行された“バクダン(白藤江)の戦い800年”の記念切手です。

 1258年以来、2度にわたるヴェトナム(陳朝)侵攻に失敗していた元朝は、1287年、トゴン(脱驩)を総司令官として9万の兵力と数百隻の船団(張文虎ひきいる数十万石の糧食を運ぶ船団を含む)を送り込み、3度目の出兵を行いました。
 
 元軍は、1287年12月末、国境を越えて諒山、北江に侵攻し、萬劫(ハイズオン省チーリン)を占領しました。これに対して、陳国峻ひきいるヴェトナム軍は焦土作戦を展開するとともに、海から白藤江を遡って元軍の補給に向かう船団を攻撃し、糧船の多くを沈没または強奪することで抵抗しました。

 このため、1288年1月末、トゴンは王都・昇龍(ハノイ)を占領したものの、すでに焦土作戦により都城はもぬけの殻になっていました。そこで、元軍は萬劫に兵を引き、そこから水路と陸路の二手に分かれて本国へ退却しようとしましたが、同年4月、陳国峻は白藤江の川底に杭を打ちこんで伏兵を配し、川の水が引いて船が杭に引っ掛かる時間を見計らって元軍の船団に総攻撃をかけ、元の水軍を全滅させました。

 今回ご紹介の切手は、陳朝の旗を掲げて戦う陳国峻の船団が、元の水軍を撃退している場面が描かれています。
 
 さて、かつて、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、“大国の横暴に屈せず戦うヴェトナム”を支持・支援してきたエセ左翼の方々は、どういうわけか、中国の覇権主義に抵抗する現在のヴェトナムについては、見て見ぬふりをすることが多いようです。そうであればこそ、僕のブログでは、今後も機会を見つけて、ヴェトナム応援企画として、ヴェトナムの反中切手を取り上げていこうかと思っています。


 ★★★ 切手が語る台湾の歴史 ★★★

 5月15日13:00から、よみうりカルチャー北千住にて、よみうりカルチャーと台湾文化部の共催による“台湾文化を学ぶ講座”の一コマとして、「切手が語る台湾の歴史」という講演をやります。

 切手と郵便はその地域の実効支配者を示すシンボルでした。この点において、台湾は非常に興味深い対象です。それは、最初に近代郵便制度が導入された清末から現在に至るまで、台湾では一貫して、中国本土とは別の切手が用いられてきたからです。今回の講演では、こうした視点から、“中国”の外に置かれてきた台湾(史)の視点について、切手や郵便物を題材にお話しする予定です。

 参加費は無料ですが、事前に、北千住センター(03-3870-2061)まで、電話でのご予約が必要となります。よろしかったら、ぜひ、1人でも多くの方にご来駕いただけると幸いです。


 ★★★ 講座「世界紀行~月一回の諸国漫郵」のご案内 ★★★ 

亀戸講座(2014前期)・広告

 東京・江東区亀戸文化センターで、5月から毎月1回、世界旅行の気分で楽しく受講できる紀行講座がスタートします。美しい風景写真とともに、郵便資料や切手から歴史・政治背景を簡単に解説します。受講のお楽しみに、毎回、おすすめの写真からお好きなものを絵葉書にしてプレゼントします!

 詳細は、こちらをご覧ください。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★

 『蘭印戦跡紀行』広告

 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


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 西村昌也さんを悼む
2013-06-10 Mon 10:25
 ヴェトナム・ハノイ市内で、きのう(9日)、同市在住の考古学者、西村昌也さんがバイクを運転中にトラックに衝突し、亡くなりました。西村さんは僕の個人的な友人で、豪快なキャラクターの、愛すべき好漢でした。昨晩、このニュースを聞いて非常にショックを受けています。というわけで、きょうは、故人をしのび、西村さんにちなむ切手はないかと思って、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       ヴェトナム・クアンホ

 これは、2012年、西村さんゆかりの地、バクニンのクアンホを取り上げた切手です。

 バクニンは、ハノイの北東30キロ、ソンコイ川とその支流ソンカウ川とに挟まれた沃野のなかに位置する都市で、農産物の集散地として知られています。一方、クアンホは、男女が交互に歌い合うヴェトナム伝統民謡で、男女それぞれ4-6名のグループの中から、それぞれ1人または2人ずつ交互にメロディに乗せた詩を歌い合うもので、日本でいう歌垣に相当するものです。2010年には、ユネスコから“人類の無形文化遺産”に認定されています。

 さて、西村さんは、1965年、山口県下関市生まれ。専門は、旧石器時代から20世紀までの東南アジア考古学研究で、同じく考古学者の奥様、西野範子さんとともに、ヴェトナムの文化財や遺跡の保護活動を行ってきたことで知られています。ハノイ・タンロン遺跡の研究にも携わり、2004年8月には“NPO法人東南アジア埋蔵文化財基金”を立ち上げました。基金設立直後の2004年10月、当時の小泉首相がタンロン遺跡を訪れた際には、現地で案内役を務め、その姿が日本のメディアでも取り上げられています。また、市民を対象に歴史勉強会を開いたり、雑誌に連載記事を執筆するなど、ハノイでは有名な日本人だったそうです。

 西村さんが代表を務めていた東南アジア埋蔵文化財基金の実績として知られているのは、やはり、バクニン省で1000年前の窯址を移設展示したベトナム初の博物館を完成させたことでしょう。今回の事故も、ハノイからバクニン省方面に向けて走行中、前方のトラックに突っ込んだとみられています。

 なお、西村さんは、昨年、著書「ベトナムの考古・古代学」(同成社)で東南アジア史学会賞を受賞していますが、その年に、バクニンを題材とする切手が発行されているのも、何かの因縁かもしれません。

 謹んでご冥福をお祈りいたします。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★

       マリ近現代史
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 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は6月4日、7月2日、7月30日、9月3日(原則第一火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 ヴェトナムのアインシュタイン切手
2011-11-24 Thu 23:25
 相対性理論で知られるアルバート・アインシュタインの脳が、米フィラデルフィアのムター博物館で世界で初めて公開され、話題を呼んでいるのだそうです。というわけで、世界のアインシュタイン切手の中から、ちょっと毛色の変わったものということで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

   ヴェトナム・アインシュタイン   ベトナム・アインシュタイン(黒一色漏れ)   ヴェトナム・アインシュタイン(逆刷)

 これは、1979年3月14日にヴェトナムが発行したアインシュタイン生誕100年の記念切手のうち、彼の肖像を描いた12スー切手で、左の画像がノーマルなモノ、真中の画像は黒一色漏れ、右側の画像は黒逆刷で無目打となっています。ちなみに、切手はハノイのティエン・ボ印刷会社で製造され、原画作者はグエン・ティ・サムです。

 1979年はアインシュタインの生誕100周年にあたっており、世界各国で記念切手が発行されました。その中には、アインシュタインの世界的な人気を当て込んで、外国人コレクターに販売することで外貨を稼ごうという意図の下に作られたものも少なからずあります。

 1975年に南北を統一したヴェトナムは、戦後復興に取り組む暇もなく、隣国カンボジアのポルポト政権との国境紛争から本格的な戦争に突入し、1979年1月にはプノンペンを攻略。さらに、これに対してポルポト政権の後ろ盾となっていた中国が同年2月17日に“懲罰行為”と称して侵攻し、中越戦争が勃発するなど、この切手が発行された1979年3月当時は、激動のさなかにありました。

 こうした中で、いわゆるヴェトナム戦争中のヴェトナム民主共和国(北ヴェトナム)時代から切手を輸出して外貨を稼いでいたヴェトナム労働党政権は、海外のマーケットを見込んでアインシュタイン切手を発行したモノと思われます。もっとも、当時の混乱した状況下では、ハノイの印刷所できちんとした品質管理を行うということのほうが無理というもので、この切手に関しては、ここにご紹介するようなエラー(というよりも、ヤレといったほうがよさそうですな)が多数出現することになり、それらもまた、外国に輸出されたということのようです。

 なお、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』では、主として、米国のユダヤ系エージェントによる切手ビジネスの話を取り上げたのですが、社会主義諸国による切手輸出政策については、紙幅の関係もあって、ほとんど触れることができませんでした。この問題についても、いずれ、機会があればまとめてみたいと思っています。


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   11月17日、TBSラジオのニュース番組、
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 ヴェトナムのジャワサイ絶滅
2011-10-26 Wed 22:44
 世界自然保護基金(WWF)は、きのう(25日)、ヴェトナムに生存していた最後のジャワサイが密猟で殺され、ベトナムに生息するジャワサイは絶滅したと発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        ヴェトナム・ジャワサイ

 これは、1988年にヴェトナムで発行されたジャワサイを描く小型シートです。

 ジャワサイは、かつては、インド北東部、インドネシア、カンボジア、タイ、バングラデシュ、マレーシア(マレー半島)、ミャンマー、ラオス、ヴェトナムなどに広く分布していたサイで、体長300-320センチ、体重1500-2000キロほどの大きさです。主に低地の熱帯雨林に生息し、河川や沼を好み、餌は木の枝や樹皮、木の葉、芽、果実などです。

 古くから、角が装飾品とされたり、薬用になると信じられていたことから乱獲され、今回ご紹介の小型シートが発行された1988年にヴェトナム国内で個体群が発見されるまでは、ジャワ島西部のウジュン・クロン国立公園内を除いて絶滅したと考えられていました。

 ヴェトナム政府は、ジャワサイの絶滅を防ぐため、1992年に保護区を設定。さらにこの保護区をカティエン国立公園に併合するなどの対策を講じ、WWFもヴェトナム政府に協力して保護活動が進められてきましたが、密猟は後を絶たず、2004年の調査ではヴェトナムのジャワサイは2頭の生存が確認されただけになっていました。

 その後、今年4月にカティエン国立公園内でジャワサイ1頭の死体が見つかり、遺伝子調査の結果、2010年4月までに確認されていたジャワサイの糞22点すべてが、このジャワサイのものであることが判明。今回の絶滅の発表となりました。

 なお、ヴェトナムのジャワサイが絶滅したことにより、アジア大陸からジャワサイは姿を消すことになりましたが、インドネシア・ジャワ島の西部には、まだ50頭ほどのジャワサイが生き残っているのだそうです。こちらのジャワサイには、何としても、絶滅せずにいてほしいものですね。


 ★★★ トーク・イベントのご案内 ★★★

 11月5日(土)、東京・池袋で開催される全国切手展<JAPEX>会場内で、以下のトークを行います。

・11:00 ハバロフスク…日本人の足跡を訪ねて
 切手紀行シリーズ④『ハバロフスク』の刊行を記念してのトークです。同書の中から、シベリア抑留の痕跡を中心に、ハバロフスクに残る日本人の活動の跡をたどります。なお、1フレーム作品として出品の「シベリア抑留日本人用往復葉書」についても、あわせて、簡単な解説を行います。

・16:00 年賀状の戦後史
 角川 one テーマ21(新書)『年賀状の戦後史』の刊行を記念してのトークです。同書の内容をご紹介しつつ、10日の一般発売に先駆け、会場内でのみの先行発売(限定30部)も行います。

 今回は、2冊の刊行時期が接近しているため、トークイベントもダブル・ヘッダーとなりました。ぜひ、遊びに来てください。


  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

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 ヴェトナムで4週続けて反中デモ
2011-06-27 Mon 23:59
 6月に入ってから、毎週日曜日、中国の領海侵略に対する抗議のデモが行われているヴェトナムですが、きのう(26日)も、ハノイですっかり恒例行事となったデモが行われました。ヴェトナムの反中デモはこれで5日12日19日に続けて4回目。というわけで、このブログでも、4週連続のヴェトナム反中切手のご紹介です。(画像はクリックで拡大されます)

        タン・ジョン伝説
 
 これは、1989年に発行されたタン・ジョン伝説の切手のうちの1枚です。

 ヴェトナム最古の王朝の時代、ベトナムの人々は平和に暮らしていました。しかし、国王、フン・ヴォン6世の時代、北から侵略者(名指しこそしていませんが、明らかに中国ですな)が現れ、国土を蹂躙。このため、王は使者を各地に派遣し、祖国防衛のために兵を募りました。

 ところで、当時、フードン村には、立つことも話すこともできないジョンという子供がいました。ところが、ある日、王の使者が村にやってきて救国を訴えると、それを聞いたジョンは急に立ち上がり、話し始めます。そして、敵と戦うために鉄の馬と鎧甲と鉄棒が欲しいと王の使者に頼みます。

 報告を受けた王がジョンの望むものを用意している間に、ジョンは筋骨隆々たる若者へと急成長。王から下賜された武器を携え、村人を率いて敵と戦いました。戦闘の途中で鉄棒が折れまると、ジョンは竹を引きぬいて敵と戦い、侵略者を撃退してヴェトナムに平和をもたらすと、天へと上って行きました。このため、王をはじめとするヴェトナムの人々は、ジョンを救国のために遣わされた神“タン・ジョン”と考えるようになったということです。

 1989年の切手は、タン・ジョン伝説の主要な5つの場面を取り上げた5種セットですが、今回ご紹介のものは、そのうち、王の死者から侵略者の狼藉のことを聞いたジョンが覚醒する場面を取り上げた1枚です。いかにも悪辣な感じの“侵略者”の風貌がいかにも紙芝居風で、なんとも言えない雰囲気を醸し出していますな。

 かつて、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、“大国の横暴に屈せず戦うヴェトナム”を支持・支援してきたエセ左翼の方々は、どういうわけか、中国の覇権主義に抵抗する現在のヴェトナムについては、見て見ぬふりをすることが多いようです。そうであればこそ、このブログでは、今後もできる限り、ヴェトナム応援企画として、ヴェトナムの反中切手を取り上げていくつもりです。
 

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 ヴェトナムで2週続けて反中デモ
2011-06-12 Sun 23:37
 ヴェトナムの首都ハノイと南部のホーチミンで、きょう(12日)、市民らが同国では異例のデモ行進を行い、南シナ海の領有権問題で強硬姿勢を鮮明にしている中国に抗議しました。ヴェトナムでの大規模な反中デモは、先週5日に次いで、2週連続のことです。というわけで、先週に続き、ヴェトナムの反中切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        ドンダーの戦い200年

 これは、1989年に発行された“ドンダーの戦い200年”の記念切手で、光中帝の軍が清朝侵略軍を打ち破る場面が描かれています。

 中世のヴェトナムを支配していた黎朝は16世紀になると急速に衰え、北部の鄭氏と南部の阮氏が抗争を展開する内乱の時代に突入します。こうした中で、1771年、中部ベトナムの西山郡で阮文岳、阮文恵、阮文侶の3兄弟(南部の阮氏とは無関係です)は周辺の農民を率いて反乱を起こし、1773年にはクィニヨンを制圧。次第に勢力を強めた反乱軍は、1778年に長男・文岳が王を称し中部ベトナムに西山朝を樹立しました。

 1785年、西山朝はシャム軍の支援を受けた南部の阮氏政権をメコン川の戦いで破ると、1787年、文岳が“中央皇帝”と称してクィニヨンを都とし、文恵がフエを拠点に“北平王”に、文侶がジャディンで“南平王”となりました。さらに北部の鄭氏政権も倒すと、1789年には、文恵が、黎朝の系統を復活させさせる口実で介入してきた清軍をハノイ近郊のドンダーで破り、ヴェトナムを統一するとともに独立を守りました。

 その後、文恵は、鄭氏の残党である嘉隆帝の軍を破るべく南進していた途中の1792年9月16日、脳卒中によりフエで亡くなり、光中帝との諡号を送られました。カリスマ的将軍であった光中帝の死後、西山朝は内紛が生じ、南部阮氏政権の残党でフランスの支援を受けた阮福映によって滅ぼされ、バオダイまで続く阮朝が成立します。

 現在のヴェトナムでは、西山朝は分裂と腐敗を終わらせ、統一を実現した功績が高く評価されていますが、なかでも光中帝はヴェトナム史上もっとも偉大な将軍ととして“ヴェトナムのナポレオン”とも称されています。

 さて、ヴェトナムでは、あす(13日)、度重なる中国の侵略的行為に対抗すべく、海軍が南シナ海での実弾演習が予定されているそうです。

 かつて、いわゆるヴェトナム戦争に際して、大国の横暴に屈せず、果敢に抵抗したヴェトナムの人民を応援していた人たちは、当然のことながら、今回も覇権国家の中国に立ち向かうヴェトナムを応援してくれることでしょう。明日以降の朝日新聞や菅総理のコメントが楽しみですな。


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 ヴェトナム共産党大会閉幕
2011-01-19 Wed 14:51
 5年に1度のヴェトナム共産党大会は、きょう(19日)、退任するノン・ドゥック・マイン書記長の後任にグエン・フー・チョン国会議長が昇格することを核とした新しい指導部人事を発表して閉幕しました。というわけで、きょうはヴェトナムの切手の中から、こんなモノをもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        ヴェトナム共産党大会(1976)

 これは、1976年12月10日に発行された第4階ヴェトナム共産党大会の記念切手です。

 ヴェトナム人による共産党組織の成立は、1930年2月3日、コミンテルンから派遣されたホー・チ・ミンが香港でヴェトナム共産党を創設したのが最初とされています。同党は、同年10月、コミンテルンの指示を受けて第1回中央委員会でインドシナ共産党と改称し、1935年にマカオで第1回党大会を開催しました。

 1945年9月2日、ヴェトナム民主共和国の成立が宣言されると、同年11月、インドシナ共産党はヴェトミン(ヴェトナム独立同盟会)に合流し、名目的に解散しますが、その組織は温存され、1951年2月、ホー・チ・ミンを党主席とするヴェトナム労働党として再発足しました。現在のヴェトナム共産党との名称は、ヴェトナム戦争が北ベトナムの勝利に終わり、南北ヴェトナムが統一された後の1976年に開かれた党大会で改称されたものです。

 今回ご紹介の切手は、そのヴェトナム共産党の名前が初めて登場した党大会の記念切手で、党の名称は共産党になっています。このときの党大会に際しては、やはり、1ヶ月前の1976年11月12日にも記念切手が発行されているのですが、その時点ではとうの名前は労働党でしたので、切手の名称も労働党大会記念となっています。まぁ、労働党であれ、共産党であれ、一党独裁体制であることには変わりがないのですから、名称を変えなくてもよさそうなものですが、彼らには彼らなりのこだわりがあるということなのでしょう。

 ちなみに、今回、新書記長に就任したグエン・フー・チョンは、長らくベトナム共産党の理論・思想分野で活躍し、保守派に属している人物とのことですから、こういうところにはこだわりたいタイプなんでしょうな。きっと。

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 スリランカの涅槃仏
2010-01-28 Thu 14:53
 26日に投開票が行われた内戦終結後初のスリランカ大統領選挙で、同国選管は、きのう(27日)、現職のラジャパクサ大統領が再選を果たしたと発表しました。というわけで、きょうはスリランカ関連の1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ガル・ヴィハーラの涅槃仏

 これは、1997年にベトナムが発行した文化遺産の切手の1枚で、スリランカのガル・ヴィハーラの涅槃仏が取り上げられています。

 ガル・ヴィハーラ寺院はスリランカ中部の古都・ポロンナルワの北にあり、かつては“北の僧院”を意味するウッタララーマと呼ばれていました。寺院を建立したのはシンハラ王朝のパラークマ・バーフ王(在位1153~86)で、岩盤に4体の巨大仏が刻まれています。

 今回ご紹介した切手に取り上げられた涅槃仏は約14メートル。ガル・ヴィハーラでは最大の像です。なお、奥に見える立像は、釈迦の死を悲しむ弟子のアーナンダではないかと考えられています。なお、切手の仏像は赤茶色になっていますが、実際の石仏はグレイっぽい色なので、ちょっとイメージが違います。まぁ、涅槃仏は、頭を北向き、顔を西向きとしていますから、夕日があたればこのような光景も見られるのかもしれません。

 なお、昨年刊行の拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』では、今回ご紹介のモノ以外にもさまざまな涅槃仏の切手を御紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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