14日付のイギリスの新聞『タイムズ』によると、ニューカッスル大学の調査チームがクレオパトラを描いた2000年前(彼女が生きている時代)の銀貨を発見し、ちょっとした話題になっているそうです。というわけで、こんな切手を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1921年にエジプトで発行された2ミリーム切手で、ルクソール北方、デンデラにあるハトホル神殿のクレオパトラのレリーフが取り上げられています。
タイムズ紙の記事は、今回発見された銀貨に描かれているクレオパトラの顔は、とがったあごに薄い唇、鼻も鋭角で、とても美人とは言いがたいもので、そのことが、クレオパトラ=美女という常識を覆すことになるかも、という論調のようです。ちなみに、同大学の考古学博物館のアシスタント・ディレクター、クレア・ピッカースギルは「クレオパトラの一般的なイメージはローマの政治家や軍人を魅了した美しい女王というものです。クレオパトラとマルクス・アントニウスの関係はこれまで長い間、作家やアーティスト、映画製作者によってロマンチックに美化されてきたのです」と語っているそうです。
まぁ、“美人”の基準は時代や地域によって大きく異なりますし、好みは人それぞれですからなんともコメントのしようがないのですが、今回ご紹介の切手に取り上げられたレリーフだって、はたして“絶世の美女”といえるかのどうか…。
もっとも、学者の良心として正確な事実を明らかにしたいというピッカースギルの気持ちはわからないではないのですが、僕の個人的な心情としては、やっぱり、クレオパトラ=絶世の美女というイメージを壊してほしくないなぁ。