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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 『郵趣』今月の表紙:ヴィクトリアの瀧
2007-03-29 Thu 00:47
 (財)日本郵趣協会の機関誌『郵趣』の2007年4月号ができあがりました。『郵趣』では、毎月、表紙に“名品”と評判の高い切手を取り上げていて、僕が簡単な解説文をつけていますが、今月は、こんなモノを取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

ヴィクトリアの瀧

 これは、1905年7月13日、イギリスの南アフリカ会社(BRITISH SOUTH AFRICA COMPANY)が、ザンベジ川にかかるヴィクトリア・フォールズ橋の開通を記念して発行した記念切手です。
 
 現在のジンバブエとザンビアにあたる地域は、かつてローデシアと呼ばれていました。これは、1850年代にデイヴィッド・リヴィングストンが探検した地域を、ケープ植民地の首相であったセシル・ローズのイギリス南アフリカ会社が開拓したことから、ローズの名前にちなんでつけられた呼称です。

 南アフリカ会社は、その管轄地域での郵便に使うため、1890年以来、紋章を描く通常切手を発行していましたが、記念切手としては、今回ご紹介したものが最初となります。

 ヴィクトリア・フォールズ(ヴィクトリアの瀧)は、ジンバブエとザンビアの国境にある瀧で、世界三大瀑布(他のふたつはナイアガラとイグアス)の一つとして世界遺産にも登録されています。1分間に5億リットルの水が落下し、巨大な水煙が立ち上るため、幅1700メートル、落差108メートルという巨大なその全貌は、水量の少ない乾季にしか見ることができません。

 切手は1ペニーから5シリングまでの6種セット(額面ごとに刷色が違うが同図案)で発行されました。ウォータールー社の凹版印刷によって迫力ある瀧の景観が再現されており、そのまま拡大して観光ポスターにも使えそうな出来栄えです。

 さて、今月号の『郵趣』は、巻頭で元切手小僧の僕には懐かしい「第1次国宝シリーズ40年」の特集が組まれています。僕も、シリーズ登場までの経緯について簡単にまとめた文章を書いていますので(この点についての詳細は、拙著『一億総切手狂の時代』をご覧ください)、機会があったら、お読みいただけると幸いです。

 <おしらせ>
 4月7日(土)の午前中、東京・目白のカルチャービルにて行われる切手市場会場内にて、僕の最新刊『沖縄・高松塚の時代』の即売・サイン会を行います。切手市場ならではの特典もご用意しておりますので、是非、遊びに来てください。皆様のお越しを心よりお待ち申しております。

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