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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 投票しませう⑪
2024-10-27 Sun 02:55
 きょう(27日)は、衆議院議員総選挙の投票日です。僕も午前中に投票に行く予定ですが、みなさんもぜひお出かけください。というわけで、国政選挙の投票日恒例の“投票しませう”シリーズ、今回はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・欧州議会選挙(2024)

 これは、2024年3月15日、スペインが発行した6月6-9日の欧州議会選挙の宣伝切手で、選挙の日付と投票箱に投票する腕、スペイン国旗とEU派が描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。
 

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 10月27日(日) 13:30~  アメリカ大統領選挙~より理解するために
 よみうりカルチャー荻窪にて、アメリカ大統領選挙をより理解するための基礎知識と最新情報を交え解説します。詳細はこちらをご覧ください。

 10月29日(火) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 11月3日(日・祝) 14:00~ 正しい多文化共生セミナー 
 TKP新橋汐留ビジネスセンターにて、救国シンクタンク主催の第8回セミナーとして、埼玉県南部の川口市を中心とした“クルド人問題”を中心に内藤がお話しします。お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 11月4日(月・振休) 09:00~ 減税&規制廃止カンファレンス 
 2017年から開催されてきた日米の「税制改革」について議論するシンポジウム“Japan-US Innovation Summit”を継承したイベントで、内藤も15:00から登壇します。お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 11月8日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 おかげさまで19周年
2024-06-01 Sat 07:52
 おかげさまで、2005年6月1日にこのブログをスタートさせてから、19年になりました。日頃、このブログを応援していただいている皆様には、あらためて、お礼申し上げます。 というわけで、19周年の“19”にちなんで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・19C(1860)

 これは、1860年2月1日にスペインが発行した19クアルトス切手で、当時のスペイン国王、イサベル2世の肖像が描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(31日)のニッポンジャーナルの内藤出演回は無事に終了しました。次回は6月7日(金)に登場の予定です。引き続きよろしくお願いします。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 6月7日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 6月14日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

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 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 サルバドール・ダリ生誕120年
2024-05-11 Sat 09:46
 シュル・レアリスムの巨匠、サルバドール・ダリが1904年5月11日に誕生してから、ちょうど120年になりました。というわけで、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・ダリ生誕100年

 これは、2004年5月11日、スペインが発行したダリ生誕100周年の記念切手で、1921年に制作された 「ラファエロ風の首をした自画像」が取り上げられています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(10日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。次回は5月24日に登場予定です。引き続きよろしくお付き合いください。

★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 5月17日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 5月24日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

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 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 スペインで総選挙
2023-07-24 Mon 08:06
 スペインで昨日(23日)、ことし(2023年)5月の統一地方選挙でペロン・サンチェス首相ひきいる与党で左派の“社会労働党”が大敗したことを受け、議会が解散されたことに伴う総選挙が行われました。この記事を書いている開票率99.39%の時点で、 中道右派の国民党が136議席で第1党となることは確実ですが、過半数の176議席には届かず、右派連合の170議席に対して、左派連合は172議席と左右の勢力が拮抗しています。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・列国議会同盟会議(1976)

 これは、1976年9月23日、スペインが発行した“第63回列国議会同盟会議”の記念切手で、スペインの国会議事堂が描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史 7月25日開講!
 武蔵野大学の新たな講座(対面式)「切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史」が7月25日にスタートします。詳細はこちらをご覧ください。

 7月28日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 新講座「龍の文化史」 8月9日配信開始!
 武蔵野大学の新たなWeb講座「龍の文化史」が8月9日から配信開始になります。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。今回の講座では、日本の龍を皮切りに、中国、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ジョン・F・ケネディとその時代
 毎月第4土曜日開催のよみうりカルチャー北千住での講座です。今から60年前の1963年11月に暗殺されたケネディ大統領とその時代について、様々な角度から解説をします。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。
 
 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『今日も世界は迷走中』 7月28日発売!★

      今日も世界は迷走中

 ウクライナ侵攻の裏で起きた、日本の運命を変える世界の出来事とは!内藤節炸裂。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★

      現代日中関係史2

 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 スペインの郵便物爆弾テロ、容疑者を逮捕
2023-01-28 Sat 04:24
 スペインの警察当局は、きのう(27日)、2022年11月以降、首相府やウクライナ大使館に爆発物が仕掛けられた郵便物が相次いで届いた事件で、今月25日に北部ミランダデエブロで逮捕した74歳のスペイン人の男が、スペイン政府によるウクライナへの支援をやめさせるために郵送した疑いがあることを明らかにしました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・ウクライナとともに(2022)

 これは、2022年5月30日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてスペインが発行した”ウクライナとともに”の切手で、ウクライナ国旗を背景に、中央に黄色と青を上下逆にしたハートを配したデザインになっています。額面数字のない無額面永久保証切手で、“C”は20グラムまでの欧州域外宛郵便物の料金(切手発行時は1.75ユーロ)を示しています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(27日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。 リスナーの皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。次回は2月10日に登場の予定です。引き続きよろしくお付き合いください。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 1月28日(土)開講! よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 2月5日(日) 13:00~ 「現代日中関係史」
 2月4・5日(土・日)に東京・目白の切手の博物館で開催される「第14回テーマティク研究会切手展」にあわせて、下記の通り、拙著『現代日中関係史』の刊行記念トークイベントを開催します。切手展の参観と合わせて、ぜひ、ご参加ください。(切手展の詳細はこちら

 【日時】 2月5日(日) 13:00~14:30
 【会場】切手の博物館3階会議室
 【参加費】無料 ※先着順・最大20名
 【問合先】(公財)日本郵趣協会 TEL:03-5951-3311 

 2023年2月10日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『現代日中関係史 第1部 1945-1972』 好評発売中! ★

      現代日中関係史表_第1部

 日本郵趣出版の新レーベル「郵便×歴史シリーズ」の第一弾の企画として、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解く『現代日中関係史』。その第1巻となる本書は、第二次大戦後、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する1972年9月以前を取り扱っています。なお、1972年の国交”正常化”以降については、2023年3月に刊行予定の第2巻でまとめる予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページのリンクがあるほか、主要書店の店頭在庫も確認できます。また、販売元の郵趣サービス社のサイト、スタマガネットの特設サイトサイトでは、本書の内容見本をご覧いただけます。 

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 日本、スペインを撃破して決勝Tへ
2022-12-02 Fri 07:33
 現在開催中のサッカーW杯カタール大会は、本日(2日)未明、日本(FIFAランキング24位)はスペイン(同7位)を2-1で下す大金星をあげ、W杯2大会連続(4度目)の決勝トーナメント進出を果たしました。というわけで、拙著『本当は恐ろしい!こわい切手』の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・飲酒運転撲滅(2009)

 これは、2009年7月14日にスペインが発行した”交通安全”の切手で、ワインボトルに激突して大破する自動車を描くことで飲酒運転の撲滅を訴えています。スペインに対する日本の勝利を表現する切手というのが思いつかなかったので、“スペインを撃破”のイメージで選んでみました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


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 12月9日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 12月24日(土) 13:00~  大英帝国のクリスマス
 英国は、1840年に世界で最初に郵便切手を発行した国で、かつて”日の沈まぬ国”と呼ばれたその広大な領土では、ヴィクトリア女王からエリザベス女王に至るまで、歴代の国王の切手を貼った郵便物が縦横無尽に往来していました。今回は、クリスマスに関する切手・郵便物をピックアップし、それぞれの時代の英国・英領の歴史や社会を読み解きます。お申込などの詳細はこちらをご覧ください。

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 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

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 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『現代日中関係史 第1部 1945-1972』 好評発売中! ★

      現代日中関係史表_第1部

 日本郵趣出版の新レーベル「郵便×歴史シリーズ」の第一弾の企画として、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解く『現代日中関係史』。その第1巻となる本書は、第二次大戦後、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する1972年9月以前を取り扱っています。なお、1972年の国交”正常化”以降については、2023年3月に刊行予定の第2巻でまとめる予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページのリンクがあるほか、主要書店の店頭在庫も確認できます。また、販売元の郵趣サービス社のサイト、スタマガネットの特設サイトサイトでは、本書の内容見本をご覧いただけます。 

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 安倍元首相、兇弾に斃れる
2022-07-09 Sat 09:16
 きのう(8日)午前11時25分頃、奈良市の近鉄大和西大寺駅周辺で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃されて心肺停止になり、同午後5時3分、死亡が確認されました。謹んで元首相のご冥福をお祈りしつつ、きょうはこの切手をご紹介します。

      スペイン・反テロリズム(2004)

 これは、2004年4月2日にスペインが発行した“テロ犠牲者を追悼する欧州記念日”の切手で、犠牲者への追討の意を示す黒リボンが描かれています。今回ご紹介の切手は、2004年3月11日にスペイン・マドリードで列車爆破テロが発生し、欧州レベルでこの日をテロ犠牲者追悼の日としたことにちなむものですが、洋の東西を問わず、テロリストへの抗議と犠牲者への哀悼の意を表現する切手としてふさわしいと考え、取り上げました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

* 昨日(8日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。リスナーの皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。次回は7月22日に登場の予定です。引き続きよろしくお付き合いください。


★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月16-18日(土-月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)が開催されます。全日本切手展のオフィシャルサイトおよびフェイスブックの特設ページ(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2022


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 7月17日(日) 全日本切手展2022でのトークイベント 
 11:00~ 「切手でたどる郵便創業150年の歴史」
 *5月に第3巻の平成・令和編を刊行し、シリーズとして完結した拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史』について、第3巻の内容を中心にお話するイベントです。

 15:00~ 「本当は恐ろしい! こわい切手」
 *7月20日にビジネス社から刊行予定の『本当は恐ろしい! こわい切手』の出版記念のトークイベントです。一般販売に先駆け、会場内では先行販売も行います。

 両イベントとも、事前予約不要・参加費無料(全日本切手展への入場料は必要)です。親イベントとなる切手展、全日本切手展の詳細は同展のオフィシャルサイトまたはフェイスブックの特設ページ(どなたでもご覧になれます)をご覧ください。

 7月22日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 読書人Web 「切手がつなげた人と時代」
 6月24日に『切手でたどる 郵便創業150年の歴史』シリーズ完結を記念して、田中秀臣先生と行ったトークイベントのアーカイブ配信のご案内です。7月24日まで、こちらでチケット(1500円)を販売しておりますので、よろしくお願いします。

 武蔵野大学のWeb講座
 4月6日-7月12日 鏑木清方と江戸の残り香
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 4月13日-7月19日 日本の郵便150年の歴史2 占領時代(1945年の終戦から1952年)
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 5月18日-8月23日 日本の歴史を学びなおす― 近現代編その2― 幕末
 詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.3 平成・令和編』 好評発売中!★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史③表紙

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの最終巻。平成以降、郵政省が郵政事業庁、日本郵政公社を経て、株式会社化され現在に至るまでを扱っています。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 3年ぶりの牛追い祭り
2022-07-07 Thu 07:33
 新型コロナウイルス禍により2020年から2年連続で中止となっていたスペイン北部パンプローナのサン・フェルミン祭が、きのう(6日)、3年ぶりに開幕しました。有名な牛追い(エンシエロ)も、きょう(7日)から始まります。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・牛追い祭り(1984)

 これは、1984年7月5日にスペインが発行した“パンプローナのサン・フェルミン祭り”の切手で、エンシエロが描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 


★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月16-18日(土-月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)が開催されます。全日本切手展のオフィシャルサイトおよびフェイスブックの特設ページ(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2022


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 7月8日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 7月17日(日) 全日本切手展2022でのトークイベント 
 
 11:00~ 「切手でたどる郵便創業150年の歴史」
 *5月に第3巻の平成・令和編を刊行し、シリーズとして完結した拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史』について、第3巻の内容を中心にお話するイベントです。

 15:00~ 「本当は恐ろしい! こわい切手」
 *7月20日にビジネス社から刊行予定の『本当は恐ろしい! こわい切手』の出版記念のトークイベントです。一般販売に先駆け、会場内では先行販売も行います。

 両イベントとも、事前予約不要・参加費無料(全日本切手展への入場料は必要)です。親イベントとなる切手展、全日本切手展の詳細は同展のオフィシャルサイトまたはフェイスブックの特設ページ(どなたでもご覧になれます)をご覧ください。

 読書人Web 「切手がつなげた人と時代」
 6月24日に『切手でたどる 郵便創業150年の歴史』シリーズ完結を記念して、田中秀臣先生と行ったトークイベントのアーカイブ配信のご案内です。7月24日まで、こちらでチケット(1500円)を販売しておりますので、よろしくお願いします。

 武蔵野大学のWeb講座
 4月6日-7月12日 鏑木清方と江戸の残り香
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 4月13日-7月19日 日本の郵便150年の歴史2 占領時代(1945年の終戦から1952年)
 詳細はこちらをご覧ください。
 
 5月18日-8月23日 日本の歴史を学びなおす― 近現代編その2― 幕末
 詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.3 平成・令和編』 好評発売中!★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史③表紙

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの最終巻。平成以降、郵政省が郵政事業庁、日本郵政公社を経て、株式会社化され現在に至るまでを扱っています。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 世界サイの日
2021-09-22 Wed 01:38
 きょう(22日)は、世界各地のサイを飼育している動物園がイベントなどを通じて、絶滅に瀕しているサイの現状を訴える“世界サイの日”です。というわけで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・サイのポスト(2020)

 これは、2020年7月2日にスペインが発行した“グラフィック・ユーモア”の切手シートで、サイの角をポストにして、そこに投函している人物を描くリカルドことリカルド・マルチネスのイラスト『サイ』が取り上げられています。

 リカルド・マルチネスは、1956年、チリのサンティアゴでスペイン系移民の子として生まれ、1969年、家族とともにマドリードに移住しました。

 1970年代末からイラストレーターとしての活動を開始。1981年、米マイアミに移り、広告代理店でセブンアップ、ドクターペッパーmアメリカンエクスプレスや各種映画のポスターを担当した後、地元紙『マイアミ・ニュース』のスタッフとして、デザイナー、イラストレーターグラフィック・アーティストの仕事をこなしました。同紙が米国の大手新聞社ナイト・リダーに買収された後も、リカルドは社外のイラストレーターとして同紙の制作に関わり続けるとともに、子供時代からの友人“ナチョ”をモデルに、今回ご紹介の切手にも登場するキャラクターの“グーマー”を考案しました。

 グーマーを主人公とする漫画は、1987年からスペイン最大のの日刊紙『エル・パイス』での連載が始まりましたが、1989年、リカルドが米国人の妻とともにマドリードに戻り、ナチョら友人たちとともに『エル・ムンド』紙を創刊してみずから副編集長兼アート部門の責任者に就任。このため、1990年からは、文・ナチョ、画・リカルドのコンビで『エル・ムンド』紙にグーマーを主人公とした政治風刺漫画の連載されるようになりました。そして、2002年2月にナチョが執筆活動から引退すると、その後は、リカルドが文・画ともに制作するようになり、現在に至っています。ちなみに、リカルドの政治漫画に登場した著名人としては、コフィ・アナン(国連事務総長)フアン・カルロス(スペイン国王)、ビル・クリントン(米大統領)、フアン・アントニオ・サマランチ(IOC会長)などがいます。

 また、『エル・ムンド』紙での活動の傍ら、リカルドはフリーのイラストレーターとして、コカコーラ、マドリード市役所、テレフォニカ、ユニセフアムネスティ・インターナショナル、ルノーなどの広告を手掛けています。また、リカルドは動物画も多数手がけており、『動物図鑑』も刊行しており、今回の切手でもその経験が十分に生かされています。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 9月27日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

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 8月11日から10月12日まで、計6時間(30分×12回)の講座です、お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。


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 最後は自転車の梶原とバスケットボール女子が銀
2021-08-09 Mon 01:55
 7月23日から始まった東京五輪は、最終日のきのう(8日)、自転車女子オムニアムの梶原悠未とバスケットボール女子の日本代表が銀メダルを獲得し、有終の美を飾りました。というわけで、きょうはこんなものを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・女子球技団体メダル(2021)

 これは、ことし(2021年)6月28日、今回の東京五輪を前に、1992年のバルセロナ五輪以降、スペインの女子代表チームがメダルを獲得した球技を取り上げた切手シートで、ホッケー(バルセロナ五輪で金)、バスケットボール(リオデジャネイロ五輪で銀)、水球(ロンドン五輪で銀)、ハンドボール(ロンドン五輪で銀)の4競技について、それぞれメダルの色をイメージした刷色でデザインされています。ちなみに、バスケットボールでスペイン代表がメダルを獲得したのは男女ともにリオデジャネイロ五輪が最初のことで、女子が銀メダルだったのに対して、男子は銅メダルでした。

 さて、当初2020年に予定されていた夏季五輪は、2011年9月2日までにバクードーハ、イスタンブール、マドリード、ローマ、東京の6都市がIOCに立候補を申請しましたが、2012年2月にローマが財政難を理由に脱落、同年5月の1次選考でドーハとバクーが落選した後、2013年9月7日、ブエノスアイレスで開かれた第125次IOC総会で東京がマドリードとイスタンブールを下して開催都市となりました。

 その後、新型コロナウイルス禍により開催は1年延期され、大半の競技が無観客試合で行われるなど幾多の困難の中、なんとか東京五輪が無事に終了したこと特筆すべきことだと思います。今後の新型コロナ禍の状況と五輪との因果関係次第ではありますが、ひとまずは、今回の東京五輪の実績を踏まえ、2020年の五輪開催を逃したスペイン五輪委員会のアレハンドロ・ブランコ会長がスペイン紙「エル・ムンド」のインタビューに応えて「東京で大会が開かれていなかったら、スポーツ界は崩壊していた」と発言したことはもっと多くの人に知られても良いのではないかと思います。
 

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 8月9日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
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 ソロモン諸島独立記念日
2021-07-07 Wed 10:19
 きょう(7日)は、1978年7月7日に独立したソロモン諸島国家の独立記念日です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・メンダーニャとその航跡

 これは、2018年7月25日にスペインが発行した“アルバロ・ド・メンダーニャ・ド・ネイラのオセアニア発見(450年)”の記念切手で、メンダーニャの肖像と彼が西洋人として初めてソロモン諸島を訪れたことを示す地図が描かれています。なお、切手は薄い木の板に印刷され、目打の型抜きをしたセルフ糊式です。

 1492年、ジェノヴァ商人のクリストファー・コロンブスが西インド諸島のバハマ諸島に到着して以来、スペイン人のコンキスタドール(征服者)たちは交易品、特に黄金を求めてアメリカ大陸を探索し、インカやアステカを征服し、略奪の限りを尽くしていました。

 コンキスタドールの一人であったペドロ・サルミエント・デ・ガンボアは、1555年、メキシコに渡り、1557年、そこからペルーへ移って、先住民文化への造詣を深めます。そして、1572年、当時のペルー副王、フランシスコ・デ・トレドの命を受けて、「インカ王朝が纂奪者の始めた専制君主のものであることを立証し、ペルーにおけるスペイン王主権の正当性を明らかにする」ことを目的に『インカ史』を著しました。

 そこにいたる過程で、「船乗り“パウジ・トゥパク・ユバンギ”が9ヶ月におよぶ南方航海の末、”テラ・アゥストラリス”の地から莫大な富を持ち帰った」とする先住民の伝承を耳にしたガンボアは、コンキスタドールの一人として、その真偽を確認しようと考え、1567年、当時のペルー副王、ローベ・ガルシア・デ・カストロの甥で、25歳の若者だったアルバロ・ド・メンダーニャ・ド・ネイラを誘って探検隊を組織します。

 探検隊は司令官のメンダーニャの下、兵士70名と牧師4名、それに、先住民の奴隷を加えた総勢150名で構成され、1567年11月19日、トドス・サントス号とロス・レイズ号 の2隻でリマ近郷のカヤオ港を出帆しました。

 メンダーニャの船団は太平洋を西に進み、1568年1月15日、現在のツヴァル領でヌイ環礁を発見し、ここを島と誤認して“イエス島”と命名します。ただし、一行はイエス島へは上陸せず、1568年2月1日、ソロモン諸島北部のオントン・ジャワ環礁に停泊。やはり、ここを島と誤認し、“バクソス・デ・ラ・カンデラリア島”と命名しました。

 さらに、一行は南下して、同7日、サンタ・イサベル島に到達したのを皮切りに、島伝いに、ラモス島(現マライタ島)、サン・ホルヘ島(現アル・シュ・デ・イザベル島)、フィレンツェ諸島、ガレラ島、ブエナビスタ島、サン・ディマスおよびグアダルーペ島(現・フロリダ諸島)と進んでいきます。

 一行は木々に覆われた島々に上陸しましたが、高温多湿の密林の足元には腐った植物が堆積し、そこを毒蛇やトカゲなど不気味な動物が動き回っており、食料になりそうなものもほとんど見つかりませんでした。また、島民たちはメンダーニャら闖入者に対する敵意を剥き出しにして襲いかかってきましたが、ほどなくして、彼らの中にはカニバリズム(人肉食)や首狩りの習慣がある部族があることもわかったため、一行は恐怖に駆られて島々を移動せざるをえませんでした。もちろん、金銀財宝どころの話ではなく、疫病や先住民の襲撃などで多くの隊員が命を落としています。

 そんな中で、一行は、先住民から“サブ”と呼ばれていた火山島の隣にある大きな島に上陸する。両島の間の海峡は、サブから転訛してサボ海峡と命名され、大きな島は、隊員のペドロ・デ・オルテガの故郷で、アンダルシアのグァダルカナルにちなんで、ガダルカナルと命名されました。

 ガダルカナルを探索した一行は砂金を発見。ここが目的のテラ・アゥストラリスかと色めき立ったものの、いかんせん、あまりの過酷な自然条件と先住民の攻撃の前に長期間の滞在はかなわず、すぐに島を後にしています。

 その後、一行はガダルカナル島南東のサン・クリストバル島(現マキラ島)に上陸し、この地に居留地を建設しようとしましたが、上陸の際、スペイン人が島民を殺害したことから、島民が結束して反撃。スペイン側にも大きな被害が出たことに加え、結局、ここでも金銀財宝はおろか、十分な食料を見つけることができなかったため、マーシャル諸島マロエラップ環礁(彼らの命名ではバクソス・デ・サンバルトロメ島)、ウェーク島(同じくサンフランシスコ諸島)まで回った後、5月11日に帰途に就き、翌1569年7月22日、ペルーのカヤオ港に帰着した。

 そして、彼らが探査した島々は、「ガダルカナルの砂金は“ソロモン王の財宝(の一部)”である」との思い込みから、“ソロモン諸島”と命名されることになりました。

 なお、メンダーニャの探検以降、第二次大戦中の激戦や1978年の独立を経て現在に至るソロモン諸島の歴史については、拙著『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』でまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。

 * 昨日(6日)の「イマゲン」こと「今さら聞けない、減税の話 Tax Cut TV」のライブ配信は、無事、終了いたしました。アーカイブとしてこちらでもお聴きいただけますので、よろしかったら、ご利用ください。

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 7月12日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。


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 出版社からのコメント
 なぜQアノンにみんなハマったのか?
 ネットならではの引き寄せ構造と、現代格差社会の生んだ分かりやすい解釈。
 これは米国だけじゃない!
 人はみんなQを求めている!? (笑)

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 “アンティファ”のラベル
2020-06-02 Tue 03:32
 先月25日(以下、日付などは現地時間)、米ミネソタ州ミネアポリスで詐欺容疑で拘束された黒人男性が、拘束時に警官に膝で首を押さえつけられたことが原因で死亡した事件を巡り、全米に抗議行動が拡大して暴動にエスカレートし、過激化している問題で、トランプ大統領は、31日、反ファシズムを標榜する極左過激派の“アンティファ(Antifa)”が平和的なデモを乗っ取り暴力化させているとして、アンティファを“テロ組織”に指定する意向を示しました。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

     スペイン・ANTIFAラベル
 
 これは、スペイン内戦中の1937年、共和国派の支配下にあったメノルカ島のヴィラカルロス(現エスカステル)で作られた“反ファシスト委員会”のラベル(義捐証紙)で、反ファシストを意味する“ANTIFASCISTA”の文字もしっかり入っています。

 1936年7月に始まったスペイン内戦では、共和国側フランコ側がそれぞれ独自の切手を発行し、支配地域で使用させていましたが、それとは別に、戦闘資金を集めるためのローカル切手(戦時税切手)やラベルが各地で独自に発行され、郵便物にも貼られることがありました。

 共和国政府の郵政は、こうしたローカル・ラベルの発行を表向きには認めていませんでしたし、それを“戦時税切手”のようなかたちで強制的に郵便物に貼らせるということもなかったのですが、実際には、カタルーニャ地方を中心に、各地で戦意高揚と資金集めを兼ねたローカル・ラベルが盛んに発行されました。

 今回ご紹介のラベルが発行されたヴィラカルロスは、西地中海のバレアス諸島北東部、メノルカ島の東部にあります。スペイン内戦時には、バレアス諸島の他の島は早い時期からフランコ側が制圧していましたが、メノルカ島は共和国側が内戦末期の1939年まで維持し続けていました。

 さて、もともと、“アンティ・ファシスト(ファシズム)”は、イタリアのベニート・ムッソリーニ体制に対する反対運動を意味していましたが、第二次大戦の時代を通じて、イタリアのファシスト党やドイツのナチスなど、主として枢軸側の独裁国家への反政府活動を指す総称となりました。今回ご紹介のラベルを発行した反フランコ陣営もそのひとつです。

 なお、ファシズムを「政府や議会よりも政権党の意思決定が優先される一党独裁体制」と定義するなら、旧ソ連をはじめとする共産主義諸国もファシスト国家に他ならず、反共の立場から彼らに抵抗した人々も“反ファシスト”となるはずなのですが、現実には、“反ファシスト”を名乗っているのは、労働組合の活動家、社会主義者、無政府主義者、共産主義者などの左派勢力にほぼ限定されています。

 現在、“アンティファ”を称する諸組織の源流は、1970-80年代、欧米で人種差別的な白人至上主義に対するカウンターとして生じたものと見れています。特に、東西冷戦終結後、ドイツのネオナチなど極右の勃興に対するカウンターとして“アンティファ”も勢力を拡大。米国では左派系のパンクたちがその流れに追従し、人種差別との戦いを標榜する“反差別主義行動(ARA:Anti-Racism Action)”を構成するようになりました。

 1990年代に入ると、ARAは「彼らが行くところに我々も行く」と称して、白人至上主義団体への妨害行動を主な活動とするようになり、次第に過激化。黒いマスクや服装などに身を包み、ポリティカル・コレクトネスの観点から“差別”との批判を受けると反論しづらい米国社会の風潮を悪用し、攻撃対象を恣意的に“人種差別”、“極右”、“ファシズム”と認定したうえで、敵に対する暴力は正当化されうるなどとして、国際会合の会場周辺などで警官隊を襲撃したり、車両や商店を焼き打ちしたりするなどをの乱暴狼藉をくりかえしてきました。

 特に、2017年にはヴァージニア州シャーロッツビルで、南北戦争時の南軍指導者、ロバート・E・リー将軍の銅像の撤去問題を巡り、撤去反対派は白人至上主義者であると決めつけ(たしかに、KKKなども抗議行動を行っていましたが)、反対派を暴力的に襲撃し、死亡者が出たことで、一躍その存在が広く知られるようになります。そして、その結果、一般の米国市民の間では、アンティファは反社会的な“極左暴力集団”とのだという認識が広がっていました。

 アンティファには統一的な組織があるわけではなく、複数のグループが緩やかに結合して暴力集団を構成しているうえ、明確なリーダーの存在も確認されていないため、テロ組織として根絶することは困難という事情もありましたが、現在、全米各地で起きている暴動でも、黒装束のアンティファが破壊と暴力を繰り返しているようすが多くの映像で確認されており、ホワイトハウス周辺にも彼らの攻撃が及んできて、大統領本人も地下壕への一時避難を余儀なくされたことから、ようやく、米政府もテロ集団の撲滅に向けて重い腰を上げた格好です。

 反ファシズムや反差別を語る卑劣なテロリスト集団には、ぜひとも、断固たる措置を取っていただきたいものです。


★ 文化放送「おはよう寺ちゃん 活動中」 出演します!★

 6月5日(金)05:00~  文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時のスタートですが、僕の出番は6時台になります。皆様、よろしくお願いします。


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 混迷する日韓関係、その原点をあらためて読み直す!
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 煙草を買いに行って遭難
2020-04-07 Tue 02:39
 フランス南部で暮らす男性が、安い煙草を買うため隣国スペインまで歩いていこうとしたところ、両国にまたがるピレネー山中で遭難。ヘリコプターで救出され、新型コロナウイルス対策の規制に違反により、135ユーロ(約1万6000円)の罰金が科されたそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・ピレネー条約300年

 これは、ピレネー山脈をフランス=スペイン間の国境と定めたピレネー条約の締結300年を記念してスペインが発行した切手で、条約締結時に握手するルイ14世(仏)とフェリペ4世(西)を描くタペストリーが取り上げられています。

 ピレネー条約は、1635-59年のフランス・スペイン戦争の講和条約で、両国の間を流れるビダソア川の中州であるフェザント島で締結されました。同条約により、フランスはルシヨン、アルトワ、ルクセンブルク公国の一部とフランドルの一部を手に入れ、ピレネー山脈がスペインとの国境として固定されます。ただし、条約では、ピレネー山脈の北にある“全ての村”がフランス領とされたため、“町”であったリビアはスペインの飛び地とされ、スペインのジローナ州サルダーニャの自治区となりました。

 さて、南仏では多くの人々が、スペインの方が煙草やアルコール類、一部の食品、燃料が安いとして、国境を越えて買いに出かけています。

 今回問題となった男性は、今月4日、フランスのペルピニャンから車でスペイン北部のラジョンケラへ向かったところ、新型ウイルス対策の規則(一般国民の外出は、必要不可欠な理由があり、かつ用事があることを自らが証明する文書を携帯している場合しか認められません)により、検問所で止められました。そこで、男性はピレネー山脈を歩いて越えようとしましたが、小川に落下して道に迷い、緊急当局に連絡。国家憲兵隊ピレネーオリアンタル県山岳警備隊のヘリコプターによって救助され、新型ウイルス対策の規則に違反で罰金が科されました。

 今回の件に関して、山岳警備隊は「もう一度お知らせしておきます。自宅にとどまってください」とツイートし、ウイルス対策の外出規制を遵守するよう、国民に呼びかけています。


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 プラド美術館200年
2019-11-19 Tue 01:12
 マドリードのプラド博物館が1819年11月19日に開館してから、ちょうど200周年です。プラド美術館といえば、やはりこの切手でしょうか。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・裸のマハ(1930)

 これは、1930年にスペインが発行したゴヤ没後100周年の記念切手のうち、「裸のマハ」を取り上げた1枚です。

 歴代のスペイン王家のコレクションを展示するプラド美術館は、1819年11月19日、“王立美術館”として開館しました。1868年の九月革命では王政が倒れ、1873年には第一共和政が成立すると、その過程で王立博物館から、現在の“プラド美術館(その所在地が、かつて牧草地=プラドだったことにちなむ命名)”に改称され、国営化されました。その後、1874年にスペインは王政復古となりましたが、プラド美術館が“王立美術館”に復することはありませんでした。

 美術館の本館となるビジャヌエバ館の建物は、1785年、自然科学に関する博物館を作るため、カルロス3世がフアン・デ・ビジャヌエバに設計させたもので、スペインにおける新古典主義の代表作とされています。結局、建物が博物館として使われることはなく、カルロス3世の孫にあたるフェルナンド7世 (スペイン王)が妻マリア・イサベル・デ・ブラガンサの進言を受けて美術館として利用されることになりました。

 コレクションの基礎はフェリペ2世とフェリペ4世が築いたもので、コレクションは、12世紀のロマネスク様式の壁画から、19世紀のフランシスコ・デ・ゴヤの作品まで広範な領域をカバーしており、所蔵品は、油彩画が約7600点、彫刻が約1000点、版画が約4800点、素描が約8200点におよんでいます。

 今回ご紹介の切手に取り上げられた「裸のマハ」は、1797年から1800年ごろにかけて制作された作品で、大きさは97×190センチ。 西洋美術で、初めて実在の女性(ゴヤとと関係のあったアルバ公夫人マリア・デル・ピラール・カィエターナがモデルともいわれています)の陰毛を描いた作品といわれており、この絵の依頼主を明らかにするため、ゴヤは何度か裁判所に召還されましたが、口を割ることはありませんでした。ただし、この絵は首相を務めたマヌエル・デ・ゴドイの邸宅から見つかっていることから、依頼主はゴドイだったとみられています。なお、裁判の後、この絵はほぼ100年間、プラド美術館の地下にしまわれ、1901年になってようやく公開されました。


★★ 講座のご案内 ★★

 12月以降の各種講座等のご案内です。詳細については、各講座名をクリックしてご覧ください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 12/3、1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)

日本史検定講座(全8講)
 12月13日(日)スタート!
 内藤は、全8講のうち、2月20日の第6講に登場します。

・武蔵野大学生涯学習秋講座 
 飛脚から郵便へ―郵便制度の父 前島密没後100年―
 2019年12月15日(日) 
 (【連続講座】伝統文化を考える“大江戸の復元” 第十弾 )



★ 最新作 『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』 11月25日発売!★

       (増補改訂版)アウシュヴィッツの手紙・表紙  本体2500円+税(予定)
 
 出版社からのコメント
初版品切れにつき、新資料、解説を大幅100ページ以上増補し、新版として刊行。独自のアプローチで知られざる実態に目からウロコ、ですが淡々とした筆致が心に迫る箇所多数ありです。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 スペイン国王、ソウル市の名誉市民に
2019-10-25 Fri 04:48
 韓国を訪問中のスペイン国王フェリペ6世ご夫妻に対して、ソウル市が、きのう(24日)、“名誉市民証”を授与したそうです。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・共和国加刷(1931)

 これは、1931年4月14日の革命でスペイン国王のアルフォンソ13世が退位に追い込まれ、第2共和政が発足した後、元国王の肖像を描く王制時代の普通切手に“Republica Espana”の文字を暫定的に加刷した切手です。

 まぁ、ソウル市側に悪意はなかったんでしょうが、国王が“市民”になるのは“格下げ”のイメージですからねぇ。そもそも、そうした事例は、一般的には革命などで王制が崩壊したり、その国王に個人的な問題があったりして、退位(廃位)を余儀なくされるケースしかないでしょうから…。今回の切手は、スペインの場合のそうした先例を示す一例として、取り上げてみました。

 さて、アルフォンソ13世は、1886年5月17日、アルフォンソ12世の嫡男として生まれました。出生時には父王はすでに崩御していたため、出生と同時にスペイン国王となりましたが、国王としての職務は、母親のマリア・クリスティーナ王太后が摂政を務め、16歳になった1902年から親政を開始しました。

  アルフォンソ13世本人は、幼少時から外国を頻繁に訪れていたこともあって開明的な性格で、第一次大戦中は“絶対中立”を宣言したため、スペインは大戦特需で“16世紀以来の大型景気”となりました。ただし、その恩恵を受けたのは一部の資本家のみで、大半の国民は物価の高騰によって生活が悪化しました。
 
 そうした中で、1923年、アルフォンソ13世はバルセロナ総督だったプリモ・デ・リベーラ将軍を登用。プリモ・デ・リベーラは議会を解散して憲法を停止し、言論統制を行うなど、自らの権威主義体制を強化することで、王権維持を目指しました。その一環として、低金利政策を採用して中産階級の生活水準の向上を計り、公共工事を行ってインフラを整備したほか、貴族の特権の制限や、軍の改革などに取り組んだものの、放漫財政によって国の財政は事実上の破綻に陥ります。

 このため、1926年、プリモ・デ・リベーラは議会を復活させ、地方の知事に文官を任命する一方、1927年にはイタリアのファシスト体制に倣った支配政党、“愛国同盟”を結成。ところが、1929年の世界恐慌で通貨ペセタが暴落したことで国王の信認を失い、1930年に“健康の悪化”を理由に失脚。パリへの亡命を余儀なくされました。

 プリモ・デ・リベーラの失脚を受けて、1931年4月12日、スペインでは自治体選挙が行われましたが、その結果、王制打倒を目指す共和派や共産党などが多数派を占めることがほぼ確実になったため、4月14日、アルフォンソ13世は選挙結果が確定する前にローマに亡命し、スペイン第2共和政が誕生しました。

 しかし、自ら政権を奪取したわけではない共和派の基盤は脆弱で、1933年の総選挙では右派政権が成立し、左翼的な政策の軌道修正が図られます。ところが、これを不服とする労働者たちは、1934年10月5日、アストリアス地方で反乱を起こしましたが、フランコにより鎮圧されました。

 さらに、1936年2月16日の総選挙で左翼勢力を中心とする人民戦線内閣が誕生すると、右派の大物であったフランコは危険人物として参謀総長を解任され、カナリア諸島方面警備司令官に左遷。これを不服とするフランコは同年7月に反乱を起こし、スペインは内戦の時代に突入していくことになります。


★★ 講座のご案内 ★★

 10月からの各種講座のご案内です。詳細については、各講座名をクリックしてご覧ください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 11/5、12/3、1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)

・武蔵野大学生涯学習秋講座 
 切手と浮世絵
 2019年10月31日 ー11月21日 (毎週木曜・4回)

 飛脚から郵便へ―郵便制度の父 前島密没後100年―
 2019年12月15日(日) 
 (【連続講座】伝統文化を考える“大江戸の復元” 第十弾 )


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 サグラダ・ファミリア教会、拝観停止
2019-10-19 Sat 02:50
 2017年、カタルーニャ州独立をめぐる投票と独立宣言が強行された件で、今月14日、当時の州の幹部ら12人に対してスペイン最高裁が実刑判決を下して以来、州都バルセロナでは、連日、激しい抗議デモが続いています。5日目となる昨日(18日)は、世界遺産のサグラダ・ファミリア教会の入口がデモ隊によってふさがれ、観光客等の入場が不可能となったため、拝観も停止されたそうです。というわけで、きょうはこんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・サグラダファミリア教会(1960)

 これは、1960年3月27日から4月1日まで、スペイン・バルセロナで開催された第1回郵趣コングレスに際して発行された記念切手のうち、開催地バルセロナのシンボルとして、サグラダ・ファミリア教会を取り上げた1枚です。

 サグラダ・ファミリア教会(聖家族贖罪教会:El Temple Expiatori de la Sagrada Familia)は、バルセロナ旧市街のアシャンプラ地区にある建築家アントニオ・ガウディの作品群の一つで、ガウディの没後100周年にあたる1926年の完成を目指して、現在なお、建築が進められています。

 もともと、この教会は民間カトリック団体のサンホセ協会が、貧しい人々のための教会として建設を計画したもので、建築家フランシスコ・ビリャールが無償で設計を引き受け、1882年3月19日に着工しました。しかし、翌1883年、ビリャールは意見の対立から設計者を辞任し、当時はまだ無名だったガウディがその後任として設計を引き継ぎます。ガウディは設計を根本から練り直し、1926年に亡くなるまで、その建設に力を注ぎました。

 ちなみに、ガウディの存命中に完成したのは、地下聖堂と東側の“キリストの生誕”のファサードなど、全体の4分の1未満でした。また、ガウディの設計じたいが壮大な規模であったことに加え、贖罪教会という性質上、資金調達を信者の喜捨に頼ってきたことから資金不足が続いたことも工事がなかなか進まない要因となっていましたが、1990年代以降、拝観料収入が増えて資金状況が好転。さらに、建築技術の進歩もあって、1980年代には完成までに約300年かかるとみられていた工期は大幅に短縮され、2026年の完成が現実の目標とされるようになりました。

 さて、現在のカタルーニャ自治州に相当する地域は、987年、バルセロナ伯ボレイ2世がユーグ・カペーを(西)フランク王として承認するのを拒否して自立して以来、1492年のレコンキスタ後も、スペイン帝国の一部として自治を認められていました。しかし、1714年9月11日、スペイン継承戦争でスペイン・ブルボン軍に包囲され降伏すると、1716年に布告された新国家基本法により、自治権を剥奪され単なる州の地位に転落してしまいます。

 スペイン第二共和政時代の1932年、カタルーニャでは自治政府(ジャナラリター)が復活しますが、1933年末のスペイン総選挙で右派が勝利すると、翌1934年、これに反発したカタルーニャ自治政府は“カタルーニャ共和国”の成立を宣言しました。

 さらに、1936年、バルセロナで人民オリンピックが開催される数時間前にフランコが叛乱を起こし、スペイン内戦が勃発。3年に及ぶ内戦の期間中、カタルーニャは反フランコ陣営の拠点となりましたが、このため、内戦に勝利を収めたフランコ側は、カタルーニャの自治を認めず、政府機関やマスメディアでのカタルーニャ語の使用も禁止され、自治政府は海外への亡命を余儀なくされました。

 1975年にフランコが亡くなると、1977年9月、自治政府がバルセロナに復帰。翌1978年に制定されたスペインの新憲法によって、自治政府の自治権が認められます。これを受けて、カタルーニャにおける国民投票での承認とスペイン国会での可決を得て、1979年にカタルーニャ自治憲章が成立。その後、カタルーニャ自治憲章は、2006年6月18日に改定され、税、司法、行政の分野で州の自治権が大幅に拡大されました。

 ところが、2010年、スペインの憲法裁判所は自治憲章を違憲と判断。さらに、スペインでは財政力の強い地域が弱い地域を支援する税制が採用されていることから、バルセロナを擁し、財政の豊かなカタルーニャ州では、ソブリン危機からスペイン経済が急速に悪化する中で、税制への不公平感が鬱積し、2010年までに独立派が急増します。

 こうした状況の下で、2010年7月、“2010年カタルーニャ自治抗議”と銘打った大規模デモに約110万人が参加。その後も、毎年のように大規模デモが開催され、2015年のカタルーニャ自治州議会選挙では、独立賛成派が過半数の135議席中72議席を獲得し、州議会が独立手続きの開始を宣言しています。2017年の住民投票は、こうした経緯を踏まえて実施されたもので、投票率は4割でしたが、賛成が9割に達し、同年10月10日、カタルーニャ独立宣言が署名されます。
 
 その後、カタルーニャ側は、中央政府との対話を求める一方、独立宣言そのものは撤回しなかったため、10月21日に中央政府は自治政府の権限を一時停止。これに対して、10月27日、州議会が独立宣言を賛成多数で承認したたため、中央政府は州首相のプッチデモンら幹部らを更迭し、カタルーニャ州の直接統治を開始しましたが、12月21日の州議会選挙では独立派政党が過半数を獲得し、独立派のトレントが議長に就任。州政府首相としてプッチデモン元首相が指名され、2018年1月30日に信任投票が行われる予定でしたが、憲法裁判所が投票の中止を命じたため、信任投票は延期され、プッチダモンは亡命していました。


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・武蔵野大学生涯学習秋講座 
 切手と浮世絵
 2019年10月31日 ー11月21日 (毎週木曜・4回)

 飛脚から郵便へ―郵便制度の父 前島密没後100年―
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 欧州議会選、反EU派が躍進
2019-05-27 Mon 11:49
 きのう(26日)まで行われていた欧州連合(EU)欧州議会選挙で、EUの強化を訴える勢力(親EU勢力)が3分の2の議席を堅持する一方、現在大連立を組む二大会派は過半数割れとなり、反EU勢力が議席を大きく伸ばしました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・欧州議会選挙(2019)

 これは、ことし(2019)年3月15日にスペインが発行した今回の欧州議会選挙の宣伝切手です。画像下側の青い部分が切手になっており、赤い線で切り取ると、“欧州議会選挙40周年”の文字が入ったタブを投票用紙に見立て、それを投票箱(=切手)に投じる形となります。

 欧州議会は、1952年9月10日に創立された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)の“共同総会”がその起源です。

 1958年、ローマ諸条約の発効により欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体が発足すると、欧州石炭共同体を含めた3つの共同体は、政策執行機関はそれぞれ別にしつつ、共有の諮問会議として“欧州議員会議”が設置されました。同会議は、1962年に欧州議会に改称され、これが、現在の欧州議会の直接のルーツになります。

 1967年の統合条約発効により3共同体の運営機関が統合され、欧州共同体(EC)が発足すると、1970年、欧州議会には共同体の予算の一部の分野に関する権限が与えられ、1975年にはその範囲が拡張されて、予算全般に関する権限を有するようになりました。加盟各国の国民による直接選挙が行われるようになったのは、1979年のことです。

 さて、今回の選挙では、選挙前の第1会派だった中道右派・欧州人民党(EPP)は178議席、大連立を組む中道左派の欧州社会・進歩連盟(S&D)は152議席を確保したものの、その合計は330で、定数750の過半数(375)には届きませんでした。

 これに対して、反EUの保守系2会派は、前回から40%増の108議席と大きく躍進しましたが、親EU勢力のリベラル会派が39議席増の108議席、緑の党は15議席増の67議席となったため、親EUの4会派全体では、20議席弱の言にとどまり、505議席を確保しています。

 なお、今回の投票率は51%で前回(2014年)の43%を大きく上回りましたが、投票率が前回を上回ったのは、1979年の最初のEU規模の直接選挙以来、初めてのことだそうです。

 * 昨日(26日)、早稲田大学で開催された“〈岡田英弘三回忌 シンポジウム〉岡田英弘の歴史学とは何か”は、無事、盛況のうち終了いたしました。ご参加いただいた皆様、開催の労を取っていただいたスタッフの方々には、この場をお借りして、御礼申し上げます。


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 ビートル、生産終了へ
2018-09-15 Sat 01:26
 ドイツの自動車大手、フォルクスワーゲン(以下、VW)は、13日(現地時間)、小型車“ザ・ビートル”の生産を2019年7月に終了すると発表しました。後継車の予定はなく、“ビートル”の系統は消えることになります。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・VW ビートル

 これは、2013年にスペインが発行した“時代を代表する自動車”の切手のうち、VWのビートルが取り上げられています。ちなみに、切手上の車名、“ESCARABAJO”は“カブトムシ”を意味するスペイン語です。

 ビートルは、1934年、ヒトラーがベルリンモーターショウで提唱した“国民車(フォルクスワーゲン)”計画に従い、フェルディナント・ポルシェが開発した小型車で、1936年の試作車を経て、1938年、第1号車として“KdF(カーデーエフ)ワーゲン”が発表されました。今回ご紹介の切手で、車の年号が1938年となっているのは、これを踏まえてのことです。

 なお、自動車メーカーとしての VW は、1937年5月にフォルクスワーゲン準備会社がベルリンに本社を置いて設立されており(1938年9月にフォルクスワーゲン製造会社と改称)、一家に一台、自動車が行きわたるようにすべく、購入希望者が事前に開設された口座に週5マルク振り込む積立金制度により、満額に達した国民がワーゲンを受け取るという仕組みで33万6000人が申し込んでいました。

 さて、KdFは、流線型をした空気抵抗の少ないボディで、最高時速100キロ以上、7リットルのガソリンで100キロを走行できる低燃費など、当時の技術水準をはるかに超える画期的なものでしたが、発表翌年の1939年9月に第二次世界大戦が勃発したため、フォルクスワーゲン製造会社は軍用車の生産を行うこととなり、民間向けの自動車は実際には生産されませんでした。(ただし、軍や政府の幹部向けに、例外的に、ノーマル版の“タイプ60”が870台ほど生産されています)

 ちなみに、戦時中のフォルクスワーゲン製造会社の生産ラインには連合国の捕虜やアウシュヴィッツ強制収容所の収容者など約2万人が動員されました。

 第二次大戦後、ドイツが連合国によって占領されると、フォルクスワーゲンの工場は、当初はソ連軍の、後に英軍の管理下に置かれ、官営のフォルクスワーゲン社として再出発。これを受けて、KdF ワーゲンは“フォルクスワーゲン・タイプ1”と改称され、ようやく一般販売が開始されました。

 タイプ1は、その外観から“ビートル”の愛称で親しまれ、米国をはじめ全世界に大量輸出され、西ドイツの戦後復興を支えました。1974年に西ドイツでのビートルの生産は中止されたものの、その後もメキシコやブラジルで生産が続けられ、2003年、メキシコでの生産が終わるまでの58年間で2100万台が生産されました。これは一車種の生産記録としては、現在も世界記録です。
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 その後、1998年には、2代目となる“ニュー・ビートル”の生産がメキシコ工場で始まりましたが、ニュー・ビートルの生産は2010年で打ち切られ、2011年からは3代目の“ザ・ビートル”に引き継がれていました。なお、米国では最後のラインアップとして、特別モデル“ファイナル・エディションSE”と同SELが販売されるそうです。


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 フランコの墓、移設へ
2018-08-25 Sat 02:21
 スペインのサンチェス政権(中道左派)は、きのう(24日・現地時間)、マドリード州サン・ロレンソ・デル・エスコリアルの“戦没者の谷”にある独裁者フランコの墓を移設することを決定しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・戦没者の谷(1959)

 これは、1959年4月1日、戦没者の谷の開設にあたり発行された記念切手です。

 1936-39年のスペイン内戦が終結から1周年にあたる1940年4月1日、フランコ派の勝利1周年の戦勝パレードの席上、フランコは戦没者追悼のための壮大な施設を建設することを発表。これを受けて、1940年から1958年にかけて、グアダラマ山脈の谷に建設されたのが、戦没者の谷です。

 敷地内には、花崗岩の稜線をくりぬいた世界最大級のバジェ・デ・ロス・カイードスのサンタ・クルス聖堂と高さ152.4メートルの十字架が設けられています。 聖堂地下の納骨堂は、共和国派の囚人数千人が堅い花崗岩をトンネル状に掘り抜いて建設したもので、山を貫く巨大な翼廊は、十字架の真下で交差する設計になっています。また、掘り抜いた空間はローマのサン・ピエトロ大聖堂の地下納骨堂より広いのですが、サン・ピエトロ大聖堂と争うことをはばかり、入り口近くの内部には間仕切り壁がつくられています。

 納骨堂には、ナショナリストと共和国派、両派の兵士4万人がともに埋葬していますが、建設の経緯から、モニュメント等はナショナリストの歴史観を反映したものとなっており、フランコ政権とカトリック教会の結びつきの強さを反映して「神とスペインに殉じた者たちよ!」との銘が刻まれています。

 このため、スペイン国内でも、左派政党は戦没者の谷を“民主主義の記念碑”または“民主主義のための戦いで命を落とした全スペイン人のための施設”として再編することを主張していますが、これに対しては、中道カトリック政党を中心に、戦没者の谷はすでにナショナリスト・共和国双方の軍人・民間人すべての犠牲者のために捧げられており、左派の歴史観による施設の改変には反対する声も少なくありません。

 1975年に亡くなったフランコは、生前、マドリード市内での埋葬を望んでいましたが、独裁者亡き後の暫定政府はフランコの埋葬場所として戦没者の谷を指定。このため、フランコの遺体は、聖堂外の谷の下に横たわる一般戦没者とは別に、教会内部に埋葬されました。なお、聖堂内に埋葬されているのは、フランコと、ファランヘ党創設者アントニオ・プリモ・デ・リベラの2人しかいません。

 今回の移設決定は、ことし6月に発足した新政権のサンチェス首相が、「国民分断の象徴を放置できない」としてフランコの遺体を掘り起こす方針を明らかにしたことが出発点となっていますが、その背景には、昨年(2017年)10月のカタルーニャ自治州の独立を問う住民投票で、独立賛成が90%に達したという状況を踏まえ、カタルーニャを弾圧した独裁者の墓を移し、彼らの反発を和らげようとの政治的意図があるとみられています。ちなみに、昨年の住民投票に際して、独立派は、カタルーニャの自治権を停止した当時のラホイ首相を、フランコになぞらえて非難するという一幕もありました。

 なお、ことし7月の調査では、移設についての世論は、賛成41%、反対39%で拮抗しています。


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 カタルーニャで独立住民投票
2017-10-01 Sun 17:48
 スペイン東部カタルーニャ自治州で、きょう(1日)、独立の是非を問う住民投票が始まりました。というわけで、今日はこの切手です、(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・カタルーニャ君主国1000年

 これは、1988年にスペインで発行された“カタルーニャ君主国1000年”の記念切手です。

 現在のカタルーニャ自治州に相当する地域は、ローマ帝国の崩壊後、西ゴート族が実行支配下を経て、8世紀にはアンダルスのムーア人が権力を掌握します。しかし、732年のトゥール・ポワティエ間の戦いでムスリム勢力が退けられると、ムーア人が治めていた旧西ゴート王国領はフランクによって征服され、カタルーニャ北部の諸伯領はフランクと同盟関係を結びます。その後、795年、カール大帝はスペイン辺境領の名の下に、緩衝地帯を創設。801年から987年まで、バルセロナ伯はフランク王国に臣従を誓うようになりました。

 これに対して、987年、バルセロナ伯ボレイ2世はユーグ・カペーを(西)フランク王として承認するのを拒否し、これによってバルセロナ伯はフランク王国のくびきから脱します。今回ご紹介の切手は、ここから1000年になるのを記念して発行されたものです。

 1137年、バルセロナ伯ラモン・バランゲー4世はアラゴン女王ペトロニラ(パルネリャ)と結婚し、アラゴン王国との同君連合によるアラゴン連合王国が成立。アラゴン王国の一部となったカタルーニャは大きな海事力を持つようになり、バレンシア、バレアレス諸島、サルデーニャ島やシチリア島まで勢力を拡大。1492年のレコンキスタ後も、スペイン帝国の一部として自治を認められていました。

 ところが、1714年9月11日、スペイン継承戦争でスペイン・ブルボン軍に包囲され降伏すると、カタルーニャは、1716年に布告された新国家基本法により、自治権を剥奪され単なる州の地位に転落してしまいました。

 スペイン第二共和政時代の1932年、カタルーニャでは自治政府(ジャナラリター)が復活しますが、1933年末のスペイン総選挙で右派が勝利すると、翌1934年、これに反発したカタルーニャ自治政府は“カタルーニャ共和国”の成立を宣言しました。

 さらに、1936年、バルセロナで人民オリンピックが開催される数時間前にフランコが叛乱を起こし、スペイン内戦が勃発。3年に及ぶ内戦の期間中、カタルーニャは反フランコ陣営の拠点となりましたが、このため、内戦に勝利を収めたフランコ側は、カタルーニャの自治を認めず、政府機関やマスメディアでのカタルーニャ語の使用も禁止され、自治政府は海外への亡命を余儀なくされました。

 1975年にフランコが亡くなると、1977年9月、自治政府がバルセロナに復帰。翌1978年に制定されたスペインの新憲法によって、自治政府の自治権が認められます。これを受けて、カタルーニャにおける国民投票での承認とスペイン国会での可決を得て、1979年にカタルーニャ自治憲章が成立しました。なお、カタルーニャ自治憲章は、2006年6月18日に改定され、税、司法、行政の分野で州の自治権が大幅に拡大され、現在にいたっています。

 現在、カタルーニャ自治州の人口はスペイン全体の15%ですが、経済規模は20%を占めています。スペイン経済が停滞する中で、カタルーニャ自治州が中央政府に支払っている税金は、学校や病院などを通じて中央政府から受け取っているサービスを少なくとも年間120億ユーロ上回っているとも推計されていることもあり、州内からはマドリードの中央政府に対する不満が広がっていました。

 今回の住民投票は、こうした背景の下で計画されたもので、自治州の独立に反対する中央政府はきのう(30日)までに一部の投票所を封鎖しましたが、州政府側は、きょう、予定通り投票を強行しました。なお、今回の投票では、中央政府は独立賛成派が勝利してもその結果を承認しない見通しで、今後、混乱が深まる懸念が高まっています。


★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  次回は5日!★★

 10月5日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第9回が放送予定です。今回は、10月9日に没後50周年を迎えるチェ・ゲバラの切手にスポットを当ててお話をする予定ですので、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。


★★★ 世界切手展<WSC Israel 2018>作品募集中! ★★★

  明年(2018年)5月27日から31日まで、エルサレムの国際会議場でFIP(国際郵趣連盟)認定の世界切手展<WSC Israel 2018>が開催される予定です。同展の日本コミッショナーは、不詳・内藤がお引き受けすることになりました。

 現在、出品作品を11月10日(必着)で募集しておりますので、ご興味がおありの方は、ぜひ、こちらをご覧ください。ふるってのご応募を、待ちしております。


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