2017-03-06 Mon 11:26
きょう(6日)は、1980年3月6日にインドネシアで“コモド国立公園”が制定されて37年ということで、検索サイト・グーグルのトップページもコモドオオトカゲのデザインになっていました。というわけで、きょうはこの切手です。(以下、画像はクリックで拡大されます)
![]() ![]() この切手は、2000年にインドネシアが発行した“コモドオオトカゲ”の切手のうち、コンバットダンス(繁殖期の毎年5-8月、オス同士がメスをめぐって戦う、直立しての組み合い)を取り上げた1枚です。右側には、グーグルのトップロゴの画像も貼っておきましょう。 コモドオオトカゲは、インドネシア・小スンダ列島のギリダサミ島、ギリモタン島、コモド島、フローレス島南部、リンチャ島などに生息する固有種で、世界最大のトカゲ(全長約200-300cm 体重約70-120kg)として知られています。 古来、小スンダ列島には、全長7mに達する“ドラゴン”が棲息しており、スイギュウを倒したり、火を吐いたりするとの言い伝えがあり、1840年にはスンバ島の首長が文書で記録を残していましたが、その実態については不明という状況が続いていました。 その後、1910年にオランダ人パイロットがコモド島に不時着し、“恐竜の生き残り”の目撃を証言。さらに、同年、全長2m以上の個体が射殺されたことで詳細が明らかになり、1912年、ジャワ島に持ち込まれた2頭の成体と1頭の亜成体を基に“種”として記載されました。 乾燥した落葉樹林やサバンナ、海岸などに生息し、尾を使って泳ぐこともできます。主としてイノシシやシカなどの哺乳類を餌としていますが、鳥類やその卵、爬虫類やその卵、昆虫、動物の死骸なども食べるほか、まれに人間を襲撃することもあります。開発による生息地の破壊、獲物となるシカを人間が刈りつくしたことなどから、生息数が減少したため、早くも1920年には保護の対象となり、リンチャ島とパダール島は1938年に、自然保護区に指定されました。(パダール島のコモドオオトカゲは後に絶滅) また、1942年には小スンダ列島を占領した日本海軍により、珍獣として昭和天皇にも献上されています。 1965年にはコモド島も自然保護区に指定され、1975年にワシントン条約が発効すると、ただちにコモドオオトカゲはワシントン条約附属書Ⅰ(現時点ですでに絶滅する危険性がある生き物 )に掲載。1977年には棲息地一帯がユネスコの“生物圏保護区”に指定されました。これを受けて、インドネシア政府は、1980年、コモド島を中心に、パダル島、リンチャ島などの島々および周辺のサンゴ礁からを含む総面積 2200平方キロの範囲を“コモド国立公園”に指定。今回のグーグルのトップロゴは、これにちなんだものです。 ちなみに、コモドオオトカゲはインドネシアを代表する動物として、しばしば、国際イヴェントのキャラクターにも取り上げられています。その一端については、拙著『蘭印戦跡紀行』でもご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 ★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』 ★★★ ![]() 【出版元より】 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行! 発売元の特設サイトはこちらです。 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2017-01-15 Sun 17:28
東南アジアとオーストラリア4カ国を歴訪中の安倍首相は、きょう(15日)、3カ国目となるインドネシアに到着し、ボゴールでジョコ大統領と会談するそうです。というわけで、ボゴールゆかりの切手のなかから、きょうはこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、1998年にインドネシアがPETA(Tentara Pembela Tanah Air:郷土防衛義勇軍。以下、ペタ)を題材に発行した寄附金つき切手です。 日蘭開戦と前後して、日本軍は、オランダ領東インド(現インドネシア。以下、蘭印)の住民に向けて「日本は東亜の人々を白人の植民地支配から解放するために南進を始めた。次は蘭印へ進攻するから住民は協力せよ」との放送を行うなどのプロパガンダ工作を実施。ジャワ島占領後は、バンドンを拠点にムスリム工作を担当した第16軍治部隊参謀部別班(通称・ジャワ回教別班)が、オランダ統治下ではないがしろにされていたムスリム住民との連携を重視し、モスクの法学者に対しては一般公務員と同等の待遇とするなどの施策を行って、現地のムスリム住民から評価されていたほか、今回の安倍首相の訪問先であるボゴールには、ジャワ全島17州から優秀な青少年を集めて、ジャワ回教青年隊も組織されました。 しかし、日本占領下の東南アジアの他の地域では、英印軍のインド人捕虜を中心にしたインド国民軍、アウン・サンらビルマの民族主義者らによるビルマ独立義勇軍が組織されたのに対して、ジャワでは、日本の軍政当局がインドネシアの民族独立を確約せず、1943年5月に設置された兵補の制度も、あくまでも現地住民は日本軍の補助兵力として扱っているだけでしたので、独立したインドネシア民族軍の創設を期待していた住民の間には少なからず不満もありました。 その後、戦況が日本軍に不利になっていく中で、日本軍の兵力不足を補う必要が生じたこともあり、現地の民族主義運動およびイスラム指導者の建白書を容れるという形式をとって、1943年10月3日、ジャワ郷土防衛軍=ペタの設立が正式に決定されます。 ペタの中心となったのは、ジャカルタ近郊のタンゲランでインドネシア人青年にゲリラ戦や情報戦の技術を教育していた“青年道場(インドネシア特殊要員養成隊)”の隊員で、これに、ジャワ回教青年隊の隊員が加わり、ボゴールに設立された幹部養成学校(義勇軍錬成隊)での各種訓練が実施されました。 このボゴールの幹部養成学校を卒業した青年たちは、それぞれの故郷で、約500名規模のペタの大団を結成。ペタの兵士には日本軍の指揮下で、日本軍の歩兵操典をもとに厳しい訓練が行われ、その規模は、1945年8月の終戦時には、66大団、約3万6000人の規模にまで拡大しました。 インドネシア独立宣言から2日後の1945年8月19日、敗戦国となった日本軍は、連合国の指示により、ペタを解散しますが、各地の元ペタ将兵らは組織と装備を維持しつつ、インドネシア国軍に参加。専門の軍事教育を受けた職業軍人として、オランダとの独立戦争で重要な役割を演じることになります。 ちなみに、日本占領時代のペタから巣だって、独立戦争時のインドネシア国軍を指揮したスディルマン将軍の生涯は、インドネシアでは、両国の友好親善と防衛協力交流のシンボルとされており、2011年に訪日したインドネシアのプルノモ国防相は、ジョグジャカルタの歴史博物館にあるのと同じ将軍像を日本に寄贈。その像は東京・市ヶ谷の防衛省敷地内に建立されています。 今回、安倍首相とジョコ大統領の会談の地として、ペタに所縁のボゴールが選ばれたのも、上述のような歴史的背景を踏まえてのことと思われます。 なお、日本占領時代の蘭印については、拙著『蘭印戦跡紀行』でもいろいろ書いておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 ★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』 ★★★ ![]() 【出版元より】 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行! 発売元の特設サイトはこちらです。 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2016-03-04 Fri 21:52
ご報告が遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年3月2日号が先週、発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はインドネシアの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、1998年に発行された観光宣伝切手で、バリ島のブサキ寺院が取り上げられています。 インドネシアはムスリム国家ですが、バリ島は、バリ土着の信仰と仏教やヒンドゥーが習合した“バリ・ヒンドゥー”の信者が住民の90%を占めています。今回ご紹介の切手に取り上げられたブサキ寺院は、バリ・ヒンドゥーの総本山で、島の最高峰、アグン山の中腹にあり、破壊神シヴァ、繁栄神ヴィシュヌ、創造神ブラフマのヒンドゥー三大神を祀る3寺院を中心に30以上の寺院群から構成されています。もとは8世紀に建立されたものですが、その長らく荒廃の時代を経て、オランダ統治時代に復興されました。今回ご紹介の切手は、シートの切手部分に現在の寺院の遠景を描く切手を収め、余白には、霊獣バロンが描かれています。 さて、『世界の切手コレクション』3月2日号の「世界の国々」では、今回ご紹介の切手のほか、インドネシア独立戦争に関するマテリアルやボロブドゥール寺院の切手、影絵芝居のワヤン・クリ、ムラピ山、スマトラ沖地震、コモドオオトカゲの切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。 なお、僕が担当する「世界の国々」は、1週お休みをいただいて、次回は3月9日発売の3月16日号でのケイマン諸島の特集になります。こちらについては、3月16日以降、このブログでもご紹介する予定です。 ★★★ 講座のご案内 ★★★ ・よみうりカルチャー荻窪 「宗教と国際政治」 4月から毎月第1火曜の15:30より、よみうりカルチャー荻窪(読売・日本テレビ文化センター、TEL 03-3392-8891)で講座「宗教と国際政治」がスタートします。ぜひ、遊びに来てください。詳細は、こちらをご覧いただけると幸いです。 ★★★ 内藤陽介の新刊 『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ ![]() 【出版元より】 若く美しい女王の横顔に恋しよう! 世界最初の切手 欲しくないですか/知りたくないですか 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。 ★★★ 内藤陽介の新刊 『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ ![]() 【出版元より】 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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