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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ブラジル大統領にルラ元大統領が返り咲き
2022-11-01 Tue 02:14
 おととい(30日)行われたブラジル大統領選の決選投票で、労働運動指導者出身で左派の元大統領、ルイス・イナシオ・ルーラ(ルラとも)・ダシルバ候補が現職で軍人出身の右派、ジャイル・ボルソナロ大統領を得票率差1.8ポイントの僅差で退け、通算3度目の当選を決めました。ブラジルで元職から返り咲きを果たした大統領は、1930-45年及び1951-54年に大統領を務めたジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガス以来2人目、1961年および1964年に下院議長として現職大統領の辞職に伴う選挙管理政権の大統領職を務めたパスカル・ラビエリ・マジーリも含めると3人目となります。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・1930年10月3日革命

 これは、1931年4月29日にブラジルで発行された“1930年10月3日革命”の記念切手で、ジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガス大統領の肖像が描かれています。この切手は、当初、寄附金を上乗せして販売される計画で、額面表示も1万レアル(+5000レアルの寄附金つき)となっていますが、実際には寄附金の部分は無視して販売されています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 また、ヴァルガスとその時代のブラジルについては、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもいろいろご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 全国切手展<JAPEX 2022> 於・都立産業貿易センター台東館
 11月5日(土) 11:00~ 「日中国交正常化50年とは何だったのか」
 * 11月20日付で日本郵趣出版から刊行予定の拙著『現代日中関係史:切手・郵便に秘められた軌跡 第1部 1945-1972』の刊行記念イベントです。当日、会場にて本書をお買い上げいただいた方には、ささやかながら、プレゼントもあります。

 イベントそのものは事前予約不要・参加費無料ですが、会場の切手展へは入場料が必要です。切手展の詳細は主催者サイトをご覧ください。

 11月11日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『現代日中関係史 第1部 1945-1972』11月20日刊行! ★

      現代日中関係史表_第1部

 日本郵趣出版の新レーベル「郵便×歴史シリーズ」の第一弾の企画として、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解く『現代日中関係史』。その第1巻となる本書は、第二次大戦後、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する1972年9月以前を取り扱っています。なお、1972年の国交”正常化”以降については、2023年3月に刊行予定の第2巻でまとめる予定です。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページのリンクがあるほか、主要書店の店頭在庫も確認できます。また、販売元の郵趣サービス社のサイト、スタマガネットの特設サイトサイトでは、本書の内容見本をご覧いただけます。 

★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 好評発売中!★

      『本当は恐ろしい! こわい切手』

 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 … 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。
 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。
 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 コパカバーナ・ビーチに墓100基
2020-06-13 Sat 01:19
 ブラジル・リオデジャネイロのコパカバーナ・ビーチの象徴、“コパカバーナ・パレス”の前に、11日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症による多数の死者を追悼し、政府当局の無策に抗議するとして、100基の墓穴が掘られたそうです。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      コパカバーナ・パレスカバー

 これは、第二次大戦中の1942年9月2日、コパカバーナ・パレスの宿泊客が米シカゴ宛に差し出した郵便物で、切手は貼られておらず、王冠の入ったホテルのマーク入りのメータースタンプが押されています。

 ブラジルが連合国の一員として第二次大戦に参戦したのは、今回ご紹介の郵便物が差し出される10日ほど前の1942年8月22日。すでに、米国は前年の真珠湾攻撃を機に戦争に突入しており、この郵便物も途中で開封・検閲を受けています。

 コパカバーナ・パレスは、ニースのネグレスコ・ホテルをデザインしたフランス人ジョセフ・ジルの設計で1923年に創業。リオのみならず、南米で最も格式が高いホテルとされており、英国のチャールズ皇太子とダイアナ妃(当時)南アフリカのネルソン・マンデラ大統領をはじめ、多くのセレブが宿泊したことでも知られています。ホテルの外観はこんな感じです。

      コパカバーナ・パレス実物

 ホテルはアトランティカ大通りを挟んでビーチに面した位置にありますが、今回の墓穴はこんな感じで掘られたと報じられています。

      コパカバーナ・パレス前の墓

 さて、ブラジルの現在の人口は2億1000万人ですが、11日にも新たに1239人の死亡が確認され、累計死者数は4万人を超え、感染者数は累計80万2800人となっています。これに対して、ジャイル・ボウソナーロ(ボルソナーロとも)大統領は、新型コロナウイルスを“インフルエンザの一種”として、感染拡大の防止よりも経済活動の再開を重視する政策を取っているため、国民の間では批判が高まっています。

 今回のコパカバーナ・パレス前の墓穴も政府批判のパフォーマンスとして行われたもので、墓穴の横には黒い十字架が並べられ、小さなブラジル国旗が飾られましたが、大統領の支持者らは十字架をなぎ倒したり、墓穴を掘ったNGO活動家らに罵声を浴びせたりしたそうです。

 上の写真にも写っているホテル前のアトランティカ通りはリオを代表する繁華街の一つで、2013年にリオデジャネイロを訪れた際には、僕自身も何度か往来しましたが、とにかく、一日中大渋滞だったことを覚えています。それが、報道写真を見ると、車も少なく閑散としている様子で、こんなところにも、かの国のウイルス禍の深刻さを改めて感じだ次第です。

 なお、コパカバーナ・ビーチとその歴史については、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でも詳しくまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★★ 『みんな大好き陰謀論』 7月4日刊行! ★★

 7月4日付で、ビジネス社より、新作『みんな大好き陰謀論』が刊行の予定です。表紙デザインは現在制作中ですが、すでに、版元ドットコムのページもできているほか、アマゾンでの予約も始まりましたので、よろしくお願いします。


★★  内藤陽介の最新刊 『日韓基本条約』 ★★

      日韓基本条約・表紙 本体2000円+税

 出版社からのコメント
 混迷する日韓関係、その原点をあらためて読み直す!
 丁寧に読むといろいろ々発見があります。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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 ボタフォゴ
2020-02-02 Sun 02:05
 サッカーの元日本代表MF、本田圭佑が、おととい(31日・現地時間)、ブラジル1部ボタフォゴに加入することが決まったそうです。というわけで、きょうは、サッカーチームの名前の由来となった“ボタフォゴ”を描いた切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・ボタフォゴ湾(1937)

 これは、1937年にブラジルが発行した“フランシスコ・ぺレイラ・パソス生誕100周年”の記念切手で、ボタフォゴ湾(切手にも、しっかりとその旨が記されています)から見たコルコヴァードの丘(有名なキリスト像も小さく見えます)が描かれています。

 ボタフォゴは、リオデジャネイロ市内中心部、セントロの南に広がるボタフォゴ港に面した一帯で、1565年に開かれました。地名は、この地を購入したポルトガル人のジョアン・ペレイラ・デ・スーザが“ボタフォゴ”と呼ばれていたことに由来します。ちなみに、“ボタフォゴ”は、もともとは、“大砲に点火すること”の意味で、ここから、ポルトガルのガリオン船(植民地と本国との貨物移送および艦船として使われていた大型の帆船)の砲手であったデ・スーザは“ボタフォゴ”とのニックネームで呼ばれていました。

 切手の題材となったパソスは、帝政時代の1836年8月29日、リオデジャネイロで男爵の家に生まれました。したがって、記念切手も本来は1936年に発行される予定で、切手にも“1936年”の表示があるのですが、実際には準備が遅れ、切手が発行されたのは1937年1月2日になってからのことでした。

 パソスは1856年にリオデジャネイロ連邦大学を卒業して技師となり、翌1857年から1860年までナポレオン3世治下のフランスに留学。当時のパリは、ジョルジュ・オスマン市長の下、市街地の改造事業が急速に進められており、それを直接に見聞したことはパソスのその後の人生に大きな影響を与えることになりました。

 1860年、ブラジルに帰国すると、コーヒー輸送のための鉄道の建設・拡張事業に関わり、1867年、サンパウロ州サントスの鉄道の拡張建設に参加。さらに、1870年に農務公共事業省技術顧問、1874年には38歳の若さでブラジル帝国の技術官僚のトップである技監に就任しました。共和制移行後の1902年、ロドリゲス・アルヴェス大統領によってリオデジャネイロ市長に任命されると、リオ・デ・ジャネイロの都市改造に辣腕を振るい、1903年には東西南北の幹線道路を整備したほか、ブラジルの最初の観光鉄道であるコルコヴァード鉄道の建設、ボタフォゴ地区やコパカバーナ地区への市街地拡大などの実績を残しました。今回ご紹介の切手も、こうした実績を踏まえて、彼の作ったリオの景観が描かれています。

 なお、リオデジャネイロとその歴史については、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でも詳しく解説しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 


★★★ ツイキャス出演のお知らせ ★★★

 2月2日(日)21:55~ 拉致被害者全員奪還ツイキャスのゲストで内藤が出演しますので、よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。


★★ イベント等のご案内 ★★

 今後の各種イベント・講座等の ご案内です。詳細については、イベント名・講座名をクリックしてご覧ください。

東アジア歴史文化研究会
 2月13日(木) 18:30~ 於常圓寺祖師堂ホール
 混迷を深める中東情勢を読み解く
 参加費 2000円
 詳細は、主催者(東アジア歴史文化研究会)まで、メール(アドレスは、e-asia★topaz.ocn.ne.jp スパム防止のため、ここでは、★を@に変えています)にてお問い合わせください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)

★★  内藤陽介の最新刊 『日韓基本条約』 ★★

      日韓基本条約・表紙 本体2000円+税

 出版社からのコメント
 混迷する日韓関係、その原点をあらためて読み直す!
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 おかげさまで5000回
2019-02-07 Thu 02:34
 2005年6月1日にスタートしたこのブログですが、毎日1回ずつ更新していたら、今日の記事でちょうど5000回目になりました。日頃、このブログを応援していただいている皆様には、あらためて、この場をお借りしてお礼申し上げます。というわけで、きょうは額面“5000”のこんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・イグアスの滝(1938)

 これは、1938年にブラジルが発行した“イグアスの瀧”を描く5000レイス切手です。

 世界最大の瀧として知られるイグアスの瀧は、ブラジルとアルゼンチンの両国にまたがっていますが、約80%はアルゼンチン側にあります。地名は先住民族のグアラニ族の言葉で「大いなる水」の意味で、季節により150-300に変化する大小無数の瀧で構成されており、それを縫うように遊歩道が配されています。瀧の最大の見どころとされる“悪魔の喉笛”はアルゼンチン側に位置しており、高さ82m、幅150mのU字型で長さ700mという壮大な景観です。

 さて、この切手が発行された当時のブラジルは、“1930年10月3日革命”の軍事クーデターで政権を掌握したジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガスの支配下にありました。

 ヴァルガスは、1882年、ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州サン・ボルジャ生まれ。ポルト・アレグレ法科大学卒業後、政界入りし、州議会議員、連邦議会議員、大蔵大臣、リオグランデ・ド・スル州知事等を歴任しています。

 1930年の大統領選挙では、コーヒーの産地として知られるサンパウロ州と畜産・酪農で知られるミナスジェライス州の有力者で政権をたらいまわしにするカフェ・コン・レイテ体制の慣例に従い、ミナスジェライス州出身のアントニオ・カルロスが出馬の準備を進めていましたが、現職のワシントン・ルイス大統領は慣例を破ってサンパウロ州知事のジュリオ・プレステスを与党の大統領候補に指名。このため、後継指名を逃したカルロスを中心に反サンパウロ勢力を糾合した“自由同盟”が結成され、ヴァルガスが大統領候補として擁立されることになりました。

 はたして、3月1日に行われた大統領選挙では、プレステスが109万7000票を獲得して当選し、ヴァルガスは74万4400票で敗れましたが、選挙後の1930年7月、自由同盟の副大統領候補だったジョアン・ペソアが暗殺されると、カフェ・コン・レイテ体制に対する国民の批判が殺到。それを背景に、同年10月3日、リオグランデ・ド・スルとミナスジェライスで青年将校らによる叛乱が発生します。

 以後、叛乱はブラジル南部を中心に拡大し、10月24日、ワシントン・ルイスは辞任。ヴァルガスはリオグランデ・ド・スルから鉄道でリオデジャネイロ入りし、11月3日、臨時大統領に就任しました。

 ヴァルガスは行政権のみならず立法権も掌握し、1891年に公布された共和国憲法を停止。連邦議会と州議会は解散を命じられ、全国の州知事は罷免され、各州には臨時政府の任命する執政官が派遣されることになりました。特に、ヴァルガス体制に不満なサンパウロ州に、同州出身者ではなく、ペルナンブーコ州出身のジョアン・アルベルトが執政官として派遣されると、州内の反ヴァルガス勢力は“護憲革命”を主張して、1932年7月9日、武力衝突に発展します。

 結局、護憲革命は1932年10月、圧倒的な兵力を有する政府軍の前に敗退しましたが、ヴァルガス政権も一定の譲歩を余儀なくされ、サンパウロ州の執政官には同州出身のアルマンド・デ・サレス・オリヴィエが任じられ、1933年5月には制憲議会選挙が実施されることになりました。

 こうして、制憲議会の開院を経て、1934年7月、非識字者を除く18歳以上の男女に選挙権を与えたほか、労働者保護や初等教育の義務無償化などを盛り込んだ新憲法が制定された。そして、新体制下での初代大統領は議会の間接選挙で選出するとの規定に則り、ヴァルガスは議会によって選出され、正式に大統領に就任します。

 ところで、1934年憲法では、大統領の任期は1期4年で再選は不可とされていたため、1937年末には大統領選挙が実施される予定でしたが、1937年9月、共産党によるクーデター計画(コーエン計画)が“発覚”したため、ヴァルガスは「戦時令」を布告し、11月10日には連邦議会を停止。続いて、ヴァルガスは新憲法を発表し、イタリア・ファシズムに倣った“エスタード・ノーヴォ(新国家)”体制を成立させ、自らを“貧者の父”との家父長イメージで演出するとともに、ナショナリズムを前面に押し出し、多種多様な出自の国民を“ブラジル人”として統合すべく、権威主義体制を構築していきました。

 その一環として、エスタード・ノーヴォ体制下では、サンバサッカーがブラジル文化を代表するものとして奨励されましたが、今回ご紹介の切手も、また、ブラジルを代表する風景としてイグアスの瀧を取り上げることで、ブラジル人のナショナリズムを涵養する手段の一つとして発行されたものと考えることができます。

 なお、ヴァルガス政権下のブラジルについては、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもいろいろご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、お手にとってご覧いただけると幸いです。


★★  内藤陽介の最新刊 『チェ・ゲバラとキューバ革命』 2月25日発売!★★

      チェ・ゲバラとキューバ革命 表紙カバー 本体3900円+税
 
 【出版元より】
 盟友フィデル・カストロのバティスタ政権下での登場の背景から、“エルネスト時代”の運命的な出会い、モーターサイクル・ダイアリーズの旅、カストロとの劇的な邂逅、キューバ革命の詳細と広島訪問を含めたゲバラの外遊、国連での伝説的な演説、最期までを郵便資料でたどる。冷戦期、世界各国でのゲバラ関連郵便資料を駆使することで、今まで知られて来なかったゲバラの全貌を明らかする。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 南米行きのUボート
2018-04-20 Fri 01:04
 第二次大戦末期の1945年5月6日、英軍機によってデンマーク沖で撃沈されたドイツ軍の潜水艦(Uボート)“U-3523”の残骸が、デンマーク最北端スカーゲンから北に約18.5kmの沖合、深さ134mの海底で発見されました。この潜水艦は、ながらく残骸の行方が分からなかったため、実は撃沈は嘘で、ヒトラーを含むナチス幹部を乗せて、極秘裏に南米に向かったのでは…との伝説がありましたが、今回の発見で潜水艦は南米には行かなかったことが確認されました。というわけで、南米でのUボートに関するマテリアルとして、こんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・Uボートラベルカバー

 これは、Uボートによって沈められたブラジル商船を描く戦意高揚ラベルが貼られたブラジル発の郵便物です。

 1939年9月に第二次大戦が勃発した当初、ブラジル国内では、陸軍の上層部はドイツに好意的でしたが、大統領のヴァルガスは中立を維持していました。

 ところが、1941年12月、日本軍による真珠湾攻撃を受けて大戦に参戦した米国は、ブラジル北東部の戦略的な位置を重視し、ブラジルを自陣営に取り込もうとします。その一環として、米国は、ヴァルガス政権の経済政策の目玉の一つであったヴォルタ・レドンダ国立製鉄所の建設資金として2000億ドルを供与し、その代償として、レシーフェに米軍基地を設置。一方、ヴァルガス政権も、中立を掲げながらも、明らかに米国寄りの外交路線に舵を切るようになっていきました。

 一方、米国と戦闘状態に突入したドイツは大西洋戦線で潜水艦Uボートを用いた連合国の通商破壊作戦を展開していましたが、その結果、1942年1月から7月までの間に13隻のブラジル商船がドイツの潜水艦攻撃によって沈められます。さらに、同年8月には、潜水艦U-507により、2日間で5隻のブラジル船が沈められ、600人以上が犠牲になりました。この8月のUボート攻撃に対して、ブラジル国内の反独世論が沸騰。ヴァルガスは陸軍内の反対論を抑え込んで、8月22日、ドイツに対して宣戦を布告し、1944年にはラテンアメリカ諸国の中では唯一、ヨーロッパ戦線に派兵しています。

 今回ご紹介のカバーは、ブラジルの対独宣戦から間もない1942年10月、リオから米コロラド州デンバー宛に差し出された郵便物で、切手とは別に、Uボートによって沈められたブラジル商船を描く戦意高揚ラベルが貼られています。ラベルには「物価の上昇 ナチスの海賊行為の結果」との文言も入っており、Uボートによるブラジル商船への攻撃が単発的な“事件”ではなく、遠いヨーロッパの戦争がブラジル国民にとっても無関係ではないことを強調する内容となっています。

 なお、第二次大戦中のブラジルについては、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもいろいろご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。


★★★ トークイベントのご案内 ★★★

 4月21日(土)12:30より、東京・浅草で開催のスタンプショウ会場内で、5月刊行予定の拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』の事前プロモーションのトークイベントを行います。よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。なお、詳細は主催者HPをご覧いただけると幸いです。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 


★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 サンタはコンドルで手紙を運ぶ
2016-12-24 Sat 14:35
 きょう(24日)はクリスマス・イヴです。というわけで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・クリスマスカード(1936) ブラジル・クリスマスカード(1936・裏面)

 これは、1936年のクリスマスに際して、シンジカト・コンドル航空が作ったクリスマスカードで、同年12月19日、サンパウロからプラハ宛に送られています。葉書に書かれている“BOAS FESTAS”は、直訳すると“良いパーティーを”の意味ですが、クリスマスと新年のあいさつに使われるポルトガル語で、英語で言えば、“Merry Christmas and Happy New Year”のような表現です。

 さて、葉書を制作したシンジカト・コンドル航空は、ロイド・ドイツ航空が、コロンビア企業のSCADTA(コロンビア=ドイツ空輸会社:Sociedad Colombo-Alemana de Transporte Aéreo )と合同で1924年に設立したコンドル・シンディカート社(本社ベルリン)を母体として、1927年12月1日、リオデジャネイロで設立されました。

 当初は、飛行艇ユンカースG-24を用いて、リオ=ポルト・アレグレ間で週2便の定期運航を行っていましたが、次第に路線を拡大し、1936年までに、ベレン=リオデジャネイロ=ポルト・アレグレ(以上、ブラジル)=モンテヴィデオ(ウルグアイ)=ブエノス・アイレス(アルゼンチン)=サンティアゴ(チリ)線およびブラジル国内のサンパウロ=コルンバ=クイアバ線(その後、ボリヴィアまで乗継可)を主力路線とする航空会社に成長しました。

 一方、ドイツのルフトハンザは、フランスのアエロポスタルに対抗して、欧州=南米間の旅客および郵便輸送を計画した際、もともと、ドイツとの関係が深かったシンジカト・コンドルに目をつけます。そして、ルフトハンザが飛行船を用いてフリードリヒスハーフェン(ドイツ)=ナタール=レシフェ=リオデジャネイロまでの路線を運航し、そこからシンジカト・コンドルの路線につなぐということで、欧州=南米間の航空網をカバーすることになりました。今回ご紹介の葉書も、そうした文脈にそって制作されたものです。

 その後、1939年に第二次大戦が勃発し、1942年にブラジルが連合国側に立って参戦すると、シンジカト・コンドルはブラジル政府の指示によりドイツ系の経営陣を一掃したうえで、セルビソス・アエレオス・コンドル航空と改称。さらに、1943年にはポルトガル語で南十字星を意味するクルゼイロ航空と改名します。1975年にはヴァリグ・ブラジル航空の傘下に入り、同社を補佐するかたちで国内外の路線を運航していましたが、1993年1月、ヴァリグ・ブラジル航空に完全に吸収合併され消滅しました。

 なお、ヴァリグ・ブラジル航空とその歴史については、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。 


★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。

 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★

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 国際コーヒーの日
2016-10-01 Sat 09:32
 きょう(1日)は、国際コーヒー協会が定めた“コーヒー年度”の初日であることから、“国際コーヒーの日”です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・コーヒー(1938)

 これは、1938年1月17日にブラジルで発行された“ブラジル産コーヒー”の宣伝切手で、実がなったコーヒーの枝とコーヒー豆、ブラジル国旗の入った麻袋が描かれています。

 もともと、ブラジルの地にはコーヒーは自生していませんでしたが、1727年、仏領ギアナから持ち込まれた種を用いてパラー州で栽培が始められたといわれています。

 その後、ブラジル各地で奴隷労働力を使ったコーヒー栽培が盛んになり、19世紀前半には約150万人の奴隷が輸入されて大規模なプランテーション経営が始まり、一気に世界最大のコーヒー生産国にのし上がった。

 ちなみに、コーヒー生産の急速な拡大の副作用として、1840年代には、リオデジャネイロでもコーヒー栽培を目的とした乱開発が進み、コルコヴァードの丘周辺もすっかり禿山になってしまい、水資源の確保にも支障が生じるようになりました。このため、当時の皇帝、ドン・ペドロ2世(在位1831-89年)はコーヒー農園を奥地に移して、リオの裏山の再植林を命じ、世界各地からさまざまな草木が集められました。「都市公園の森林の再造林では世界で最も成功した例の一つ」として、世界遺産にも登録された“山と海との間のカリオカの景観群”を構成するチジュカ国立公園とその周辺の景観は、こうして作られました。

 さて、1850年代、ドン・ペドロ2世の治世下でブラジルの奴隷制度は廃止されると、ヨーロッパ、そして日本などからの移民が労働力を担うことになりますが、ブラジルは一貫してコーヒー大国としての地位を守り続け、2013年には全世界の生産量892万840トンのうち、3分の1に相当する296万4538トンを生産しています。これは、世界2位のヴェトナムの生産量、146万1000トンの倍以上です。

 このように、世界のコーヒー市場において圧倒的なシェアを有するブラジルでは、毎年9月末にコーヒーの収穫・出荷が終わることから、これにあわせて10月1日から翌年9月30日までが“コーヒー年度”となっています。

 これを踏まえて、2015年7月14日、ロンドンで開催された国際コーヒー機関(ICO)の常任理事は、それまで各国ごとに9月29日頃を中心に行われていた“コーヒーの日”を統合して、2015年以降、10月1日を“国際コーヒーの日”に指定。この日を中心に、飲料としてコーヒーの普及を促進し、各種の記念イベントを行うとともに、フェアトレードコーヒーを普及促進し、コーヒー農家の苦境についての啓発活動が展開されています。

 なお、ブラジルのコーヒーについては、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもいろいろなエピソードをご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


★★★ 講座のご案内 ★★★

 ・よみうりカルチャー荻窪 「宗教と国際政治」
 10月から毎月第1火曜の15:30より、よみうりカルチャー荻窪(読売・日本テレビ文化センター、TEL 03-3392-8891)で講座「宗教と国際政治」がスタートします。初回は10月4日です。ぜひ、遊びに来てください。詳細は、こちらをご覧いただけると幸いです。

 ・毎日文化センター
 それぞれ、1日講座をやりますので、よろしくお願いします。(詳細は講座名をクリックしてご覧ください)

 10月11日(火) 19:00-20:30 リオデジャネイロ歴史紀行
 11月17日(木) 10:30-12:00 ユダヤとアメリカ 
  

★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。

 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


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 NY・マンハッタンで爆発
2016-09-18 Sun 18:29
 ニューヨーク・マンハッタンのチェルシー地区で、現地時間の17日夜(日本時間18日午前)、爆発があり、この記事を書いている時点で、29人がけが、うち1人が重傷だそうです。負傷された方々には心よりお見舞い申し上げるとともに、1日も早い御快癒をお祈りしております。というわけで、今回の事件現場の近くを通ったカバーということで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・反ナチラベルカバー  ブラジル・反ナチラベルカバー(裏)

 これは、1943年9月11日、リオデジャネイロからニューヨーク宛に差し出された書留便です。第二次大戦中のため、ブラジル出国時と米国入国時にそれぞれ開封検閲された後、9月24日にニューヨーク中央郵便局に持ち込まれ、そこから、ニューヨーク市内のチャーチ・ストリートの郵便局に持ち込まれ、そこから、証券取引所のあるウォール・ストリートにも近いジョン・ストリートの宛先に届けられました。

 ニューヨークの中央郵便局(現ジェームス・ファーレー郵便局)は8番街の31丁目と33丁目の間にあり、正面は、今回の事件があったチェルシーの西側に面しています。今回、爆発があったのはそこから少し南下した7番街と6番街の間の23丁目ですが、このうちの6番街の南端がチャーチストリートの北端となります。そこからチャーチストリートを南下すると、チャーチストリートの郵便局があります。宛先のジョン・ストリートは、チャーチストリートの郵便局前を南進し、次の交差点からビージー・ストリートを左折して1本目、ブロードウェイにぶつかったら再び南進して2本目の通りとなります。

 さて、今回ご紹介のカバーは、裏面に、第二次大戦中のブラジルで作られた反独プロパガンダ・ラベルが張られているのがミソです。

 1939年9月に第二次大戦が勃発した当初、ブラジル国内では、陸軍の上層部はドイツに好意的でしたが、大統領のヴァルガスは中立を維持していました。

 ところが、1941年12月、日本軍による真珠湾攻撃を受けて大戦に参戦した米国は、ブラジル北東部の戦略的な位置を重視し、ブラジルを自陣営に取り込もうとします。その一環として、米国は、ヴァルガス政権の経済政策の目玉の一つであったヴォルタ・レドンダ国立製鉄所の建設資金として2000億ドルを供与し、その代償として、レシーフェに米軍基地を設置。一方、ヴァルガス政権も、中立を掲げながらも、明らかに米国寄りの外交路線に舵を切るようになっていきました。

 一方、米国と戦闘状態に突入したドイツは大西洋戦線で潜水艦Uボートを用いた連合国の通商破壊作戦を展開していましたが、その結果、1942年1月から7月までの間に13隻のブラジル商船がドイツの潜水艦攻撃によって沈められます。さらに、同年8月には、潜水艦U-507により、2日間で5隻のブラジル船が沈められ、600人以上が犠牲になりました。この8月のUボート攻撃に対して、ブラジル国内の反独世論が沸騰。ヴァルガスは陸軍内の反対論を抑え込んで、8月22日、ドイツに対して宣戦を布告し、1944年にはラテンアメリカ諸国の中では唯一、ヨーロッパ戦線に派兵しています。

 こうした状況の中で、ドイツへの敵愾心を煽るためのプロパガンダ・ラベルが作られ、その一部は郵便物にも貼られています。今回ご紹介のカバーに貼られているのもその一種で、ラベルには、ブラジルを狙うナチスの鍵十字をつけた腕が描かれ、「ヒトラーの言葉:我々はブラジルをドイツ人の土地に変える」との文言が入っています。

 ブラジルには19世紀以来、多くのドイツ系移民が渡っていたこともあり、ヒトラーは1933年の政権掌握以前からブラジルに興味を持っていたとされています。1939年にヘルマン・ラウシュニンクが発表した『ヒトラーとの対話』(邦題『永遠なるヒトラー』)によると、政権掌握以前の1932年の時点で、彼は次のように語ったとの記述があります。

 ブラジルに新しいドイツを建設しよう。そこにはわれわれの望むすべてのものがあるのだ。フッガー家とヴェルザー家がそこに土地を持っていたのだから、われわれは南米大陸に対して権利がある。われわれは、統一以前のドイツが破壊してしまったものを修復しなければならない。

 ラウシュニンクの証言については、発表当時、大いにセンセーショナルなものとして受け止められる反面、その信憑性に疑問があるとの指摘もなされていますが、少なくとも、ブラジルでは上記の発言が実際にあったと考える人が少なからずいたからこそ、ヒトラーが南米を狙っているとのプロパガンダ・ラベルが作られ、郵便物に貼られて、人々の生活の中を往来していたと考えることもできましょう。

 なお、第二次大戦とブラジルとのかかわりについては、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


★★★ トークイヴェントのご案内 ★★★

 拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』の刊行を記念して、東京・青山の駐日ブラジル大使館で下記の通り、トークイヴェントを開催いたします。ぜひ、ご参加ください。

 ・日時 2016年9月23日(金)18:00~20:00(17:30受付開始)
 ・会場 駐日ブラジル大使館 セミナー・ルーム
  〒107-8633 東京都港区北青山2丁目11-12 (地図はこちらをご覧ください)
 ・参加費 無料
 ・定員 30名(申込多数の場合は先着順)

  * 9月19日(月)までに、お名前・ご連絡先・ご所属を明記の上、電子メール、ファックス等で下記宛にお申し込みください。(お送りいただいた個人情報は、大使館へ提出する以外の目的には使用しません)
  申込先 えにし書房(担当・塚田)
  〒102-0074 千代田区九段南2-2-7-北の丸ビル3F
  Tel. 03-6261-4369 Fax. 03-6261-4379
  電子メール info★enishishobo.co.jp (スパム防止のため、★の部分を半角@に変えてご送信ください)

 なお、トークヴェベント終了後、20:30より近隣のブラジルレストラン「イグアス」にて懇親会を予定しております。(イグアスの地図はhttp://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13048055/ をご覧ください) 
 会費は、『リオデジャネイロ歴史紀行』1冊の代金込みで6500円(書籍不要の場合は5000円)の予定です。参加ご希望の方は、トークイベントお申し込みの際に、その旨、お書き添えください。なお、懇親会のみの御参加も歓迎いたします。


★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。

 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


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 世界の国々:ブラジル
2016-06-26 Sun 09:47
 ご報告が遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年6月22日号が、先週、発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はブラジルの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・植物園(1937)

 これは、1937年に発行されたリオデジャネイロ植物園の切手です。

 リオデジャネイロ植物園は、ポルトガル植民地時代の1808年、ジョアン6世によって西インド諸島などから輸入されるスパイスの栽培のために設立されました。コルコヴァードの丘の麓の総面積140haの敷地は、絶滅危惧種を含むブラジル原生の植物や外国の植物6500種が植えられている54ヘクタールの人工栽培地と、自然林で構成されており、なかでもヤシは900種類に及んでいます。

 今回ご紹介の切手に取り上げられているのは、植物園の入口までの750m続いているヤシ並木で、この道は、ブラジルの植物学者で初代園長の名前を採って、“ジョアン・バルボーザ・ロドリゲス通り”と呼ばれています。

 さて、『世界の切手コレクション』6月22日号の「世界の国々」では、ブラジル最初の切手“牛の目”日系移民についての長文コラム2本のほか、世界の生産量の3分の1を占めるコーヒー、ポン・ヂ・アスーカル、建築家オスカー・ニーマイヤー、リオのカーニヴァル皇太子時代の両陛下訪伯の切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。

 なお、僕が担当する「世界の国々」は、次回は29日発売の7月6号でのグレナダ・グレナディーンズの特集(グレナダとしては2回目)になります。こちらについては、発行日以降、このブログでもご紹介する予定です。


 ★★★ 講座のご案内 ★★★

 下記の通り、各地のよみうりカルチャーで公開講座を行います。ぜひ、ご参加ください。

・イスラムを知る―ISはなぜテロに走るのか
 よみうりカルチャー横浜 7/2(土) 13:00~14:30

・切手でたどる東京五輪とその時代
 よみうりカルチャー荻窪 7/9(土) 13:00~14:30

 詳細につきましては、それぞれの会場・時間をクリックしてご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。


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 世界漫郵記:リオデジャネイロ③ 
2016-04-29 Fri 08:21
 『キュリオマガジン』2016年5月号が発行されました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は前回に続き、リオデジャネイロ(以下、リオ)篇の第3回目。今回はコルコヴァードの丘のキリスト像にフォーカスをあてました。その記事の中から、この1点をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます) 

      コルコヴァードのキリスト(1934・初版)

 これは、1934年のパチェッリ枢機卿(後のローマ教皇ピウス12世)のブラジル訪問に際してブラジルが発行した記念切手で、コルコヴァードのキリスト像を上空から見下ろすデザインとなっています。

 この時の記念切手は、同図案の色違いで、300レイスと700レイスがあるのですが、今回ご紹介の300レイス3つの版があって、初版がワイン・レッド、2版がチェリー・レッド、3版が朱色と微妙に刷色が異なっているので区別が可能です。上の画像はチェリー・レッドの初版ですが、ついでなので、2版と3版の切手の画像も下に貼っておきましょう。

      コルコヴァードのキリスト(1934・2版)  コルコヴァードのキリスト(1934・3版)

 この画像のうち、左が2版で右が3版です。同系統の色なので区別がしづらいかもしれませんが、初版・2版と違って、3版にはキリストの左肩の上の雲に筋が入っています。(下にその部分を拡大してみました。左が2版、右が3版です)

     キリスト1934年2版拡大  キリスト1934年3版拡大

 なお、コルコヴァードのキリスト像は、リオの、というよりもブラジルのシンボルとも言うべき存在ですから、幾度となく切手にも取り上げられていますが、今回ご紹介の切手はその最初の1枚となります。

 今回の『キュリオマガジン』の記事では、その主なものをご紹介しつつ、実際のキリスト像と見比べながら、僕自身が感じたこと、考えたことをいろいろ書いてみました。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

 また、2013年の国際切手展にあわせて現地取材をしたものの、その後、諸般の事情でお蔵入りになっていたリオデジャネイロ本を作る企画が、リオ五輪を前に急遽復活し、現在、その準備を進めています。書籍のタイトルや刊行日など、詳細につきましては、追々、このブログでもご案内いたしますので、よろしくお願いします。


 ★★★ 講座のご案内 ★★★

 ・よみうりカルチャー荻窪 「宗教と国際政治」
 4月から毎月第1火曜の15:30より、よみうりカルチャー荻窪(読売・日本テレビ文化センター、TEL 03-3392-8891)で講座「宗教と国際政治」がスタートします。ぜひ、遊びに来てください。詳細は、こちらをご覧いただけると幸いです。
 

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

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 ローランド・ヒル誕生日
2015-12-03 Thu 09:50
 きょうは、世界最初の切手、ペニー・ブラックの発案者、ローランド・ヒルの誕生日(生年は1795年)です。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・ローランドヒル・シート

 これは、1938年にリオデジャネイロで開催された国際切手展<BRAPEX>に際してブラジルが発行した記念切手のシートで、単片切手には、ローランド・ヒルとペニー・ブラック、ブラジル最初の切手“牛の目”が描かれています。ローランド・ヒルの肖像が描かれた切手としては、これが最初の1点となります。

 ローランド・ヒルは1795年、イングランド・ウスターシャー州のキダーミンスター生まれ。父親のトマスは社会主義の原型ともいうべき社会改良主義者(ちなみに、マルクスとエンゲルスの『共産党宣言』が出版されたのは、およそ半世紀後の18481年です)で、特に教育改革に興味を持っており、1803年、バーミンガム郊外の廃校を買い上げてヒル・トップ・スクールを開校しました。同校は、それまでにはなかった自由な校風が評判となり、新しい時代を象徴するモデル校と称賛されました。理数系の分野に秀でていたローランドは、12歳の頃から、父親の経営する学校で学びながら、下級生の授業を担当しています。

 ヒル・トップ・スクールの成功に気をよくした一家は、1819年、バーミンガム郊外にヘイゼルウッド・スクールを開校。その運営はローランドを含むヒル3兄弟が中心になっていましたが、当時23歳になっていたローランドは、同校の建築デザインを担当しただけでなく、事実上の責任者として、当時としては珍しかった少人数クラス制を取り入れるなど、革新的な教育を実践しました。そして、その成果を盛り込んだ教育改革案を1822年に発表し、いちやく、教育者・教育改革者として広く知られる存在となります。

 勢いに乗る3兄弟は、1827年、ロンドンに進出し、3校目の学校を北ロンドンのトテナムのブルース・カッスルに開校。ローランドは正式に校長に就任し、キャロライン・ピアソンと結婚するなど、生活も安定し始めました。ところが、良くも悪くも進取の気性に富みすぎていたローランドは、ほどなくして、ブルース・カッスルの校長職を弟に譲り、発明と社会改革の提案に熱中するようになります。

 教育者だったローランドは、バーミンガム時代、文字の読める者が、ロンドンで発行された数日遅れの新聞を大声で読み上げて、人々にその内容を知らせるという光景を日常的に目にして、どんな立派な改革や制度であっても、それを庶民が容易に知ることができなければ意味がないと考えるようになり、情報と通信の分野での確信を目指そうとしたのです。

 当時、彼が特許を取得しようとしたアイディアとしては、たとえば、新聞印刷のための輪転機の原型、モールス信号の原型、道路舗装の原型、郵便物をより早く届けるため、郵便物を弾薬やテューブを使って飛ばす仕組等がありますが、いずれも日の目を見ませんでした。

 ところで、1831年、南オーストラリア会社が設立され、入植希望者への土地の売却が開始されます。こうして、従来の流刑植民地とは異なる、自由植民地(自由意思による移民によって建設された植民地)としての南オーストラリア州が建設されることになりました。

 この機会をとらえ、1832年、ヒルは貧困を解消し、犯罪を減少させるためには、英国内の人口の過密を緩和することが必要で、そのためには、オランダに倣った海外移民政策をすべきと提案します。これが、南オーストラリアでの植民地建設の推進役となっていたエドワード・ウェイクフィールドの目に留まり、1833年、ヒルは南オーストラリア植民地化委員会のメンバーに抜擢されました。同委員会での活動は1839年まで続き、1836年末以降の州都アデレードの建設という形で実を結ぶことになります。

 南オーストラリア植民地化委員会の仕事を通じて、英国政府とのコネクションができたヒルは、過去の経験もあって郵便改革にも強い関心を示し、改革の推進役であったウォレスの知遇を得て、1836年、郵便改革に関する膨大な資料を入手しました。

 それらを子細に検討して結果を踏まえ、1837年1月4日、ヒルは『郵便制度の改革――その重要性と実行可能性』と題するパンフレット(の初版)を刊行。郵便料金が高いため、人口の増加や産業の発展の度合いに比べて郵便の利用が増えない現状を指摘した上で、郵便料金を大幅に引き下げ、書状の基本料金を1ペニーとすることなどを骨子とした郵便改革を提唱。これが、最終的に、1840年5月のペニー・ブラックの発行につながっていくことになります。

 なお、このあたりの事情につきましては、拙著『英国郵便史 ペニー・ブラック物語』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましら、ぜひご覧いただけると幸いです。 


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 <Brasiliana 2013>受賞速報
2013-11-24 Sun 05:45
       ブラジル・戦勝記念(栄光)     ブラジル展パルマレス

 今月19日(以下、現地時間)からブラジル・リオデジャネイロで開催中の世界切手展<Brasiliana 2013>ですが、現地時間23日20時からのパルマレス(受賞パーティー)に先立ち、正式な受賞結果が発表となりました。日本からの出品に対する賞の結果は、以下の通りです。(以下、リストは出品者名は日本語表記、作品名は英文でリスト記載のとおりです。カッコ内は点数ですが、速報値ゆえ、誤りなどがありましたらご容赦ください)

・児玉博昭 Japan: General Nogi 2sen issue 1937-1947 V(83)
・池田健三郎 Prompt Delivery in Japan as Nationwide services LV(85)
・伊藤純英 Foreign Mail in Nagasaki, Japan 1875-1905 LV(86)
・大場光博 The Opening of China 1745-1897 LV(87)
・西海隆夫 The History of Cartography-Mapping the World and Regions LV(89)
・大沼幸雄 L. v. Beethoven - His Life in a Historical Context and His Legacy LG(95)
・勝井明憲 History of the Telephone - Telegraph to digitalization G(90)
(以下文献)
・(公財)日本郵趣協会 『切手画家. 木村 勝の世界』 V(83)
・松本純一 『A History of the French post office of Yokohama』 G(92)+SP
・正田幸弘 『ブラジル郵便史概說』 V(83)
・山崎好是 『小判切手=事故印=』 V(80)
・山崎好是 『風景印2012』 LS(70)
・吉田敬 『Stampedia Philatelic Journal 2013』 LV(86)
・(株)日本郵趣出版 『戦前の小型記念スタンプ集』 LS(75)
・(公財)日本郵趣協会 『ビジュアル日本切手カタログVol.1記念切手編1894-2000』 LS(78)
・山崎好是 『国際返信切手券』 V(80)(エントリーとは別の本が到着したので、実際に到着した本に切り替えて審査) 
・山崎好是 『日本記号入切手カタログ』 V(82)

 * 文献部門への出品資格は、著者・編集者・出版社にありますので、必ずしも、出品者イコール著者ということではありません。

 あらためて、受賞された皆様には、心よりお祝いを申し上げます。なお、当初の予定では、内藤もKorea and the Cold war 1945-1953と題する作品を出品することになっていましたが、その後、審査員補(アプレンティス)として審査に関わることになったため、出品を撤回し、代わりに児玉さんの作品がエントリーすることになりました。

 冒頭に掲げた画像は、1945年5月、第二次大戦での連合国の勝利(ブラジルは、1941年12月に米国が参戦したことを受けて、1942年8月31日、連合国の一員として独伊両国に宣戦布告しています)を記念して発行された切手のうち、“栄光”と名づけられたデザインの1枚で、女神グロリアと更新する兵士が描かれています。受賞者の皆さんの栄誉・栄光をたたえるつもりで、取り上げました。また、右側は、日本人のテーマティク出品者としてFIPの世界切手展で初めて大金賞を受賞するという快挙を成し遂げた大沼さんが、パルマレスでメダルを受け取っている場面です。大沼さん、あらためておめでとうございました。


 ★★★  絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩  ★★★

 2014年1月11日・18日・2月8日のそれぞれ13:00-15:00、文京学院大学生涯学習センター(東京都文京区)で、「絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩」と題する講座をやります。(1月18日は、切手の博物館で開催のミニペックスの解説)

 新たに富士山が登録されて注目を集めるユネスコの世界遺産。 いずれも一度は訪れたい魅力的な場所ばかりですが、実際に旅するのは容易ではありません。そこで、「小さな外交官」とも呼ばれる切手や絵葉書に取り上げられた風景や文化遺産の100年前、50年前の姿と、講師自身が撮影した最近の様子を見比べながら、ちょっと変わった歴史散歩を楽しんでみませんか? 講座を受けるだけで、世界旅行の気分を満喫できることをお約束します。

 詳細はこちら。皆様の御参加を、心よりお待ちしております。


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は12月3日(原則第1火曜日)で、以後、1月7日、2月4日、3月4日に開催の予定です。時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★

 『蘭印戦跡紀行』広告

 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

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 ブラジル国旗の日
2013-11-19 Tue 11:34
 きょう(19日)は、1889年11月19日に現在のブラジル国旗の原型が作られたことにちなみ、ブラジルでは“国旗の日”となっています。というわけで、せっかくリオデジャネイロに滞在中ということでもありますので、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       ブラジル航空切手(1933)

 これは、1933年6月7日にブラジルが発行した航空切手で、ブラジル国旗と飛行機が描かれています。背景には、リオデジャネイロのシンボルであるポン・ヂ・アスーカルが描かれているのが(リオ滞在中の身としては)嬉しいところです。

 1889年11月15日、ブラジルでは共和革命により帝政が打倒されました。これに伴い、新政府の国旗を作る必要が生じます。

 当初、革命政府の財務大臣ルイ・バルボーザは星条旗を元にした国旗を提案しましたが、大統領のデオドロ・ダ・フォンセカはこれを拒否。最終的に、帝政時代の国旗(緑色の地に黄色の菱形を配し、中央に皇室の紋章を描くデザイン)をもとに、中央の紋章を天球儀に変えたデザインの新国旗が採用されました。ちなみに、帝政時代、国旗の緑色は皇帝のブラガンサ家を黄色は皇妃の実家でハプスブルク家を象徴するものとされていましたが、現在では、緑色は森林を、黄色は金と鉱物資源を象徴していると説明されています。

 国旗の中央に置かれている天球儀は、革命記念日である1889年11月15日午前8時30分のリオデジャネイロ(当時のブラジルの首都)の空を表したもので、中央には共和国のスローガンである“秩序と進歩”がポルトガル語で記されています。なお、天球儀の星の数は、ブラジル国内の州の数を反映しているため当初は21でしたが、1960年4月14日から1968年5月28日までは22、次いで1992年5月11日までは23、以後、現在までは27になっています。

 ちなみに、昨日はリオ市内の観光に出かけてきたのですが、風のほとんどない穏やかな日だったため、垂れた状態の国旗が多くて、あまりカッコいい写真が撮れませんでした。それでも、国旗の日に現地にいて国旗の写真を1枚もアップしないのは何となく悔しいので、旧中央郵便局(現在はフツーの郵便局です)の正面玄関上に掲げられた国旗の画像を下に貼っておきます。

       旧リオ中郵玄関上の国旗

 さて、世界切手展<Brasiliana 2013>の開幕を告げるオープニング・セレモニーは、いよいよ当地時間の本日14時(日本時間18日03時)から一般公開が始まり、19時30分オープニング・セレモニーが行われて正式にスタートとなります。明日の記事では、そのようすと併せて、無事、展覧会が始まったことをご報告できるのではないかと思いますので、今しばらくお待ちください。


 ★★★  絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩  ★★★

 2014年1月11日・18日・2月8日のそれぞれ13:00-15:00、文京学院大学生涯学習センター(東京都文京区)で、「絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩」と題する講座をやります。(1月18日は、切手の博物館で開催のミニペックスの解説)

 新たに富士山が登録されて注目を集めるユネスコの世界遺産。 いずれも一度は訪れたい魅力的な場所ばかりですが、実際に旅するのは容易ではありません。そこで、「小さな外交官」とも呼ばれる切手や絵葉書に取り上げられた風景や文化遺産の100年前、50年前の姿と、講師自身が撮影した最近の様子を見比べながら、ちょっと変わった歴史散歩を楽しんでみませんか? 講座を受けるだけで、世界旅行の気分を満喫できることをお約束します。

 詳細はこちら。皆様の御参加を、心よりお待ちしております。


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は12月3日(原則第1火曜日)で、以後、1月7日、2月4日、3月4日に開催の予定です。時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

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 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


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 ブラジル切手展・補遺
2008-11-03 Mon 07:32
 はやいもので、<JAPEX>も今日が最終日。おとといきのうと満洲・東北切手展、戦後日本切手展にからめた記事を書きましたので、きょうは、もう一つの特別展示、ブラジル切手展にちなんで、こんなモノをもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 ブラジル移民のカバー
 ブラジル移民のカバー(裏)


 これは、日系ブラジル移民が日本宛に差し出したカバーです。消印の日付がよく読めないのですが、裏面(下の画像)には差出人による“1934.6.2.”との書き込みと、受取人による“昭和9年7月18日届ク”との書き込みがあります。差出人の住所表示は、ブラジル・サンパウロ州ノロエステ線リンス駅タラマ耕地となっていて、地番が全く書かれていません。広大な農場に住み込みで働いていたということなのでしょうか。

 また、カバーの表面にはあらかじめ、YOKOHAMA JAPAOとの表示や日本語での住所表示を行うための県名や郡名の記載欄が印刷されており、この種の封筒がブラジル日系移民向けに大量に作られていた様子がうかがえます。なお、貼られている切手は、1920年に発行の100レイスならびに300レイス切手で、これ自体はありふれた切手です。

 今回のブラジル切手展では、渡辺勝正さん・正田幸弘さん・村岡安廣さんのご協力で、“牛の目”をはじめ、初期の名品がずらっと並びましたが、移民100年を記念しての日伯友好年のイベントとしては、日本とブラジルを往来したカバーのコレクションも展示すべきだったかな、とすこし反省しています。というわけで、遅ればせながら、こんなカバーをご紹介してみたという次第です。


 イベントのご案内

 いよいよ本日最終日! 全国切手展<JAPEX>

 ことしも、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館と目白の切手の博物館の2ヶ所で開催します。今年の目玉は、何といっても“満洲・東北切手展”ですが、トーク関係での僕の出番は、以下のとおりです。

 11月3日(月・祝)
  11:00 “戦後日本切手展”ギャラリー・トーク(目白会場)

 トークそのものの参加費は無料ですが、<JAPEX>への入場料として、両会場共通・3日間有効のチケット(500円)が必要となります。あしからずご了承ください。皆様のお越しを心よりお待ち申しております。

 *昨日開催の“戦後日本切手展”ギャラリー・トークおよび中公新書ラクレ presents 『大統領になりそこなった男たち』刊行記念トークは、盛況のうち、無事に終了いたしました。ご参加いただきました皆様には、あらためてお礼申し上げます。


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 アメリカ史に燦然と輝く偉大な「敗者たち」の物語    
 『大統領になりそこなった男たち』 中公新書ラクレ(本体定価760円+税)
 
 出馬しなかった「合衆国生みの親」、リンカーンに敗れた男、第二次世界大戦の英雄、兄と同じく銃弾に倒れた男……。ひとりのアメリカ大統領が誕生するまでには、落選者の累々たる屍が築かれる。そのなかから、切手に描かれて、アメリカ史の教科書に載るほどの功績をあげた8人を選び、彼らの生涯を追った「偉大な敗者たち」の物語。本書は、敗者の側からみることで、もう一つのアメリカの姿を明らかにした、異色の歴史ノンフィクション。好評発売中!

 もう一度切手を集めてみたくなったら 
 雑誌『郵趣』の2008年4月号は、大人になった元切手少年たちのための切手収集再入門の特集号です。発行元の日本郵趣協会にご請求いただければ、在庫がある限り、無料でサンプルをお送りしております。くわしくはこちらをクリックしてください。
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