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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 バルト海で海底光通信ケーブル2本切断
2024-11-19 Tue 11:33
 北欧のバルト海で、きのう(18日)までに、ヘルシンキ・ロストク(独)間1200キロ、およびリトアニア・ゴットランド島(スウェーデン)間218キロの2本の海底光通信ケーブルが切断状態になりました。この件について、フィンランドとドイツは共同声明で「海底ケーブル切断について深く懸念」しており、故意に損傷を与えられた疑惑が持ち上がっていると説明しています。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・新千年紀(ゴットランド)

 これは、1999年12月27日にスウェーデンが発行した新千年紀(ミレニアム)の記念切手で、2000年元日午前8時27分(現地時間)のゴットランド島の初日の出のイメージが描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 11月20日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 11月22日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 11月23日(土・祝) 15:00~  「米大統領選後の世界」
 東京・永田町の星陵会館にて開催の救国シンクタンク第8回フォーラム「米大統領選後の世界」に、内藤も登壇します。お申込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 スウェーデン、NATO加盟へ
2024-02-27 Tue 11:22
 ハンガリー議会は、26日(現地時間)、2022年2月のロシアによるウクライナへの全面侵攻を受けてスウェーデンが申請していたNATOへの加盟について、賛成188人、反対6人、棄権なしで承認。これにより、全加盟国の批准が揃い、スウェーデンのNATO加盟が事実上確定しました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・海軍500年(2022)

 これは、2022年4月28日にスウェーデンが発行した“海軍500周年記念”の切手シートで、スウェーデンの国旗と海軍の紋章を描いたタブを中心に、左に海軍創建時の旗艦“リブスカ・スヴァン”の切手が、右にスウェーデン海軍の最新鋭、A26型潜水艦の切手が収められています。

 スウェーデンのNATO加盟により、同国のバルト海に面するカールスクルーナの海軍基地の潜水艦が対露抑止の最前線を担うことが期待されているということで、スウェーデン海軍の現役の潜水艦を取り上げた切手を選んでみました。

  詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


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 2月28日(水) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 3月3日(日) 13:00~ 「オスマン帝国と切手・郵便」
 3月2・3日(土・日)に東京・目白の切手の博物館で「第15回テーマティク研究会切手展」が開催されます。今回は、日・トルコ外交関係樹立100周年にちなんで斎藤良昭さんの作品「オスマン帝国の没落とトルコの近代化ーケマル・アタテュルクの活躍を中心にー」をメインの展示としており、僕も「オスマン帝国と切手・郵便」と題して、下記の要領でトークを行います。切手展の参観と合わせて、ぜひ、ご参加ください。(切手展の詳細はこちら

 【日時】 3月3日(日) 13:00~14:00
 【会場】切手の博物館3階会議室
 【参加費】無料 ※先着順・最大20名
 【問合先】(公財)日本郵趣協会 TEL:03-5951-3311 

 3月8日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
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 拙著『今日も世界は迷走中』がAmazonのオーディオブック“Audible”として配信されました。会員登録すると、最初の1冊は無料で聴くことができます。お申し込みはこちらで可能です。

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 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。

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 スウェーデン建国500年
2023-06-06 Tue 07:18
 1523年6月6日、グスタフ・ヴァーサが初代スウェーデン王として即位し、スウェーデン王国が成立してから、ちょうど500年になりました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・グスタフヴァーサ

 これは、1921年6月6日、スウェーデンが発行したグスタフ・ヴァーサの切手です。

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 6月9日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
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★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★

      現代日中関係史2

 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 スウェーデンで8年ぶりに政権交代
2022-09-16 Fri 08:20
 スウェーデンのマグダレナ・アンデション首相は、きのう(15日)、凶悪犯罪の取り締まりや移民対策、光熱費高騰対策などが争点となっていた11日の議会選(一院制、定数349)での敗北を受け、議会議長に辞表を提出。社会民主労働党を中心とした中道左派政権は崩壊し、2006-14年の穏健党政権以来、8年ぶりに保守系政権が誕生する見込みです。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・共に生きる(1982・アフリカ系少女)

 これは、1982年8月26日にスウェーデンが発行した”共に生きる”の切手のうち、白人の少女と腕を組むアフリカ系の少女が描かれています。第二次大戦後、スウェーデンは一貫して移民・難民の受け入れに寛容な国でしたが、それゆえ、そうしたスウェーデンの政策を悪用する偽装難民等も後を絶たず、治安の悪化が深刻な社会問題となっており、今回の選挙でも、そのことが最大の争点になっていました。

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 * きのう(15日)、アクセスカウンターが252万PVを超えました。いつも閲覧していただいている皆様には、あらためてお礼申し上げます。

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 9月23日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
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★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 好評発売中!★

      『本当は恐ろしい! こわい切手』

 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 … 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。
 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。
 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。

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 お菓子の切手:北欧のクリスマスシーズンに現れる“幸運の豚”
2021-12-18 Sat 07:06
 大手製菓メーカー(株)ロッテのウェブマガジン『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』での僕の連載、「お菓子の切手」の最新記事がアップされました。今回は、クリスマス・シーズンなので、こんな切手を取り上げています。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・クリスマス(2014・豚)

 一般にクリスマスは、“キリストの降誕を祝う祭り(の日)”とされていますが、実際にはイエス・キリストの誕生日については全く記録が残されていません。このため、西暦325年5月、キリスト教会の総会議として開かれた第1ニカイア公会議において、古代共和制ローマ時代のローマ暦で冬至の日(=古代ローマの宗教の一つ、ミトラ教では“不滅の太陽が生まれる日”)に指定されていた12月25日を“降誕を祝う日”としたのが始まりです。

 北欧諸国の言葉でクリスマスを意味する“ユール”は、もともとはキリスト教が定着する以前の北欧での冬至の日のことで、以後、昼の時間が長くなっていく、つまり、太陽が再び力強い生命を持つようになることから、人々はこの日を新年とし、北欧神話の神、オーディンにビールや猪や豚などを捧げていました。

 その名残から、現在でもバルト海に面した北ドイツのクリスマス料理は七面鳥ではなく豚肉が中心で、スウェーデンでも、かつては自分の家で育てた豚を屠って丸焼きにするのが習わしでした。現在では、一般家庭で豚を飼育するのは難しいことから、豚肉の塊をオリーブ油と香辛料で長時間煮たハムを蒸し焼きにした“ユールシンカ”が欠かせない料理となっており、クリスマスが近づくと町のいたるところに豚の飾りが現れます。ちなみに、ノルウェーやフィンランドでも、クリスマスのごちそうは豚肉料理が主役です。

 ところで、北欧では、冬至の日には死者の霊や悪魔などが大挙して現れると言われ、彼らのために、豚肉料理をメインに置いて、サーモンの塩漬け、ミートボール、ニシンの酢漬けなどのクリスマス料理を並べた“ユールボード”を1月6日の公現節(東方の三博士のキリスト礼拝を記念する日)までお供えする習慣があり、ユールボードを用意しないのは縁起が悪いとされています。

 とはいえ、現在と比べて、かつて豚肉はかなり高価な食材でしたから、生活に余裕がなく、豚肉を用意できない人も少なくありませんでした。そこで、リアルな豚肉の代わりに、豚をかたどったマジパンのお菓子が作られるようになります。

 マジパン(マルチパンとも)は粉末に挽いたアーモンドと砂糖、卵白などを混ぜてペースト状にかためたお菓子ですが、古代ギリシャの人々がアーモンドと蜂蜜で作っていたデザートがその原型とみられています。バグダード(バグダッド)を中心に繁栄を極めたイスラム王朝、アッバース朝の治世下の10世紀には、アーモンドを挽いてシロップに加えて煮詰め、色々な形に成形した“ロージナージュ・ヤビース”という菓子についての記録があり、これがヨーロッパに伝来しました。1407年に北ドイツのリューベックで飢饉が起きた際には、市の参事会が、市の倉庫にあったアーモンドを使って何か食べるものを作って欲しいとパン職人に依頼して作らせたのが、現在のマジパンの直接の起源のひとつとされています。

 2014年にスウェーデンが発行したクリスマス切手の1枚には、スウェーデンを代表するクリスマス菓子の一つ、マジパンで作られた豚が取り上げられました。

 切手には額面数字の代わりに“JULPOST(ユールポスト)”との表示がありますが、これは“国内宛のクリスマス・メール”の意味です。スウェーデンでは、一定の期間に差し出されたクリスマス・メール(重さ50gまで)に関しては、通常料金より50オーレ(スウェーデンの通貨、スウェーデン・クローナの補助単位で、1クローナ=100オーレ)の割引料金が設定されています。ちなみに、この切手が発行された2014年の時点でのスウェーデンの郵便料金は14クローナでしたから、この切手は13クローナ50オーレで販売されたことになります。

 切手は目打ち状の型抜きをしたシール式ですが、偽造防止のため、切手の中央にはスウェーデン郵政の紋章の形の型押しがあります。

 北ドイツを含む北欧地域では、クリスマスの豚は“幸運の豚”とも呼ばれており、一部では季節のあいさつで豚をかたどったものを贈りあう習慣もあるのだとか。クリスマス・カードを送る切手のデザインとしては、まさにぴったりの1枚ですね。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 12月20日(月) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 武蔵野大学のWeb講座 2021年12月1日~2022年2月8日
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編その1 ― 黒船来航」

 12月1日から2月8日まで、計7.5時間(30分×15回)の講座です、お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。

 三鷹市生涯学習センター 「宗教と国際政治」 2022年1月10~23日
 国際紛争や諸外国のタイムリーな重大ニュースを取り上げ、その背後にある「宗教」をめぐる諸問題をじっくり解説する講座です。今回は、混迷続くアフガニスタンとその歴史に焦点を当ててお話します。お申し込みは12月11日(土)までで、ご応募多数の場合は抽選になります。詳細はこちらをご覧ください。


★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』 11月20日刊行! ★

      切手でたどる郵便創業150年の歴史②表紙 2530円(本体2300円+税)

 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第2巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱った第1巻に続き、第二次大戦後の1946年から昭和末の1989年までを扱っています。なお、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。

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 ★★ 書籍無料ダウンロードを装った違法サイトにご注意ください!★★

 最近、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史』をPDF化して、無料でダウンロードできるかのように装い、クレジットカード情報を盗み取ろうとする違法サイトの存在が確認されました。

 この種のサイトは多種多様な出版物を無許可で取り扱っているものと思われます。

 内藤および拙著の出版元・販売元ではこのような行為は一切認めておらず、フィッシング詐欺等に巻き込まれる可能性もありますので十分ご注意ください。

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 陛下の叱責が効いたか?
2020-12-19 Sat 03:40
 世界的なコロナ禍の中、医療施設以外でのマスク着用は奨励していなかったスウェーデンで、昨日(18日)、ステファン・ロベーン首相は、ウイルス対策として、混雑時の公共交通機関でのマスク着用を初めて推奨しました。スウェーデンでは、16日に収録されたカール16世グスタフ国王の今年(2020年)を回顧するインタビュー(21日放送予定)の予告編が17日に放映され、その中で、国王が国内で多くの死者が出ている点に触れ、「われわれは失敗したと思う」と述べたことが話題になっていました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・国王70歳

 これは、2016年3月17日にスウェーデンが発行した“国王陛下70歳”の記念切手で、国王カール16世の肖像が取り上げられています。

 カール16世(カール・グスタフ・フォルケ・フーベルトゥス・ベルナドッテ)は、1946年4月30日、当時のスウェーデン国王グスタフ5世の王孫、グスタフ・アドルフの第5子(長男。グスタフ5世から見ると曾孫)として生まれました。

 グスタフ5世は1950年に92歳の長寿で崩御し、長男で王太子のグスタフ・アドルフがグスタフ6世が68歳で新国王として即位しました。この間の1947年1月26日、王太子となるはずだった長男のヴェステルボッテン公グスタフ・アドルフ王子で亡くなっており、王孫となったカール・グスタフは3歳の幼児だったため、スウェーデン国内では王制の廃止と共和制への移行が議会でも議論されました。

 しかし、王制の廃止は否決されてカール・グスタフは王太孫となり、また、グスタフ6世も長命で、1973年に90歳で崩御した際にはカール・グスタフも無事に成人していたため、王制は存続しています。

 王太孫としてのカール・グスタフは、高校卒業後、2年半にわたってスウェーデン軍で教育を受け、1968年にスウェーデン陸海空軍大尉に任官。その後は、ウプサラ大学とストックホルム大学で歴史学、社会学、政治学、税法を学び、大学での教育修了後も議会や行政、外交に関する研究に従事したほか、国連や国際開発協力庁におけるスウェーデン代表団員、ロンドンでは銀行やスウェーデン大使館、フランスでは自国の商工会議所やアルファ・ラバルの現地法人の工場などで体験就労を経験し、1973年9月15日、祖父の後を継いで国王となりました。

 ちなみに、1979年5月13日、カール16世の第1王子としてカール・フィリップ王子は、当初、王位継承順位第1位の王太子でしたが、同年の王位継承法改正により、王位は性別によらず出生順にすることとされたため、同法が施行された1980年元日付で姉のヴィクトリア王女に第1継承権が移行しています。このため、経過措置を定めず、継承法改正前に生まれたカール・フィリップ王子にも新法を遡及適用し、彼から王太子としての地位を奪ったことに対して、国王はかなり強い不満を持っており、「息子を継承者にしたい」、「大部分のスウェーデン人は男王が王位を継ぐことを望んでいると確信する」などと発言しています。まぁ、この点については、いわゆるリベラル派は“男尊女卑”と批判していますが。

 さて、スウェーデン政府は、これまで、新型コロナ対策で、マスクの着用も含めて強制力のある措置をほとんど取らず、市民の“責任感”を信頼し、罰則の類も設けていませんでした。また、保健当局も、春に感染者が多かったことから、集団免疫が獲得され、秋以降の第2波は弱まるだろうとの楽観的な見通しを示していました。

 ところが、実際には、11月以降、新型コロナウイルス感染に関連する死者が急増。12月16日の時点での累計7802人の死者のうち、1800人以上が11月1日以降に、さらに、先週だけで500人以上が亡くなっています。また、17日の時点で、入院中の新型コロナ感染者数は2500人を超え、4月下旬の感染第1波のピーク時を上回っています。

 今回の国王の発言について、スウェーデン王室としては、立憲君主制国家として国王は政治的発言を控えるべきとの原則に照らして、あくまでもスウェーデン社会全体について言及したもので、「パンデミックにより影響を受けたすべての人々に共感を示した」だけで、「政治的ではない」と強調していますが、予告編として放送された映像では国王の口調は厳しく、王室がスウェーデンの現状に強い危機感を持っていることが伝わっています。一方、スウェーデン政府は、国王の発言について、政府がすでに認めたことを繰り返しただけとの認識を表明しており、これまでのコロナ対策が失敗だったことを認めています。

 なお、今回の方針転換とは別に、スウェーデン政府は、公共の場に集まってもよい人数の制限や、事業者の営業時間・サービス提供時間の短縮や休業の命令を行えるよう定めた「パンデミック法」(1年間限定)を来年3月に施行すべく準備を進めています。


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 出版社からのコメント
 【中国の札束攻勢にソロモン諸島は陥落寸前!】
 日本軍の撤退後、悲劇の激戦地は
 いかなる歴史をたどり、
 中国はどのように浸透していったのか

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 8歳少女が1500年前の剣を発見
2018-10-06 Sat 14:27
 スウェーデン・ヨンショーピング市のウィーデステン湖で、8歳の少女、サーガ・バネチェクさんが遊んでいたところ、湖の中から発見し、引き抜いた剣が1500年前のモノだったことが確認され、話題になっているそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・剣(1997)

 これは、1975年にスウェーデンが発行した“ヴェンデル時代の遺物”の切手のうち、当時の剣の柄と鞘を取り上げた1枚です。

 現在のスウェーデン国家の領域に人々が定住し始めたのは、石室墓などの発掘結果から、氷河の後退後、紀元前1万-前8000年ごろと推定されています。その後、前2000年頃、インド・ヨーロッパ語族が定着。ローマ時代には大陸との交易が盛んに行われるようになり、おもに琥珀や毛皮などが輸出されました。紀元後5-6世紀になると、各地で部族国家が形成されはじめましたが、その中でも、ウプランド地方のスベア人は海上貿易にも進出して繫栄。550年以降、いわゆるヴェンデル時代が始まり、スベア人を中心に多くの部族国家が連合し、スウェーデン国家の原型が形成されました。

 ちなみに、いわゆるヴァイキングの時代は、一般に、793年、北部イングランドのリンデスファーン修道院襲撃事件から始まるとされていますので、ヴェンデル時代の後、ということになります。

 さて、今回話題となった剣が発見された当時、ウィーデステン湖の水位は水不足で著しく低くなっており、湖で遊んでいたサーガさんは、「水中で何かに触れたので、持ち上げてみると剣みたいなものがあった」として、父親に報告。父親は「当初、娘が不思議な形をした棒を拾ったのかと思った」そうですが、その後、父親が友人に詳しく調べてほしいと依頼したところ、約1000年前のヴァイキング時代の遺物ではないかということになり、さらに、地元博物館の専門家が調べたところ、約1500年前のヴェンデル時代に作られた可能性が高いと判断されたそうです。

 その後、今回の剣の発見を受け、博物館や地元の自治体らがウィーデステン湖で発掘作業を行ったところ、3世紀に作られたと思われるブローチが出土。発掘作業は現在も継続されており、今後、他にも湖から古代の遺物が見つかる可能性があるそうです。


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

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 ノーベル医学生理学賞に本庶佑氏
2018-10-02 Tue 09:36
 スウェーデンのカロリンスカ医科大は、きのう(1日)、本年度のノーベル医学生理学賞を京都大の本庶佑特別教授と米テキサス大MDアンダーソン癌センターのジェームズ・アリソン教授に贈ると発表しました。本庶氏の功績は、従来、外科手術、放射線、抗癌剤が中心だった癌治療に、「免疫で治す」という第4の道をひらいたというもので、日本のノーベル賞受賞は、2016年の医学生理学賞の大隅良典・東京工業大栄誉教授に続き26人目です。というわけで、きょうはこんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      スウェーデン・グスタフ5世70歳

 これは、1928年6月16日、スウェーデンが発行した“国王グスタフ5世70歳”の記念切手です。切手上には表示がありませんが、郵便局の窓口では、額面に対して5オーレの寄付金を上乗せして発売され、その全額が癌研究への助成金にあてられました。これが、切手と“癌”が結びついた最初の事例で、このため、今回ご紹介の切手が(デザイン的には癌とは無関係のため、わかりづらいのですが)“癌切手”の第1号とされています。

 ちなみに、今回受賞した本庶氏らの研究グループは、1992年、免疫の司令塔を担うリンパ球“T細胞”で働く“PD-1”遺伝子を発見。PD-1が免疫反応のブレーキ役に相当することが分かり、ブレーキを取り除くことでがん細胞を攻撃する新しいタイプの「癌免疫療法」の開発に結びつけた功績が、今回の受賞につながりました。

 その後、本庶氏の研究を基に癌治療薬の開発が進み、2014年、小野薬品工業が、悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬としてPD-1の抗体医薬“オプジーボ(一般名ニボルマブ)”を発売。この薬は、肺癌や胃癌などでも効果が確認され、現在は60カ国以上で承認されています。


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 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

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 ストックホルムで自爆テロ
2010-12-12 Sun 22:50
 スウェーデンの首都ストックホルムの中心部で、現地時間の11日夕(日本時間の12日未明)、自動車を爆破させるテロ事件が2度続けて起こり、1人が死亡、2人が負傷しました。爆発の直前、地元通信社と治安警察にはスウェーデン語とアラビア語で犯行をほのめかす電子メールが届き、スウェーデン軍のアフガニスタン駐留や、イスラムの預言者ムハンマドの風刺画を描いたスウェーデンの芸術家を非難していたそうです。というわけで、きょうはこんな切手をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        スウェーデン・アフガン加刷

 これは、アフガニスタン切手に“Sveriges Arme”と加刷したモノで、アフガニスタン駐留のスウェーデン軍部隊で加刷されたものと言われていますが、あるいはボーガスの類かもしれません。

 さて、2001年のいわゆるアフガニスタン戦争の後、国連安保理の決議を受けて平和構築のための国際部隊が派遣されることになり、スウェーデンは500人規模の兵士を派遣しました。

 スウェーデン軍の派遣地域となったマザリシャリフは、アフガニスタンのなあでは比較的治安が良いといわれる地域ですが、それでも、2005年には2名、2009年にも2名のスウェーデン兵士が亡くなっています。ただし、2009年の死亡事件に関しては、その数ヶ月前から、アフガニスタンの治安部隊がスウェーデン軍とフィンランド軍の支援を受けて麻薬の取り締まりを強化していたことから、打撃を受けた麻薬組織が報復のためにスウェーデン兵を襲撃したとの見方もあるようです。

 今回の一件で、スウェーデン国内でもアフガニスタン派兵の是非をめぐる議論が起こることでしょう。ただし、スウェーデンという国は、非同盟中立の立場から、自国を守るために精強な軍隊を組織していることで知られています。したがって、アフガニスタン現地での戦闘による犠牲者が拡大したということならともかく、国内でのテロに屈してしまえば、彼らの国是である武装中立路線が根本から揺らぐことになりますから、テロに屈してアフガニスタンから撤退するという選択肢は現実にはないでしょうね。

 いずれにせよ、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞とあわせて、平和というものは、“9条教”の信者の方々が仰るように、お題目を唱えていればタダで空から降ってくるようなものではなく、相応の犠牲を払わなければ維持できないものなのだということを、あらためて認識させられますな。


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 小さな世界のお菓子たち:チョコレートの切手
2009-10-04 Sun 15:30
 ご報告が遅くなりましたが、大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャルウィロッテ)』の第6号(2009年秋号)から、「小さな世界のお菓子たち」と題する連載を始めました。世界各国のお菓子を描いた綺麗な切手をカラーで紹介していこうという企画です。第1回目の今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

 チョコ切手帖  チョコ切手帖(表紙)

 これは、2007年にスウェーデンで発行されたチョコレートの切手帖です。雑誌の記事では、それぞれの切手をばらしてご紹介していますが、今回は切手帖の全体像と、表紙をお見せしましょう。なお、このときのセットには、今回ご紹介の切手帖の他にタブレットのチョコを描く単片切手も発行されています。

 国際菓子協会/欧州製菓協会によると、2006年の日本のチョコレート消費量は1人あたり2.2キロなのだそうです。標準的な板チョコ1枚70グラムとすると、1年で30枚強という勘定。結構な分量です。

 そんなに食べているのか、と少し驚きますが、冷静に考えてみると、純粋にチョコとして売られているものだけでなく、チョコの入ったクッキーやケーキを食べたり、ホット・チョコレートを飲んだりするわけですから、さもありなんといったところでしょうか。

 今回ご紹介の切手帖は、そんなチョコレートのさまざまな楽しみ方を紹介したもので、カカオの実やチョコ・コーティングしたイチゴ、チョコレート・ボンボン、ホット・チョコレートの切手が取り上げられています。

 ちなみに、2006年のスウェーデンでの1人あたりのチョコレートの年間消費量は6.5キロ。日本の3倍弱です。生活の中にチョコレートの文化がしっかりと溶け込んでいるからこそ、こういう切手が発行できるのでしょうね。

 なお、雑誌『Shall we Lotte(シャルウィロッテ)』は広報誌として無料配布されています。入手をご希望の方は、発行元の(株)ファミリー(〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-20-1 tel:03-5388-5091 fax:03-3373-3815)にお問い合わせください。
 
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  『郵趣』今月の表紙:ストックホルム中央郵便局
2009-04-30 Thu 15:52
 (財)日本郵趣協会の機関誌『郵趣』2009年5月号ができあがりました。『郵趣』では、毎月、表紙に“名品”と評判の高い切手を取り上げていて、原則として僕が簡単な解説文をつけていますが、今月は、巻頭特集の「スウェーデン切手」にちなんで、こんなモノを取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

 ストックホルム中央郵便局

 これは、1903年に発行されたストックホルム中央郵便局開局の記念切手です。

 1871年にストックホルム中央駅が完成すると、それまでは町はずれとみられていた駅周辺は急速に開発されていきました。

 19世紀後半、鉄道や蒸気船等の輸送機関の発達により郵便物の取扱量が激増し、それまでの中央郵便局が手狭になっていたことから、中央郵便局の建て替え問題が浮上。1896年、スウェーデン郵政は中央駅周辺に新局舎の建設を決定し、5人の建築家のコンペを経て、1898年、フェルディナンド・ボバーグの設計による新局舎の建設工事が開始されました。局舎は1903年10月27日に完成し、その記念式典には国王オスカー2世も出席されたそうです。

 新局舎はインド・ペルシャ風の八角形の時計塔が外観上の特徴となっていますが、内部は当時最新の施設が備えられており、スウェーデン最初の私書箱も設けられた。ちなみに、現在は郵便局としては用いられておらず、歴史的建造物として保存されています。

 今回ご紹介の開局記念の切手は、スウェーデン最初の記念切手として記念式典前日の10月26日に発行されました。当時のスウェーデンでは通常切手の最高額が1クローネでしたが、この切手の額面は5クローネという超高額で、小包用として使用することが想定されていました。

 ちなみに、切手は青色で印刷されていますが、実際の局舎は煉瓦色の外壁に濃緑色の屋根をかぶせたものとなっているため、印象はかなり異なっています。


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 ミルクチョコレート
2009-02-14 Sat 11:29
 きょうはバレンタインデーです。というわけで、チョコレート関係の切手の中から、この1枚をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 スウェーデンのチョコ

 これは、2007年9月27日にスウェーデンで発行されたチョコレートの切手です。

 少し古い数字ですが、2004年の国際菓子協会/欧州製菓協会の統計によると、スウェーデン におけるチョコレートの国内年間消費量は3万9340トンで、人口一人当たりの年間消費量は4.4キロということです。日本の場合、一人当たりの年間消費量は2.2キロですから、スウェーデン人はちょうどその倍、チョコレートを食べていることになります。

 スウェーデンにもチョコレートメーカーはいろいろあるのですが、現在では、地元の大手企業は国内でのチョコレート生産をやめており、ほとんどがベルギーやフィンランドなどからの輸入品になっているそうです。たしかに、さきほどの統計をみると、スウェーデンのチョコレートの国内生産量は2万3720トンですが、これとほぼ同じ2万3180トンが輸出に回されており、実質的に、スウェーデン人が食べているチョコレートは輸入品ばかりといってよさそうです。

 ところで、スウェーデンのチョコはいわゆるミルクチョコレート(純チョコレートにミルクなどを混ぜた甘いチョコレート)で、ベルギーなどが固執するカカオバター100%の純チョコレート(狭義のチョコレート)とは異なります。ちなみに、ヨーロッパでは、ベルギーのほか、フランス、オランダ、スペイン、イタリア、ドイツ、ルクセンブルク、ギリシャの8ヵ国が、伝統的に純チョコレートのみを“チョコレート”としてきたのに対して、スウェーデンのほか、イギリス、アイルランド、デンマーク、ポルトガル、オーストリア、フィンランドなどが、ミルクチョコレートも“チョコレート”であるとしています。

 このため、EUでは、かつて、ミルクチョコレートを“チョコレート”として認めるか否かで長年にわたってもめていた時期があり、最終的に「カカオ豆以外の油脂が5%までの範囲で入っている商品なら“チョコレート”と名づけて売ってもよい」ということで決着しました。ただし、この決定には、「カカオ以外の成分を入れた場合は、商品の外側に明記すること」が義務づけられており、純チョコレート派諸国のメンツを立てた格好になっています。

 そういう目で見ると、今回ご紹介のスウェーデンのチョコは、以前ご紹介したスイスのチョコと色合いなんかが違いますね。まぁ、おいしければどちらでもいいのですが。


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 年賀状の末等賞品、年賀お年玉小型シートは、誰もが一度は手に取ったことがある切手。郷土玩具でおなじみの図案を見れば、切手が発行された年の出来事が懐かしく思い出される。今年は戦後の年賀切手発行60年。還暦を迎えた国民的切手をめぐる波乱万丈のモノ語り。戦後記念切手の“読む事典”<解説・戦後記念切手>シリーズの別冊として好評発売中!
 1月15日付『夕刊フジ』の「ぴいぷる」欄に『年賀切手』の著者インタビュー(右上の画像:山内和彦さん撮影)が掲載されました。記事はこちらでお読みいただけます。
 
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 ノーベル賞の原資
2008-12-10 Wed 12:08
 今日(10日)はノーベル賞の授賞式の日です。というわけで、ストレートにこの切手をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 ノーベル

 これは、1946年12月10日、スウェーデンが発行したアルフレッド・ノーベル没後50年の記念切手です。ノーベルを描く切手は世界中から数多く発行されていますが、これがその最初の1枚です。なお、ノーベル賞の授賞式が毎年12月10日に行われているのは、ノーベルの命日にちなむものです。

 1866年のダイナマイトの発明によって、ノーベルが巨万の富を築き、それが現在のノーベル賞の原資となっていることはよく知られていますが、正確にいうと、ノーベル賞の原資には、ダイナマイトや武器産業以外による収益も含まれています。

 すなわち、1878年、ノーベルは兄ルードヴィとロベルトと共に現在のアゼルバイジャンのバクーでノーベル兄弟石油会社(Brothers Nobel を略して Branobel と呼ばれる)を設立しましたが、同社は当時の世界最大の石油会社の一つで、その利益も莫大なものでした。アルフレッドはその個人筆頭株主で、ノーベル賞の原資の12%はその配当によるものです。ただし、1920年4月28日、ボリシェヴィキ政権がバクーを制圧すると、ノーベル兄弟石油会社は接収され国営化されてしまい、現在では残っていません。

 ところで、ノーベル賞はノーベルの遺言によって設けられたものですが、ノーベルは死の1時間前までフツーに生活をしており(脳溢血で突然倒れたそうです)、本人の意識では、その遺言状も確定稿ではなかったのかもしれません。じっさい、現在、ノーベル賞と呼ばれている賞について、ノーベル本人は何ら名前を付けておらず、死後、ノーベル財団によって現在の名前がつけられたものです。

 なお、ノーベル自身は、弁護士という職業の人間を全く信用しておらず、その遺言状も誰も交えずに自筆で書いています。これは、1890年、ノーベルの知人がノーベルの発明に手を加えてイギリスでダイナマイトの特許を取得したことに関して、ノーベルは相手との和解を望んだにもかかわらず、会社や弁護士に説得されて裁判を起こし、結果的に敗訴した体験によるものだとか。このため、自筆の遺言状には、内容的な矛盾も多く、当然のことながら、莫大な遺産をめぐる遺族間のトラブルも深刻なものとなりました。

 歴史にifは禁物ですが、仮に、弁護士が入って関係者の利害を調整した遺言状が作られていたら、現在のノーベル賞は生まれず、僕たちが今年の日本人3人の受賞に喜ぶということもなかったのかもしれませんね。

 
 ★★★ 年末年始はコタツにミカンと、この1冊 ★★★
 
 <解説・戦後記念切手>シリーズの別冊 『年賀切手』が12月25日日付で刊行されます!(下の画像は出版元制作の広告:クリックで拡大されます)

 『年賀切手』広告

 奥付上の刊行日は12月25日ですが、すでに原稿は僕の手を離れて、印刷所の輪転機も回っていますので、17日の羽子板市の頃には実物はできあがっていると思います。なにとぞ、ご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。

 
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 アメリカ史に燦然と輝く偉大な「敗者たち」の物語    
 『大統領になりそこなった男たち』 中公新書ラクレ(本体定価760円+税)
 
 出馬しなかった「合衆国生みの親」、リンカーンに敗れた男、第二次世界大戦の英雄、兄と同じく銃弾に倒れた男……。ひとりのアメリカ大統領が誕生するまでには、落選者の累々たる屍が築かれる。そのなかから、切手に描かれて、アメリカ史の教科書に載るほどの功績をあげた8人を選び、彼らの生涯を追った「偉大な敗者たち」の物語。本書は、敗者の側からみることで、もう一つのアメリカの姿を明らかにした、異色の歴史ノンフィクション。好評発売中!

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 建設の風景:男女平等の現場
2007-06-11 Mon 00:47
 (財)建設業振興基金の機関誌『建設業しんこう』の6月号が出来上がりました。僕が担当している連載「切手に描かれた建設の風景」では、今月号はこんなモノを取り上げてみました。(画像はクリックで拡大されます)

スウェーデン・国際婦人年

 これは、1975年にスウェーデンが発行した国際婦人年の切手です。

 1972年の国連総会は、1975年を“国際婦人年”とする決議を採択しました。これは、国連の「婦人の地位委員会」が過去に得た結果を再検討する時期として、「男女平等の促進、経済・社会・文化の発展への婦人の参加、国際友好と協力への婦人の貢献」をテーマとして、活動を広く世界に呼びかけていくために設けられたものでした。

 この国際婦人年の中心的な行事として、1975年6月23日にはメキシコで国際婦人年世界会議が開催されたほか、各国でも多彩な催しが行われ、わが国を含めて多くの国で記念切手も発行されています。

 今回ご紹介するのは、そうした国際婦人年の記念切手のうち、スウェーデンが発行したもので、建設現場で男性と一緒にヘルメットをかぶり、図面を見ている女性が取り上げられています。洋の東西を問わず、力仕事の建設現場はどうしても男社会になってしまうものですが、そうした現場で力強く働く女性の姿こそ、男女の平等ないしは共同参画という理念を体現するものというのがデザイナーの主張なのでしょう。

 なお、わが国で発行された国際婦人年の記念切手に関しては、今年3月に刊行の拙著『沖縄・高松塚の時代』で詳しくご説明しておりますので、よろしかったら、ご覧いただけると幸いです。
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 リンネ300年
2007-05-23 Wed 00:40
 今日(5月23日)はスウェーデンの生物学者で“分類学の祖”と呼ばれるカール・フォン・リンネの生誕300周年で、わが国の両陛下も、出身地のスウェーデンで行われるセレモニーにご出席なさるそうです。というわけで、今日はこの1枚を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

スウェーデン王立科学アカデミー200年

 これは、1939年6月2日、スウェーデン王立科学アカデミー200年を記念して発行された切手の1枚で、リンネの肖像が描かれています。

 現在、生物の学名は、属名と種小名の2語のラテン語で表す二名法(または二命名法)によって付けられていますが、これは、ボーアン兄弟の考案した方法をリンネが体系化し、普及させたものです。また、それまでに知られていた動植物についての情報を整理して分類表を作り、生物分類を体系化したこと、種・綱・目・属という分類単位を設け、それらを階層的に位置づけたこと、なども“分類学の祖”としての彼の重要な業績と考えられています。

 余談ですが、ハゼの研究に熱心に取り組まれている今上陛下は、皇太子時代の1980年、“魚類学への貢献”ということでロンドン・リンネ協会の外国会員に名を連ねており(現在は名誉会員)、そのことが、今回のリンネ300年でのご訪欧につながったものと考えられます。

 ちなみに、切手発行の名目となったスウェーデン王立科学アカデミーは、1739年にフレデリック1世が設立したスウェーデン王立アカデミーの1つで、自然科学と数学の発展を目的とした活動を行っています。ノーベル物理学賞・化学賞・経済学賞の受賞者を選考する委員会は同アカデミーの所属ですが、リンネの生物学は入っていません。もっとも、リンネ本人はノーベル賞の創設以前の人ですから、どう頑張ってみたところで、ノーベル賞のもらいようがなかったわけですが…。
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 土用の丑の日
2005-07-28 Thu 09:41
 今日は土用の丑の日。いわずと知れたウナギの日です。

 僕は子供の頃から大のウナギ好きで、誕生日にはケーキはいらないからウナギが食いたいと騒いでいた変なガキでした。いまでも、月に最低でも2回はウナギを食べますし、3~4日なら毎日ウナギを食べていても飽きが来ません。もちろん、今日も夜にはウナギを食べる予定です。(お昼には食べ損なった)

 ウナギの料理法といえば、やっぱり蒲焼がベストだと思いますが、それでも、海外に出かけると、その土地のウナギ料理を食べて見たりします。いままでで一番印象に残っているのは、10年位前にシンガポールで食べたウナギのチリソース炒めですかねぇ。ウナギをぶつ切りにして軽く揚げたものを、海老の代わりにチリソースで炒めるというもので、プリプリの食感は何ともいえないもので、忘れることができません。

 で、蒲焼以外のウナギ料理の中で、いま一番関心を持っているのが、毎年9月にスウェーデン南部のスコーネ地方で開かれるというウナギ・パーティです。なんでも、フライ、ボイル、燻製などあらゆる類のウナギ料理が並ぶんだそうで、ウナギ好きとしては非常に心を惹かれます。まぁ、実際に行って食べてくると、やっぱり東京の蒲焼がベストだというところに落ち着くんでしょうが…。

 ちなみに、スウェーデンでは、下のようなウナギの切手も発行されています。

スウェーデンのウナギ

 かの地では、9月にはみんなでこいつを食べるんですかねぇ。白人を相手にしているせいか、日本のウナ君たちよりも鼻筋が通っている気がしますが、いったいどんな味なのでしょう。興味津々です。
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