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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 英国、チャゴス諸島をモーリシャスに返還
2024-10-04 Fri 06:50
 英国政府は、昨日(3日)、ディエゴ・ガルシア島を含むチャゴス諸島の領有権をモーリシャスに返還することを発表しました。というわけで、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      英領インド洋諸島・ウミウシ

 これは、2021年2月22日、“英領インド洋諸島(1965年11月8日の成立時はチャゴス諸島、アルダブラ環礁、ファーカー諸島、デロッシュ島などで構成されていましたが、1976年6月23日、アルダブラ環礁、ファーカー諸島、デロッシュ島がセーシェルとして独立したため、現在はチャゴス諸島のみ)で発行された“英領インド洋諸島のウミウシ”の切手の初日カバーです。英領インド洋諸島の切手は2021年8月、万国郵便連合が切手としての有効性を否定したため、英領インド洋諸島切手として国際的に承認された切手としてはこれが最後のものとなりました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


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 英領インド洋地域50年
2015-11-08 Sun 22:26
 ディエゴガルシア島で知られる“英領インド洋地域”が1965年11月8日に成立して、きょうでちょうど50年です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      英領インド洋地域(1968)

 これは、1968年1月17日に発行された英領インド洋地域最初の切手です。

 英領インド洋地域を構成しているチャゴス諸島は16世紀にポルトガル人が“発見”しました。これらの島々は大半が無人島でしたが、この地域で最大の島であるディエゴ・ガルシア島に関しては、18世紀にフランス人が入植して黒人奴隷を導入しココヤシ栽培とコプラ生産のプランテーションの経営を行っていました。

 ナポレオン戦争後の1814年、この地域は英領となり、行政上はながらくモーリシャスの管轄下に置かれました。しかし、1960年代に入るとモーリシャスの独立問題が浮上したため、1965年11月、英国はチャゴス諸島を、アルダブラ諸島、ファーカー諸島、デロッシュ諸島とともにモーリシャス本土から分離して“英領インド洋地域”を形成し、モーリシャス独立後もこの地域を確保する体制を整えました。なお、 切手に関しては、1968年、セイシェル切手に“英領インド洋地域”を意味する“B.I.O.T.(=British Indian Ocean Territory)”の加刷を施したもの(今回ご紹介の切手もその1枚です)が最初です。

 そのうえで、英領インド洋地域設定後の1966年、英国は米国と協定を結び、以後50年間、ディエゴ・ガルシア島を米国に貸与する協定を締結。その後、島民をモーリシャスに強制移住させ、同島を無人島としました。

 ときあたかも、1967年、それまで英国の支配下に置かれていたイエメン南部が、ソ連の支援の下、南イエメン人民共和国(後にイエメン人民民主共和国に改称)として独立し、西側諸国はアデン港を使えなくなったため、1971年以降、ディエゴガルシア島には米軍基地が建設されました。現在、同島の米軍基地はインド洋における米国の最大の軍事拠点となっており、湾岸戦争やアフガニスタン攻撃、イラク戦争の際にも、B-52戦略爆撃機、B-2ステルス爆撃機などがここから出撃しました。

 その後、1976年6月23日、セイシェルが独立すると、アルダブラ諸島、ファーカー諸島、デロッシュ諸島はセイシェルに移管され、現在、“英領インド洋地域”は事実上、チャゴス諸島のみとなりました。ただし、域内最大の島であるディエゴ・ガルシア島には軍関係者しか住んでいないこともあって、行政機関としてのインド洋総督府はセイシェルの首都ヴィクトリアにおかれており、英国の海外領土としており、弁務官が統治する体制となっています。


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