2024-06-15 Sat 11:02
ウズベキスタン鉄道公社と韓国の鉄道車両メーカー・現代ロテムは、きのう(14日)、時速250キロ級の高速鉄道車両42両(7両1編成)および軽整備2年、重整備9か月の維持・補修で2700億ウォン(約310億円)規模の契約を締結しました。韓国の高速鉄道が海外に輸出されるのは今回が初めてです。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2018年1月30日、ウズベキスタンが発行した“イスラム・カリモフ初代大統領の遺産”の切手のうち、ウズベキスタン高速鉄道のアフラシャブ号を取り上げた1枚です。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 * 昨日(14日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。次回は6月28日に登場予定です。引き続きよろしくお付き合いください。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 6月21日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。 6月28日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 7月4日(木) 19:00~ 日本ウイグル協会・追悼集会 東京・四谷のTKPスター貸会議室 四谷2にて開催の緊急特別講演会「7.5ウルムチ虐殺から15年、中国のウイグル政策がどこへ向かうのか」(日本ウイグル協会主催)にて、「ウルムチ虐殺以降の中国のウイグル政策がどこに向かっているのか」と題して、内藤がお話します。参加無料。お申し込みなどの詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★ 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します! * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2023-07-10 Mon 10:37
中央アジアのウズベキスタンで、きのう(9日)、前倒しの大統領選が行われ、現職のシャフカト・ミルジヨエフが圧勝しました。なお、ウズベキスタンでは、今年(2023年)4月末に憲法が改正されており、今回の選挙結果を受け、現在65歳のミルジヨエフは今回から2期14年、2037年まで大統領を続けることが可能となっています。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2022年12月6日、ウズベキスタンが発行した“憲法30年”の記念切手で、ウズベキスタン国旗と1992年当時のウズベキスタンの国会議事堂と、憲法典が描かれています。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 ★★★ 全日本切手展のご案内 ★★★ 7月15-17日(土-月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)が開催されます。今回は、会期中3日連続で、内藤が併催の韓国切手展の展示解説を行うほか、トークイベントも行う予定です。時間等は現在、最終調整中ですが、展覧会の情報は全日本切手展のオフィシャルサイトなどで、随時アップしていきますので、よろしくお願いいたします。 *招待券(裏面押印なきものは無効)の画像です。 会期中、内藤は以下の展示解説とトークイベントを行います。事前予約不要ですので、ぜひご参加ください。 15日・16日・17日 13:00~ 併催の韓国切手展の展示解説 15日 15:00 新刊『今日も世界は迷走中』刊行記念講演 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 7月14日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 ジョン・F・ケネディとその時代 7月22日(土)から、毎月第4土曜日開催のよみうりカルチャー北千住での講座です。今から60年前の1963年11月に暗殺をされたケネディ大統領とその時代について、様々な角度から解説をします。詳細はこちらをご覧ください。 切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史 7月25日開講! 武蔵野大学の新たな講座(対面式)「切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史」が7月25日にスタートします。詳細はこちらをご覧ください。 新講座「龍の文化史」 8月9日配信開始! 武蔵野大学の新たなWeb講座「龍の文化史」が8月9日から配信開始になります。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。今回の講座では、日本の龍を皮切りに、中国、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★ 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2022-09-15 Thu 11:49
中露の主導する“上海協力機構”の首脳会議が、きょう・あす(15・16日)、ウズベキスタンの古都、サマルカンドで開催されます。というわけで、サマルカンドに関する切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2008年2月14日、ウズベキスタンが発行した“バーブル(ムガル帝国の創始者)生誕525年”の記念切手のうち、『バーブル・ナーマ』(バーブルの自伝)に所収の細密画から、バーブルのサマルカンド入城の場面を取り上げた1枚です。切手には、ウズベク語で「サマルカンドの住民に歓迎の儀式で迎えられるバーブル」との説明がついていますが、権威主義国家のウズベキスタンですから、プーチン、習近平をはじめ各国首脳を歓迎すべく、きょう・あすはこんな感じでサマルカンド住民も動員されているんでしょうかね。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 また、アフガニスタンの首都、カブールとも縁の深いバーブルについては、拙著『アフガニスタン現代史』でも取り上げております。内藤総研の会員の方(無料登録でも可)には定価3600円+税のところ、送料込み3000円の割引販売も行っておりますので、 こちらをクリックして、ぜひご利用いただけると幸いです。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 9月23日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『本当は恐ろしい! こわい切手』 好評発売中!★ 怨霊、ゾンビ、鬼、そして人間の闇 … 古今東西の奇妙な切手を集めた一冊。 それぞれの切手には、いずれも世に出るだけの理由が必ずある。 その理由を求めて、描かれた題材の歴史的・文化的・社会的背景を探っていくと、そこからさまざまなドラマが浮かび上がってくる。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2021-09-01 Wed 10:21
きょう(1日)は、中央アジアの旧ソ連諸国のひとつで、アフガニスタンとも国境を接するウズベキスタンの独立記念日です。ことしは、1991年8月31日の独立宣言から30年周年の節目の年でもありますので、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2017年にウズベキスタンが発行した“国立アカデミー劇場(通称・ナヴォイ劇場)”の切手で、劇場の外観を描く切手を中央に、左側に伝統芸能の切手を、右側にバレー「トマリス」の切手を配した3種連刷構成になっています。 今回ご紹介の切手の題材となったナヴォイ劇場は、ウズベキスタンの首都、タシュケントの中心部に位置し、15世紀のティムール朝の文人・政治家でウズベク人の民族的英雄とされるミール・アリー・シール・ナヴァーイーの名を冠したオペラ・バレエ劇場で、モスクワの国立アカデミー劇場(通称・ボリショイ劇場)などと並ぶ旧ソ連4大劇場のひとつとされています。 設計はレーニン廟などで知られるアレクセイ・シュチューセフが担当し、ナヴァーイーの生誕500年にあたる1941年の完成を目指して1939年から建設作業が始まりましたが、第二次大戦により、工事は中断されます。 このため、第二次大戦後、多くの日本人を抑留したソ連当局は、1945年11月上旬ごろから旧日本軍工兵隊の457人を動員し、ロシア革命30周年にあたる1947年11月の完成を目指して工事を再開。すでに基礎工事や建物の本体は完成に近い状態にあったため、日本人抑留者は、左官、彫刻、寄せ木作りの床張り、大理石の床張り、電気工事などの内外装工事の“仕上げ”を主に担当。収容観客数1400人、舞台の広さ540平米の壮麗な劇場を完成させました。 ちなみに、作業を行っていた日本人の勤勉な姿は現地の人々にも感銘を与えたようで、1966年4月26日のタシュケント地震で市内7万8000棟の建物が倒壊した際にも、ナヴォイ劇場は無傷で市民達の避難場所として利用されたことは、日本人の丁寧な仕事ぶりを示すエピソードとされており、独立後のウズベキスタンの親日感情の一要因となっています。 こうしたこともあって、1996年、建設に関わった日本人を称えるプレートの設置が決定されると、大統領のイスラム・カリモフは「彼らは恩人だ、間違っても“捕虜”と書くな」と指示。この結果、プレートには、「1945年から1946年にかけて極東から強制移送された数百名の日本国民が、このアリシェル・ナヴォイー名称劇場の建設に参加し、その完成に貢献した。」との日本語と、同内容のロシア語、英語、ウズベク語の文章が刻まれました。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内★ 9月6日(月) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。 9月11日(土) 17:00~ 日本ウイグル協会・緊急特別講演会 東京・四谷のワイム貸会議室にて、日本ウイグル協会主催の緊急特別講演会にて、「タリバン政権と急接近した中共の思惑ーーテロとの口実で弾圧されてきたウイグル人」と題して、内藤がお話します。資料代1000円。お申し込みなどの詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 「切手と浮世絵」 配信中です! 8月11日から10月12日まで、計6時間(30分×12回)の講座です、お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。 ★ 『世界はいつでも不安定』 オーディオブックに! ★ 拙著『世界はいつでも不安定』がAmazonのオーディオブック“Audible”として配信されました。会員登録すると、最初の1冊は無料で聴くことができます。お申し込みはこちらで可能です。 ★ 『誰もが知りたいQアノンの正体』 好評発売中! ★ 1650円(本体1500円+税) * 編集スタッフの方が個人ブログで紹介してくれました。こちらをご覧ください。 ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2018-03-21 Wed 00:43
今日(21日)は春分の日。日本ではお墓参りの日ですが、イランを中心にその文化的影響が及んでいる国や地域では、新年のお祭り・ノウルーズの日です。というわけで、今日はこんな切手を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2006年にウズベキスタンが発行した切手(切手の表示は2005年になっていますが、実際の発行は2006年にずれ込んでいます)で、現代ウズベキスタン画壇の巨匠、ガフール・アブドゥラフマノフの作品『サマルカンド ノウルーズ』が取り上げられています。 ノウルーズのアラビア文字表記はنوروز ですが、これをペルシャ語とみた場合、そのラテン文字への転写は、nowruz (カタカナ表記でノウルーズ)とするのが一般的です。ただし、ウズベキスタンの公用語であるウズベク語では、今回ご紹介の切手に見られるように、navro‘z と表記するのがスタンダードですので、記事のタイトルもそちらを使ってみました。 さて、イスラム世界では預言者ムハンマドと信徒たちがメッカからメディナに移住し、イスラムの共同体を作った“ヒジュラ”のあった年を紀元とするヒジュラ暦が使われていますが、このヒジュラ暦は完全太陰暦で、かつての日本の旧暦のように閏月を入れて調整するということは行われていませんから、毎年、11日ずつ、太陽暦の日付とズレが生じます。 このため、イスラム世界の各地では、イスラム暦とは別に、太陽暦に連動した農事暦が用いられることも多く、イランの場合は、イスラム以前から使われていたイラン暦として春分を元日とした太陽暦も用いられています。 この元日が、いわゆる“ノウルーズ”(直訳すると“新しい日”の意味)と呼ばれるもので、イランを中心に中央アジアの5共和国でも祝日になっています。また、クルド人がノウル-ズを祝う習慣があることから、トルコではクルド人に対する宥和政策の一環として国民の休日に指定されているほか、イラク国内のクルド人自治区(クルディスタン)でも、ノウルーズは祝日に指定されています。ただし、ノウルーズはイスラム圏全体に共通の行事ではなく、アラブ世界ではほとんど無視されているのが実情です。 さて、今回ご紹介の切手の『サマルカンド ノウルーズ』は、ガフール・アブドゥラフモノフ(アブドゥラフマノフとも)の1992年の作品で、ノウルーズの日の古都サマルカンドの遠景を描いています。アブドゥラフモノフは1940年生まれで、1960年に『アングレン 秋』を発表したのを皮切りに、『朝』(1963年)、『家族』(1971年)等の作品で画壇に地位を確立しました。幻想的な画風の風景画で知られ、1990年代には、サマルカンドに題材を取った『サマルカンド サマルカンド』、『サマルカンド かつての隊商の道』、『地震』、『サマルカンド旧市街』などの連作を発表しています。 ★★★ 展示イベントのご案内 ★★★ 第9回テーマティク研究会切手展 3月30日(金)~4月1日(日) 10:30~17:00 於・切手の博物館(東京・目白) テーマティク研究会(旧テーマティク出品者の会)は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年のメルボルン展に出品した昭和の戦争と日本のコレクションを展示します。 入場は無料で、会期最終日の1日15:00からは、内藤が展示解説を行いますので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください) ★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★ 本体2500円+税 【出版元より】 中東100 年の混迷を読み解く! 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史! 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2017-12-23 Sat 17:04
きょう(23日)は、天皇誕生日です。というわけで、今上陛下に関係する切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2001年にウズベキスタンが発行した独立10周年の記念切手(第1次)のうち、今上陛下に謁見する同国のイスラム・カリモフ大統領画取り上げられています。ウズベキスタンの独立10周年の記念切手(第1次)は、建国から10年以内のカリモフと各国の元首との会見場面の切手12種を含む47種が発行されました。 カリモフは、これまで1994年5月、2002年7月、2011年2月の3回、大統領として日本を公式訪問しています。このうち、1994年5月の訪日は日ソ間で結んだ条約の承継を確認することが最大の目的でした。 さて、現在のウズベキスタン国家の領域は、かつて、ウズベク・ソヴィエト社会主義共和国としてソ連の構成共和国の1つでした。 ウズベク・ソヴィエト社会主義共和国は、1959年から1982年まで、ウズベキスタン共産党第一書記を務めたシャラフ・ラシドフによる独裁体制が続いていました。 ラシドフ死後の1989年、フェルガナ盆地で土着のメスヘティア・トルコ人とウズベク人の民族対立が発生。これに刺激を受け、隣接するキルギスタンの首都オシではウズベク人とキルギス人の衝突が起こると、モスクワの中央政府は、民族対立に伴う粛清に関与していなかった“中間派”のテクノクラートであったカリモフをウズベキスタン共産党第一書記に任命し、事態の鎮静化を図りました。 カリモフは、1990年6月20日、ウズベク・ソヴィエト社会主義共和国が国家主権宣言を採択すると、大統領に選出されましたが、この時点では、ウズベクの自治の拡大を目指してはいたものの、必ずしも完全独立を施行していたわけではなかったといわれています。 ところが、1991年8月、ソ連保守派のクーデターが失敗に終わると、8月31日、ウズベキスタンはソ連からの独立を宣言。同年12月の国民投票の(全人口の98.2%が独立に賛成)を経てウズベキスタン議会が開設され、カリモフがそのまま、新国家の大統領に就任しました。以後、現在まで、カリモフは政権を維持し続けています。 ウズベキスタンの現行憲法では、大統領の連続3選は禁止されていますが、カリモフ政権はこれまで大統領の任期に関し数回憲法を改正し、そのたびに以前の当選回数は無効になったと独自の解釈を適用することで、2016年9月2日に亡くなるまで大統領の地位を維持しつづけました。 カリモフ政権は、2007-12年に毎年8%以上のGDP成長率を達成するなど、経済運営においてはそれなりの成果を上げる一方、2005年5月13日には、ウズベキスタン東部のアンディジャンで反政府デモを武力で鎮圧し、多数の死者(国家保安庁の公式発表では170名程度、非公式情報では500名程度)が出ており、その強権的な政治手法ゆえに“世界最悪の独裁者(の一人)”として欧米から批判されることも少なからずありました。 ちなみに、カリモフは、幼少期、母親に連れられて毎週末、日本人抑留者の収容所を訪ね、「ご覧、あの日本人の兵隊さんを。ロシアの兵隊が見ていなくても働く。他人が見なくても働く。お前も大きくなったら、必ず他人が見なくても働くような人間になれ」と教えられたそうで、後年、そうした母の言いつけを守ったおかげで大統領にまで出世したと回想しています。また、1996年にはナヴォイ劇場を建設した日本人抑留者の功績をたたえて、同劇場にウズベク語、日本語、英語の3ヵ国語表記の銘板が掲げられた際には、担当者に対して「決して“捕虜”と書いてはいけない」と厳命。この結果、銘板は「極東から強制移住させられた数百人の日本人」という表現になったとのエピソードもあり、親日家として知られていました。 ★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回は28日!★★ 12月28日(木)16:05~ NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第13回が放送予定です。今回は、現在公開中の映画『ヒトラーに屈しなかった国王』にちなんで、第二次大戦中のノルウェーについてお話する予定です。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。 ★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★ 本体2500円+税 【出版元より】 中東100 年の混迷を読み解く! 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史! 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2017-06-22 Thu 08:22
ご報告がすっかり遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2017年6月14日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はウズベキスタンの特集(雑誌としては2回目ですが、前回は別の方が担当しました)です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2016年にウズベキスタンで発行された“船の墓場”の切手です。なお、切手上の表記は2015年になっていますが、実際の発行は2016年までずれ込んでいます。 ウズベキスタンとカザフスタンにまたがる塩湖のアラル海は、かつては世界第4位、6万6-8000平方キロの湖沼面積があり、中央アジアのオアシス的な存在でした。しかし、1940年代、中央アジアでの綿花栽培の灌漑のため、ソ連が開始した“自然改造計画”により、1950年代以降、アムダリヤ川の流れが人為的に変更されたことで面積が急激に縮小。塩分濃度も上昇して淡水魚は生息できなくなりました。 また、1960年代には年平均20センチ、1970年代には年平均60センチと急激に水面が低下。一晩で数十メートルも湖岸線が遠のき、切手に描かれているように、退避できないままその場に打ち捨てられた船が散見されるようになり、それらは“船の墓場”として、旧ソ連による環境破壊の象徴として広く知られるようになりました。 さて、『世界の切手コレクション』6月14日号の「世界の国々」では、ブハラ・ユダヤ人についての長文コラムのほか、アブドゥラフマノフの絵画、金塊、ナヴォイ劇場、タシュケント地下鉄、野生のチューリップの切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、今回のウズベキスタンの次は、6月21日発売の6月28日号でのキューバの特集になります。こちらについては、発行日の28日以降、このブログでもご紹介する予定です。 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” ★★★ 6月15日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第4回目は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は6月29日(木)16:05~の予定ですので、引き続き、よろしくお願いいたします。 なお、15日放送分につきましては、放送から1週間、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 本体2000円+税 【出版元より】 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る! 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2015-03-29 Sun 23:14
中央アジア最大の約3000万人の人口を擁するウズベキスタンで、きょう(29日)、大統領選が行われ、旧ソ連末期から四半世紀も政権の座にあるイスラム・カリモフ大統領が圧勝することがほぼ確実となっています。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1992年9月25日に発行されたウズベキスタン独立1周年の記念切手です。 現在のウズベキスタン国家の領域は、かつて、ウズベク・ソヴィエト社会主義共和国としてソ連の構成共和国の1つとして、1959年から1982年まで、ウズベキスタン共産党第一書記を務めたシャラフ・ラシドフによる独裁体制が続いていました。 ラシドフ死後の1989年、フェルガナ盆地で土着のメスヘティア・トルコ人とウズベク人の民族対立が発生。これに刺激を受け、隣接するキルギスタンの首都オシではウズベク人とキルギス人の衝突が起こると、モスクワの中央政府は、民族対立に伴う粛清に関与していなかった“中間派”のテクノクラートであったイスラム・カリモフをウズベキスタン共産党第一書記に任命し、事態の鎮静化を図りました。 カリモフは、1990年6月20日、ウズベク・ソヴィエト社会主義共和国が国家主権宣言を採択すると、大統領に選出されましたが、この時点では、ウズベクの自治の拡大を目指してはいたものの、必ずしも完全独立を施行していたわけではなかったといわれています。 ところが、1991年8月、ソ連保守派のクーデターが失敗に終わると、8月31日、ウズベキスタンはソ連からの独立を宣言。同年12月の国民投票の(全人口の98.2%が独立に賛成)を経てウズベキスタン議会が開設され、カリモフがそのまま、新国家の大統領に就任しました。以後、現在まで、カリモフは政権を維持し続けています。 ウズベキスタンの現行憲法では、大統領の連続3選は禁止されていますが、カリモフ政権はこれまで大統領の任期に関し数回憲法を改正し、そのたびに以前の当選回数は無効になったと独自の解釈を適用してきました。今回、カリモフが4選を決めたのも、こうしたロジックによるもので、今後5年の任期を全うすれば、カリモフ政権は30年を超える超長期政権となる勘定です。 なお、カリモフ政権は、2007-12年に毎年8%以上のGDP成長率を達成するなど、経済運営においてはそれなりの成果を上げていますが、2005年5月13日には、ウズベキスタン東部のアンディジャンで反政府デモを武力で鎮圧し、多数の死者(国家保安庁の公式発表では170名程度、非公式情報では500名程度)が出ており、その強権的な政治手法に対しては国際世論の批判も根強いものがあります。 ★★★ イベントのご案内 ★★★ ・4月4日(土) 09:30- 切手市場 於 東京・日本橋富沢町8番地 綿商会館 詳細は主催者HPをご覧ください。新作の『日の本切手 美女かるた』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。 会場ならではの特典もご用意しております。ぜひ遊びに来てください。 ・4月25日(土) 11:00-12:00 スタンプショウ 於 東京都立産業貿易センター台東館(浅草) 特設会場 出版記念のトークを行います。入場は完全に無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。スタンプショウについての詳細はこちらをご覧ください。 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★ 毎月1回(原則第1火曜日:3月31日、4月7日、6月2日、7月7日、8月4日、9月1日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(下の青い文字をクリックしていただくと、よみうりカルチャーのサイトに飛びます) ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。 次回開催は3月31日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 『日の本切手 美女かるた』 3月25日発売! ★★★ 税込2160円 【出版元より】 “日の本”の切手は美女揃い! ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え! <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾン、boox store、e-hon、honto、YASASIA、紀伊國屋書店、セブンネット、ブックサービス、丸善&ジュンク堂、ヨドバシcom.、楽天ブックスをご利用ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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