2020-01-30 Thu 15:10
オーストラリアのモリソン首相は、きのう(29日)、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国・武漢市などに滞在しているオーストラリア人を退避させ、2週間、クリスマス島で隔離する方針を明らかにしました。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1956年12月のクリスマス島でのシンガポール切手の使用例です。 クリスマス島は、インド洋にあるオーストラリア領の島で、パースの北西2360キロ、ジャカルタの南500キロの地点にあります。 同島には17世紀以来、西洋人が訪れていましたが、1887年にリンが発見されたのを機に、翌1888年、英領に編入されました。郵便に関しては、1901年から、近隣の海峡植民地の切手が持ち込まれて使用されています。 日英開戦後の1942年3月31日、日本軍はクリスマス島のリン鉱山を目的に同島への攻撃を開始すると、現地のインド人兵が英国人に対して反乱を起こしたため、翌4月1日、日本軍は抵抗を受けずに島を占領した。しかし、労働者たちは日本軍に抵抗してサボタージュを行い、リンの採掘は思ったように進まなかったことに加え、1943年には潜水艦の攻撃を受けて輸送貨物船が撃沈されたこともあり、同年末までには日本軍は島からほぼ撤退しています。 第二次大戦後の1945年、クリスマス島は英領に復し、シンガポールの管轄下に置かれ、今回ご紹介の画像に見られるように、シンガポール切手が使用されるようになりました。ただし、実際に同島の行政を担当していたのはオーストラリアだったため、1957年、オーストラリアはシンガポール政府に290万ポンドを支払ってクリスマス島を買収。1958年10月1日付で、クリスマス島はオーストラリアの領地となり、同15日以降、メルボルンの連邦銀行紙幣印刷所で製造された“オーストラリア クリスマス島”名義の切手が発行されました。 クリスマス島はオーストラリアで最もアジア寄りの土地のひとつであるため、1970年代からアジアの難民が漂着していおり、2001年12月には、島の西部マーレー・ヒルの鉱石採掘跡に応急処置的に非公式の受け入れ施設が作られました。これが、現在のクリスマス島移住受付処理センターの起源で、難民たちは同センターに数ヶ月間収容された後、国外(ナウル、パプアニューギニア)の収容所に移送され、難民認定や定住に向けた手続きが行われることになっています。 ★ 文化放送「おはよう寺ちゃん 活動中」 出演します!★ 1月31日(金)05:00~ 文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時のスタートですが、僕の出番は6時台になります。皆様、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。 ★★★ ツイキャス出演のお知らせ ★★★ 2月2日(日)21:55~ 拉致被害者全員奪還ツイキャスのゲストで内藤が出演しますので、よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。 ★★ イベント等のご案内 ★★ 今後の各種イベント・講座等の ご案内です。詳細については、イベント名・講座名をクリックしてご覧ください。 ・東アジア歴史文化研究会 2月13日(木) 18:30~ 於常圓寺祖師堂ホール 混迷を深める中東情勢を読み解く 参加費 2000円 詳細は、主催者(東アジア歴史文化研究会)まで、メール(アドレスは、e-asia★topaz.ocn.ne.jp スパム防止のため、ここでは、★を@に変えています)にてお問い合わせください。 ・よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 毎月第1火曜日 15:30~17:00 2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可) ★★ 内藤陽介の最新刊 『日韓基本条約』 ★★ 本体2000円+税 出版社からのコメント 混迷する日韓関係、その原点をあらためて読み直す! 丁寧に読むといろいろ々発見があります。 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2010-12-15 Wed 22:06
オーストラリア領のクリスマス島の海岸で、きょう(15日)、難民認定希望者を乗せたボートが悪天候の中で岩場に衝突して大破する遭難事故がありました。ボートはインドネシアの木造船で、子供や女性を含む最大80人が乗っていたもようで、現在までに27人の死亡が確認されています。というわけで、きょうはクリスマス島の切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1958年に発行されたクリスマス島最初の切手です。 クリスマス島は、インド洋にあるオーストラリア領の島で、パースの北西2360キロ、ジャカルタの南500キロの地点にあります。 クリスマス島には17世紀以来、西洋人が訪れていましたが、1887年にリンが発見されたのを機に、翌1888年、イギリス領に編入されました。郵便に関しては、1901年から、海峡植民地の切手が持ち込まれて使用されています。 第二次大戦中の日本軍占領時代を経て、1945年、クリスマス島はシンガポールの管轄下に置かれますが、実質的に同等の行政を担当したのはオーストラリアでした。こうしたこともあって、1957年、オーストラリアはシンガポール政府に290万ポンドを支払ってクリスマス島を買収。1958年10月1日付で、クリスマス島はオーストラリアの領地となり、同15日、今回ご紹介しているような発行されました。ちなみに、切手の製造はメルボルンの連邦銀行紙幣印刷所です。 クリスマス島はオーストラリアで最もアジア寄りの土地のひとつであるため、1970年代以降、アジアからの難民が漂着ないしは寄港する土地ともなっています。したがって、クリスマス島から紛争地域(=難民の発生する地域)宛に難民が差し出したと思しき郵便物が手に入れたいと考えているのですが、なかなかご縁がありません。もうじきクリスマスでもありますし、どなたかお譲りいただけませんかねぇ。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ マカオ紀行:世界遺産と歴史を歩く 彩流社(本体2850円+税) マカオはこんなに面白い! 30の世界遺産がひしめき合う街マカオ。 カジノ抜きでも楽しめる、マカオ歴史散歩の決定版! 歴史歩きの達人“郵便学者”内藤陽介がご案内。 全国書店・インターネット書店(amazon、bk1、boox store、coneco.net、DMM.com、HMV、JBOOK、livedoor BOOKS、Yahoo!ブックス、カラメル、紀伊国屋書店BookWeb、ゲオEショップ、ジュンク堂、セブンネットショッピング、丸善、楽天ブックスなど)で好評発売中! |
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