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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 NHK・BSプレミアム アーススキャナー
2017-08-30 Wed 10:00
 本日21:00-22:30、NHK・BSプレミアムで放送の「アーススキャナー~“空白地帯”の謎に迫る~」で“シーランド公国”の切手について、内藤が少しお話する予定です。(番組の詳細はこちらをご覧ください) というわけで、その予告編として、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      シーランド公国

 これは、1970年にシーランド公国の名義で発行されたイカの“切手シート”で、シートの余白には“公国”の紋章が入っています。

 第二次世界大戦中の1942年、英国は沿岸防衛の拠点として、英国沖10 km (英国の領海外)の北海上に海上要塞を建設。終戦まで、150から300人の海軍兵員が常駐していましたが、終戦後、要塞は放棄されたままになっていました。

 1967年9月2日、摘発された元英陸軍少佐で海賊放送を運営していたパディ・ロイ・ベーツは、放送法違反で摘発されると、英国の領海外に残されていた第二次大戦中の要塞跡に目をつけ、ここ逃げ込み、不法占拠します。そして、この要塞跡を“シーランド”と命名して独立を宣言し、自らはジョン・ベイツ公を名乗りました。これがシーランド公国です。

 当然のことながら、英国は要塞跡を不法占拠したベイツを退去させようとしますが、1968年11月25日、シーランドが英国の領海外にあり、また英国を含む周辺諸国が領有を主張していなかったことから、“シーランド”は英国司法の管轄外とする判決が下り、その後もベイツによる不法占拠は続きました。なお、現在に至るまで、ベイツのシーランド公国を正規の独立国として承認した国・地域はひとつもありません。

 1969年以降、ベイツはシーランド公国の存在をアピールするとともに、財源の一つとして、1969-70年、1975年、1977年、2010年、散発的に独自の切手を発行しました。その題材は、シーランドという国名にちなんで、ヴァスコ・ダ・ガマキャプテン・クックのような航海・探検家、帆船、海洋生物など、海にまつわるトピカル図案のモノが主流です。

 ただし、シーランド公国の“領土”は要塞跡550平米しかありませんので“国内”での郵便の需要はなく、また、独立国として承認されておらず、それゆえ、万国郵便連合にも加盟していませんので、シーランド切手は郵便には無効なラベルでしかありません。ただし、今回ご紹介のシートについては、本物の切手らしく見せるため、“消印”も印刷されています。なお、過去には、(おそらく)誤って、シーランド切手を貼ってベルギー・ブリュッセル宛に届けられた郵便物もあったと報告されています。
 

 ★★★ NHK・BSプレミアム 「アーススキャナー」  ★★★ 

 8月30日(水)21:00-22:30 NHK・BSプレミアムで放送予定の「アーススキャナー~“空白地帯”の謎に迫る~」で、シーランド公国の切手について、内藤が少しお話しますので、よろしくお願いします。番組の詳細はこちらをご覧ください。

 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  ★★★ 

 8月24日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第7回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、9月7日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。 

 なお、24日放送分につきましては、8月31日(木)19:00まで、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。


 ★★★ トークイベントのご案内  ★★★ 

      タウンミーティング in 福山

  2017年9月17日(日) 14:00~、広島県立ふくやま産業交流館で開催の「日本のこころタウンミ-ティング in 福山」に憲政史家の倉山満さんとトークイベントをやります。お近くの方は、ぜひ、ご参加ください。なお、イベントそのものの詳細は、こちらをご覧ください。
      
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      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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