fc2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
<!-【↓2カラムテーブルここから↓】-->
 世界海洋デー
2024-06-08 Sat 10:16
 きょう(8日)は世界海洋デーです。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・ヴァイキング船(2014)

 これは、2014年4月28日、ノルウェーが発行したヴァイキング船の切手です。切手に取り上げられている船は舳先にドラゴンの装飾がある“ドラゴン船”です。拙著『龍とドラゴンの文化史』ではドラゴン船の話題は取り上げませんでしたが、同書の続編を出すことがあれば、ぜひ入れたいですね。
 
 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(7日)のニッポンジャーナルの内藤出演回は無事に終了しました。次回は6月10日(月)に登場の予定です。引き続きよろしくお願いします。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 6月10日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル
 インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。

 6月14日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 7月4日(木) 19:00~ 日本ウイグル協会・追悼集会
 東京・四谷のTKPスター貸会議室 四谷2にて開催の緊急特別講演会「7.5ウルムチ虐殺から15年、中国のウイグル政策がどこへ向かうのか」(日本ウイグル協会主催)にて、「ウルムチ虐殺以降の中国のウイグル政策がどこに向かっているのか」と題して、内藤がお話します。参加無料。お申し込みなどの詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30
 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 

 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。

 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 好評発売中!★

      切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード

 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します!

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 ノルウェー産サーモンの“冤罪”晴れる
2020-06-18 Thu 00:07
 ノルウェー政府当局は、きのう(17日)、同国産サーモンが中国・北京の市場で発生した新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)の感染源でないとの認識で両国が一致したと明らかにしました。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・サーモン(1987)

 これは、1987年にノルウェーが発行した“ノルウェー・サーモン”の切手シートで、卵の採取→タンク内での養殖→生簀での飼育→市場への出荷のプロセスが田型連刷で表現されています。

 タイセイヨウサケ(アトランティック・サーモン)は、ノルウェーを含む北大西洋とその流入河川に広く分布するサケの一種で、体長は1.5m前後。紡錘形でやや側扁(左右に平たい)で、身体全体に斑文が散っています。一般に“サーモン”と呼ばれるのはこの種です。

 なお、天然もののサケ科の魚の体内にはアニサキスをはじめとする寄生虫がいるため、生食には適しません。このため、ノルウェーでは、、1970年前後から、生食でも安全なサケの生産を目指して、特殊な環境で寄生虫を排除してサーモンを育てはじめ、エサの開発や近代的な養殖法を確立しました。

 ちなみに、“ノルウェー・サーモン”は、アトランティック・サーモンのうち、エサや水などに関して一定の基準をクリアした環境で養殖された者に漬けられる、いわばブランド名です。

 さて、北京市では約2ヵ月にわたり新規感染者が出ていませんでしたが、6月11日、市内の北京新発地卸売市場から感染が拡大。このため、12日夜、新発地市場の張玉璽理事長は地元紙『新京報』のインタビューで、関連機関がサンプリング調査をした際、輸入サーモンを切ったまな板から新型コロナが検出され、そのサーモンは(北京の)京深海鮮市場から仕入れられたものだったと発言。これを受けて、13日、北京ではスーパーや日本料理店がサーモンを売り場から急ぎ撤去していました。

 ただし、今年4月、国連食糧農業機関、中国水産科学研究院など世界の16の機関が Asian Fisheries Science に発表した論文の中で、「魚類、甲殻類、軟体類と両生類を含む水産物が新型コロナに感染しうることを示す証拠はなく、したがってこれらの生物が新型コロナの感染源となることはない」と明確に述べているように、サーモンそのものが新型コロナウイルスの中間宿主になるのは考えにくいとみられています。また、新発地市場の汚染されたまな板についても、サーモンが流通過程で汚染されたのか、まな板の管理が不十分だったのかも現時点ではわかっていません。

 ところが、14日にドイツの公営テレビ・アルテが、ノルウェーのサーモン養殖場の衛生管理状態が悪いと報じたことから、新型コロナウイルスはあくまでも外来のものと主張したい中国政府の意を汲んだのか、中国の各メディアはこれを引用し、輸入サーモンの問題点を大々的に報じたことから、ノルウェー・サーモンへのバッシングが起こり、ノルウェーを含む欧州産サーモンの輸入も停止されました。

 今回のノルウェー政府の発表後、ノルウェーから中国へのサーモン輸出が一部再開されたものの、大半は停止したままだとか。ほんとうに、とんだ風評被害でお気の毒としか言いようがないですね。


★★ 『みんな大好き陰謀論』 7月4日刊行! ★★

 7月4日付で、ビジネス社より、新作『みんな大好き陰謀論』が刊行の予定です。表紙デザインは現在制作中ですが、すでに、版元ドットコムのページもできているほか、アマゾンでの予約も始まりましたので、よろしくお願いします。


★★  内藤陽介の最新刊 『日韓基本条約』 ★★

      日韓基本条約・表紙 本体2000円+税

 出版社からのコメント
 混迷する日韓関係、その原点をあらためて読み直す!
 丁寧に読むといろいろ々発見があります。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 スプレー缶の切手
2018-12-18 Tue 11:04
 札幌市豊平区の飲食店などが入る建物で16日夜に発生し42人が重軽傷を負った爆発事故で、飲食店の隣にある不動産店舗の従業員が「大量の除菌消臭スプレー缶に穴を空けてガス抜きをした後に爆発した」と話しており、このガスに何らかの原因で引火した可能性が高いとみられています。というわけで、きょうはこんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・スプレー缶

 これは、2000年6月2日にノルウェーで発行された“ノルウェーの発明”の切手で、エリック・ロートハイムによるスプレー缶(エアゾール)の発明が題材になっています。

 エリック・ロートハイムは、1898年9月19日、スウェーデンとの同君連合時代のクリスチャニア(現オスロ)で生まれました。1921年、スイスのチューリヒ工科大学を卒業。1925年にオスロで起業し、液化ガスあるいは圧縮ガスと使用目的の液体を弁を持つ容器に封入し、ガスの力によって使用目的の液体を弁から放出させる“エアゾール”を考案。1926年10月に特許申請を行い、1929年6月、ノルウェー国内の特許を獲得しました。今回ご紹介の切手の背景は、この時の特許状の文言(の一部)となっています。ちなみに、この間の1927年9月30日には、ロートハイムは米国でも特許申請を行っており、1931年4月7日付で特許を取得しました。

 特許申請中の1927年、ロートハイムはノルウェーの塗料メーカー“アルフ・ビャルケ”に対してエアーゾルの技術を提供し、塗料、ニスなどのスプレー缶を商品化しましたが、期待されたほどの売上がなかったため、1931年、ロートハイム・スプレー・システム社を創立し、国際市場での販売を開始しています。

 ロートハイムは1938年9月18日に亡くなりましたが、1940年代以降、米国で殺虫剤のスプレー缶が発売されると、その用途が急速に拡大。現在では、スプレー缶は人々の日常生活に欠かせないモノとして定着しました。
 
 さて、かつては、使用済みのスプレー缶は穴を空けて捨てるというのが一般的でしたが、現在では、「中身を使い切って、穴を空けずに透明または半透明の袋に入れてごみステーションへ」と捨て方が変更になっている自治体も多くなっています。いずれにせよ、スプレー缶を処分する際には、不用意に穴を空けず、専用のガス抜きキャップを使ってガスを抜く、火気のない風通しの良い屋外で作業するなどの基本的な注意事項をきちんと守らないといけませんね。


★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 3刷出来!★★

      表紙帯つき 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 
別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 きょうからムンク展
2018-10-27 Sat 07:14
 きょう(27日)から、東京・上野の東京都美術館で、ノルウェーの巨匠エドヴァルド・ムンクの作品約100点を紹介する「ムンク展――共鳴する魂の叫び」がスタートします。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・ムンクの「叫び」

 これは、2013年、ムンクの生誕150周年に際して発行された切手で、彼の代表作「叫び」の部分が取り上げられています。

 エドヴァルド・ムンクの代表作『叫び(Skrik)』は、「生命のフリーズ(フリーズは、柱列の上方にある横長の帯状装飾部分)」と題する作品群の一つで、最初の1枚は、ベルリン滞在中の1893年に油彩で制作されました。その後、ムンクは、同年と1895年にパステル、1895年にリトグラフ、1910年にテンペラで同じ題名、同じ構図による作品を描いており、全5点の「叫び」が存在しています。

 ムンクによれば、作品はフィヨルドの近くを歩いている時に「自然をつらぬく、けたたましい、終わりのない叫びを聞いた」体験を表現したもので、橋の上の男は叫んでいるのではなく、叫びに耐えかねて耳を押さえているさまが描かれています。

 今回のムンク展で展示されるのは、4バージョンある「叫び」のうち、ムンク美術館が所蔵する1910年のテンペラ画で本邦初公開。2004年8月に油彩画の『マドンナ』とともにノルウェーで盗難被害に遭い、2006年8月31日、2点ともオスロ市内で発見されたという経緯があるため、特に厳重な警備体制が敷かれているそうです。


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 切手でひも解く世界の歴史(13)
2017-12-28 Thu 09:37
 本日(28日)16:05から、NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第13回が放送される予定です。(番組の詳細はこちらをご覧ください)。今回は、現在公開中の映画『ヒトラーに屈しなかった国王』にちなんで、こんな切手もご紹介しながら、第二次大戦中のノルウェーのお話をします(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー亡命政府・国王肖像

 これは、1943年、ロンドンのノルウェー亡命政府が発行した国王ホーコン7世の肖像切手です。

 第二次大戦の勃発当時、ドイツはスウェーデンから大量の鉄鉱石を輸入していましたが、スウェーデン側の積出港ルーレオは冬季には凍結してしまい、隣国であるノルウェーのナルヴィク港を利用するしかありませんでした。

 このため、チャーチルは、ナルヴィク近郊のノルウェーの領海に機雷を設置するとともに、ナルヴィクを占領して、ドイツに対して打撃を与えるのみならず、当時、ソ連の侵攻を受けていたフィンランドを支援することを計画。1940年4月、ドイツの輸送船を攻撃するための機雷を設置するウィルフレッド作戦を開始しました。

 これに対して、ドイツは、海軍力に勝る英国よりも先にノルウェーを占領することで、鉄鉱石の輸入ルートを確保するとともに、北大西洋でのUボートなど海軍部隊の基地として活用しようと考えます。そして、1940年4月9日、“英仏の侵略から中立国を守るため”として、デンマーク(ノルウェー侵攻作戦の拠点とすることが目的でした)とノルウェーに侵攻しました。

 このうち、デンマークは、ドイツ軍のコペンハーゲン上陸からわずか2時間で降伏し、ドイツの保護国となります。

 一方、ノルウェーでは、4月9日、オスロ、クリスチャンサン、エゲルスン、トロンハイム、アーレンダールなど南部各地にドイツ軍が上陸作戦を開始。ドイツ軍が電撃作戦でオスロ以下の各都市を占領すると、親ナチ政党、国民連合のヴィドクン・クヴィスリングがクーデターを起こして自身を首相とする臨時政府の樹立を宣言し、ドイツ軍に対する一切の抵抗を止めるように呼びかけると同時に、「首相のヨハン・ニューゴースヴォルは抵抗を放棄し逃げ出した」と告げました。

 一方、国王とオーラヴ王太子(後の国王オーラヴ5世)、ノルウェー政府首脳はオスロを脱出してエーベルベームに逃れ、英国の支援を受けて激しく抵抗しました。ノルウェー軍は、ベルゲンの陸上砲台からの砲撃によってドイツ海軍の軽巡洋艦ケーニヒスベルクを損傷させたのをはじめ、ドイツの艦艇に大損害を与えます。また、4月13日には戦艦ウォースパイト、空母フューリアスを含む英国艦隊がナルヴィク沖に達し、ドイツ駆逐艦隊を攻撃して全滅させました。

 しかし、陸上での戦いは圧倒的にドイツ軍が有利で、4月末までにはノルウェーの大半はドイツ軍に占領されてしまいます。これに伴い、国王は、モルデ、トロムソへと逃れて抵抗を続けていましたが、5月10日、西部戦線でドイツ軍のフランス侵攻が始まり、6月5日にはイギリス軍はダンケルクからの撤退。こうなると、イギリスも本国の守りを固めざるを得なくなり、6月8日にはナルヴィクが陥落しました。

 国王と王太子は、ナルヴィク陥落前日の6月7日、イギリス重巡洋艦デヴォンシャーでトロムソを離れ、辛くも英国に逃れましたが、翌8日、ノルウェー軍はドイツ軍に休戦を申し込み、ノルウェーはドイツの傀儡、クヴィスリング政権の支配下に置かれることとなりました。

 一方、国王と王太子はロンドンに亡命政府を樹立し、レジスタンスを指導しました。また、王孫ハーラル(現国王ハーラル5世)とその母、姉妹たちは、国王より一足先にスウェーデンに亡命しましたが、ノルウェー本国では親独ヴィドクン・クヴィスリング政権がホーコン7世を廃位してハーラルを即位させようと画策。スウェーデン国内にもそれに同調する動きがあったため、母子は米国まで再亡命し、1945年までワシントンDCで過ごしています。

 1945年5月9日、ナチス・ドイツが降伏すると、クヴィスリング政権は崩壊。国王は、国民の歓呼の声の中、帰国を果たしました。ちなみに、クヴィスリングは国家反逆罪で逮捕された後、9月10日、裁判で死刑判決を受け、10月24日に銃殺刑が執行されました。
 

★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回は28日!★★

 12月28日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第13回が放送予定です。今回は、現在公開中の映画『ヒトラーに屈しなかった国王』にちなんで、第二次大戦中のノルウェーについてお話する予定です。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。


★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 ヒトラーに屈しなかった国王
2017-12-16 Sat 02:09
 第二次大戦中、ナチス・ドイツに最後まで抵抗し続けたノルウェー国王、ホーコン7世の実話を描いた映画『ヒトラーに屈しなかった国王』が、きょう(16日)から公開されます。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・ホーコン7世(1909)

 これは、1909年にノルウェーで発行されたホーコン7世の切手です。

 ホーコン7世は、1872年8月3日、デンマーク国王フレデリク8世の次男として生まれました。元の名はクリスチャン・フレゼリク・カール・ゲオルク・ヴァルデマー・アクセルで、カール王子と呼ばれていました。

 1905年、ノルウェーがスウェーデンとの同君連合を解消して独立するとノルウェー国王に選ばれ、ノルウェー風にホーコンと改名し、首都クリスチャニア(現オスロ)で即位します。

 ノルウェー国王となったホーコン7世は、外国人である自分が国民に受け入れられるよう努め、一般国民とも積極的に接しました。たとえば、バスに一人で乗った際、同乗の女性から「どこかでお見かけしたことがありますね」と言われ、 「国王のホーコンです。新聞で私の写真を見られたのでしょう」と応じたというエピソードや、ある男性を接見した際には、「すみません。私は王様とお話しすることに慣れていませんので…」と緊張している男性に対して「私もまだ国王になったばかりで、慣れていないのです」と応じたというエピソードなどは、国王の気さくな性格を物語るものとして知られています。

 ちなみに、今回ご紹介した切手の発行された1909年は、日本では、八甲田雪中行軍遭難事件が起きた年ですが、遭難のニュースを聞いたホーコン7世は「我が国で冬季に使っているスキー板があれば、このような遭難事故は起こらなかったのではないか」と考え、明治天皇宛にスキー板2台を事故に対する見舞いを兼ねて贈呈。これがきっかけとなり、日本とノルウェーのスキー交流が始まりました。

 こうして、もともとは“外国人”だった国王は、次第に、ノルウェー国民の敬愛を集めるようになります。そして、第二次大戦中の1940年、ドイツ軍の侵攻により、ノルウェーが占領されると、6月7日、国王はノルウェー政府とともにロンドンに亡命。「すべてをノルウェーのために」をスローガンとして“自由ノルウェー”を立ち上げ、BBCラジオを通じて、ノルウェー国民に希望を捨てないように訴え続けました。

 1945年5月8日、ドイツが降伏すると、亡命から5周年にあたる6月7日、国王はノルウェーに帰国。以後、1957年に崩御するまで、ノルウェー国民の精神的な支柱であり続けました。


★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” ★★★

 12月14日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」第12回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、12月28日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。
 
 なお、14日放送分につきましては、21日(木)19:00まで、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。


★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 “殺された”国王
2017-09-27 Wed 18:31
 ノルウェー最大級の通信社NTBが、きのう(26日)、「国王のハーラル5世が崩御」という誤報を各報道機関に送信。NTBはすぐに誤報を謝罪するという騒動がありました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・国王在位25年

 これは、昨年(2016年)1月11日、ノルウェーで発行された“国王ハーラル5世在位25周年”の記念切手です。

 ハーラル5世は、1937年、オーラヴ王太子(当時)とマッタ妃の第3子として生まれました。

 第二次世界大戦中、ノルウェーはナチス・ドイツに国土を占領され、当時の国王ホーコン7世(ハーラル5世の祖父)とオーラヴ王太子はロンドンに亡命政府を樹立し、レジスタンスを指導しました。一方、幼いハーラルと母、姉妹たちはスウェーデンに亡命しましたが、ノルウェー本国では親独ヴィドクン・クヴィスリング政権がホーコン7世を廃位してハーラルを即位させようと画策。スウェーデン国内にもそれに同調する動きがあったため、母子は米国まで再亡命し、1945年までワシントンDCで過ごしました。

 1957年9月21日、ホーコン7世の崩御により父のオーラヴ5世が即位すると、20歳で王太子となり、オスロ大学で学んだ後、兵役終了とともにオックスフォード大学ベリオール・カレッジに留学しました。

 ソニア王妃との結婚は1968年8月29日のことでしたが、王妃が平民(デパート経営者の娘)であったことから、政府と王室には慎重論が強く、2人の交際期間は9年にも及びました。この間、1959年に民間出身の皇太子妃を迎えた日本の皇室を先例として、関係者は協議を重ねたそうです。また、皇太子時代にはヨットの選手として、東京・メキシコ・ミュンヘンの3度の五輪に出場しています。

 1991年1月17日、オーラヴ5世の死去により、ノルウェー国王として即位。6月23日、トロンハイムのニーダロス大聖堂で戴冠式が行なわれました。今回ご紹介の切手には、その時のようすが取り上げられています。

 さて、国王は現在80歳の高齢で、2003年には膀胱癌の手術を受けています。こうしたこともあって、NTBは万一の場合に備えて「ノルウェーは悲しみに包まれている。国王ハーラル5世が崩御。XX歳。王はXXXX(日付)(自宅にて、病院にてなど) 時間XXX」との見出しをデータとして用意していたわけですが、今回は、それが単純な技術的ミスで一斉送信されてしまったのだとか。あらためて、電子メールが主流となった現在ならではの情報管理の重要性を痛感させられますね。


★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。
別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 小さな世界のお菓子たち:アイスクリームの切手
2017-07-09 Sun 08:34
 大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第36号(2017年夏号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・動物園(チンパンジー)

 これは、2016年にノルウェーが2016年に発行した“ディレパルク50年”の記念切手のうち、2段重ねのアイスクリームを持つチンパンジー(動物公園のイメージ)を描く1枚です。切手は、目打の型抜きをしたシール式で、国内向けの基本料金用(無額面の永久保証)となっています。

 北欧のノルウェーでは、アイスクリームは“イース(is)”と言い、コーン・タイプのアイスクリームはクローネイース、ソフトクリームはソフトイースと呼ばれています。

 このうち、コーン・タイプのクローネイースは、もともとは“王冠アイス”の意味です。これは、このタイプのアイスクリームを初めて売り出したメーカーの商標が王冠だったことによるものですが、現在では、メーカーを問わず、コーン・タイプのアイスクリームはこの名でよばれることになりました。なお、ノルウェーでは、通常、アイスクリームのコーンの内側にはチョコレートがコーティングされています。

 切手の題材となったディレパルケンは、ノルウェー南部の港湾都市、クリスティアンサンの中心部から東に11キロほどの場所にある動物公園とアミューズメント・パークの複合施設で、1966年6月26日にオープンしました。

 動物公園では、オオカミ、ヤマネコ、クズリ、トラ、ライオン、チーター、チンパンジー、シマウマ、オランウータンなど148種の動物を自然に近い状態で飼育しており、レクリエーション施設と組み合わせた構造になっています。60ヘクタールの敷地内には、このほか、ノルウェーを代表する児童文学作家、トールビョルン・エグネルの作品に登場する架空の町“カルダモン・タウン”を再現したアトラクションや、1995年にオープンした“キャプテン・サベルトゥース(同名の海賊を主人公としたノルウェーの人気ドラマ)”のテーマ・パークなどもあります。

 毎年7月、クリスティアンサンではノルウェー最大の音楽祭“クアルト祭”が開催されるため、これとあわせてディレパルクを訪れる観光客は100万人にもなるのだとか。ちなみに、切手に描かれたチンパンジーが着ているTシャツに入っている“ユリウス”は、7月生まれの人に多い名前です。ディレパルクの人出のピークが7月になることを意識してのデザインなのでしょうが、なかなか芸が細かいですね。


 ★★★ 全日本切手展のご案内  ★★★ 

 7月15-17日(土ー月・祝) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにオーストラリア切手展が開催されます。詳細は、主催団体の一つである全日本郵趣連合のサイトのほか、全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

      全日展2017ポスター

 *画像は全日展実行委員会が制作したチラシです。クリックで拡大してご覧ください。

 ことしは、香港“返還”20周年ということで、内藤も昨年(2016年)、ニューヨークの世界切手展<NEW YORK 2016>で金賞を受賞した“A History of Hong Kong(香港の歴史)”をチャンピオンクラスに出品します。また、会期中、16日(日)15:30~、展示解説も行いますので、皆様よろしくお願いします。


 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 

      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 世界の国々:ノルウェー
2015-12-23 Wed 10:57
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2015年12月23日号が先週刊行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はノルウェーの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・ミンククジラ

 これは、2000年に発行されたミンククジラの切手です。

 ノルウェー西岸では、夏になるとミンククジラがフィヨルド内にまで回遊してくるため、古くから捕鯨がさかんに行われ、鯨肉が食されてきました。初期の捕鯨は、網でフィヨルドの入口を封鎖して閉じ込め、小舟で近づいて毒矢でしとめるという方法でしたが、19世紀半ば以降、スヴェン・フォインが開発した捕鯨砲と動力式捕鯨船を使用した“ノルウェー式捕鯨”が世界各国に広がることになります。その後、ノルウェーの漁師たちは、ミンククジラを求めてアイスランド、さらには北極海にも進出しました。現在でも、ノルウェーは北東大西洋でのミンククジラの捕獲を継続しており、鯨はノルウェー国民の生活に欠かせない存在として、今回ご紹介のような切手も発行されたというわけです。

 さて、 『世界の切手コレクション』12月23日号の「世界の国々」では、ノルウェーの独立までの経緯とアムンセンの極地探検についての2本の長文コラムのほか、リレハンメル五輪、フィヨルド、作家イプセン、ムンクの『叫び』、ノルウェー・サーモンの切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。

 なお、僕が担当する「世界の国々」は、次回は12月22日発売の12月30日号でのオランダの特集になります。こちらについては、来週以降、このブログでもご紹介する予定です。
 

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 スピッツベルゲン
2015-12-20 Sun 16:12
 北極圏のスピッツベルゲン島西部のロングイェールビーンで、きのう(19日)、雪崩が発生して約10軒の民家が巻き込まれ、1人が死亡、9人が負傷したそうです。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々には心よりお見舞い申し上げます。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・スヴァールバル

 これは、1925年にノルウェーが発行した“スヴァールバル条約発効”の記念切手です。

 スヴァールバル諸島は北極圏のバレンツ海にある群島で、主島のスピッツベルゲン島をはじめとする不毛の島々から構成されており、スピッツベルゲン島最大の町であるロングイェールビーンは、人口1000人以上の町としても最北に位置しています。

 大航海時代の主役であったスペインとポルトガルが南回りの航路を独占したため、後発組の英国やオランダは北周りの航路を開発せざるを得ませんでしたが、その過程で、1596年、オランダ人探検家のウィレム・バレンツがスヴァールバル諸島を発見。さらに、その近海にホッキョククジラが多数生息していることが明らかになると、1611年、英国が同諸島の主島であるスピッツベルゲン島に大規模な捕鯨基地を設置すると、オランダやドイツ、ノルウェーやデンマークなどがこれに続きました。

 ただし、厳しい自然環境のゆえに沿岸部にしか人が訪れない状況が長らく続き、主島であるスピッツベルゲン島の内陸部に人類が初めて人が踏み入ったのは1896年のことです。

 20世紀以降は石炭の採掘がはじまり、米国、英国、スウェーデン、ロシア、ノルウェーなどの会社が進出するようになると、採掘権争いや労働争議などが起きるようになったため、1920年に調印されたスヴァールバル条約(わが国も原加盟国のひとつです)によって①スヴァールバル諸島をノルウェーの統治下におく、②全ての加盟国は同諸島で等しく経済活動を行う権利を有する、③同諸島は非武装地帯とすることなどが定められました。なお、条約の発効は1925年8月14日のことで、今回ご紹介の切手はそれを受けて発行されたものです。

 第二次世界大戦中はソ連に向けて英国の物資を輸送するルートの途上にあったため、連合国軍はスピッツベルゲン島を占拠しましたが、ドイツも同諸島第2の島である北東島に上陸して気象観測隊の兵士を送り込み、秘密裏に測候所を設置していました。ちなみに、1945年5月、ドイツ本国が降伏した後も北東島のドイツ軍測候所は活動を続け、同年9月4日、同島を訪れたノルウェーのアザラシ漁船の船長に降伏しました。これが、第二次世界大戦で最後に降伏したドイツ軍兵士とされています。

 スピッツベルゲン島といえば、最近では、映画『アナと雪の女王』の原案となったアンデルセンの童話『雪の女王』の舞台とされるとして紹介されることも多いのですが、日本人としては、2008年に世界の農作物種の保存を目的に同島に設置された“スヴァールバル世界種子貯蔵庫”のモニュメントを、日本人彫刻家の田辺光彰が手掛けたことも、同島の話題としてもっと注目されてよいのではないかと思います。

 
 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 南極の日
2015-12-14 Mon 11:02
 きょう(14日)は、1911年12月14日にノルウェーの探検家・アムンセンと4人の隊員が人類で初めて南極点に到達したことにちなみ、“南極の日”です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・アムンゼンの南極到達

 これは、1961年にノルウェーが発行した南極点到達50周年の記念切手で、南極点に立つアムンセン一行が描かれています。

 19世紀末のフリチョフ・ナンセンによる北極探検に刺激を受けて探検家になることを決意したロアール・アムンセンは、1897-99年にかけてベルギーの探検船ベルジカ号の航海士として南極海の航海に参加。流氷に閉じ込められ、結果的に、世界最初の南極越冬を体験することになりました。

 1903年、アムンセンは大西洋側からアメリカの北を回って太平洋側へ抜ける“北西航路”の航海の横断に向けて出発し、北極諸島を横断してアラスカに到達。1906年、3度の越冬の後、ベーリング海峡を通過し、アラスカ太平洋岸のノームに入港し、史上初の北西航路の横断航海に成功します。

 さらに、アムンセンはナンセンが北極探検に浸かっていたフラム号を譲りうけて北極点到達を目指しましたが、1909年4月6日にロバート・ピアリーが北極点に到達すると、目標を南極点に変更。1910年8月、ノルウェーを出航し、1911年1月14日、南極大陸に上陸。フラムハイム基地を建設し、越冬と探検の準備の後、4台の犬ぞりで同年12月14日、人類初の南極点到達を達成。翌1912年1月25日、フラムハイムに帰還しました。

 南極探検から帰還した後も、アムンセンはドルニエ・ワール飛行艇や飛行船ノルゲ号による北極点通過を行い、人類初の両極点到達など、探検家として精力的に活動していましたが、北極を飛行機で探検中の1928年、近くで遭難したイタリア探検隊の捜索に向かう途中で行方不明となり、現在にいたるまで、その遺体は発見されていません。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 ヘイエルダール100年
2014-10-06 Mon 23:05
 コンティキ号の航海で知られるノルウェーの人類学者・探検家のトール・ヘイエルダールが1914年10月6日に生まれてから、今日(6日)でちょうど100年です。というわけで、今日はストレートにこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ノルウェー・ヘイエルダール100年

 これは、今年(2014年)4月28日、ノルウェーで発行された“ヘイエルダール生誕100年”の記念切手のうち、航海中のコンティキ号を取り上げた1枚です。国内書状基本料金(20グラムまで)用の無額面永久保証切手ですが、ノルウェーの現行料金だと10クローネ(今日のレートで約160円)となります。

 さて、ヘイエルダールによるコンティキ号の航海は、南米のインカ文明とポリネシア文明との相似点が多いことから、ポリネシア人の祖先が南米から海を渡って渡来したインディオであるとの仮説を立証するため、インカを征服したスペイン人たちが描いた図面に忠実にいかだを作り、実際にいかだでの航海が可能かどうか検証するために行われました。なお、コンティキという船名は、インカ帝国の太陽神ビラコチャの別名にちなんだものです。

 いかだは、1947年4月28日(切手の発行はこの日附にちなんでいます)にペルーのカヤオ港を出発し、フンボルト海流にのって西進し、8000km弱を航海した後、1947年8月7日、仏領ポリネシアのツアモツ諸島ラロイア環礁で座礁。ポリネシア人の祖先がアメリカ・インディアンである可能性が否定できないことを明らかにしました。ただし、彼の航海は、実際には、軍艦に曳航されて陸地から約80kmの地点から漂流実験を開始しているなど、実験上の不備があったほか、現在では、遺伝子分析などの結果も踏まえて、古代社会において南米からポリネシアへの移住はなかったとする見方が支配的になっているそうです。

 ただし、自説の証明のために体を張って大海原に乗り出したヘイエルダールのチャレンジ精神については、研究上の成果という点はともかく、現在なお、多くの人が称賛を惜しまないのは周知の通りで、そのことが今回、彼の祖国ノルウェーでの記念切手発行につながったことは言うまでもありません。


 ★★★ インターネット放送出演のご案内 ★★★

      チャンネルくらら写真

 インターネット放送・チャンネルくららにて、10月第2週より、内藤がレギュラー出演する新番組「切手で辿る韓国現代史」が毎週水曜日に配信となります。とりあえず、10月4・5日は、その前宣伝として内藤のインタビューが配信となりました。前篇後篇、それぞれ、青字をクリックしていただけるとYoutube にて無料でご覧になれますので、よろしかったら、ぜひ、ご覧ください。(画像は収録風景で、右側に座っているのが主宰者の倉山満さんです)
 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 10月から、毎月1回(原則第1火曜日:10月7日、11月4日、1月6日、2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(詳細はそれぞれ講座名をクリックしてください)

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 初回開催は10月7日で、講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

 お待たせしました。約1年ぶりの新作です!

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 ノルディック複合で渡部が銀
2014-02-13 Thu 13:41
 きのう(現地12日)のソチ五輪は、ノルディックスキー複合の個人ノーマルヒルで渡部暁斗が銀メダルを獲得しました。この種目での日本勢の個人メダルは、1994年のリレハンメル五輪での河野孝典(銀メダル)以来、20年ぶりのことです。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       ノルディック複合・リレハンメル特印

 これは、前回、日本選手がノルディック複合でメダルを獲得したリレハンメル五輪の際に、現地で使われた記念印のうち、ノルディック複合をデザイン化したものです。ちなみに、押印に使われた切手は、開催国ノルウェーが1992年に大会の事前周知を兼ねて発行した記念切手で、消印の日付の2月18日はノルディック競技が行われた当日です。

 ノルディック複合(ノルディック・コンバインド)は、クロスカントリースキーとスキージャンプを組み合わせて行う競技で、クロスカントリーでは持久力、ジャンプでは瞬発が求められることから、総合的な運動能力を競う者となっており、ヨーロッパではこの種目の王者は“キング・オブ・スキー”と呼ばれています。

 ノルディックスキーの世界選手権は、1924年にフランスで行われたシャモニー五輪を第1回大会として、以後、1939年まで毎年開催されていました。第二次欧州大戦による中断を経て、1948年以降は偶数年に1度の開催で、1984年のサラエボ五輪までは、五輪開催年は五輪と世界選手権を兼ねての開催となっていました。その後、1985年からは奇数年に1度の開催となり、昨年(2013年)はイタリアのヴァル・ディ・フィエンメで開催され、今回銀メダルを獲得した渡部選手は個人ノーマルヒルで9位という成績でした。

 クロスカントリースキーのみを描いた切手やジャンプのみを描いた切手というのは沢山あるのですが、1枚で両方を取り上げた切手は意外と少なく、日本では発行されていません。そこで、どうやって日本選手と関連づけようかと考えて、今回は、前回のメダル獲得時にちなむモノをご紹介したという次第です。


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は3月4日13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。(4月以降の講座については、近々、ご案内いたします)


 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★

 『蘭印戦跡紀行』広告

 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
 ノルウェーの総選挙
2009-09-14 Mon 22:31
 任期満了に伴うノルウェー議会(定数169)選挙の投票が、一部を除き、きょう(14日)行われます。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

 ノルウェー議会100年

 これは、1984年11月15日にノルウェーが発行した“議会制度100年”の記念切手で(ということは、今年はノルウェー議会125周年ということになりますな)、第1回議会開会の時のようすが取り上げられています。

 立憲君主国のノルウェーでは、1814年憲法では「議会または首相を含む内閣は国王により任命される」とされていましたが、1884年の憲法改正で、内閣の発足には議会の承認が必要とされるようになり、議院内閣制が成立して、国王による内閣の任命は形式的なものとなりました。今回ご紹介の切手の場合も、議院内閣制100年というほうがしっくりくるかもしれません。

 ノルウェーの国会は2院制なのですが、4年に1度、全議員165名を19の州から比例代表制選挙で選び、選挙後、当選議員を両院に割り振るという変則的な制度となっています。わが国でいうと、衆参ダブル選挙をやって当選するまでは、衆議院議員になるのか参議院議員になるのかわからない、という感じですな。まぁ、真に両院が対等で、議員は国家全体のために働くというのであれば、それでも問題がないような気もしますが…。

 改選以前の議席数は、ストルテンベルグ首相率いる労働・左派社会・中央3党による中道左派連立政権が87に対して、保守・キリスト教民主・自由・進歩の野党4党が82となっていますが、各種世論調査による予想だと、与党3党が84、野党4党が85と両者は完全に伯仲しています。

 ところで、福祉国家として名高い北欧諸国でも、高福祉を維持するための過重な負担に反発する国民が福祉政策の見直しを求めることが多く、主要国で唯一左派政権が残っているのがノルウェーだけなのだとか。 わが国では、あさって(16日)にも“中道左派”の民主党政権が発足しようかという状況ですが、次の選挙では与野党伯仲という状況になるのかどうか…。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★  
   
 異色の仏像ガイド決定版 
 全国書店・インターネット書店(アマゾンbk17&Yなど)・切手商・ミュージアムショップ(切手の博物館ていぱーく)などで好評発売中!

 切手が伝える仏像  『切手が伝える仏像:意匠と歴史』 彩流社(2000円+税)       

 300点以上の切手を使って仏像をオールカラー・ビジュアル解説
 仏像を観る愉しみを広げ、仏教の流れもよくわかる!
別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:1 | top↑
 北極の日
2009-04-06 Mon 22:50
 きょうは、いまから100年前の1909年4月6日にアメリカの探検家ロバート・ピアリーが北極点に“到達”したことにちなみ、“北極の日”なんだそうです。というわけで、北極がらみの切手の中から、こんなモノをもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 アムンゼンの熊

 これは、1925年、ノルウェーが自国の探検家ロアール・アムンセン(日本では英語読みのアムンゼンと呼ばれることが多いようですが、言語ではアムンセンと濁らないようです)の北極飛行を支援するために発行した切手の1種で、ホッキョクグマと飛行機が描かれています。

 アムンセンといえば、1911年12月14日、人類初の南極点到達を果たしたことで有名ですが、彼のそもそもの目的地は北極点到達でした。ところが、1909年4月のピアリーによる北極点到達の知らせを知り、目標を南極点に変更し、結果的に、偉業を達成することになったというわけです。なお、ピアリーに先を越されたので行き先を変更したというのではスポンサーを納得させるのは難しいと考えたのか、当初、彼は「南極点に到達したのち北極探検」として計画を拡大したと主張しています。ただし、北極点に最初に到達したとされるピアリーですが、実際に彼が到達したのは北極点から6キロの地点だったことが後になって判明。したがって、アムンセンが本当に北極点を目指していたら、ピアリーの業績というのは否定されることになっていたかもしれません。

 南極探検から帰還した後、アムンセンはドルニエ・ワール飛行艇や飛行船ノルゲ号による北極点通過を行い、人類初の両極点到達など精力的に活動しました。しかし、北極を飛行機で探検中の1928年、近くで遭難した飛行船イタリア号によるイタリア探検隊の捜索に向かう途中で行方不明となっています。

 それにしても、この切手は切り絵風のデザインがなんともいい雰囲気ですな。こういう切手を見るにつけ、北欧のデザインセンスには素直に感心させられます。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★  
   
 誰もが知ってる“お年玉”切手の誰も知らない人間ドラマ 好評発売中!
  
 年賀切手   夕刊フジ(イメージ)  『年賀切手』   日本郵趣出版 本体定価 2500円(税込)
 
 年賀状の末等賞品、年賀お年玉小型シートは、誰もが一度は手に取ったことがある切手。郷土玩具でおなじみの図案を見れば、切手が発行された年の出来事が懐かしく思い出される。今年は戦後の年賀切手発行60年。還暦を迎えた国民的切手をめぐる波乱万丈のモノ語り。戦後記念切手の“読む事典”<解説・戦後記念切手>シリーズの別冊として好評発売中!
 1月15日付『夕刊フジ』の「ぴいぷる」欄に『年賀切手』の著者インタビュー(右上の画像:山内和彦さん撮影)が掲載されました。記事はこちらでお読みいただけます。

別窓 | ノルウェー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
<!-【↑2カラムテーブルここまで↑】-->
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/