2024-02-04 Sun 12:09
英領・北アイルランドの自治政府の首相に、きのう(3日)、シンフェイン党のミシェル・オニール副党首が選出されました。“アイルランド統一”を掲げるシンフェイン党の政治家が北アイルランド自治政府の首相に就任するのはこれが初めてです。というわけで、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1916年にシンフェイン党が制作した切手状のプロパガンダラベルで、アイルランドの象徴として、聖パトリックにちなむケルト十字が大きく描かれており、少し見づらいですが、“Sinn Fein”の文言も見えます。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 2月8日(木) 10:00~ ニッポンジャーナル インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。 2月9日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『龍とドラゴンの文化史』 好評発売中!★ 辰年にちなんで、中国 の龍を皮切りに、 日本 、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について、そのベースとなる文化史や興味深いエピソードなどを切手とともにご紹介します。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2023-03-17 Fri 02:00
きょう(17日)は、セント・パトリックス・デー(アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日で、アイルランド最大の祝祭日)です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1937年9月8日にアイルランドが発行した“聖パトリック”の切手です。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 2023年3月24日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 4月8日スタート! 平成日本の歴史 4月8・15・22日 13:30-15:00 文京学院大学での3週連続の講座です。1989年に始まる平成30年間の日本現代史をさまざまな角度から語ります。一般的な通史に加え、その時々の時代・社会の変化を切手や郵便物を通じて読み解くことで、モノから読み解く歴史の面白さを感じていただきます。詳細はこちらをご覧ください。 4月30日(日) 英秘密情報部(MI6)入門 4月30日(日) 13:00~14:30 よみうりカルチャー荻窪での公開講座です。 映画「007シリーズ」などにも名前が出てくる英秘密情報部(MI6)について、実際の歴史的事件とのかかわりなどを中心にお話します。詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 北千住 エリザベス女王の現代史 原則毎月第4土曜日 13:00~14:30 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 3月20日発売!★ 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 ★ 『なぜレジ袋は「有料化」されたのか』 好評発売中! ★ 関係省庁、政治家、業界団体等が国民が知らないところで粛々と作り続けているさまざまな規制。「レジ袋の有料化」という規制ができるまでの政治的・行政的プロセスを詳細に分析し、規制の新設防止、そして規制廃止を訴える。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2021-10-30 Sat 01:04
大手製菓メーカー(株)ロッテのウェブマガジン『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』での僕の連載、「お菓子の切手」の最新記事がアップされました。今回は、明日のハロウィンにちなんで、こんなモノを取り上げています。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1987年にアイルランドが発行した“子供向け塗り絵”の絵はがきで、仮装姿のまま、アイルランドのハロウィンの定番、アップル・ボビングを楽しむ子供たちの姿が取り上げられています。 かつて、アイルランドの古代ケルト人たちの間では、毎年10月31日を収穫期の終わりとし、翌日の11月1日を新年の始まりとして焚火と饗宴などで祝う“サウィン(サヴァンとも)”の儀式が行われていました。 彼らは、サウィンの日とその前日には現世と来世を分ける境界が弱まるため、死者の魂が墓からよみがえり、生前の住まいに戻ると信じていました。日本でいえば、お盆の時期に地獄の釜の蓋が開いて、ご先祖様が戻ってくるというのと同じ感覚といっても良いかもしれません。 このため、サウィンの前夜は“ハロウ・イヴ”という名で精霊たちを祭る夜とされており、この日に戻ってくる死者の魂は、幽霊や妖精、ゴブリン、悪魔などの姿をしているため、彼らが家に戻ってきた時に機嫌を損ねないよう、人々は食べ物や飲み物を出し、彼らが帰る時に冥界に連れていかれぬよう、彼らの仲間を装って不気味な仮装をして身を隠していました。 ところで、カトリックを含むキリスト教の宗派の多くでは、各々の聖人にその聖人を守護聖人とする祝日を割り当てていますが(その最も有名なのが聖ヴァレンティヌスに捧げられた2月14日のヴァレンタイン・デーです)、西暦4世紀頃から、1年のある1日にすべての聖人と殉教者を祝う“諸聖人の日(万聖節)”の習慣が始まります。当初、その日付は5月13日だったようですが、西暦5世紀、アイルランドにカトリックのキリスト教が伝わると、サウィンの風習はキリスト教に取り込まれ、11月1日が“諸聖人の日”となりました。その前夜祭として、ハロウ・イヴから変化したのが、現在のハロウィンです。 ハロウィンの習慣は、1605年11月5日に“ガイ・フォークスの乱(イングランドで弾圧されていたカトリックの過激派がロンドンの国会議事堂を火薬で爆破し、政府転覆を狙ったものの未遂に終わった事件)”を機にイングランドでは廃れていきますが、アイルランドではその伝統が守られ、19世紀以降、多くのアイルランド移民が米国に渡ったことで、20世紀以降、米国の習慣として定着していきました。 ちなみに、「お菓子をくれないといたずらするよ(Trick or Treat!)」と言って子供たちが近所を回り、お菓子をもらう風習ですが、こちらは、ハロウィンの時期に、貧しい人たちがお祈りを捧げるとソウル・ケーキ(カトリックでは、死者を偲ぶ記念日に食べる習慣があります)を与えられていたことにちなみ、1950年代、米国の製薬会社や映画会社、テレビ局などが販促キャンペーンに利用したことで広がりました。 さて、ハロウィンに関する切手というと、その多くはカボチャのランタンを描くもので、残念ながら、「トリック・オア・トリート」のお菓子に関するものはありません。ただし、官製絵葉書にまで範囲を広げてみると、今回ご紹介のグリーティング葉書がありました。 葉書の裏面(絵面)は、“ハッピー・ハロウィン”の文言の下、仮装して遊んでいる子供たちが白黒の線のみで描かれています。表面(印面側。下に画像を貼っておきます)に“キディ・カラー・カード”とありますので、子供たちに塗り絵を楽しんでもらい、それを送りあうことで、郵便に関心を持ってもらおうという趣旨で発行されたものと思われます。印面は子供が差し出すことを意識して、アイルランドのシンボルカラー、緑の背景に線画のピエロが描かれています。おそらく、この葉書に関しては印面部分も塗り絵として楽しんでもらおうということなのでしょう。ただし、通常の葉書の場合、利用者が勝手に印面に色を塗ったり、文字などを書き加えたりすると、葉書としては無効になりますので、ピエロの部分に色を付けた状態で海外に送ると、国によっては料金未納の扱いになりかねません。このため、この葉書に関してはアイルランド国内宛にのみ有効とされています。 裏面の塗り絵は、アイルランドのハロウィンでは定番となっている“アップル・ボビング(たらいに張った水に浮かべたリンゴを口だけで取り出すゲーム)”の光景を描いています。ヨーロッパの気候では、リンゴは10月頃に熟すので、現在でもアイルランドの一部地域では11月1日を“リンゴの日”として、その収穫を祝う各種イベントが行われているので、ハロウィンとリンゴは定番の組み合わせというわけです。 右端に立っているウサギ姿の子供が手に持っているのは、おそらく、リンゴ飴でしょう。シロップや飴などでリンゴの実をコーティングし、手で持つための棒を取り付けたリンゴ飴は、もともと、収穫祭のお菓子として作られていたものですから、塗り絵の題材としてもぴったりです。 また、左下にはリンゴに交じって、包み紙に包まれたキャンディーもいくつか転がっています。おそらく、近所を回ってもらってきたものでしょう。 画面の中央で四つん這いになっている男の子が髑髏の仮面をずり上げているところなどからすると、お菓子をもらって帰ってきた子供たちが、着替えもせず、すぐに部屋の中でアップル・ボビングを始めてしまった…はしゃぐ子供たちの声まで聞こえてきそうな1枚です。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内★ 11月1日(月) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。 全国切手展<JAPEX 2021> 於・都立産業貿易センター台東館 毎年恒例、全国切手展<JAPEX>ですが、今回は会期中、以下の2回のトークイベントに登場します 11月6日(土) 11:00~ 「切手でたどる郵便創業150年の歴史Vol.2 戦後編」 * 11月20日付で刊行の『切手でたどる郵便創業の歴史』第2巻の会場内先行販売を兼ねた出版記念イベントで、同書の内容の一部をご紹介します。 11月7日(日) 13:00~ 「アフガニスタン現代史」 * 12月上旬にえにし書房から刊行予定の「アフガニスタン近現代史(仮)」の事前プロモーションを兼ねたイベントです。 両イベントとも、イベントそのものは事前予約不要・参加費無料ですが、会場の切手展へは入場料が必要です。切手展の詳細は、主催者サイトをご覧ください。 ★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』 11月20日刊行! ★ 2530円(本体2300円+税) 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第2巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱った第1巻に続き、第二次大戦後の1946年から昭和末の1989年までを扱っています。なお、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。 |
2019-09-29 Sun 04:57
現在開催中のラグビーW杯は、きのう(28日)、世界ランク9位の日本が、同2位で優勝候補のアイルランドに19-12で勝利する大金星を挙げました。日本は、これまでアイルランドと通算で10戦していますが、今回が初勝利です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、今年(2019年)8月28日、アイルランドが発行した“2018年度ラグビー年間最優秀監督・選手”の記念切手で、最優秀監督に選ばれたラグビーアイルランド代表ヘッドコーチのジョー・シュミットと、最優秀選手に選ばれたジョニー(本名はジョナサン)・セクストンが取り上げられています。 ジョー・シュミットは、1965年、ニュージーランドのノースランド地方カワカワで、ポーランド系の家庭に生まれました。 ニュージーランドのトップ・リーグであるNPCのマナワツで、WTBとして29試合に出場した後、ニュージーランド高等学校代表男子ラグビーチームアシスタントコーチを4期務め、2003-04年シーズンにNPCのベイ・オブ・プレンティのコーチに就任。2004-07年シーズンは、ブルース(スーパーラグビーに参加するニュージーランドのラグビーチーム)のアシスタントコーチを務め、2007年シーズンにはチームを4強に育て上げました。こうした実績が買われて、2007年、フランスのASMクレルモン・オーヴェルニュのバックス担当コーチとして招聘され、2009-10年のトップ14でのチーム優勝に貢献。さらに、レンスターのヘッドコーチに就任し、2010-11年および2011-12年シーズンの2期連続でハイネケン・カップ優勝を果たしました。 その後、いったん帰国しましたが、2013年、アイルランド代表ヘッドコーチに就任。2014-15年に2年連続でシックス・ネイションズで優勝。また、2016年には、111年に及ぶアイルランドのラグビー史上初めてニュージーランド代表に勝利しています。その後、2018年にはシックス・ネイションズで全勝優勝を果たしたほか、ニュージーランド戦では2勝目を挙げ、ワールドラグビー年間最優秀監督賞と最優秀チーム賞を受賞しました。また、今回ご紹介の切手が発行された直後の2019年8月31日にはウェールズ戦で勝利し、アイルランドを史上初めて世界ランク1位に押し上げましたが、今回のW杯終了後の引退を表明しています。 一方、最優秀選手賞のジョニー・セクストンは、1985年、ダブリン生まれ。アイルランド高校代表、21歳以下代表などを経て、2009年11月、フィジー戦でアイルランド代表デビュー。さっそく、その試合では16得点を挙げて、最優秀選手に選ばれました。アイルランド国内のプロ選手としては、2006-13年にレンスターでプレーして1000得点を達成。その後、フランスのラシン92に移籍しましたが、2015年にレンスターに復帰しています。また、2018年、アイルランドが全勝優勝を果たしたシックス・ネイションズでは、優勝の原動力として活躍しました。当然のことながら、今大会にもアイルランド代表の司令塔として参加していますが、21日のスコットランド戦(27-3でアイルランドが大勝)で大腿四頭筋を痛め、昨日の試合は欠場しています。 * 昨日(28日)、イオンコンパス東京八重洲にて開催のインド太平洋研究会第3回オフラインセミナーは、無事、盛況のうちに終了しました。お集まりいただいた皆様、開催の労を取ってくださったスタッフの方々には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。 ★★ 講座のご案内 ★★ 10月からの各種講座のご案内です。詳細については、各講座名をクリックしてご覧ください。 ・よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 毎月第1火曜日 15:30~17:00 10/1、11/5、12/3、1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可) ・武蔵野大学生涯学習秋講座 飛脚から郵便へ―郵便制度の父 前島密没後100年― 2019年10月13日(日) (【連続講座】伝統文化を考える“大江戸の復元” 第十弾 全7回) 切手と浮世絵 2019年10月31日 ー11月21日 (毎週木曜・4回) ★★ 内藤陽介の最新刊 『チェ・ゲバラとキューバ革命』 好評発売中!★★ 本体3900円+税 【出版元より】 盟友フィデル・カストロのバティスタ政権下での登場の背景から、“エルネスト時代”の運命的な出会い、モーターサイクル・ダイアリーズの旅、カストロとの劇的な邂逅、キューバ革命の詳細と広島訪問を含めたゲバラの外遊、国連での伝説的な演説、最期までを郵便資料でたどる。冷戦期、世界各国でのゲバラ関連郵便資料を駆使することで、今まで知られて来なかったゲバラの全貌を明らかする。 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2019-02-25 Mon 01:59
きょう(25日)は、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』の奥付上の刊行日です。というわけで、プロフィール画像にも使っている表紙カバーで取り上げた切手についてご説明いたします。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2017年10月5日、アイルランドが発行した“チェ・ゲバラ没後50年”の記念切手のシート(初刷り)で、ジム・フィッツパトリックの制作した肖像画「英雄的ゲリラ」が取り上げられています。今回の拙著の表紙では、単片ではなく、シートの写真をトリミングして使いましたので、このブログでも景気よくシートをご紹介しました。 ゲバラの曾祖父にあたるファン・アントニオ・ゲバラは、もともと、アルゼンチンで生活していました、19世紀半ばのゴールドラッシュ時代にカリフォルニアに移り、同地で祖父のロベルトが生まれます。ロベルトはカリフォルニアでメキシコ出身のアイルランド系女性、アナ・リンチと結婚し、1900年、ゲバラの父にあたるエルネスト・ゲバラ・リンチが生まれたという系図になりますので、ゲバラ本人はアイルランド系の血を引いていることになります。 一方、ゲバラの肖像画として最も有名な「英雄的ゲリラ」を制作したジム・フィッツパトリックは、1946年、アイルランドのダブリン生まれ。ゴーマンストン・カレッジ在学中の1967年からグラフィック・アーティストとして活動していましたが、1967年10月、ゲバラの訃報を知ってゲバラの肖像ポスター制作を決意。翌1968年、左派色の強いドイツの雑誌『スターン』に掲載されていたアルベルト・コルダ撮影の「英雄的ゲリラ」をもとに、目線を少し上方に修正し(これにより、ゲバラの表情は、十字架の上で天上を見上げるキリストを連想させるものとなりました)、髪型も若干変更して、赤・黒2色のシルクスクリーンのポスターを制作しました。ポスターは初刷り1000部で、帽子の黄色い星はフィッツパトリックが自らマーカーを使って彩色したそうです。 1000部のポスターは、当初、販売目的で英国全域に配布されましたが、すぐに、英国、アイルランド、フランス、オランダ、スペインなどの左翼活動家向けに原則として無償配布され、特に、フランスでは、折からの五月革命で大いに人気を博し、彼の作品が全世界に拡散していく大きな契機となりました。 アイルランド郵政としては、ゲバラがアイルランド系の血筋であることに加え、20世紀のポップ・アートを代ひょする肖像画「英雄的ゲリラ」の作者、フィッツパトリックがアイルランド人であることから、ゲバラ没後50年の記念切手を発行したわけですが、この切手は、そのデザイン性の高さもあって、用意された12万2000シートはすぐに完売し、アイルランド郵政は、急遽、増刷しています。 ちなみに、初刷りの切手と増刷分とでは、シートから切り離した単片の状態では肉眼での識別はほぼ不可能ですが、シートの状態であれば、初刷りの耳紙には1A、増刷分には1Bの表示があるので簡単に識別可能です。(下に、それぞれの耳紙部分を示しておきます) ところで、アイルランドが発行した“チェ・ゲバラ没後50年”の記念切手は大いに人気を博する一方で、少なからぬ人たちから強い反発を招いています。 たとえば、アイルランド国内では、フィナ・ゲール党の上院議員、ニール・リッチモンドが、ゲバラをカンボジアのポル・ポトやルーマニアのニコラエ・チャウシェスクと比較したうえで「ゲバラは“階級の敵”と見なした何百人もの人を尋問し、投獄し、処刑した野蛮な男だ」、「彼は、(アイルランド国家の名を冠した切手に取り上げられるような)栄誉には最もふさわしくない人物だと、断固確信している」とアイルランド郵政を批難。また、亡命キューバ人コミュニティを擁するマイアミではこの切手に対する反発が特に強く、フロリダ州18区から選出されている米下院議員(共和党)で下院外交委員長のイリアナ・ロス=レイティネンもゲバラ切手には不快感をあらわにし、「(切手の発行は)ゲバラが“屠殺”した多くの人命に対するグロテスクな侮辱である」と激しく批難しています。 さて、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』では、このように、没後半世紀を経てなお毀誉褒貶が激しいゲバラについて、彼の生涯のみならず、彼の死後、「英雄的ゲリラ」が革命の聖像として神格化され、全世界に拡散していくプロセスについてもまとめています。機会がありましたら、ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。 * 昨日(24日)、アクセスカウンターが202万PVを超えました。いつも閲覧していただいている皆様には、あらためてお礼申し上げます。 ★★ 内藤陽介の最新刊 『チェ・ゲバラとキューバ革命』 2月25日発売!★★ 本体3900円+税 【出版元より】 盟友フィデル・カストロのバティスタ政権下での登場の背景から、“エルネスト時代”の運命的な出会い、モーターサイクル・ダイアリーズの旅、カストロとの劇的な邂逅、キューバ革命の詳細と広島訪問を含めたゲバラの外遊、国連での伝説的な演説、最期までを郵便資料でたどる。冷戦期、世界各国でのゲバラ関連郵便資料を駆使することで、今まで知られて来なかったゲバラの全貌を明らかする。 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2017-12-22 Fri 11:41
きょう(22日)は冬至です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1983年にアイルランドが発行したヨーロッパ切手のうち、ニューグレンジ遺跡の渦巻き模様を取り上げた1枚です。 ニューグレンジ遺跡は、アイルランド東部、ミース州にある先史時代の遺跡の1つで、差し渡し76メートル、高さ12メートル。塚の内部には18メートル以上の通路が真っ直ぐ伸びていて、その先端に十字型の部屋があり、冬至の明け方のごく短時間のみ、太陽光が長い羨道に真っ直ぐ入射し、部屋の床を照らすように建設されていることで知られています。 放射性炭素年代測定によれば、ニューグレンジは約5000年前の建設で、エジプトのギーザの大ピラミッドよりも500年、ストーンヘンジよりも約1000年古く、アイルランド神話によれば、ダグザ神が建てたものを、息子オェングスが後に父からそれを騙し取り、後に妖精の塚として、トゥアハ・デ・ダナーンが住んでいたとされています。 ただし、建設後間もない時期に塚が崩れたため、ながらく土中に埋もれていましたが、1699年夏、この地の領主であったチャールズ・キャンベルの使用人たちが建材用の石を探していた際に、入口にあった彫刻が施された石を発見。報告を受けたキャンベルはウェールズのエドワード・ルイドに調査を依頼し、その存在が明らかになりました。 1962-75年にはユニバーシティ・カレッジ・コーク考古学科による発掘と復元が行われ、ほぼ垂直な鉄筋コンクリートの壁を塚の入り口から両側に建設し、そこに石壁を形成する白い珪岩などを固定する作業が行われました。その間の1967年12月21日、冬至の明け方に太陽光が差し込むイベントが初めて観測されており、今年はそれから50周年にあたります。 ニューグレンジの入口には巨大な石の平板が置かれており、渦巻き模様と菱形紋の彫刻が施されています。このうち、3つの渦巻き模様は通路や石室内、縁石などにも施された、ニューグレンジ特有のもので、マン島、シチリア、北ウェールズのアングルシー島の羨道墳などに見られる三脚巴との類似が指摘されています、 ★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回は28日!★★ 12月28日(木)16:05~ NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第13回が放送予定です。今回は、現在公開中の映画『ヒトラーに屈しなかった国王』にちなんで、第二次大戦中のノルウェーについてお話する予定です。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。 ★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★ 本体2500円+税 【出版元より】 中東100 年の混迷を読み解く! 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史! 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2017-03-17 Fri 18:29
きょう(17日)は、セント・パトリックス・デー(アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日で、アイルランド最大の祝祭日)です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1847年にアイルランドで発行されたセント・パトリックス大隊150年の記念切手です。 1836年にメキシコから独立したテキサス共和国は、当初から、米国との統合を求める声が強かったものの、米議会では併合慎重派が多数を占めていました。ところが、1844年の米大統領選挙で、テキサス併合を公約に掲げるジェイムズ・ポークが当選。1845年2月、米議会は「1846年1月1日までにテキサス共和国が併合を承認すれば、州として連邦への加盟を認める」とする決議を採択する。これを受けて、テキサス議会は米国への併合に同意。1845年12月、ポークはテキサスを合衆国の州として受け入れる法案に署名します。 テキサスを併合した米国は、その西側の領土の買収もメキシコに持ちかけましたが、メキシコはこれに猛反発し、1846年5月、米墨戦争が勃発します。 ところで、開戦後、プロテスタントが主流を占める米軍は、メキシコのカトリックの教会に避難していた人々に対して、容赦なく発砲。このため、もともと、米国社会で不遇をかこっていたアイルランド系カトリック兵約500名は米軍を離脱し、カトリックの進行を同じうするメキシコ軍に合流。彼らは、1846年9月21日のモンテレーの戦い以降、ジョン・ライリー司令官の下、メキシコ軍の砲兵隊“セント・パトリックス大隊(スペイン語名:サン・パトリシオス)”として戦いました。 セント・パトリックス大隊は、多くの犠牲を出しながらも勇敢に戦いましたが、1847年8月20日のチュルブスコの戦いでは35名の戦死者を出して敗北し、85名が米軍の捕虜となり、“脱走兵”としてタクバヤおよびサンアンヘルの軍事裁判にかけられました。ちなみに、米墨戦争中の米軍の脱走兵は9000人以上いましたが、軍事裁判にかけられて処罰の対象となったのはセント・パトリックス大隊のメンバーだけでした。 裁判の欠陥、タクバヤの法廷で30名が、サンアンヘルの法廷で20名が反逆罪として絞首刑の判決を受け、1847年9月10日、刑が執行されました。その他の者には、米軍の軍歴がなかった(=“脱走兵”にはならない)ことが証明されて無罪となった2名を除き、裸の背中に50回、鞭打ちをした後、脱走兵(deserter)を示すDの文字を焼き付け、戦争が続いている間は首の周りに鉄のくびきをつけるという判決が下されています。 米墨戦争は、最終的に、米国の勝利に終わり、1848年2月に結ばれたグアダルーペ・イダルゴ条約により、メキシコは、リオ・グランデ以北、テキサスからカリフォルニアまでの広大な領土をわずか1500万ドルで米国に売却させられました。戦後の1850年、メキシコ軍は、正式に、セント・パトリックス大隊の任を解きましたが、現在なお、メキシコ・アイルランド両国では、彼らは英雄とされており、処刑後150周年の節目には、今回ご紹介のアイルランド切手と同図案の記念切手がメキシコでも発行されています。 ★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』 ★★★ 2700円+税 【出版元より】 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行! 発売元の特設サイトはこちらです。 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2016-11-06 Sun 14:45
ラグビーのテストマッチがきのう(5日)、米シカゴで行われ、2015年のW杯イングランド大会王者のニュージーランド代表(オールブラックス)が29-40でアイルランド代表に史上初の敗戦を喫し、先月達成した世界最長の連勝記録は18で途切れました。オールブラックスの敗戦は2015年8月のオーストラリア戦以来で、アイルランドは、1905年の初対戦から111年、通算29回目の対戦で初めてオールブラックスに勝利しました。といわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1974年にアイルランドで発行されたアイルランドラグビー協会(IRFU)100年の記念切手です。 アイルランドラグビー協会は、アイルランド島(アイルランド共和国および北アイルランド)のラグビー(ラグビーユニオン)を統括する競技運営団体で、1874年に設立されました。アイルランド代表としての初のテストマッチは1875年2月15日のイングランド戦です。 ラグビーのアイルランド代表は、現在でも、アイルランド全島の代表となっているため、チーム内には英領北アイルランド(アルスター)の選手とアイルランド共和国(エール)の選手が混在しています。このため、かつては、試合前の“国歌斉唱”に際してアイルランド共和国の国歌「兵士の歌」が演奏されていましたが、1972年にアイルランド紛争が激化すると、無用の対立を避けるためとして国歌斉唱そのものが中止され、以後、試合前には対戦相手の国家のみが流れるという異常な事態が続いていました。ちなみに、1985年の日本遠征の際には、日本国内にも国歌斉唱に否定的な人たちがいたためか、「兵士の歌」だけでなく「君が代」の演奏も行われませんでした。 1995年、W杯南アフリカ大会を前に、試験的に試合前に「兵士の歌」の吹奏が行われましたが、このときも、代表選手たちはその出身地によってはっきりと動作が分かれてしまったため、ラグビーナショナルチーム用のチーム歌として「アイルランズ・コール」が作られ、以後、共和国内で開催するホームゲームでは国歌の「兵士の歌」と「アイルランズ・コール」の両方を、アウェイゲームでは「アイルランズ・コール」のみを使用するということで決着が図られています。 ★★★ 講座のご案内 ★★★ 11月17日(木) 10:30-12:00 毎日文化センターにて、1日講座、ユダヤとアメリカをやりますので、よろしくお願いします。(詳細は講座名をクリックしてご覧ください) ★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』 ★★★ 2700円+税 【出版元より】 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行! 発売元の特設サイトはこちらです。 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました! ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2016-04-24 Sun 11:15
1916年4月24日にアイルランドで起きたイースター蜂起から、今日でちょうど100周年です。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1941年にアイルランドで発行された“イースター蜂起25周年”の記念切手です。 1534年、イングランド王ヘンリー8世が国王至上法(首長令)を公布し、イングランド国教会がカトリックから独立しましたが、イングランドとウェールズ、後にはスコットランドがプロテスタントを受け入れたのに対して、アイルランドではカトリックの教義を守り続けました。このため、17世紀のクロムウェルによる植民地化以来、アイルランドでは、カトリックが多数を占めるアイルランド人に対する英国国教会の差別や弾圧が続きます。 さらに、1801年、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国が成立すると、アイルランドは国外植民地としての自主性も失い、完全に英国に併合され、同化政策が行われました。このため、19世紀に入ると、アイルランドでは英本国からの分離独立を求める民族運動が高揚しましたが、全島32州のうちプロテスタント住民が多数派を占める北部のアルスター6州では、独立に反対する声も少なくありませんでした。 こうした背景の下、1912年、アイルランド自治法案が英国下院に提出され、1914年9月に成立します。しかし、第一次世界大戦の勃発によりアイルランドの自治が凍結されてしまいます。その過程で、1913年、アイルランドの独立に反対する北部6州でプロテスタント系武装組織としてアルスター義勇軍が結成されると、これに対抗して、独立派のアイルランド共和主義同盟(IRB)のパトリック・ピアーズらはカトリック系武装組織としてアイルランド義勇軍を組織します。 こうした中で、IRBは、「イングランドの困難はアイルランドの機会である」との古い格言に基づき、大戦が終わる前に何らかの行動を起こすことを決定。アイルランド義勇軍にも参加していたパトリック・ピアースやジョセフ・プランケット、英外交官だったサー・ロジャー・ケースメントが中心となり、アイルランド市民軍を率いるジェームズコノリーを指揮官として武装蜂起の計画を進めました。 彼らは、1916年4月23日のイースター当日の蜂起決行に向けて準備を進め、4月初、ピアースが「イースターの日曜日から3日間、ダブリン市内でパレードと演習を行なう」と新聞紙上で発表します。一般の義勇軍メンバーには知らされていませんでしたが、ピアースはパレードと演習に動員した兵力を、そのまま、対英叛乱に転用しようと考えたわけです。 彼らは、敵の敵は味方というわけで、ドイツから2万5000丁のライフル銃と100万の弾薬を入手しましたが、計画は英政府に察知され、武器を積んでいた船は英側に拿捕されてしまいます。このため、いったんは蜂起の中止が決定されましたが、ピアースやコノリーは、アイルランド人の独立意識を覚醒するためには血を流すことが必要と考え、予定より1日遅れた4月24日のイースター・マンデーに、義勇軍1000、市民軍250での蜂起を敢行しました。これが、いわゆるイースター蜂起です。 蜂起当日、叛乱側は、オコンネル通りにあったダブリン中央郵便局を占拠して本部とし、その玄関ポーチの会談から、臨時大統領に就任したピアースが「アイルランド共和国宣言」を読みあげます。しかし、当初、優勢であった叛乱軍でしたが、しだいに英国に圧倒され、28日には、叛乱軍1600人に対して英国軍は約2万人を動員して総攻撃を開始。このため、翌29日、叛乱側は無条件降伏を余儀なくされました。この間の死傷者数は3000人以上に上っています。 蜂起の鎮圧当初、アイルランド人の中にも叛乱軍の無謀さを非難する声は少なくありませんでしたが、5月2日から始まった軍法会議で19人に対して死刑が宣告され、早くも翌3日からピアス、コノリーを含む叛乱指導部がキルメイナム刑務所やダブリン城で処刑されたことで、アイルランド人の愛国心と反英感情が一挙に高まり、独立運動が高揚。1918年の総選挙では独立派のシン・フェイン党が勝利し、1919年のアイルランド共和国の独立宣言を経て、アイルランド独立戦争が勃発します。この結果、1921年、独立派とイギリスは英愛条約を結び、南部26州(南アイルランド)は英国王を元首とする同君連合国家(ドミニオン)アイルランド自由国として分離することになりました。 ★★★ 講座のご案内 ★★★ ・よみうりカルチャー荻窪 「宗教と国際政治」 4月から毎月第1火曜の15:30より、よみうりカルチャー荻窪(読売・日本テレビ文化センター、TEL 03-3392-8891)で講座「宗教と国際政治」がスタートします。ぜひ、遊びに来てください。詳細は、こちらをご覧いただけると幸いです。 ★★★ 内藤陽介の新刊 『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 2350円+税 【出版元より】 若く美しい女王の横顔に恋しよう! 世界最初の切手 欲しくないですか/知りたくないですか 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。 ★★★ 内藤陽介の新刊 『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 2000円+税 【出版元より】 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2016-03-17 Thu 14:55
きょう(17日)は、セント・パトリックス・デー(アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日で、アイルランド最大の祝祭日)です。というわけで、切手の世界で最も有名なアイルランド人、ウィリアム・マルレディ(いわゆるマルレディ・カバーのデザイナー)にちなんで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1986年、ウィリアム・マルレディの生誕200年を記念してアイルランドが発行した切手で、マルレディの代表作の一つ『ソネット』が取り上げられています。 画題の“ソネット”は14行で構成されるヨーロッパの詩の形式ですが、切手に取り上げられた作品では、若い男が恋人に思いを告げる詩を贈り、その反応を待っている場面が描かれています。贈られた詩を読む女性の顔の雰囲気は、下の画像のマルレディ・カバーの右下の母親に、彼女の姿勢は左下の女性に何となく似ているように思えるのですが、いかがでしょうか。 さて、ウィリアム・マルレディは、1786年、アイルランド中西部エニスの貧しい家庭に生まれました。12歳から絵を描き始め、14歳で王立美術院(ロイヤル・アカデミー)に入学。田園に取材した作品を数多く残し、風景画家として画壇で確固たる地位を築き、アカデミーの会員になりました。油彩のみならず、銅版画やレタリングの技術にも習熟しており、たとえば、1807年に出版されたウィリアム・ロスコーの『ちょうちょうの舞踏会とバッタの宴会(The Butterfly’s Ball and the Grasshopper’s Feast)』には、若き日のマルレディの手になる挿絵が13枚収められています。同書の挿絵は、当時、大いに評判となり、1807年1年間で4万部を売るベストセラーとなりました。 こうしたキャリアが見込まれて、マルレディは新たに発足する全国統一ペニー・ポストのため、1ペニーの郵便料金込みの封筒、マルレディ・カバーのデザインを制作しました。なお、マルレディ・カバーは、マルレディの原画をもとに、ジョン・トンプソンが原版を彫刻し、1840年4月14日以降、クロウエス父子会社が印刷しています。 しかし、実際に売り出されたマルレディ・カバーのデザインは「詩的にすぎる」と不人気で、しかも、カバーの代金としては便料金に封筒代が上乗せされていたため、利用者の割高感も強く、売れ行きは芳しくありませんでした。 たとえば、当時、マルレディ・カバーを題材に作られた詩には、以下のようなものがあります。 A set of those odd-looking envelope-things, (あのへんちくりんなデザインの封筒に描かれているものといえば) Where Britannia who seems to be crucified flings (まるで磔にされているみたいなブリタニアの) To her right and her left, funny people with wings (左右には、翼のついたおかしなやつがいて、) Amongst elephants, Quakers, and Catabaw kings,— (その周りにはクエーカー教徒と先住民カタボー族の酋長がいる) And a taper and wax, and small Queen’s-heads in packs, (蝋燭と封蝋で、小さな女王陛下のお顔を封に入れて) Which, when notes are too big you must stick on their backs (手紙の文章多すぎたなら、裏側に貼りつけなくちゃいけない) ちなみにこの詩で歌われているクエーカー教徒(正式名称はキリスト友会もしくはフレンド派)というのは、17世紀にイングランドで生まれたプロテスタントの一派で、教会の制度化・儀式化に反対し、人は神からの啓示を直接に受け得ると説き、米国ペンシルヴァニア州の名前の由来となったウィリアム・ペンの活動により、北米にも拡大しました。マルレディ・カバーの右半部に描かれているような帽子をかぶっているのが特徴で、絶対平和主義を唱えて兵役なども拒否する者が多かったことに加え、内なる光(聖霊)の語りかけに耳を傾けていると体が震え出すというのが他の宗派からは奇行に見えたこと、さらに、儀式や教義を否定することなどから、異端に近い存在として、ながらく迫害を受けていました。 ちなみに、マルレディ本人はアイルランド出身の敬虔なカトリックの信徒ですから、彼の目から見れば“異端”にも近いクエーカー教徒をわざわざ封筒に描いたとは考えにくいのですが、クエーカー教徒のように見える人物が描かれていたということは、それ自体、当時の英国社会では揶揄の対象となったわけです。 なお、マルレディ・カバーの評判が散々なものであったことは、かえって、皮肉屋の英国人たちのインスピレーションを掻き立て、さまざまなパロディ封筒が作られ、郵便に使用されることになりました。 このあたりの事情については、拙著『英国郵便史 ペニー・ブラック物語』でもいろいろご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 ★★★ 講座のご案内 ★★★ ・よみうりカルチャー荻窪 「宗教と国際政治」 4月から毎月第1火曜の15:30より、よみうりカルチャー荻窪(読売・日本テレビ文化センター、TEL 03-3392-8891)で講座「宗教と国際政治」がスタートします。ぜひ、遊びに来てください。詳細は、こちらをご覧いただけると幸いです。 ★★★ 内藤陽介の新刊 『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 2350円+税 【出版元より】 若く美しい女王の横顔に恋しよう! 世界最初の切手 欲しくないですか/知りたくないですか 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。 ★★★ 内藤陽介の新刊 『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 2000円+税 【出版元より】 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2015-05-24 Sun 21:34
アイルランドで、おととい(22日)、同性婚を認める憲法改正の賛否を問う国民投票があり、きのう(23日)行われた開票の結果、賛成多数で合法化が決まりました。同性婚合法化を国民投票で決めた国は世界で初めてだそうです。というわけで、きょうはこんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2000年にアイルランドで発行されたオスカーワイルド没後100周年の小型シートです。切手に取り上げられている写真は、1882年、ニューヨークでナポレオン・サロニーによって撮影されたものです。 オスカー・ワイルドは、1854年、英国支配下にあったアイルランドのダブリンで生まれ、幼少期は母親によって女子の格好で育てられました。 オックスフォード大学に学び、芸術至上主義を唱えて、小説「ドリアン=グレイの肖像」、戯曲「サロメ」、童話集「幸福な王子」をはじめ、詩や批評など多彩な文筆活動で名声を獲得。日本の文学者にも大きな影響を与えました。 ところで、英国では、1885年に刑法が改正され、その第11条で「男性間の性的な行為は、公的に行われたか私的かの区別なく、2年を最長とする重労働つき懲役に処する」ことが規定されました。 前年の1884年、ワイルドは王室顧問弁護士の娘コンスタンス・ロイドと結婚しましたが、刑法改正翌年の1886年、15歳年下の少年、ロバート・ロスと同性愛の関係になります。さらに、作家としてのピークを迎えていた1891年、スコットランドの名門貴族、クィーンズベリー侯爵の3男、アルフレッド・ダグラスと同性愛の関係になりました。 しかし、同性愛を心の底から忌み嫌うクィーンズベリー侯爵は、ワイルドに対して「男色家を気取るオスカー・ワイルドへ」と書いた名刺を送って彼を挑発。1895年、ワイルドが侯爵を文書誹毀罪で告訴すると、逆に、私立探偵を雇ってワイルドとアルフレッドの間に性的な関係があることを立証するとともに、複数の男娼にワイルドに不利な証言させ、ワイルドを男性に対する強制猥褻罪で刑事告発することに成功しました。その裁判の結果、ワイルドは有罪となり、懲役2年の実刑判決を受けて、英国内の収監先を転々としながら服役しています。 出所後、ワイルドはフランスに渡ったものの、作家としてはすでに忘れられた存在となっており、1900年、失意のまま、梅毒による脳髄膜炎で亡くなりました。享年46。 ちなみに、英国全土で同性愛が完全に合法化されたのは1980年のことで、カトリックの強いアイルランドでの合法化はさらに遅れて1993年のことでした。今回ご紹介の切手も、そうした社会の変化がなければ、決して日の目を見ることがなかったのではないかと思います。まさに、隔世の感がありますな。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 『日の本切手 美女かるた』 好評発売中! ★★★ 税込2160円 4月8日付の『夕刊フジ』に書評が掲載されました! 【出版元より】 “日の本”の切手は美女揃い! ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え! <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾン、boox store、e-hon、honto、YASASIA、紀伊國屋書店、セブンネット、ブックサービス、丸善&ジュンク堂、ヨドバシcom.、楽天ブックスをご利用ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2011-05-18 Wed 17:21
イギリスのエリザベス女王がきのう(17日)、イギリスの君主としては1911年以来およそ100年ぶり、1937年のアイルランド独立後としては初めて、アイルランドを訪問しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1841年にイギリスで発行されたペニー・レッドの切手で、アイルランドのダブリンの消印が押されているのがミソです。イギリス初期の消印(抹消印)はその形状からマルタ十字と呼ばれますが、このマルタ十字は各局ごとに微妙に形が違うので、このサイトのリストなどと対照させれば、どの局で使われたものか識別することが可能です。ちなみに、ダブリンで使われたマルタ十字には、ふたつのタイプがありますが、今回ご紹介の消印はタイプ2と呼ばれているものです。 1801年、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国が成立すると、アイルランドは国外植民地としての自主性も失い、完全にイギリスに併合され、イギリスによるアイルランドの同化政策が進みました。これを不満として、アイルランドではイギリスからの分離・自治運動が激化。このため、1912年、アイルランド自治法案がイギリス下院に提出され、1914年9月に成立します。 しかし、第一次世界大戦の勃発によりアイルランドの自治が凍結されたため、これを不満とする独立派は1916年の復活祭に“アイルランド共和国”の樹立を宣言し、武装蜂起しました。いわゆるイースター蜂起です。 イースター蜂起はまもなく鎮圧されましたが、1918年の総選挙では独立派のシン・フェイン党が勝利し、1919年にアイルランド共和国の独立が宣言され、アイルランド独立戦争が勃発します。この結果、1921年、独立派とイギリスは英愛条約を結び、南部26州(南アイルランド)はイギリス国王を元首とする同君連合国家(ドミニオン)アイルランド自由国として分離することになりました。 これに伴い、1922年2月17日、イギリス切手に“アイルランド臨時政府(Rialtas Sealadach na hEireann) 1922”と加刷した切手が発行され、無加刷のイギリス切手は、1922年3月31日限りでアイルランドでの使用が禁止されました。なお、アイルランドは1937年にはイギリスから完全に独立し、アイルランド(エール)と改称して共和制に移行。1949年にはイギリス連邦も離脱しています。 アイルランドといえば、去年11月、深刻な財政難から、自力再建を断念し、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に財政支援を要請したことが記憶に新しいところですが、おととい(16日)、IMFによる財政・金融再建策の進捗状況の調査が終了し、IMFによる15億8000万ユーロ(約1800億円)の融資が実行可能となったとの発表がありましたな。イギリスとの歴史的和解を演出する前に、まずは、経済再生への道筋がついたところで、関係者としてはホッと一息というところでしょうか。 なお、昨年刊行の拙著『事情のある国の切手ほど面白い』では、ユーロ圏での経済破綻の最初の国としてギリシャを取り上げましたが、いずれ、アイルランドやポルトガルの状況についても概観した続編を作りたいものです。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 切手百撰 昭和戦後 平凡社(本体2000円+税) 視て読んで楽しむ切手図鑑! “あの頃の切手少年たち”には懐かしの、 平成生まれの若者には昭和レトロがカッコいい、 そんな切手100点のモノ語りを関連写真などとともに、オールカラーでご紹介 全国書店・インターネット書店(amazon、boox store、coneco.net、JBOOK、livedoor BOOKS、Yahoo!ブックス、エキサイトブックス、丸善&ジュンク堂、楽天など)で好評発売中! |
2010-11-22 Mon 15:15
深刻な財政難に陥っているアイルランドが21日夜(現地時間。日本時間では22日未明)、自力再建を断念し、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に財政支援を要請しました。これを受け、EUなどは支援を決定。今年5月のギリシャに次いでユーロ圏では2ヵ国目の救済国になります。というわけで、きょうはアイルランドの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1922年に発行された“アイルランド自由国”加刷の切手です。 1801年、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国が成立すると、アイルランドは国外植民地としての自主性も失い、完全にイギリスに併合され、イギリスによるアイルランドの同化政策が進みました。これを不満として、アイルランドではイギリスからの分離・自治運動が激化。このため、1912年、アイルランド自治法案がイギリス下院に提出され、1914年9月に成立します。 しかし、第一次世界大戦の勃発によりアイルランドの自治が凍結されたため、これを不満とする独立派は1916年の復活祭に“アイルランド共和国”の樹立を宣言し、武装蜂起しました。いわゆるイースター蜂起です。 イースター蜂起はまもなく鎮圧されましたが、1918年の総選挙では独立派のシン・フェイン党が勝利し、1919年にアイルランド共和国の独立が宣言され、アイルランド独立戦争が勃発します。この結果、1921年、独立派とイギリスは英愛条約を結び、南部26州(南アイルランド)はイギリス国王を元首とする同君連合国家(ドミニオン)アイルランド自由国として分離することになりました。 今回ご紹介の切手は、こうした状況の下で、1922年2月17日、イギリス切手に“アイルランド臨時政府(Rialtas Sealadach na hEireann) 1922”と加刷して発行されたもので、アイルランド自由国政府の正式発足までの移行期間の切手と使用されたものです。これに伴い、無加刷のイギリス切手は、1922年3月31日限りでアイルランドでの使用が禁止されました。ちなみに、アイルランド自由国 (Saorstat Eireann)加刷の切手が発行されたのは1922年12月11日のことです。 その後、アイルランド自由国は1931年にウェストミンスター憲章が成立したことで、イギリスと同格の独立国(英連邦王国)となりましたが、1937年にはイギリス王冠から独立し、アイルランド(エール)と改称して共和制に移行。1949年にはイギリス連邦も離脱することになります。 さて、ユーロ圏では、今回のアイルランドに続き、ポルトガルやスペインも巨額赤字に苦しんでおり、今後も金融市場で信用不安が消えなければ、ユーロ圏全体に危機的状況が波及する恐れがあるとされています。今年8月に刊行の拙著『事情のある国の切手ほど面白い』では、ユーロ圏での経済破綻の最初の国としてギリシャを取り上げましたが、同書の続編を作る機会があれば、ぜひとも、アイルランドについては1章を設けてみたいものです。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 11月25日発売! マカオ紀行:世界遺産と歴史を歩く 彩流社(本体2850円+税) マカオはこんなに面白い! 30の世界遺産がひしめき合う街マカオ。 カジノ抜きでも楽しめる、マカオ歴史散歩の決定版! 歴史歩きの達人“郵便学者”内藤陽介がご案内。 全国書店・インターネット書店(amazon、bk1、boox store、coneco.net、DMM.com、HMV、livedoor BOOKS、Yahoo!ブックス、カラメル、セブンネットショッピング、丸善など)で御予約受付中! |
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