2023-07-18 Tue 07:51
きのう(17日)、ウクライナ産穀物を黒海経由で輸出する手続きを定めた“ウクライナの港からの穀物および食料の安全な輸送に関するイニシアティヴ(穀物合意)”が期限を迎えたことを受けて、ロシア政府は、ロシア側が求めるロシア産農産物の輸出に関し「取り決めが守られていない」として、「(合意の)履行を停止する」と表明しました。というわけで、ウクライナ産穀物に関する切手の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1993年12月18日にウクライナが発行した500カルボーヴァネツィ(クポーン)切手で、小麦の収穫する女性たちが描かれています。 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 * おかげ様で、全日本切手展2023ならびに併催の大韓民国建国75周年記念・韓国切手展は、昨日(17日)16:00、盛況のうちに無事終了いたしました。ご支援・ご協力を賜りました皆様には、あらためて、この場をお借りしてお礼申し上げます。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史 7月25日開講! 武蔵野大学の新たな講座(対面式)「切手・郵便物でみる 朝鮮半島現代史」が7月25日にスタートします。詳細はこちらをご覧ください。 7月28日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 新講座「龍の文化史」 8月9日配信開始! 武蔵野大学の新たなWeb講座「龍の文化史」が8月9日から配信開始になります。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。今回の講座では、日本の龍を皮切りに、中国、朝鮮、琉球、東南アジア、キリスト教世界など、世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 ジョン・F・ケネディとその時代 毎月第4土曜日開催のよみうりカルチャー北千住での講座です。今から60年前の1963年11月に暗殺されたケネディ大統領とその時代について、様々な角度から解説をします。詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『今日も世界は迷走中』 7月28日発売!★ ウクライナ侵攻の裏で起きた、日本の運命を変える世界の出来事とは!内藤節炸裂。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 ★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★ 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
2014-03-15 Sat 14:11
ウクライナ東部のドネツィク(ロシア語名・ドネツク)で、13日夜(日本時間14日午前)、親露派と親欧州派の住民が衝突し、同国民放テレビ「ニュース5」によると、3人が死亡、約50人が負傷。2月末の政変以来、ロシア系住民の多い東部で最大規模の衝突となりました。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1994年、今回騒擾事件のあったドネツィクからベラルーシのミンスク宛に差し出された書留便で、1993年に発行されたウクライナの正刷切手と、旧ソ連時代の切手にドネツィクで加刷したローカル切手が貼られています。消印は旧ソ連時代のモノが使われていますので、局名表示はロシア語の“Донецк”(ドネツク)となっていますが、ローカル加刷の地名はウクライナ語の“Донецьк”(ドネツィク)となっているのがミソです。 さて、今回の事件があったドネツィクを中心とする一帯(現在のドネツィク州の領域)は、もともと、モスクワ大公国、クリミア・ハン国、ザポロージャ・コサック軍、ドン・コサック軍との国境地帯で、16世紀以降、ウクライナ・コサックが入植していました。 1774年、この地を編入したロシア帝国はロシア人の入植を進めましたが、1869年、英国人のジョン・ヒューズが現在のドネツィク市に冶金工場を建設したことから、以後、炭鉱業と工業の町として発展することになりました。現在でもドネツィクはウクライナ最大級の工業都市であり、ローカル加刷切手にハンマーがデザインされているのもこうした事情を反映したものです。ちなみに、当初、町の名前はヒューズにちなんで“ユーゾフカ”でした。 ロシア革命後の内戦の時代には、ボリシェヴィキ系のドネツク=クリヴォーイ・ローク・ソビエト共和国を経て、ウクライナ社会主義ソヴィエト共和国の領土となり、1922年末のソ連成立により、ウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国に編入。1924年、スターリンにちなんで市の名前はユーゾフカからスターリノに改称されました。なお、ウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国の州としてドネツク州が設置されたのは1932年のことです。 1938年、ドネツク州はスターリン州とヴォロシロヴフラード州に分割され、独ソ戦期の1941-43年にはドイツ軍に占領されました。その後、1961年、スターリン時代の見直しに伴い、スターリノ市はドネツィク市と改称され、これに伴い、スターリン州もドネツィク州に改名され、ウクライナの独立に伴い、ウクライナのドネツィク州となりました。 なお、ドネツィク州としての人口構成は、ウクライナ人56.9%、ロシア人38.2%ですが、ヤヌコーヴィチ前大統領の出身地ということもあって(ただし、現在ではさすがに前大統領を支持する人はほとんどいなくなったようです)、親露感情も強く、政変後はキエフの暫定政府に対抗してドネツィク市の州政府庁舎は、3月1日から5日ごろまでウクライナ国旗に代わってロシア国旗を掲げていたほか、3日には一時、親露派のデモ隊が占拠。8日には、キエフの暫定政府に抗議する親露派のデモ隊が帰属先を問う住民投票の実施を州政府に求めるなど、混乱が続いています。 ところで、一連のウクライナ問題・クリミア問題については、日本を含む西側の論調では、親露派やその背後にあるとみられるプーチン政権に対して批判的で、ウクライナの暫定政権に同情的な論調が多いように見受けられます。もっとも、その割には、今回の事件に関しても、報道の圧倒的多数はロシア語名の“ドネツク”を使い、ウクライナ語名の“ドネツィク”を使うところはほとんどありませんからねぇ。「ロシアの横暴に抵抗するウクライナ」という構図(実際にはそれほど単純な話ではないとも思いますが…)で話をしたいのなら、地名もウクライナ語に準じた表記にすればいいと思うのですが、そうなっていないところを見ると、やはり、深層心理として、この地域におけるロシアの圧倒的なプレゼンスを追認しているということなんでしょうな。 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★ 4月から、毎月1回(第1火曜日:4月1日、6月3日、7月1日、8月5日、9月2日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(詳細はそれぞれ講座名をクリックしてください) ・朝鮮半島のことを学ぼう 時間は13:00-14:30です。 ・イスラムを学ぶ 時間は15:50-17:00です。 初回開催は4月1日で、講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ 講座「世界紀行~月一回の諸国漫郵」のご案内 ★★★ 東京・江東区亀戸文化センターで、5月から毎月1回、世界旅行の気分で楽しく受講できる紀行講座がスタートします。美しい風景写真とともに、郵便資料や切手から歴史・政治背景を簡単に解説します。受講のお楽しみに、毎回、おすすめの写真からお好きなものを絵葉書にしてプレゼントします! 詳細は、こちらをご覧ください。 ★★★ 文京生涯カレッジ(第13期)のご案内 ★★★ 文京学院大学が一般向け(=どなたでも受講できます)にさまざまな講師を招いて行う通年の教養講座「文京生涯カレッジ」の第13期が4月15日から始まります。僕も、7月15・22日に「バスコ・ダ・ガマのインドを歩く」、9月9日に「ドバイ歴史紀行」のお題で登場します。詳細はこちらですので、よろしかったら、ぜひご覧ください。 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★ 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より) 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
2014-03-07 Fri 22:43
ロシアの軍事展開への抗議として、現地時間7日夜に開会式が行われるパラリンピックのボイコットを示唆していたウクライナですが、「ウクライナが独立した国として選手団を派遣したことを忘れないようにするため」(ウクライナ・パラリンピック委員会のワレリー・スシュケビッチ会長)として、最終的に参加を表明しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1992年12月14日、ウクライナが「バルセロナ五輪でのウクライナのメダル獲得」を記念して発行した小型シートです。 ウクライナが独立したのは1991年8月24日のことで、ソ連が崩壊したのは同年12月25日のことでした。このため、1992年の五輪に関しては冬季のアルベールビル、夏季のバルセロナともに、バルト三国を除く旧ソ連諸国に関しては、IOCによる各国の国内五輪委員会の承認が間に合わず、旧ソ連諸国統一チームとして EUN(Équipe Unifiée)が結成され、各国の選手はEUNの一員として参加する形式が採られました。なお、1994年のリレハンメル五輪以降は、各国がそれぞれ代表選手を派遣するようになっています。 したがって、バルセロナ五輪に関しては、制度上は“ウクライナ選手”というのは存在しないはずなのですが、ウクライナ国家としては、独立国としてあえて“自国の選手”のメダル獲得を顕彰するため、今回ご紹介のような小型シートを発行したというわけです。こうした経験があるがゆえに、今回、スシェケビッチ会長も「ウクライナが独立した国として選手団を派遣したことを忘れないようにするため」という言葉が自然と出てきたと言うことなのでしょう。 ちなみに、会長は、昨日(6日)、ロシアのプーチン大統領に会い、「パラリンピック大会中は平和をお願いしたい」と頼んだそうですが、さてさて、大統領が素直に“お願い”をきいてくれるかどうか…。 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★ 4月から、毎月1回(第1火曜日:4月1日、6月3日、7月1日、8月5日、9月2日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(詳細はそれぞれ講座名をクリックしてください) ・朝鮮半島のことを学ぼう 時間は13:00-14:30です。 ・イスラムを学ぶ 時間は15:50-17:00です。 初回開催は4月1日で、講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ 文京生涯カレッジ(第13期)のご案内 ★★★ 文京学院大学が一般向け(=どなたでも受講できます)にさまざまな講師を招いて行う通年の教養講座「文京生涯カレッジ」の第13期が4月15日から始まります。僕も、7月15・22日に「バスコ・ダ・ガマのインドを歩く」、9月9日に「ドバイ歴史紀行」のお題で登場します。詳細はこちらですので、よろしかったら、ぜひご覧ください。 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★ 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より) 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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