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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 Chalo Delhi!
2011-02-10 Thu 06:33
        自由インド仮政府(黒一色)

 私事で恐縮ですが、インドで開催される世界切手展<INDIPEX 2011>に参加するため、この記事を書いたら、デリーに向けて出発します。

 展覧会の会期は12日から18日までなのですが、前日の11日までに作品を搬入しなければなりませんので、きょう(10日)午前11時に成田を発ち、現地時間の18時にデリー入りする予定です。なお、せっかくインドまで行くのに、展覧会終了と同時に帰ってきてはもったいないので、会期終了後はデリーを離れ、ゴアなどをまわり、23日朝に帰国の予定です。

 この間、ノートパソコンを持っていきますので、このブログも可能な限り更新していく予定ですが、なにぶんにも海外のことですので、無事、メール・ネット環境に接続できるかどうか、不安がないわけではありません。場合によっては、諸般の事情で、記事の更新が遅れたり、記事が書けなかったりする可能性もありますが、ご容赦ください。

 さて、冒頭に掲げた画像(クリックで拡大されます)は、1943年にチャンドラ・ボースの自由インド仮政府が発行しようとして、果たせなかった“切手”です。

 イギリスの植民地支配下で反英独立運動の闘士として戦っていたボースは、第二次大戦が始まると、“敵の敵は味方”というロジックでナチス・ドイツの協力を得てイギリスと戦おうとします。さらに、太平洋戦争が始まると、1943年、東南アジアを占領してインド侵攻を計画していた日本の要請を受け、ボースはドイツから潜水艦に乗って日本にわたり、同年10月21日、シンガポールで日本の支援を得て自由インド仮政府を組織しました。また、ボースは、日本軍の捕虜となったインド兵を中心に結成されたインド国民軍の最高司令官にも就任。インド国民軍が、“Chalo Delhi(デリーへ進め)”のスローガンを掲げ、日本軍とともにインパール作戦で戦ったことは広く知られています。

 自由インド仮政府は、その発足とともに、自らの存在をアピールするための手段として切手を発行することを計画。上に掲げたものを含めて切手の製造をドイツに発注しました。しかし、戦況の悪化で、完成品がドイツから仮政府の拠点があったラングーンまで届けらることが困難となり、この切手も発行されないまま終わってしまいました。

 今回ご紹介の切手は、本来は黒・朱・緑の3色刷ですが、今回ご紹介のモノのように、朱・緑の印刷漏れ(=黒1色刷)や緑の印刷漏れなども存在しています。

 それでは、僕も自分の作品を抱えて“Chalo Delhi!”と参りましょうか。


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