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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 自衛隊機3機がジブチに到着
2023-04-23 Sun 11:05
 防衛省は戦闘が激化しているスーダンから、日本人らの退避に備えるために出発したC130輸送機を含めた計3機が、本日(23日)未明、自衛隊の活動拠点があるジブチに到着したことを明らかにしました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      仏領ソマリコースト・航空(1956)

 これは、仏領ソマリコースト時代の1956年2月20日に発行された航空切手で、現地の女性とジブチ港の地図、そこに降り立つ飛行機が描かれています。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 * 昨日(22日)のスタンプショウでの内藤の『現代日中関係史 第2部 1972-2022』のトークイベントは、無事、盛況のうちに終了しました。ご参加いただいた皆様、開催の労を取ってくださったスタッフ・関係者の皆様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。

 
★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 4月28日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 4月30日(日) 英秘密情報部(MI6)入門
 4月30日(日) 13:00~14:30 よみうりカルチャー荻窪での公開講座です。
 映画「007シリーズ」などにも名前が出てくる英秘密情報部(MI6)について、実際の歴史的事件とのかかわりなどを中心にお話します。詳細はこちらをご覧ください。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。
 
 よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 原則毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 

★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 好評発売中!★

      現代日中関係史2

 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 ジブチで陸自幹部2人が異例の拘束
2023-02-26 Sun 11:29
 自衛隊が海賊対処活動などのため初の海外拠点を設置しているアフリカのジブチで、2021年10月ごろ、陸上自衛隊部隊の幹部2人が、中国軍人を撮影したとの容疑で、ジブチ軍に十数時間にわたり拘束されていたことが、きのう(25日)までに明らかになりました。その後、現地の日本大使館がジブチの国防省などに抗議し、2人は釈放されています。というわけで、ジブチに対する中国の影響力を示す切手として、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ジブチ・人民宮殿(1986)

 これは、1986年7月21日、ジブチが発行した“人民宮殿”の切手です。ジブチのランドマークとされている人民宮殿は、1985年、中国が“ジブチ人民への贈り物”として寄贈されました。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。なお、内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★

 2023年3月10日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。

 よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00
 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。
 

 よみうりカルチャー 北千住
 エリザベス女王の現代史 原則毎月第4土曜日 13:00~14:30
 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。

 武蔵野大学のWeb講座 
 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 


★ 『なぜレジ袋は「有料化」されたのか』 好評発売中! ★

      なぜレジ袋は「有料化」されたのか・帯付き

 関係省庁、政治家、業界団体等が国民が知らないところで粛々と作り続けているさまざまな規制。「レジ袋の有料化」という規制ができるまでの政治的・行政的プロセスを詳細に分析し、規制の新設防止、そして規制廃止を訴える。

 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 ジブチに国際緊急援助隊
2019-11-27 Wed 02:57
 アフリカのジブチでは、先週からの断続的な豪雨で洪水が発生し、今後、被災者が15万人を超える大規模災害となる恐れもあるとされていますが、防衛省は、きのう(26日)、海賊対処活動中の自衛隊の地上支援部隊、約110人の一部を国際緊急援助隊としても兼任させることを明らかにしました。救助隊は、浸水地域のポンプを使った排水作業などの活動を行うそうです。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ジブチ・1894(1サンチーム)

 これは、1894年、仏領時代のジブチで発行された1サンチーム切手で、現地兵を描く枠の中に、当時のジブチの風景が描かれています。

 19世紀半ば、コーチシナ方面に進出を開始したフランスは、1862年、中継基地として、アデン湾に面したオボックをアファル人(エチオピア系)の首長から租借します。その後、1869年のスエズ運河開通を経て、1880年代にフランスのインドシナ進出が本格化すると、1881年、フランスはオボックにフランス・エチオピア通商会社を設立。さらに、1884-88年、現地司令官のラギャルドはエチオピア帝国の皇太子、サーレ・マリアム(1889年、皇帝メネリク2世として即位)との関係を構築してジブチの土地を獲得し、1888年、ジブチ港の建設を開始しました。

 この頃、1884年には英領ソマリランド現在のソマリランド国家の領域に相当)が成立したほか、1889年にはイタリアがエチオピアとのエリトリア戦争に勝利し、エチオピアはウッチャリ条約でエリトリアを割譲。さらに、1892年、イタリアは現在のソマリアの首都・モガディシュを租借地とし、イタリア語風にモガディシオと改称していました。

 こうしたイタリアの進出に対抗すべく、エチオピア皇帝メネリク2世はフランスに接近し、1894年、ジブチからエチオピアのハラールまでの鉄道敷設権をフランス企業に付与。これを受けて、1896年、フランスは、オボックとジブチを含む紅海の入口・アデン湾奥の西岸を“仏領ソマリ(ソマリコースト)”として植民地化しました。なお、仏領ソマリの民族構成は、ソマリ系のイッサ人が60%、エチオピア系のアファル人が35%です。

 第二次大戦後の1960年6月26日、“アフリカの角”北部の英領地域がソマリランド共和国として独立。7月1日には南部のイタリア領地域も独立し、この両者を統合して、現在、国際社会が認知しているソマリア国家が誕生します。ソマリア独立後の初代大統領、アデン・アブドラ・ウスマンは、国家統合を進めるため、すべてのソマリ人はソマリア国家の下に集結すべきとする“大ソマリア主義”を強調し、仏領ソマリならびにケニアとエチオピアのソマリ人居住地域の併合をはかり、摩擦を引き起こしました。

 一方、1960年代初頭、アフリカの仏領植民地が相次いで独立する中で、仏領ソマリではソマリ系のイッサ人とエチオピア系のアファル人の対立のため、単一国家としての独立は困難な状況でした。このため、1967年、仏領ソマリでは独立の是非を問う住民投票が行われたものの、住民は仏領への残留を選択。これを受けて、住民構成に考慮して、仏領ソマリは仏領アファル・イッサに改称。この仏領アファル・イッサが、1977年、首都ジブチの名を冠して、現在の“ジブチ共和国”として独立します。

 さて、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処は海上自衛隊が2009年から開始し、2011年からは、ジブチ国際空港北西地区の約12ヘクタールの敷地を借り、隊員宿舎や事務所、整備格納庫を設け、自衛隊初の海外拠点として運用しています。

 アデン湾での海賊対処には約30カ国が軍艦などを派遣し、ピーク時の2011年に237件あった海賊事案は2015年には0件となり、昨年も9件にとどまりました。海賊対処が終われば、ジブチ政府から“当面の措置としてのみ認められた”拠点を維持する根拠も失われますが、ジブチはインド洋と地中海を結ぶ海上交通路の要衝として利用価値が高く、2013年のアルジェリア人質事件のようにアフリカで在外邦人保護が必要になれば自衛隊機による救出と輸送の中継地として活用できるほか、国連平和維持活動(PKO)の物資輸送の経由地としても使われてきました。さらに、中国がジブチに初の海外軍事基地を設けたこともあり、これに対抗する必要もあり、わが国は、海賊対処の終了後も、引き続きジブチの拠点を維持・活用してきました。

 今回の救援隊の派遣について、河野太郎防衛大臣は、「これまでも非常に友好的にジブチでは拠点として活動させて頂いておりましたので、そういう意味で少しでも友好関係、恩返しができればと思います」と述べました。自衛隊の皆さんが無事に任務を終え、ご帰国なさるよう、お祈りしております。
 
 
★★ 講座のご案内 ★★

 12月以降の各種講座等のご案内です。詳細については、各講座名をクリックしてご覧ください。

・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 12/3、1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)

東アジア歴史文化研究会
 12月12日(木) 18:30~ 於常圓寺祖師堂ホール
 朝鮮半島現代史の“原点”についてお話しします。
 参加費 2000円
 詳細は、主催者(東アジア歴史文化研究会)まで、メール(アドレスは、e-asia★topaz.ocn.ne.jp スパム防止のため、ここでは、★を@に変えています)にてお問い合わせください。

日本史検定講座(全8講)
 12月13日(金)スタート!
 内藤は、全8講のうち、2月20日の第6講に登場します。

・武蔵野大学生涯学習秋講座 
 飛脚から郵便へ―郵便制度の父 前島密没後100年―
 2019年12月15日(日) 
 (【連続講座】伝統文化を考える“大江戸の復元” 第十弾 )



★ 最新作 『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』 11月25日発売!★

       (増補改訂版)アウシュヴィッツの手紙・表紙  本体2500円+税(予定)
 
 出版社からのコメント
初版品切れにつき、新資料、解説を大幅100ページ以上増補し、新版として刊行。独自のアプローチで知られざる実態に目からウロコ、ですが淡々とした筆致が心に迫る箇所多数ありです。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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 ジブチの海外根拠地、恒久化へ
2018-10-15 Mon 01:39
 防衛省は、きのう(14日)までに、自衛隊唯一の海外根拠地としてアフリカ東部のジブチに置いている拠点を恒久化する方針を固めたそうです。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ジブチ港標語印カバー

 これは、仏領アファル・イッサ時代の1969年12月15日、ジブチからフランス宛のカバーで、ジブチ港を宣伝する標語印が押されています。

 コーチシナ方面に進出を開始したフランスは、1862年、中継基地として、アデン湾に面したオボックをアファル人(エチオピア系)の首長から租借します。その後、1869年のスエズ運河開通を経て、1880年代にフランスのインドシナ進出が本格化すると、1881年、フランスはオボックにフランス・エチオピア通商会社を設立。さらに、1884-88年、現地司令官のラギャルドはエチオピア帝国の皇太子、サーレ・マリアム(1889年、皇帝メネリク2世として即位)との関係を構築してジブチの土地を獲得し、1888年、ジブチ港の建設を開始しました。

 この頃、1884年には英領ソマリランド現在のソマリランド国家の領域に相当)が成立したほか、1889年にはイタリアがエチオピアとのエリトリア戦争に勝利し、エチオピアはウッチャリ条約でエリトリアを割譲。さらに、1892年、イタリアは現在のソマリアの首都・モガディシュを租借地とし、イタリア語風にモガディシオと改称していました。

 こうしたイタリアの進出に対抗すべく、エチオピア皇帝メネリク二世はフランスに接近し、1894年、ジブチからエチオピアのハラールまでの鉄道敷設権をフランス企業に付与。これを受けて、1896年、フランスは、オボックとジブチを含む紅海の入口・アデン湾奥の西岸を“仏領ソマリ(ソマリコースト)”として植民地化しました。なお、仏領ソマリの民族構成は、ソマリ系のイッサ人が60%、エチオピア系のアファル人が35%です。

 その後、イタリアは1905年にモガディシオを買収し、1908年に現在のソマリアの南東部に相当する地域を植民地化し“イタリア領ソマリア”を確立。さらに、現在のエチオピア東部、ソマリ州に相当する地域はエチオピアが支配し、英領ケニア植民地の一部もソマリ人の居住地域にかかるなど、ソマリ人の居住地域は英仏伊とエチオピアの4国により5分割されました。

 第二次大戦後の1960年6月26日、“アフリカの角”北部の英領地域がソマリランド共和国として独立。7月1日には南部のイタリア領地域も独立し、この両者を統合して、現在、国際社会が認知しているソマリア国家が誕生します。ソマリア独立後の初代大統領、アデン・アブドラ・ウスマンは、国家統合を進めるため、すべてのソマリ人はソマリア国家の下に集結すべきとする“大ソマリア主義”を強調し、仏領ソマリならびにケニアとエチオピアのソマリ人居住地域の併合をはかり、摩擦を引き起こしました。

 一方、1960年代初頭、アフリカの仏領植民地が相次いで独立する中で、仏領ソマリではソマリ系のイッサ人とエチオピア系のアファル人の対立のため、単一国家としての独立は困難な状況でした。このため、1967年、仏領ソマリでは独立の是非を問う住民投票が行われたものの、住民は仏領への残留を選択。これを受けて、住民構成に考慮して、仏領ソマリは仏領アファル・イッサに改称されました。今回ご紹介のカバーは、こうした状況の下で刺す出されたものです。

 ちなみに、仏領アファル・イッサが首都ジブチの名を冠して“ジブチ共和国”として独立するのは、1977年のことでした。

 さて、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処は海上自衛隊が2009年から開始し、2011年からは、ジブチ国際空港北西地区の約12ヘクタールの敷地を借り、隊員宿舎や事務所、整備格納庫を設け、自衛隊初の海外拠点として運用しています。

 アデン湾での海賊対処には約30カ国が軍艦などを派遣し、ピーク時の2011年に237件あった海賊事案は2015年には0件となり、昨年も9件にとどまりました。海賊対処が終われば、ジブチ政府から“当面の措置としてのみ認められた”拠点を維持する根拠も失われますが、ジブチはインド洋と地中海を結ぶ海上交通路の要衝として利用価値が高く、2013年のアルジェリア人質事件のようにアフリカで在外邦人保護が必要になれば自衛隊機による救出と輸送の中継地として活用できるほか、国連平和維持活動(PKO)の物資輸送の経由地としても使われてきました。さらに、中国がジブチに初の海外軍事基地を設けたこともあり、これに対抗する必要もあります。

 こうしたことから、海賊対処が終了しても、ジブチの拠点の維持・活用が不可欠と判断されたわけですが、そのためには、ジブチ政府の同意と海賊対処を前提にした地位協定の改定が必要で、日本政府としては、ジブチ政府の同意を得るため、自衛隊装備品の無償譲渡と整備支援に着手することに向け年内に調整に入るそうです。


★★★ 近刊予告! ★★★

 えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です!
 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。

      ゲバラ本・仮書影

(画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) 
 

★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★

      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

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 ジブチ共和国独立40年
2017-06-27 Tue 21:57
 1977年6月27日にアフリカのジブチ共和国が独立して、今日で40年です。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ジブチ・三角(1894)

 これは、1894年、仏領時代のジブチで発行された切手で、現地兵を描く枠の中に、当時のフランスの砲艦が描かれています。

 19世紀後半、スエズ運河の建設が始まると、フランスは紅海に連なるタジュラ湾のオボック港を租借。あわせて、周辺への勢力拡大を図り、1888年、ジブチ港の建設を開始しました。ちなみに、オボックが紅海を通過するフランス船の寄港地として重要視されていたのに対して、ジブチはエチオピア進出への拠点とみなされていました。

 ジブチで最初の切手が発行されたのは1894年のことで、当初は、オボック切手(1892年から発行開始)に加刷したものでしたが、次いで、今回ご紹介のモノを含む正刷切手の発行がスタートします。

 ジブチ初期の切手は無目打なのですが、今回ご紹介の切手のように、周囲に目打状の印刷が施されているのが特徴で、素朴なデザインとあわせていい味を出しています。時間とお金に余裕があれば、個人の趣味として、単純素朴に集めてみたい切手ですな。

 なお、その後、ジブチとオボックを含むアデン湾奥の西岸地域は1896年に仏領ソマリ・コーストとして正式に統合されます。第二次大戦後、アフリカ諸国の独立が進む中で、仏領ソマリコーストはソマリ系のイッサ人とエチオピア系のアファル人の対立のため独立は困難な状況が続き、1967年、住民投票により仏領にとどまるとの住民の選択を受け、仏領アファル・イッサと改称されます。その後、議会選挙でアファル人の進歩党が圧勝するとともに、イッサ人独立派の独立アフリカ人民同盟も勢力をのばしたことから、1977年、首都の名前を冠した新国名を掲げて独立したのが現在のジブチ共和国となります。

 ジブチといえば、自衛隊の海外拠点があることですし、いずれ機会があれば、現地を訪問して“切手紀行”の本を作りたいですね。


 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  次回は29日!★★★ 

 6月29日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第5回目が放送予定です。今回は、7月1日の香港“返還”20周年を前に、香港にスポットを当ててお話をする予定です。みなさま、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。

 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 

      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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 ジブチ、イランと断交
2016-01-07 Thu 11:36
 紅海に面した東アフリカの国、ジブチは、きのう(6日)、イランと断交した“サウジとの連帯を示す”ためとして、イランとの外交関係断絶を宣言しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ジブチ・海底ケーブル

 これは、1984年にジブチが発行した西欧=中東=東南アジア海底ケーブル建設の小型シートで、切手部分にはケーブル敷設船が、シートの余白にはケーブルの敷設ルートを示す地図が描かれています。この地図を見ていただくと、中継点として、ジブチ(DJIBOUTI)のみならず、サウジアラビアのジェッダ(JEDDAH)の場所も示されていますので、サウジとジブチの地理的な位置関係がよくわかると思います。

 さて、今回、“サウジとの連帯を示す”と主張しているジブチですが、じつは、今回の一件があるまで、サウジおよびアラブ首長国連邦(UAE)との関係は最悪の状態にあったことはあまり知られていません。

 ことの発端は、昨年(2015年)4月、UAEの軍用機が管制の許可を得ずに着陸したことにありました。その際、軍用機を出迎えにUAEの副領事が空港を訪ねたところ、居合わせたジブチ空軍の司令官と口論になり、司令官が副領事の顔を殴打するという暴力事件が発生。この件に激怒したUAEは在ジブチの領事館を閉鎖しただけでなく、開発支援のためにジブチに派遣していた湾岸協力会議のメンバーを引き揚げさせました。

 慌てたジブチ政府は、5月6日、たまたま東アフリカ歴訪中にジブチに立ち寄った米国のケリー国務長官に、事前に何らの根回しもなく、UAEとの関係改善のための仲介を依頼しましたが、当然のことながら、ケリー長官はこれを拒否。そこで、米国に代わる後ろ盾を必要としたジブチは、ケリー国務長官の出国後、「中国軍基地を新たにジブチ国内に設置すべく協議中だ」という発表して揺さぶりをかけました。

 問題がこじれる中で、域内大国のサウジアラビアは、ジブチ副大統領のサウジ入国ヴィザの申請を却下し、UAEを支持する立場を明らかにします。さらに、ジブチとサウジの関係が悪化したことを受けて、隣国のエリトリアがジブチに代わるアフリカ側の港湾拠点としての地位を獲得すべく、サウジに急接近。孤立したジブチは焦りを募らせていました。

 今回、ジブチが“サウジとの連帯を示すため”として、イランとの断交に踏み切った背景には、この一件を通じて、サウジならびにUAE(こちらもサウジに追随して、駐イラン大使の召還など“外交関係の格下げ”を行っています)との関係修復につなげたいという思惑があったことは明らかで、まさに、“敵の敵は味方”を地で行くような出来事といえそうです。

 ちなみに、ジブチには、ソマリア沖の海賊対策で派遣されている自衛隊の拠点(基地)がありますが、上述の中国軍基地の設置問題については、12月4日、中国海軍初の軍事拠点を建設することが正式に発表されています。この点についてのジブチ側の説明は、「日本の自衛隊は海賊から自国の利益や安全を守りたいと言っている。そして今、中国も自国の利益を守りたいと言っている。中国を歓迎する。」というものでした。

 まぁ、資源も産業もほとんどなく、諸外国からの援助と軍港や基地の使用料が国家財政を支えているという国ですからねぇ。これぐらいのしたたかな外交巧者でないと、やっていけないということなんでしょうな。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。

 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

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 安倍首相、ジブチで海自視察
2013-08-28 Wed 12:20
 安倍首相は、きのう(27日)、わが国の歴代総理として初めてアフリカのジブチを訪れ、ソマリア沖の海賊対策で派遣されている自衛隊の拠点(基地)を視察しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ジブチ・2フラン(1894)

 これは、1894年に仏領時代のジブチで発行された2フラン切手で、現地兵を描く枠の中に、当時のジブチ港周辺の風景が取り上げられています。

 19世紀後半、スエズ運河の建設が始まると、フランスは紅海に連なるタジュラ湾のオボック港を租借。あわせて、周辺への勢力拡大を図ります。その過程で、1888年、ジブチ港の建設を開始。オボックが紅海を通過するフランス船の寄港地として重要視されていたのに対して、ジブチはエチオピア進出への拠点とみなされていました。

 ジブチで最初の切手が発行されたのは1894年のことで、当初は、オボック切手(1892年から発行開始)に加刷したものでしたが、次いで、今回ご紹介のモノを含む正刷切手の発行がスタートします。

 ジブチ初期の切手は無目打なのですが、周囲に目打状の印刷が施されているのが特徴で、素朴なデザインとあわせていい味を出しています。時間とお金に余裕があれば、個人の趣味として、単純素朴に集めてみたい切手ですな。

 なお、その後、ジブチとオボックを含むアデン湾奥の西岸地域はフランス領ソマリ・コーストとして統合され、1967年にフランス領アファル・イッサと改称されるまで、ソマリ・コースト名義の切手が発行・使用されていました。このフランス領アファル・イッサが1977年に独立して誕生したのが現在のジブチです。

 さて、今回、安倍首相が視察した自衛隊の拠点は、2011年7月、ジブチ市郊外のジブチ国際空港の北側に開設され、空港を挟んで東側にはフランス軍の第188空軍基地があります。米軍のキャンプ・レモニエ(アフリカの角共同統合任務部隊の司令部と陸海空軍航空部隊が駐留)は、空港の南側、ジブチ空軍の基地に隣接した場所にあり、かつては自衛隊もその一部を間借りしていました。

 ジブチ市内は、ソマリア湾の海賊対策として各国の部隊が駐留するようになってから、基地周辺の開発が急速に進み、西洋風のホテルも少なからず建てられているということで、今回ご紹介したような切手の風景はもはや見られなくなっているのかもしれませんが、印象的な切手の土地だけに、一度は自分の目で実際の風景を拝んでみたいものです。
 
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 ジブチ
2009-04-03 Fri 23:45
 きょう(3日)、外務省で、来日中のジブチのユスフ外相と日本の中曽根外相との間で、海賊対策としてソマリア沖に派遣した海上自衛隊員の法的地位を確保するための地位協定の署名が行われました。というわけで、こういう機会でもないとなかなかニュースに登場しない国ですので、今日はジブチがらみでこの1枚をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 ジブチ加刷

 これは、1894年、フランスが発行した“ジブチ“加刷の切手です。

 19世紀後半、スエズ運河の建設が始まると、フランスは紅海に連なるタジュラ湾のオボック港を租借。あわせて、周辺への勢力拡大を図ります。

 その過程で、1888年、ジブチ港の建設を開始。オボックが公開を通過するフランス船の寄港地として重要視されていたのに対して、ジブチはエチオピア進出への拠点とみなされていました。

 ジブチで最初の切手が発行されたのは1894年のことで、当初は、オボック切手(1892年から発行開始)に加刷したものでした。今回ご紹介のモノもその一種ですが、ジブチの頭文字にあたるDJの文字を大きく加刷したモノもあります。

 その後、この地域はフランス領ソマリ・コーストとして統合され、1967年にフランス領アファル・イッサと改称されるまで、ソマリ・コースト名義の切手が発行・使用されていました。このフランス領アファル・イッサが1977年に独立して誕生したのが現在のジブチです。

 その昔、NHKアラビア語会話のテキストで「アラブの都市の物語」という連載をやっていたのですが、ジブチに関しては取り上げられないままに終わってしまいました。まぁ、連載で取り上げられなかったのは残念ではあるのですが、フランス領ソマリ・コーストの初期の切手は、なかなか味わいのあるいい感じの切手なので、機会をみつけて、このブログでもご紹介してみたいと思っています。


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 1月15日付『夕刊フジ』の「ぴいぷる」欄に『年賀切手』の著者インタビュー(右上の画像:山内和彦さん撮影)が掲載されました。記事はこちらでお読みいただけます。
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