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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 体長4m超のダイオウイカ、生きたまま捕獲
2021-01-29 Fri 04:07
 今月26日午後、島根県出雲市沖で漁師の男性が水面近くにいたダイオウイカを発見し、生きたまま港まで運びました。発見されたイカは全長が4m10cm、体重は170kg で、これまで島根県近海で見つかったダイオウイカとしては過去最大。その後、ダイオウイカは死んだため、しまね海洋館が冷凍標本として今後の研究に利用する予定だそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      豪領南極・マッコウクジラとダイオウイカ

 これは、1973年にオーストラリア南極領土(AAT)が発行した普通切手のうち、ダイオウイカを捕食するマッコウクジラを描いた1ドル切手です。

 現在のAATのルーツは、1841年1月9日に英国が南極・ロス海西岸のヴィクトリアランドの領有権を主張したことに求められます。その後、1911年からはオーストラリア人による隣接地域の探検が進められ、1936年、ドロンニング・モード・ランドからロス海属領まで(東経45度から160度まで)の地域がオーストラリア連邦の支配下に置かれることになりました。なお、この範囲に含まれるアデリーランドに関しては、フランスも領有権を主張していたため、1938年にはフランスとの間で境界が調整され、現在のAATの領域が確定。1957年からは、AATの存在を内外にアピールするため、AATとして独自の切手が発行されるようになりました。ただし、オーストラリアは1961年6月23日に南極条約を批准しているため、同日以降、南極地域における領土主権、請求権の行使は凍結されています。

 さて、ダイオウイカは平均体長10m、体重200㎏の世界最大の無脊椎動物で、これまでに発見された中で最も大きなものは体長17.5m、体重は約1トンという巨大なものでした。

 北米やヨーロッパ付近の大西洋、ハワイ島付近、日本では小笠原諸島などの広い範囲で発見例があるものの、深海に棲息しているため人間にはなかなか発見されず、台風などで浜辺に打ち上げられたり、死骸が漂着するなどしないと、なかなか人目に触れる機会はありません。マッコウクジラの胃の内容物からしばしばダイオウイカの痕跡とみられるモノが見つかるため、マッコウクジラが天敵と考えられており、今回ご紹介の切手もそのことを踏まえてのデザインです。

 ダイオウイカの生態は現在でも不明な点が多く、伝説の海の魔物“クラーケン”はダイオウイカがモデルだったのではないかともいわれています。ちなみに、昨年11月の米大統領選挙の後、「大規模な不正があった」として選挙結果に異議を唱えていた人たちがさかんに「クラーケンを発動せよ」と主張していましたが、彼らによると、このクラーケンは、CIAハッキングプログラムにして国防総省のサイバー戦争プログラムだそうで、それにより、“反トランプ派”の違法行為とその証拠が見つけだすことが可能になるのだとか。

 もっとも、対するバイデンは環境規制の強化を訴え、環境保護派の支持を集めて当選した人物ですからねぇ。クラーケンは、環境保護派のシンボル、マッコウクジラに食われてジ・エンド、というオチがついたといえそうです。


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