2020-11-03 Tue 02:00
きょう(3日)は、米国の大統領選挙の投票日です。というわけで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1944年6月15日、ガダルカナル島駐留の二等軍曹(S/Sgt.)が同年秋の大統領選挙への郵便投票の用紙を請求するため、本国での住所が登録されているニューヨーク州の州務長官宛に差し出した葉書です。 今回の大統領選挙では、新型コロナウイルス禍の中での投票方法の一つとして郵便投票が注目を集めていますが、もともと、郵便投票の制度は、南北戦争中の1864年の大統領選挙に際して、従軍していて選挙区の投票所に行くことができない将兵のために始められ、その後、対象者が拡大されていったという経緯があります。 1941年12月に米国が第二次大戦に参戦してから1945年9月の日本降伏まで、米軍の戦争動員数は1635万3659名(内訳は、陸軍1126万名、海軍418万3466名、海兵隊66万9100名、沿岸警備隊 24万1093名)にも上りました。このうちのすべてが1944年11月の大統領選挙投票日に海外勤務だったわけではありませんが、それでも、数百万人規模の有権者が海外で軍務に就いていました。そこで、彼らは、専用の葉書を選挙区のある州の州務長官に送って郵便投票の用紙を請求し、送られてきた投票用紙に必要事項を書き込んで返送することで投票権を行使したわけです。 なお、いわゆるガダルカナル島の戦いは、1942年8月7日、米海兵隊第1海兵師団(師団長アレクサンダー・ヴァンデグリフト少将)を主力とする連合軍が同島テナル川東岸付近に上陸を開始したことから始まり、1943年2月7日に日本軍の撤退が完了したことで終了します。 大規模な戦闘がなくなったガダルカナルでは、連合軍の航空基地としてヘンダーソン飛行場が拡充されただけでなく、戦闘によって破壊された村落の復旧や、新たに英領ソロモン諸島の中心地となったホニアラのインフラの整備などが進められたことで、むしろ、来島する米軍スタッフの数は増加しました。米軍の大半は、1945年末でガダルカナル島から撤退しましたが、その後も、1950年までは少数の調査スタッフが活動を続けています。 今回ご紹介の葉書を扱った第717軍事郵便局は、そうしたガダルカナル駐留の米軍スタッフのために設けられたもので、1943年9月28日付でニューカレドニアのヌメアで編成され、同年11月1日、人員がガダルカナル島に到着。1943年11月17日から1945年4月4日までガダルカナルで米軍ならびに関係者の郵便物を問い扱いました。その後は、ミンダナオ島(フィリピン)のザンボアガに移動し、同地で終戦を迎えています。 なお、ガダルカナル島の戦いとその後の同島における米軍の活動については、拙著『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。 ★ 文化放送「おはよう寺ちゃん 活動中」 出演します!★ 11月6日(金)05:00~ 文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時のスタートですが、僕の出番は6時台になります。皆様、よろしくお願いします。 ★ 内藤陽介の最新刊 『日本人に忘れられたガダルカナル島の近現代史』 ★ 本体1600円+税 出版社からのコメント 【中国の札束攻勢にソロモン諸島は陥落寸前!】 日本軍の撤退後、悲劇の激戦地は いかなる歴史をたどり、 中国はどのように浸透していったのか 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
チャンネルくららをユーチューブで良く拝聴しています。
これまで、共演の渡瀬裕也さんは、米大統領選挙戦観測で、中国が超限戦の浸透工作を極度に仕掛けていたという、認識が欠如したままだったのではないかと、今になって思いました。トランプ政権が不正を摘発するために、無策ではなかったことが最近判明してきましたが、渡瀬さんのツイッターを見ると、共和党はトランプに付き合っているだけだと言っていて、売電の降臨は間違いないと考えているのでしょう。私見ですが、これは政治屋の選挙参謀風情が、分析している限りのようにも見えて、他方、大統領は絶大の権威者なので、暗殺されない限り真実を暴いていくはずとも思います。今や四年後でも不正選挙は確実視できほどで、共和党が大統領を奪取できそうにないでしょう。よって、トランプ氏は、法と議会政治の規範に従って選ばれる選択肢を考えているようだと思いました。 だから、彼はC国の選挙干渉の被害を軽視しているようにも見えて、彼もそっち系なのかな、納得がいかないんですよね。その点、内藤先生は、近現代史に基づいた分析が深く鋭いので、有難く拝聴・拝読させていただいております。 |
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