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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 東京駅の切手
2012-10-01 Mon 15:50
 JR東京駅丸の内側の赤れんが駅舎が、5年に及ぶ保存・復元工事を終え、きょう(1日)全面開業しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       東京駅(開業時)

 これは、1999年10月22日に発行された“20世紀デザイン切手”第3集のうち、東京駅開業を取り上げた切手で、綱島亀吉の石版画「東京停車場之図」が取り上げられています。

 日露戦争後の1906年3月、鉄道国有化法が公布されたのに従い、“中央停車場”が必要となりました。このため、1908年、三菱が原(現在の丸の内界隈)の敷地6万5300坪に延べ面積7242坪の駅舎の建築が着工されました。当初、駅舎のデザインは桃山様式の御殿造が予定されていましたが、外国式が良いとの明治天皇の意向で、オランダ・アムステルダム駅に範をとったとされる洋風建築が、辰野金吾によって設計されました。なお、新駅舎の開業記念式典は、1914年12月、第一次大戦・青島占領の凱旋将軍(神尾光臣中将)を迎えて、盛大に行われています。

 その後、大平洋戦争末期の1945年5月25日、米軍による空襲で破壊され、終戦後の1947年、開業当初の状態より一回り規模を縮小して修復されました。この時の修復工事は、あくまでも応急措置という位置づけであったため、3つのドーム部分の外壁は修復したものの、焼失の著しかった3階部分は内外壁を取り除いて2階建てに変更。中央ドームは木造小屋組で元の形に復原されたものの、南北両ドームは丸型から台形に変更し、南北ドーム内のホール天井もローマのパンテオンを模したデザインに変更されたものがこれまで使われてきました。

 さて、JR東日本では、2007年に東京駅の保存・復元工事を開始ましたが、駅舎の空中権を周囲に移転、売却する方法で費用を捻出したそうです。復元された駅舎の南北ドームの天井は鮮やかな黄色で、干支のレリーフやワシの彫刻が見どころとなっています。

 そういえば、先日、中国全土で吹き荒れた反日テロでは、青島のジャスコやパナソニックの工場が暴徒によって甚大な被害を受けましたな。リニューアルされた東京駅の開業式典にも、大正時代の先例に倣って、青島の暴徒とその背後にいる黒幕をやっつけた凱旋将軍をお迎えできたら、どんなに素晴らしかったことか…ついつい、そんな風に夢想してしまいます。


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