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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 龍退治
2011-11-21 Mon 22:46
 プロ野球の日本シリーズは福岡ソフトバンクホークスが中日ドラゴンズを下して日本一となりました。というわけで、タカの切手を持ってきたかったのですが、気の利いたモノはすでにあらかたこのブログでも取り上げてしまっているので、視点を変えて“龍退治”の切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        ロシア1921年

 これは、1921年4月、内戦期のロシアでボリシェヴィキ政権が発行した40ルーブル切手で、新生ロシアの勝利を象徴する図案として、龍を倒す若者が描かれています。当時のボリシェヴィキ政権を代表する切手の1枚で、スコット・カタログでは印面寸法の違いによりタイプ1と2に分類しています。また、この切手を台切手とした加刷切手も発行されていますが、こちらには様々なバラエティがあります。

 キリスト教世界で龍退治といえば、聖ジョージの龍退治が有名ですが、シレネの龍を退治した聖ジョージはかの地の住民をこぞってキリスト教に改宗させたことになっています。この切手でも、そうした伝統を踏まえて、資本家や地主、教会を龍になぞらえ、そうした旧支配層から人々を解放したボリシェヴィキというイメージを表現しようとしたのでしょう。ただし、当時のボリシェヴィキ政権に対しては、人々は自ら進んで帰順したというよりも、赤色テロルを恐れて沈黙し、帰順したふりをせざるを得なかったというのが実情でしたが…。

 なお、1917年のロシア革命から1922年のソヴィエト社会主義共和国連邦(いわゆる“ソ連”ってヤツですな)が成立するまでのロシア内戦期とその時代の切手や郵便については、拙著『ハバロフスク』でも(簡単にではありますが)ご紹介しております。今年はソ連崩壊から20周年という節目の年でもありますし、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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