2013-07-17 Wed 08:39
ご報告が遅くなりましたが、大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第20号(2013年夏号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、2009年10月2日にポルトガルで発行された味覚の切手です。 最近でこそ、シール式の切手も増えていますが、現在でも、切手は裏糊を濡らして手紙に貼るものというイメージというイメージを持っている人の方が多いと思います。このため、しばしば、切手の裏糊に味をつけて舐めたら味のする切手を作ったらいいのに…という声が聞かれますが、それを実現したのが、ポルトガルで発行された「五感」の切手の1枚です。 「五感」の切手は、人間の持つ視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚を体感できるように企画されたもので、このうちの“味覚”の切手はチョコレート・コーティングされたアイスクリーム・バーを描き、裏糊にバニラ味のフレーバーが含まれています。切手を舐めると、“味覚”によってバニラ味を体験できるという仕掛けです。 以前、TV朝日の「雑学家族」という番組で、世界の変わった切手をご紹介するという企画があり、ゲストとして出演したことがあるのですが、その際、この切手をご紹介し、出演者の小林星蘭さんに実際に裏糊を舐めてもらい、どんな味がするかを試してもらいました。星蘭さんの感想では、裏糊はかすかにバニラの味がするという程度で、実物のアイスクリームのような濃厚な味というわけではなかったようです。やはり、郵便物に貼って剥がれないようにするという糊本来の役割を優先させると、味は二の次にならざるを得ないようです。 ちなみに、ポルトガルでは、1975年まで同国の植民地だったサントメ・プリンシペ民主共和国(西アフリカ・ギニア湾に浮かぶ島国)産のカカオを原料としたチョコレートが名物となっていますが、その中には、生姜や塩コショウ味のものなど、お菓子というよりもお酒のおつまみに近いものもあるそうです。今回ご紹介の切手の裏糊も、バニラではなく、塩コショウの味付けにすれば、よりはっきりと“味覚”を表現したものとなったかもしれませんが、我々の感覚では、ちょっとアイスクリームのイメージとあわないですね。 なお、同時に発行された五感の切手のうち、“嗅覚”は湯気の立つコーヒーのデザインでコーヒーの香りつき、“視覚”はサングラスのレンズの部分が切手の角度を変えると色などが変化するホログラム印刷、“触覚”はチューブからこぼれたインクの部分が盛り上げ加工の印刷になっており、“聴覚”はヤスリの部分をこすると音が出るという仕掛けになっています。 ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★ ![]() 『マリ近現代史』 北アフリカ・マリ共和国の知られざる歴史から混迷の現在まで、 切手・絵葉書等で色鮮やかに再現したオールカラーの本格的通史! amazon、e-hon、hontoネットストア、Honya Club、JBOOK、7ネット・ショッピング、紀伊國屋書店、版元ドットコム、ブックサービス、文教堂、丸善&ジュンク堂書店、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★ 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は7月30日、9月3日(原則第1火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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