2013-07-20 Sat 23:28
きょう(20日)からスペイン・バルセロナで世界水泳選手権(世界水泳)が開幕しましたが、それに先立ち、昨日(19日)、国際水泳連盟(FINA)の総会が同地で開かれ、2019年の大会開催地を韓国・光州広域市(以下、光州市)にすることが決定されました。ところが、誘致の過程で光州市がFINAに提出する書類を捏造していたことが発覚するという前代未聞の事態となりました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、2011年に発行された“2011大邱世界陸上選手権大会”の記念切手です。 2011年の第13回世界陸上競技選手権大会は、大邱広域市の大邱スタジアムをメイン会場として2011年8月27日から9月4日まで開催され、200の国と地域から選手1849名(男子986名・女子863名)、役員1563名、関係者3412名が参加し、47種目(男子24・女子23)の競技が実施されました。大会の予算総額は3,460億ウォンで、このうち、韓国政府が1億ドル(当時のレートで1200ウォン程度となりましょうか)を出資し、5兆5876億ウォンの経済効果を上げたといわれています。 さて、世界水泳に限らずの開催地の決定にあたっては、開催国の政府による財政支援の有無やその規模が重要なポイントとされています。このため、2019年の大会誘致を目指していた光州市は、昨年10月、FINAに対して「韓国政府が(大邱で開催された)陸上の世界選手権に1億ドルを投資したように、(光州での世界水泳の開催を)保証し、支援する」との嘘の書類を提出。この書類には、当時の金滉植首相と担当閣僚の署名も偽造されていたということで、韓国文化体育観光省は光州市を公文書偽造の疑いで告発する方針を明らかにしています。これに対して、光州市側は、韓国政府による財政支援という書類の内容が捏造であることは認めたものの、「首相の署名入りの書類にそうした内容を書き加えただけだ」と苦しい弁明をしているようです。 もっとも、韓国政府が一方的に被害者かというと話はそう単純ではなくて、今年4月の段階では韓国政府も光州市による書類の捏造に気付いていながら、きのう(19日)、開催地が正式に決定されるまではそのことを伏せていたと報じられています。おそらく、韓国政府としては光州が選ばれるわけがないと多寡をくくっていたところ、予想に反して(?)選ばれてしまったため、慌てて、文書は捏造で政府は財政支援をするなどと約束した覚えはないと言い出したということなのでしょう。たしかに、円高ウォン安に支えられていた韓国経済は、アベノミクスにより極端な円高が是正された途端に輸出が大打撃を受け、青息吐息という状況ですから、世界水泳への支援する余裕など全くないというのが政府としての本音なんだろうと推察できます。 ちなみに、光州市はかつては金大中のおひざ元で、政治的には左派勢力が強い地域としても知られており、米国での“慰安婦問題”の宣伝活動にも市として熱心に取り組んでいるようです。まぁ、“慰安婦問題”の捏造についての日本の世論は非常に“寛大”であるかのように見受けられますが、今回のように捏造書類で大会誘致を勝ち取ったことについて、はたして国際社会は見逃してくれるんでしょうかねぇ。 ★★★ 内藤陽介の次回作(予告) ★★★ ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★ 『マリ近現代史』 北アフリカ・マリ共和国の知られざる歴史から混迷の現在まで、 切手・絵葉書等で色鮮やかに再現したオールカラーの本格的通史! amazon、e-hon、hontoネットストア、Honya Club、JBOOK、7ネット・ショッピング、紀伊國屋書店、版元ドットコム、ブックサービス、文教堂、丸善&ジュンク堂書店、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★ 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は7月30日、9月3日(原則第1火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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