2015-09-30 Wed 10:55
アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2015年9月30日号が先週刊行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回は南アフリカの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、現在の南アフリカ共和国の一部になっているナタールで、1863年に発行された1ペニー切手です。 1488年に喜望峰を“発見”したのはポルトガル人のバルトロメウ・ディアスですが、1652年、この地に最初の植民地としてケープタウンを築いたのは、ヤン・ファン・リーベック率いるオランダ人でした。その後、ナポレオン戦争中の1806年、英国はそれまでオランダ領だったアフリカ南端のケープ植民地を接収し、1815年のウィーン議定書により、正式に英領として編入します。 これに伴い、ケープ植民地には英国人の移民が大量に流入。このため、ファン・リーベック以来、この地に定住していたオランダ系のアフリカーナー(ボーア人とも)は、英国の圧迫を逃れて北東部の奥地へ大移動を開始し(グレート・トレック)、先住アフリカ人諸民族と戦いながらトランスヴァール共和国やオレンジ自由国、ナタール共和国を建国しました。 このうち、1839年に建国を宣言したナタール共和国は、1842年には英国の攻撃を受け、翌1843年、英領ナタールとなりました。英領ナタール最初の切手は着色紙に王冠をエンボス加工した簡素なもので、1857年の発行ですが、1859年以降はヴィクトリア女王の肖像を描く本国製の切手が使用されています。 さて、 『世界の切手コレクション』9月30日号の「世界の国々」では、ボーア戦争と南アフリカ連邦の結成、およびアパルトヘイトとマンデラの時代を扱った長文コラム2本のほか、ケープワイン、テーブルマウンテン、特産品のダチョウなどの切手をご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。また、併せて、拙著『喜望峰』もご覧いただけると幸いです。 なお、次回の僕が担当する「世界の国々」は、1週お休みをいただいて、次回は10月7日発売の10月14日号での旧ユーゴスラヴィアの特集になります。こちらについては、10月14日にこのブログでもご紹介する予定です。 ★★★ トークイベント「切手に見る美女たち」のご案内 ★★★ 10月8日(木) 18:30-20:30 東京・飯田橋の東京ボランティアセンター(JR飯田橋駅横・ラムラ・セントラルプラザ10階)で、日本ガルテン協会主催のリレー講座に内藤が登場。『日の本切手 美女かるた』の著者として「切手に見る美女たち」と題するトークを行います。 参加費は、ガルテン協会会員の方2000円(一般3000円)で、お茶とお菓子がつきます。詳細はこちらをご覧いただくか、NPO日本ガルテン協会(講座担当宛・電話 03‐3377-1477)までお問い合わせください。皆様のご参加をお待ちしております。 ★★★ 講座「アウシュヴィッツの手紙」(10月16日)のご案内 ★★★ ![]() ![]() 10月16日(金) 19:00~20:30、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、「アウシュヴィッツの手紙」と題する講座を行います。 第二次大戦中、ポーランド南部のアウシュヴィッツ(ポーランド語名・オシフィエンチム)は、ナチス・ドイツの強制収容所が置かれ、ユダヤ人を中心に150万人以上が犠牲となった悲劇の地として知られています。今回の講座では、収容者の手紙を中心に、第二次大戦以前の状況を物語る郵便物・絵葉書、アウシュヴィッツを題材とした戦後の切手などもご紹介しつつ、さまざまな角度からアウシュヴィッツを考えてみたいと思います。 申込方法など詳細は、こちらをご覧ください。(画像は、ポーランドが発行したアウシュヴィッツ解放30周年の記念切手、右側は収容者による労務風景を取り上げた戦後作成の絵葉書です) 皆様のご参加をお待ちしております。 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★ 10月から毎月1回(原則第1火曜日:10月6日、11月 3日、12月1日、1月5日、2月2日、3月1日)、よみうりカルチャー荻窪(読売・日本テレビ文化センター、TEL 03-3392-8891)で下記の一般向けの教養講座を担当します。(下の青い文字をクリックしていただくと、よみうりカルチャーのサイトに飛びます) ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。 初回開催は10月6日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 『日の本切手 美女かるた』 好評発売中! ★★★ ![]() 4月8日付の『夕刊フジ』に書評が掲載されました! 【出版元より】 “日の本”の切手は美女揃い! ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え! <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾン、boox store、e-hon、honto、YASASIA、紀伊國屋書店、セブンネット、ブックサービス、丸善&ジュンク堂、ヨドバシcom.、楽天ブックスをご利用ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
|