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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 教皇猊下来日
2019-11-24 Sun 11:08
 ローマ教皇フランシスコ猊下(以下、教皇フランシスコ)が、きのう(23日)、東京に到着しました。教皇の訪日は、1981年のヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶり2回目のことです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴァティカン・教皇訪伯

 これは、2014年にヴァティカンが発行した教皇フランシスコの切手のうち、教皇として初の外遊となった2013年のブラジル訪問を題材とした1枚です。

 ローマ教皇フランシスコ(本名:ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)は、1936年にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、イタリア系移民の子として生まれました。

 ブエノスアイレス大学で化学の修士号を取得した後、1958年、イエズス会に入会。サン・ミゲル市のサン・ホセ高等学院で哲学を学び、1969年12月、司祭に叙階。ついで、サン・ミゲル神学院で修士号を取得した後、1973-79年にはアルゼンチン管区長に任ぜじられました。その後、サン・ミゲル神学院の主任司祭、コルドバ(アルゼンチン)のイエズス会士たちの聴罪司祭、ブエノスアイレスの補佐司教およびアウカの名義司教を歴任し、1992年、司教に叙階されます。

 1998年2月、カラチーノ枢機卿の死去により後継としてブエノスアイレス大司教に就任。さらに、2001年2月、教皇ヨハネ・パウロ2世によって枢機卿に任命され、ヴァチカンの教皇庁において、典礼秘跡省、聖職者省、奉献・使徒的生活会省、家庭評議会、ラテンアメリカ委員会の委員を務めています。

 2005年にヨハネ・パウロ2世が死去した際には新教皇の有力候補となったものの選出されず、2013年2月末でベネディクト16世が生前退位すると、3月13日、新教皇の選挙権を持つ80歳未満の枢機卿全体の3分の2を大きく上回る90票以上の得票をもって第266代教皇に選出されました。ヨーロッパ以外の地域の出身者がローマ教皇に就くのは、シリア出身のグレゴリウス3世(在位:731年-741年)以来1272年ぶりで、アメリカ大陸出身者、イエズス会出身者として初の教皇です。教皇としての名前“フランシスコ”はアッシジのフランチェスコに由来します。

 新教皇としての選出後、日本のカトリック中央協議会は「本人は“フランチェスコ”とイタリア語で発音したが、日本では英語の発音で“アッシジの聖フランシスコ”との呼び名が定着しているので、混乱を避けるため、報道機関も英語読みで統一してほしい」とメディアに対して要請。その際、“アッシジのフランチェスコ”との混同を避けるため、日本のキリスト教会は“1世”を付けて呼ぶことも付言されていましたが、その後、教皇庁が、「別の教皇が将来、同じ名前を継いで“フランシスコ2世”となるまでは“フランシスコ1世”ではなく“フランシスコ”が正しい」と指摘。新教皇名には“1世”を付けないことになりました。なお、ご本人は、自らは“教皇”を名乗らず、就任後も一貫して“ローマ司教”の呼称を用いています。

 さて、教皇フランシスコは、就任翌日の2013年3月20日、はやくもブラジルのジルマ・ルセフ大統領と会談し、リオデジャネイロ州の“ワールドユースデー”と、サン・パウロ州にあるマリア巡礼地のアパレシーダを訪問する意向を示唆。これを受けて、5月7日、ヴァチカンは正式に教皇の訪伯を発表しました。

 ちなみに、ワールドユースデイは、1984年に教皇ヨハネ・パウロ2世の提唱で始まった青年カトリック信者の年次集会で、第28回にあたる2013年は、『マタイによる福音書』第28章第19節の一節「あなたがたは行って、すべての国民を弟子としなさい」をスローガンとして、7月23日から28日まで、リオデジャネイロを会場として教皇によるミサが行われました。

 教皇がリオデジャネイロに到着したのは7月22日でしたが、車で歓迎式典へと向かう途中、沿道に詰めかけた信徒に取り囲まれて立ち往生して予定の時間を大幅に遅れたことに加え、当時はブラジル各地で反政府運動が展開されており、セキュリティーの面で懸念があったため、最終的にはヘリコプターでの会場入りとなったそうです。

 その後、翌23日に一日休養を取った後、24日、教皇はサンパウロ州の聖母伝説の地アパレシーダを訪問し、巡礼聖堂でミサを行いました。25日にはリオデジャネイロに戻り、スラム街の一つマンギニョス地区を訪問し住民と面会した後、コパカバーナ海岸でワールドユースデーの歓迎式典に出席。26日にはワールドユースデーに参加した若者らに許しを秘跡を与えたほか、8人の少年受刑者との面会し、十字架の道行きに青年信徒らと参加しています。さらに、27日の“祈りの前夜祭”とミサは、当初の予定では、アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港で行われるはずでしたが、悪天候のため、会場をコバカバーナ海岸に移して行われています。その際、「若者は変革の立役者であってほしい」としてブラジルでの反政府デモに一定の理解を示したことが注目されました。28日には、同じくコパカバーナ海岸で閉会のミサを行い、翌29日に帰国しました。

 ちなみに、今回ご紹介の切手では、ワールドユースデイの開催地・リオデジャネイロのシンボルとしてコルコヴァードのキリスト像を取り上げているわけですが、じつは、前教皇のヴェネディクト16世は、2012年11月、「リオデジャネイロを見下ろすコルコヴァードの丘の贖い主キリストの像は、その腕を広げて彼のもとにやって来るすべての人々を受け入れ、その心はあなたがた一人ひとりに向けられた無限の愛を表している」とのメッセージを発していました。この時点で、ベネディクト16世ご本人がリオデジャネイロに行く意思があったのか、それとも、すでに退位の意向を固めて次の教皇に行ってもらうつもりだったのか、そのあたりは、ご本人以外は「神のみぞ知る」といったところでしょうか。

 なお、コルコヴァードのキリスト像と関連の切手・郵便物については、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でも1章を設けておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


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