fc2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
<!-【↓2カラムテーブルここから↓】-->
 アパレシーダの聖母の祝日
2016-10-12 Wed 09:54
 きょう(12日)は、ブラジルでは“アパレシーダの聖母”の祝日です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・アパレシーダの聖母(1979)

 これは、1979年にブラジルで発行されたアパレシーダの聖母戴冠75周年の記念切手で、アパレシーダの聖母像が取り上げられています。

 1717年10月、サンパウロ総督のドン・ペドロ・デ・アルメイダがミナス・ジェライスに向かう途中、パライバ川の渓谷を通ることになり、地元の漁師に魚の供出を求めました。このため、ドミンゴ・マルティス、ホァン・アルヴェス、フェリペ・ペドロソの3人の漁師がパライバ川のホセ・コレイア・レイテ港付近で漁を始めたものの、全く収獲がなかったため、川沿いに6キロほど進み、イタグアス港まで進んでいったところ、10月12日、ホアン・アルヴェスの網に頭のない聖母像がかかりました。さらに、彼がもう一度網を投げると、同じ像の頭が網にかかります。このため、アルヴェスは像を布にくるんで小舟の中に置き、漁を続けると、突如として大量の魚が獲れはじめました。

 漁の後、3人のうちの最年長だったフィリペ・ペドロソがその像を自分の家に持ち帰り、綺麗に洗って泥を落とし、頭をつないで像を修理し、像に対して祈りを捧げました。さらに、1734年、フィリペの息子、アタナシオは小さな礼拝堂を建て、木製の祭壇の上にその奇跡の像を置き、毎週土曜日、近隣の人々が像の前でロザリオを唱えるようになります。以後、聖母像にまつわる数々の奇跡が伝えられ、多くの巡礼者が訪れるようになりました。

 そこで、1745年、グアラティングエタ教区のモッロ・ドス・コンケイロスにさらに大きい聖堂を建立され、聖堂の落成式に際して、川底から“現れた(=アパレシーダ)”聖母像への祈願が行われました。その後も、巡礼者の数の増加に伴い、聖堂の増改築が進められ、1904年、聖母像は戴冠されました。今回ご紹介の切手は、ここから起算して75周年になるのを記念して発行されたものです。さらに、1908年、聖堂は大聖堂に昇格し、1930年6月16日には、教皇ピウス11世がアパレシーダの聖母はブラジルの守護者であると宣言。1717年に像が発見された日の10月12日は、アパレシーダの聖母に捧げる国民の祝日となりました。

 ちなみに、世界最大のカトリック国家であるブラジルでは、さまざまな聖母像が祀られていますが、その一端は、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でもご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。
 

★★★ イヴェントのご案内 ★★★

 10月29日(土) 13:45-15:15 ヴィジュアルメディアから歴史を読み解く

 本とアートの産直市@高円寺フェス2016内・会場イヴェントスペースにて、長谷川怜・広中一成両氏と3人で、トークイヴェントをやります。入場無料ですので、よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。(本とアートの産直市@高円寺については、主催者HPをご覧ください)


★★★ 講座のご案内 ★★★

 11月17日(木) 10:30-12:00、東京・竹橋の毎日文化センターにてユダヤとアメリカと題する一日講座を行います。詳細は講座名をクリックしてご覧ください。ぜひ、よろしくお願いします。 
 

★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行!
 発売元の特設サイトはこちらです。

 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

       リオデジャネイロ歴史紀行(東京新聞)


 ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

別窓 | ブラジル:軍事政権時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< 35年前の送電ケーブル | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  切手歳時記:山鳥の尾>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
<!-【↑2カラムテーブルここまで↑】-->
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/