2013-01-10 Thu 22:20
1863年1月10日にロンドンで世界最初の地下鉄が開業してから、今日でちょうど150年です。というわけで、ストレートにこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、イギリスで発行されたロンドン地下鉄150年の記念切手のうち、1863年の開業当時の様子を描いた1枚です。 ロンドン最初の地下鉄は、1863年1月10日にメトロポリタン鉄道のパディントン=ファリンドン間の約6キロで開通しました。 19世紀半ば以降、イギリスでは鉄道建設が盛んに行われていましたが、ロンドン市内は建物が密集しており、地上に線路を敷くことは不可能でした。このため、ロンドンの法務官であったチャールズ・ピアソンは、1834年に開通したテムズ・トンネルから着想を得て、1854年から具体的な建設計画が進められました。ちなみに、開業初日の利用者は4万人だったそうです。当時の地下鉄車両は、すべて、蒸気機関車によって牽引されていたため、排気の必要から、駅構内は密閉された地下空間ではなく換気性を確保した吹き抜け構造となっていたほか、路線の一部は掘割になっていました。今回ご紹介の切手にも、そうした初期の地下鉄の様子がよく表れていますな。 その後、メトロポリタン鉄道による地下鉄は延伸され、年間利用者も4000万人にまで成長。このため、他の鉄道会社も地下鉄事業に参入し、1884年までには現在のサークル線が全通しました。ちなみに、地下鉄が電化されたのは1905年のことでした。 ちなみに、わが国最初の地下鉄は1927年12月に上野=浅草間で開業しましたが、その原点は、1914年、鉄道と港湾の調査で欧州を視察した早川徳次がロンドンにおける地下鉄の発達を目の当たりにし、東京での地下鉄建設の必要性を痛感したことにあるとされています。 そういえば、現在、オリンピックの招致活動でロンドンを訪問中の猪瀬直樹都知事は、東京都営地下鉄と東京メトロとの統合にも熱心に取り組んでおられますな。そういうお方が、地下鉄150年の記念の日にロンドンにいるというのも、なんだかめぐりあわせを感じますね。 ★★★★ 第1回ヨーロッパ切手展のご案内 ★★★★ 今月19・20日(土・日)の両日、東京・目白駅の切手の博物館にて「第一回ヨーロッパ切手展」が開催されます。今回のお題は“黒海”で、内藤も、北カフカース(コーカサス)を題材としたミニ・コレクションを展示します。競争展ではないので、テーマティクないしは郵便史の作品としてルールに沿ってきっちりまとめたものというよりも、北カフカースに関するマテリアルをいろいろとご紹介するという気楽な内容です。僕以外のコレクションはかなり見ごたえのある内容になっておりますので、よろしかったら、ぜひ遊びに来ていただけると幸いです。 【世界切手展BRASILIANA 2013のご案内】 僕が日本コミッショナーを仰せつかっている世界切手展 <BRASILIANA 2013> の作品募集要項が発表になりました。国内での応募受付は2月1―14日(必着)です。詳細はこちらをご覧ください。 ★★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★★ 『喜望峰:ケープタウンから見る南アフリカ』 いままでなかった喜望峰とケープタウンの物語 美しい風景とウンチク満載の歴史紀行!! アマゾン、セブンネット、版元ドットコム、楽天ブックス、e-hon、hmv、honto、JBOOK、livedoor BOOKSなどで好評発売中! なお、本書をご自身の関係するメディアで取り上げたい、または、取り上げることを検討したい、という方は、是非、ご連絡ください。資料を急送いたします。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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