2010-03-20 Sat 06:48
昨日の記事にも少し書きましたが、昨晩からロシアのハバロフスクに来ています。現在、ホテルの部屋から、アムール川(以下、画像はクリックで拡大されます)を見ながら、このブログを更新しています。
というわけで、アムール川沿いの町・ハバロフスクということで、きょうはこの1点を持ってきました。 これは、1967年にソ連で発行されたアムール造船所35周年の記念切手です。左側の極東ロシアの地図のうち、アムール川沿いの旗が立っている場所が造船所の所在地ですが、その南にはハバロフスク(ХAБAPOBCK)との表示もあり、ハバロフスクのおよその位置がお分かりになると思います。 切手に取り上げられたアムール造船所(第199造船所)は極東地域コムソモリスク・ナ・アムーレ市にあります。 同市は、ハバロフスクから北北東へ356km離れたアムール川の左岸に位置しており、もともとは、1860年にペルミ県出身の開拓移住農民によって開かれたことから、ペルムスコエ村と呼ばれていました。1932年2月に、この場所に重工業分野の諸工場が建設されることになり、ペルムスコエ村はコムソモリスク・ナ・アムーレ市と改称されました。なお、実際に街の建設にあたったのは主に囚人でしたが、コムソモール(共産主義青年同盟)が街を建設したということにして(右側のタブはそのイメージでしょうな)、この名がつけられました。ソ連時代、この造船所が“レーニン共産党青年団記念工廠”と呼ばれていたのも、こうした事情によるものです。 第二次大戦中、造船所は太平洋艦隊向けの巡洋艦や駆逐艦、護衛艦などを建造し、1944年には巡洋艦ガガノヴィッチならびにカリーニンを竣工させています。1950年以降は主に潜水艦を建造する造船所となり、原子力潜水艦も多数建造されています。 さて、ハバロフスク滞在中も、持参したパソコンを使い、あらかじめ、取り込んでおいた切手類の画像を元に、いつもどおり毎日1本ずつ記事を書いていく予定です。しかし、なにぶんにも海外のことゆえ、22日夜に帰国するまでは、ネット環境等により更新できないことがあるかもしれません。その場合は、あしからずご容赦ください。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 総項目数552 総ページ数2256 戦後記念切手の“読む事典”(全7巻) ついに完結! 『昭和終焉の時代』 日本郵趣出版 2700円(税込) 2001年のシリーズ第1巻『濫造濫発の時代』から9年。<解説・戦後記念切手>の最終巻となる第7巻は、1985年の「放送大学開学」から1988年の「世界人権宣言40周年年」まで、NTT発足や国鉄の分割民営化、青函トンネルならびに瀬戸大橋の開通など、昭和末期の重大な出来事にまつわる記念切手を含め、昭和最後の4年間の全記念・特殊切手を詳細に解説。さらに、巻末には、シリーズ全7巻で掲載の全記念特殊切手の発行データも採録。 全国書店・インターネット書店(amazon、bk1、JBOOK、livedoor BOOKS、7&Y、紀伊国屋書店BookWeb、ゲオEショップ、楽天ブックスなど)で好評発売中! |
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