戦争末期の日本では、連日のように大都市が空襲にあっていました。当然のことながら、空襲にあった都市は焦土と化し、郵便を宛先に届けようと思っても、宛先そのものがなくなっていたりして配達不能ということがままありました。
で、このような場合、宛先へ届けられなかった郵便物は差出人に返送されます。その際、配達を担当する郵便局では、事情を説明した印を押したり、付箋を貼ったりするわけですが、その実際のサンプルを下に示します。
この葉書は、終戦後の1945年12月、山口県から大阪宛に宛てられたもので、「戦災後転居先不明」という文言の入った印が押されています。配達できなかった理由が“戦災”であったことが明示されており、空襲の被害を記録する郵便物としてわかりやすいモノと思います。
8月6・7日(土・日)に東京・大手町のていぱーく(逓信総合博物館)で開催のサマーペックス では、この葉書を含めて、終戦前後の日本の状況をたどった作品「大日本帝国の終焉」を展示する予定です。両日とも、14:30からは展示の簡単な解説も行いますので、是非、お運びいただけると幸いです。