fc2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
<!-【↓2カラムテーブルここから↓】-->
 韓国美術5000年
2005-07-10 Sun 08:50
 本日未明、カウンターが5000アクセスに達したようです。ここを訪れていただいた沢山の方に、まずはお礼申し上げたいと思います。

 さて、5000アクセスにちなみ、なにか5000に絡んだモノはないかと探していて見つけたのが、この切手です。

韓国5000年

 この切手は、1980年に韓国が5回にわけ、計10種セットで発行した“韓国美術5000年”のシリーズの1枚で、石造りの虎が取り上げられています。韓国語には、“昔々~”という意味を表すとき、“トラがタバコを吸っていた頃”という言い回しがありますので、ある意味で“韓国美術5000年”というシリーズにはぴったりの1枚ということもできるかもしれません。

 自国の歴史的伝統を強調したいというのは人間として自然な感情ですから、どんな国でも、歴史学的に確認できない時代からすでに自国の歴史は始まっていたとする物語が語られています。日本の場合も、いまから2665年前の縄文式土器の時代に神武天皇が即位したという建国神話がありますが、これもその典型です。

 さて、この切手が発行された頃、たしか“中華三昧”という、ちょっと値段が高めのインスタントラ-メンが発売され、“中国4000年の~”というフレーズが盛んにCMで流れていました。それが耳になじんでいた一中学生は、切手屋さんの店先に並んでいたこの切手とその説明を見て、教科書に出てくる古代文明の中国でさえ4000年なのに韓国はどうして5000年になるんだろうと単純素朴に疑問に思ったものです。

 その後、韓国の切手について少し知識が出てきて、戦後の韓国では郵便物の消印にも一時、檀紀(建国神話の檀君が即位したとされる西暦の紀元前2333年を紀元とする暦年)が使われていたことを知り、仮にその暦を用いたとしても、5000年には全然足りないのに、5000年という言葉の根拠はどこから出てくるのか、不思議でなりませんでしたが、そのことはいつしか忘れていました。

 さて、大学生の頃、夏休みにテュニジアでバカンスを兼ねたアラビア語の語学研修を受けていた時、クラスのメンバーに対して、それぞれの国について外国人から見て疑問に思うことを質問するというレッスンがありました。そのとき、突如、中学生の頃の疑問が頭の中によみがえり、同じクラスにいた韓国人の友達に、「日本人も歴史を水増しして2600年というけど、韓国では5000年って言うよね。で、実際のところ、5000年前の韓国って、本当はどんな感じだったんだろう?やっぱり、他の国とおんなじで、みんな腰蓑一枚で歩いてたのかな」との不躾な質問をぶつけてみました。

 この質問に、他の連中(ほとんどがヨーロッパ人です)は、「5000年だって!いくらなんでもそいつはありえないだろ」と驚いていました。また、教師には、内藤は数詞の使い方を間違ってるんじゃないかとも言われました。

 で、友人の韓国人は返答に窮してしまい、困った顔をしていたのですが、最後に一言。「まぁ、日本よりは韓国のほうが国家(王朝)としての歴史が古いってことでいいじゃないか」

 ハイ、お説ごもっともです。

 韓国5000年ということで、ちょっと懐かしく思い出したお話でした。
別窓 | 韓国:崔圭夏時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
<!-【↑2カラムテーブルここまで↑】-->
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/