2015-05-05 Tue 15:33
1965年5月5日に、国立子どもの国が開園して、きょうでちょうど50年です。というわけで、ストレートにこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1965年5月5日に発行された「国立子どもの国開園」の記念切手です。 1959年4月の皇太子殿下(今上陛下)のご成婚に際して全国からお祝い金の使途について、ご夫妻は「こどものためになる施設の建設費用に充ててほしい」とのご希望をお持ちでした。 このため、1960年、米軍に接収されていた旧日本陸軍田奈弾薬庫補給廠跡の国有地が返還されると、都心から約30キロの地点に位置するその跡地約97万平方メートルに、次世代を担うこどもの健全育成のための施設として、多摩丘陵の雑木林をそのまま生かした自然の遊び場“こどもの国”の建設が開始されました。 建設の中心となったのは、“「こどもの国」建設推進委員会(規格・設計・広報を担当)”と“(財)「こどもの国」建設協力会(寄附の受入・国費以外の工事の施工・運営を担当)”で、日本商工会議所会頭の足立正が双方の会長を務めました。建設費用は国費が約3億3000万円、1965年5月の開園までに一般から寄せられた寄附が約4億円でした。 “こどもの国”は、当初、1964年の東京オリンピックにあわせて開園する予定でしたが、工事が遅れたため、1965年5月5日、子どもの日に合わせて、一部未完成部分を残しつつ開園しました。 園内は、外周道路4キロ、内周道路2.4キロをはじめ、雑木林をぬうように散策道路が縦横に通じ、遊具広場、芝生広場、ミニSL、ローラー滑り台、湖、ミニアスレチック、せせらぎ、つり橋、1.6キロのサイクリングコースなどがあり、湖ではボートやドラム缶いかだで遊べます。また、牧場には約60頭の乳牛と約40頭のヒツジが放牧され、ウサギなどを抱いてふれあうことのできる“こども動物園”があり、ポニーの乗馬も楽しめるほか、プールやサッカー場などの各種スポーツ施設もあり、家族連れから学校、会社、グループなど多くの人に利用されています。 今回ご紹介の切手は、こどもの国の開園にあわせて、開園当日の1965年5月5日に発行されたもので、遊ぶ子供と動物に子供の国のマークを配したデザインです。 ところで、東京オリンピックの前後から、記念・特殊切手は発行枚数が増加し、売れ残るものが多かっただけに、今回の記念切手に関しても、当初、郵政省・収集家ともに、それほど人気が出るものとは考えていませんでした。実際、発行日の東京中央局では、名目的に1人1回5シートまでという販売制限を行ったものの、実際には、おもったほど切手は売れず、午前10時半を過ぎると、窓口には全く行列がなくなってしまいました。 ところが、この切手は小中学生の間では非常に人気を呼び、各地の集配局では売り切れがあいつぎました。また、切手に比べて初日カバーの人気が高く、東京中央局の郵政弘済会の売店でも、30人ほどの行列が開店から続き、正午には用意していた在庫が完売となっています。 こうした人気に引きずられるように、翌6日には切手普及課の窓口でも完売となりましたが、当時の収集家・切手商の間には、なぜ、この切手が人気となったのか、その理由がわからず、首をかしげる人も多かったそうです。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 『日の本切手 美女かるた』 好評発売中! ★★★ 税込2160円 4月8日付の『夕刊フジ』に書評が掲載されました! 【出版元より】 “日の本”の切手は美女揃い! ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え! <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾン、boox store、e-hon、honto、YASASIA、紀伊國屋書店、セブンネット、ブックサービス、丸善&ジュンク堂、ヨドバシcom.、楽天ブックスをご利用ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
|