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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 おかげさまで130万PV
2013-12-29 Sun 11:32
 けさ、カウンターが130万PVを超えました。いつも、遊びに来ていただいている皆様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。というわけで、額面“130”の切手のなかから、こんな1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       マリ・象の鼻はなぜ長い

 これは、1976年7月26日にアフリカのマリが発行した“子供の本”の130フラン切手で、キプリングの童話『象の鼻はなぜ長い』の1場面が取り上げられています。

 『象の鼻はなぜ長い』は、昔、象の鼻は短かったが、好奇心の旺盛な小象がワニに質問したところ、鼻をかまれて川に引きずり込まれそうになり、抵抗してワニを追い払ったものの、鼻がすっかり伸びてしまい、その子孫が鼻の長い象になったというストーリーで、切手には、小象とワニの格闘場面が取り上げられています。木の上からそれを見物しているヘビの姿があるのも、巳年の年末に相応しい1枚といえるかもしれません。

 さて、キプリングは1865年に英領インド帝国時代のボンベイで生まれ、1936年にロンドンで亡くなった英国人の作家で、英領インド帝国を舞台にした作品で知られていますが、現在のマリ共和国の前身にあたる仏領スーダンとはほとんど無関係です。ただし、切手に取り上げられた『象の鼻はなぜ長い』に登場するワニとゾウはマリとも深い関係があります。

 このうち、ワニについては、首都バマコの地名の由来が“ワニの川”または“ワニの背”を意味する現地語(バンバラ語)であり、バマコ市の紋章にはワニが描かれています。

 一方、ゾウについては、現在でもマリ国内にも野生のゾウが棲息しているほか、ディズニーのダンボのモデルとしもいわれるジャンボが仏領スーダンの生まれという事情があります。

 ジャンボはオスのアフリカ象で、1861、仏領スーダン生まれ。フランス・パリの動物園を経て、1865年、ロンドン動物園に移され、そこで“ジャンボ”の名(名前の由来については、スワヒリ語の挨拶に求めるのが一般的ですが、異説もあります)を与えられ、人を乗せるアトラクションを行い、有名になりました。

 その後、1882年にバーナム・アンド・ベイリー・サーカスに売却され、同サーカス団の宣伝により、ジャンボという名前に“巨大”というイメージが定着することになりました。1885年、鉄道事故で死亡すると、その骨格はニューヨークの米国自然史博物館に、剥製にされた皮はサーカスの巡業に伴って各地をめぐった後、タフツ大学に寄贈されました。ただし、この剥製は1975年の火災で焼失し、現存していません。今回ご紹介の切手が発行されたのは、その翌年の1976年のことでしたから、数ある“子供の本”の中から、この題材を選ぶ際には、そのことも意識されていたのかもしれません。

 なお、仏領スーダンとマリ共和国については、拙著『マリ近現代史』で、歴史のみならず、さまざまな角度からご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 
 

 ★★★ トーク・イベントのご案内 ★★★

 2014年1月2日より、東京・両国の江戸東京博物館で大浮世絵展がスタートしますが、会期中の1月24日13:30より、博物館内にて「切手と浮世絵」と題するトーク・イベントをやります。

 参加費用は展覧会の入場料込で2100円で、お申し込みは、よみうりカルチャー荻窪(電話03-3392-8891)までお願いいたします。展覧会では、切手になった浮世絵の実物も多数展示されていますので、ぜひ遊びに来てください。

 なお、下の画像は、展覧会と僕のトーク・イベントについての2013年12月24日付『讀賣新聞』の記事です。

大浮世絵展・紹介記事


 ★★★  絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩  ★★★

 2014年1月11日・18日・2月8日のそれぞれ13:00-15:00、文京学院大学生涯学習センター(東京都文京区)で、「絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩」と題する講座をやります。(1月18日は、切手の博物館で開催のミニペックスの解説)

 新たに富士山が登録されて注目を集めるユネスコの世界遺産。 いずれも一度は訪れたい魅力的な場所ばかりですが、実際に旅するのは容易ではありません。そこで、「小さな外交官」とも呼ばれる切手や絵葉書に取り上げられた風景や文化遺産の100年前、50年前の姿と、講師自身が撮影した最近の様子を見比べながら、ちょっと変わった歴史散歩を楽しんでみませんか? 講座を受けるだけで、世界旅行の気分を満喫できることをお約束します。

 詳細はこちら。皆様の御参加を、心よりお待ちしております。


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は1月7日(原則第1火曜日)で、以後、2月4日と3月4日に開催の予定です。時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

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 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


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