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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 おかげさまで120万PV
2013-04-25 Thu 11:19
 きのう(24日)、カウンターが120万PVを超えました。いつも、閲覧していただいている皆様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。というわけで、額面“120”の切手のなかから、こんな1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        ダカール・バマコ鉄道

 これは、1972年にマリで発行された鉄道シリーズの切手のうち、ダカール・バマコ間を走る鉄道をとりあげた、120マリ・フラン切手です。

 19世紀末、西アフリカを植民地化したフランスは、地域開発の一環として、ダカールから内陸に鉄道を敷設し、ギニア湾にそそぐニジェール川(の物流ルート)とダカールを連結することを計画します。いわゆるダカール・ニジェール鉄道です。

 鉄道は、1905年、ニジェール河岸のクリコロとセネガル河岸のアンビデディ間で工事が完成。翌1906年、カイ=クリコロ間が開通しました。その後、路線は延伸され、最終的に現在のダカール=クリコロ間が開通したのは1924年のことでした。その主要駅は、ダカール、ティエス、タンバクンダ、タンバクンダ、カイ、キータ、カティ、バマコ、クリコロで、現在のマリとセネガルの国境はタンバクンダ=カイ間にあり、終点のクリコロからは、ニジェール川を往来する船により、セグー、モプティ、トンブクトゥ、ガオなど下流の諸都市と連結するルートができあがりました。

 ダカール・ニジェール鉄道の開通後、仏領オート・セネガル・ニジェール(現在のマリ共和国の前身)の首府は、1908年にカイからバマコ(現在のマリの首都)へと遷都されました。

 バマコはニジェール河岸の都市で、旧首府のカイからは517キロ南東に位置しています。市域は5つの丘に囲まれており、丘の麓の洞窟からは先史時代の岩画も発見されています。中世のマリ帝国の時代には交易の中心地との一つとして繁栄したこともありましたが、19世紀までにはすっかり衰退し、人口も数百人規模にまで落ち込んでいました。

 1880年、バマコはジョゼフ・シモン・ガリエニひきいるフランス軍によって占領され、1883年以降、フランス支配下でのインフラ整備が進められ、フランス風の建物が建ち並ぶ新市街が形成されていくことになります。

 なお、1960年、いわゆるマリ連邦構想が破綻し、現在のマリとセネガルが分離・独立することになった結果、当初、両国間の関係は極端に悪化し、セネガル側は旧スーダン(マリ)出身者に関しては官民を問わず追放し、マリとの国境を封鎖。ダカール・ニジェール鉄道も国境を超える路線はすべて運休となりました。この結果、セネガルのダカール港に貿易の80%近くを依存していたマリ経済は、輸出入の激減により壊滅的な打撃を蒙りました。

 その後、1963年になって、通商や関税、債務、鉄道の運行再開、セネガルの港湾利用について協定も結ばれ、マリとセネガルは通常の国家間の正常な国交を樹立しましたが、マリとセネガルの貿易量は回復せず、マリ経済は長期にわたって低迷を続けることになります。

 さて、拙著『マリ近現代史』では、ダカール・ニジェール鉄道とその沿線の風景を取り上げた20世紀初頭の絵葉書もいろいろとご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。なお、あさって27日(土)15時からは、東京・浅草で開催のスタンプショウ会場内での出版記念のトークを行いますので、ぜひ、こちらにも遊びに来てください。


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