2011-06-19 Sun 15:06
1961年6月19日にクウェートがイギリスから独立して、きょうでちょうど50年です。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1923年、インド切手に加刷して発行されたクウェート最初の切手です。 現在のクウェート地域では、近代以前にはペルシャ湾の重要都市であるバスラとの間でラクダを使った飛脚便が行われていました。この制度は1775年にはシリアのアレッポにまで拡大されています。 1899年、イギリスは、この地域の主権者であったオスマン帝国の頭越しに、サバーフ家の支配地域としてのクウェートを保護国とする条約を調印。その内容は、クウェートがイギリスの軍事力によって保護される代わりに、イギリスの許可なく他国と交渉したり、他国から援助を受けたりしないというもので、これに基づき、1904年2月28日、イギリスはサバーフ家と郵便協定を調印。クウェート域内において郵便局を独占的に開設する権利を獲得し、非公式の郵便取扱所を設置して、無加刷のインド切手を販売し、クウェート域内およびブシェールまでの郵便物を取り扱いました。 正式な郵便局の開局は1915年1月21日のことで、今回ご紹介の加刷切手が発行される1923年までは、無加刷のインド切手がそのまま使われていました。その初期の消印は、局名表示が、現在のように“KUWAIT”ではなく“KOWEIT”となっているのですが、当時のクウェートでは郵便物の取扱量が少なかったためか“KOWEIT”消の残存量も少なく、残念ながら、僕自身は入手できていません。 なお、クウェートでは、今年、独立50年を祝う式典が2月26日に行われましたが、これは、湾岸戦争によりイラク軍の占領から解放された記念日(ちなみに、今年はちょうど解放20周年でした)にあわせたものです。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 5月29日付『讀賣新聞』に書評掲載! 切手百撰 昭和戦後 平凡社(本体2000円+税) 視て読んで楽しむ切手図鑑! “あの頃の切手少年たち”には懐かしの、 平成生まれの若者には昭和レトロがカッコいい、 そんな切手100点のモノ語りを関連写真などとともに、オールカラーでご紹介 全国書店・インターネット書店(amazon、boox store、coneco.net、JBOOK、livedoor BOOKS、Yahoo!ブックス、エキサイトブックス、丸善&ジュンク堂、楽天など)で好評発売中! |
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