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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 握り飯か餅か
2011-06-18 Sat 23:29
 きょう(18日)は“おにぎりの日”です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        ねずみの浄土:出会い

 これは、昔ばなしシリーズ第7集として、1975年4月15日に発行されたは「ねずみの浄土」のうち、爺さんとねずみの出会いの場面を取り上げた1枚です。

 「ねずみの浄土」は、一般には「おむすびころりん」の名で知られている昔話で、物語の冒頭、爺さんが広げた弁当の中身は握り飯ということになっています。ところが、切手に描かれている爺さんの弁当は、どう見ても握り飯に見えません。それもそのはずで、郵政省の説明では、この切手は、物語のうち“爺さんが餅をねずみに与える場面”ということになっているのです。

 まぁ、昔話の類は、基本的には、口承の物語ですので、地域によって細部に若干の相違があるのはやむを得ないことで、昔話シリーズの発行に際しても、自分の知っている物語と切手の図案が違うという声も少なからずあったようです。この場合の餅と握り飯の違いもその一つなのでしょうが、僕の個人的な希望としては、やはり、三角形で海苔を巻いた“おむすび”をしっかりと描き、切手のタイトルも「おむすびころりん」としてほしかったですな。

 ただ、そうしたことを差し引いたとしても、昔ばなしシリーズの中では「ねずみの浄土」が一番できが良いのではないかと思います。それゆえ、拙著『切手百撰 昭和戦後』では、シリーズの中からは「ねずみの浄土」を選んでみました。その詳細については、同書でもご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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