2021-03-21 Sun 03:35
きのう(20日)、今夏の東京五輪・パラリンピックに関係する日本政府、東京都、大会組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者協議が開催され、海外からの観客の受け入れを断念することが正式に決定されました。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、昨年(2020年)6月18日、汎イベリア・オリンピック・アカデミー協会(APAO:Asociación Panibérica de Academias Olímpicas)のオンラインセミナーの記念印が押されたリスボンからサント・アンドレ宛の実逓カバーで、記念印には、セミナーのテーマである「新型コロナウイルス時代のスポーツ」の文言と、参加国・地域を示す地図、五輪マーク、図案化された新型コロナウイルスなどが描かれています。 APAOは、1968年11月25日にスペイン語圏最初のオリンピック・アカデミーとしてスペイン・オリンピック・アカデミーが創設されてから20周年になるのを機に、1988年、スペイン語およびポルトガル語圏の国・地域のオリンピック・アカデミーによる国際組織として誕生しました。 2020年6月のAPAOのオンライン・セミナーは、「新型コロナウイルス時代のスポーツ:汎イベリア・オリンピズムの視点から」のテーマの下、3つのセッションから構成されており、新型コロナウイルス禍の中で、スポーツの競技、教育、コミュニケーション、経済など、多角的な面からの報告と討議が行われました。 このうち、6月4日に行われた第1セッションでは、「東京2020-21に向けてのオリンピック・スポーツの挑戦」をテーマに、スポーツの競技、教育、コミュニケーション、経済などさまざまな観点から、新型コロナウイルス禍で、国や企業のスポーツ担当部門が直面するであろうシナリオ、特に、東京五輪が2020年から2021年に延期されることに伴う影響についての報告と討議が行われました。 ついで、6月11日の第2セッションでは「ソーシャル・スポーツと全ての人々のスポーツ」をテーマに、オリンピック運動についてのアカデミックな報告と討議(これがAPAOの本来の活動です)が行われました。 そして、今回ご紹介の記念印の押された6月18日には、「スポーツと教育、コミュニケーション」と題してスペイン時間の17時から第3セッションが行われ、スペイン語およびポルトガル語圏から250名がオンラインで参加して活発な討議が行われています。 さて、今夏に予定されている東京五輪をめぐっては、現在なお、新型コロナウイルスの世界的な流行が続き、世界各国の人々の生活が制限されている中で、今月3日、関係5者協議の第1回会合が開かれ、3月中に海外からの観客受け入れ可否に関する判断を行い、4月には国内の観客の上限を決める方針が決定されていました。 これを受けて、日本側としては、3月25日には日本国内での聖火リレーがスタートするため、それまでに海外からの観客受け入れの見送りを正式に決める方向で調整を進めていましたが、おととい(19日)、世界陸連の会長でIOC委員も務めるセバスチャン・コー氏が「ワクチンが普及して世界が変化している中、無理に決定を下す必要はない。決断が早すぎないことを願う」と決定の先延ばしを要求。 このため、五輪組織委員会の橋本聖子会長は都内での定例会見で、25日の聖火リレースタート前に判断するという従来の考えを強調したうえで、「国内外の感染状況を見ながら判断を遅らせるのはできることならそうしたい」とコー氏に理解を示しつつ、「あらゆる業界、職種の方、移動手段、宿泊、準備している方々のことを考えると早い判断が求められる」と、早期決定の意義を訴え、昨日の会合での決定となりました。 これを受けて、100万人規模の一般客の受け入れはなくなり、海外在住者が組織委から購入した五輪・パラリンピックのチケットは払い戻しされることになりますが、今後、五輪・パラ合わせた約1万5000人の選手を含め、メディア、スポンサー関係者など数万人が入国できるよう調整が進められるそうです。 ★★ 内藤陽介の最新刊 『世界はいつでも不安定』 ★★ 本体1400円+税 出版社からのコメント 教えて内藤先生。 地上波では絶対に伝えられない国際情勢の事実をユーモアを交えて解説! チャンネルくらら人気番組「内藤陽介の世界を読む」が完全書籍化! 版元特設サイトはこちら。また、ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
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