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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 無事、帰国しました
2012-08-14 Tue 22:37
 本日(14日)午後、無事にソウルから帰国いたしました。というわけで、きょうは、ご挨拶かたがた、この切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

       水原華城・風景印

 これは、2002年に韓国で発行された“世界遺産・水原華城”の切手を台紙に貼り、今月12日付の水原局の風景印(観光印)を押したものです。今回の訪韓の目的はいろいろあったのですが、そのうちの一つに、韓国の収集家との交流・懇親会に参加するということがありました。その交流イベントの一つとして、韓国側が手配してくれた水原への一日観光に出かけた際、台紙に切手を貼って風景印を押し、その余白に参加者の寄せ書きをしたのですが、今回ご紹介の画像はその切手と消印の部分です。

 ソウル近郊、水原の華城は、18世紀末、朝鮮王朝第22代国王・正祖が、陰謀により餓死に追い込まれた父(思悼世子)の墓をこの地に移し、その周囲に防護のために築いた城壁や塔、楼閣や城門等からなる城砦都市です。築城には、1794年より1796年まで2年を越える歳月と37万人の労力が投入され、5キロを超える城壁には、中国経由で西洋の築城技術が導入されており、1997年にはユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

 ちなみに、延々と続く城壁と、風景印に描かれた華虹門とその水門については、当日撮影した写真を下に貼っておきましょう。

      水原華城(城壁)     水原華城・華虹門

 さて、8日から13日まで、ソウルのCOEXでは、全国規模の国内展である“2012年大韓民国郵票展示会”が開催されており、僕は、切手展の会場で、ある出店ブースの切手商の方にお願いして、韓国で刊行されたばかりの拙著の韓国語版を販売してもらう予定でした。ところが、同展の主催者である知識経済部郵政事業本部(いわゆる韓国郵政)から、会場内では拙著を販売してはならないとのお達しがあり、初期の目的を達することはできませんでした。拙著において北朝鮮のプロパガンダ切手を少なからず紹介していることが国家保安法(いわゆる反共法)に触れるというのがその理由だそうです。たしかに、今回の切手展では、切手商のブースでも北韓(北朝鮮)の切手は一切販売されていませんでしたし、国家保安法は韓国の国内法として現在なお有効ですから、そういわれてしまえば、どうしようもありませんな。もちろん、会場の外では、拙著の韓国語版はフツーに販売されているわけで、出版社のスタッフも「いったい、いつの時代の話だ」と憤慨していましたが、お上から“発禁”を食らうというのは、物書きとしては間違いなく勲章の一つですから、まぁ、貴重な体験をさせてもらったとポジティヴに受け止めることにしましょうか。
 
 こうした事情があっただけに、従来と変わらず、僕に温かく接してくれた韓国の収集家の皆さんのご厚情には、この場をお借りして、あらためて、お礼申し上げます。

 なお、韓国滞在中に起きた大統領の竹島訪問や五輪選手の竹島アピール問題などに関連して、現地ではいろいろと面白い現象を見聞きしましたが、それらについては、いずれ、機会を見つけてご紹介していければ…と思っております。


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