2012-08-01 Wed 10:28
きのう(現地時間31日)のロンドン五輪では、柔道女子女子63キロ級の上野順恵と水泳男子200メートルバタフライで松田丈志が銅メダルを獲得しました。というわけで、柔道(女子)の切手はきのうの記事で取り上げましたので、きょうは水泳の切手です。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、1949年9月15日に発行された第4回国民体育大会(国体)・夏季大会(水泳競技)の記念切手で、水泳のスタートが描かれています。 第4回国体の水泳競技は、1949年9月15日から18日までの4日間、神奈川県横浜市の野毛山公園プールで開催されました。 国体直前の同年8月、ロサンゼルスのオリンピックプールで全米水上選手権大会が開催されました。この大会は、日本人選手が国際試合に参加した戦後最初の事例で、1947年以来、国際的には非公認ながら、世界記録を連発していた古橋広之進も参加し、400メートル、500メートル、800メートル、1500メートルの4つの自由形種目で世界新記録を打ち立てるという驚異的な成績を残しています。古橋や彼のライバル・橋爪四郎(ロサンゼルスでは1500メートル決勝で2位)の活躍は、敗戦の虚脱感から立ち直ろうと必死だった当時の日本社会を興奮と歓喜に沸かせます。 そして、同年9月に開催された夏季国体には、凱旋帰国した古橋ら渡米選手も参加し、大会は否が応にも盛り上がりました。 こうした古橋フィーバーに目をつけた郵政省は、前年同様、夏季国体に合わせて水泳切手の発行を計画します。 今回の水泳切手は、前年の切手が不評だったことを踏まえ、郵政省の渡邉三郎が慶応義塾のプールに出向いて水泳の練習を見ながらデッサンを行い、原図を作成しました。 なお、渡邉の当初のデッサンでは、実際に発行された切手とは異なり、選手の両脚はX字型になっていたと伝えられています。これは、飛び込みの瞬間、スタート台の端に足の指をかけて前傾姿勢をとると両脚が必然的にこのような状態となるのを正確に描写した結果と考えられます。しかし、切手の制作過程で、省内の一部から両脚を平行の状態に直すようにクレームがつけられ、渡邉の写実的なデザインは修正されることになりました。 その結果、切手上の水泳選手の様態は、スタート直前の姿勢としてはきわめて不自然なものとなってしまいましたが、脚の部分を除けば、切手全体についての評判は悪くなく、選手がスタートを切ろうとする瞬間の迫力ある描写は、「ターザンが飛びかかってくる格好」にも比肩されています。 さて、古橋の“幻の金メダル”が話題となった1948年の五輪は、今回と同じくロンドンで開催されました。今回の大会で日本人スイマーがロンドンで金メダルを取ることで、ぜひとも、古橋と彼を応援していた当時の日本人の無念を晴らしていただきたいものです。 【アジア国際切手展SHARJAH 2012のご案内】 僕が日本コミッショナーを仰せつかっているアジア国際切手展 <SHARJAH 2012> の作品募集要項が発表になりました。国内の応募〆切は8月3日です。くわしくはこちらをご覧ください。 ★★★ 内藤陽介・韓国進出! ★★★ 『韓国現代史』の韓国語訳、出ました ![]() 우표로 그려낸 한국현대사 (切手で描き出した韓国現代史) ハヌル出版より好評発売中! 米国と20世紀を問い直す意欲作 ![]() 우표,역사를 부치다 (切手、歴史を送る) 延恩文庫より好評発売中! *どちらも書名をクリックすると出版元の特設ページに飛びます。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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