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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アントラーズとお釈迦様
2007-12-02 Sun 15:22
 サッカーのJリーグは鹿島アントラーズが優勝しました。というわけで、今日はアントラーズ(鹿の枝角)にちなんで、先月刊行の拙著『タイ三都周郵記』の中から、こんな切手を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

ブッダ2500年

 これは、1957年5月13日にタイで発行された仏陀2500年の記念切手で、法輪を背景に鹿が描かれています。日本の印刷局はタイの切手印刷を数多く手がけていますが、この切手はその第1号としても有名です。

 南伝仏教(いわゆる小乗仏教)の正統派の理解によれば、1956年は仏教の祖である釈迦の入滅2500年にあたっていたため、東南アジア諸国や欧米の仏教団体などでは、これを記念するための各種のイベントが行われました。タイの場合は、この入滅2500年の直後の仏誕節るにあわせて、今回ご紹介しているものを含めて9種類の記念切手が発行されています。

 一方、日本の場合には、いわゆる南伝仏教とは系統の異なる北伝仏教(大乗仏教)が主流を占めており、1956年を入滅2500年と考える仏教関係者はほとんどいませんでしたが、それでも、東南アジア諸国との友好関係への配慮から、1956年5月に“仏紀2500年”という名目で、京都で記念式典が行われたほか、1956年に各国でおこなわれた釈迦入滅2500年の記念行事に日本の政府代表や仏教関係者が多数招待されたことの返礼として、1959年に釈迦2500年記念の“アジア文化会議”が行われ、記念切手も発行されています。

 さて、今回ご紹介の切手に描かれている法輪というのは、もともとは仏教の教義(四諦・八正道の)のことで、ブッダガヤの菩提樹の下で悟りを開いた後、バラナシのサルナートで5人の修行仲間に初めて仏教の教義を説いた出来事は“初転法輪”と呼ばれています。ただし、その後、法輪は仏教の教義を示すものとして8方向に教えを広める車輪形の法具としてシンボル化され、寺院の軒飾りにも使用されるようになりました。

 ところで、初転法輪の際、5人の修行仲間だけでなく、森に棲息する鹿も説法を聞いていたといわれています。このことから、鹿は仏教に縁の深い動物とされており、バンコクのタイ国立中央博物館でも、仏教に関する遺物として、巨大な石の法輪の前に鹿の像が展示されています。奈良公園で鹿が飼育されているのも、こうした故事を踏まえたものです。

 Jリーグで優勝した鹿島は、開幕から5試合白星がなく、首位との勝ち点差は最大11もありましたが、終盤9連勝で首位の浦和を猛追。最下位の横浜FCと対戦した浦和がまさかの敗戦を喫したため、奇跡の逆転優勝をとげたのだとか。こういう話を聞くと、やっぱり、“アントラーズ”には仏のご加護があったのかもしれませんね。

 *昨日、東京大学駒場キャンパスで開催されたシンポジウム「戦争とメディア、そして生活」は無事、終了いたしました。お越しいただきました皆様には、お礼申し上げます。
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