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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 プラド美術館200年
2019-11-19 Tue 01:12
 マドリードのプラド博物館が1819年11月19日に開館してから、ちょうど200周年です。プラド美術館といえば、やはりこの切手でしょうか。(画像はクリックで拡大されます)

      スペイン・裸のマハ(1930)

 これは、1930年にスペインが発行したゴヤ没後100周年の記念切手のうち、「裸のマハ」を取り上げた1枚です。

 歴代のスペイン王家のコレクションを展示するプラド美術館は、1819年11月19日、“王立美術館”として開館しました。1868年の九月革命では王政が倒れ、1873年には第一共和政が成立すると、その過程で王立博物館から、現在の“プラド美術館(その所在地が、かつて牧草地=プラドだったことにちなむ命名)”に改称され、国営化されました。その後、1874年にスペインは王政復古となりましたが、プラド美術館が“王立美術館”に復することはありませんでした。

 美術館の本館となるビジャヌエバ館の建物は、1785年、自然科学に関する博物館を作るため、カルロス3世がフアン・デ・ビジャヌエバに設計させたもので、スペインにおける新古典主義の代表作とされています。結局、建物が博物館として使われることはなく、カルロス3世の孫にあたるフェルナンド7世 (スペイン王)が妻マリア・イサベル・デ・ブラガンサの進言を受けて美術館として利用されることになりました。

 コレクションの基礎はフェリペ2世とフェリペ4世が築いたもので、コレクションは、12世紀のロマネスク様式の壁画から、19世紀のフランシスコ・デ・ゴヤの作品まで広範な領域をカバーしており、所蔵品は、油彩画が約7600点、彫刻が約1000点、版画が約4800点、素描が約8200点におよんでいます。

 今回ご紹介の切手に取り上げられた「裸のマハ」は、1797年から1800年ごろにかけて制作された作品で、大きさは97×190センチ。 西洋美術で、初めて実在の女性(ゴヤとと関係のあったアルバ公夫人マリア・デル・ピラール・カィエターナがモデルともいわれています)の陰毛を描いた作品といわれており、この絵の依頼主を明らかにするため、ゴヤは何度か裁判所に召還されましたが、口を割ることはありませんでした。ただし、この絵は首相を務めたマヌエル・デ・ゴドイの邸宅から見つかっていることから、依頼主はゴドイだったとみられています。なお、裁判の後、この絵はほぼ100年間、プラド美術館の地下にしまわれ、1901年になってようやく公開されました。


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