2006-02-25 Sat 23:44
フルシチョフがスターリン批判を行った秘密演説から、今日(2月25日)で、ちょうど半世紀だそうです。
で、さっき新聞を読んでいたら、スターリン批判で有名な『秘密報告』のパンフレットは西側の謀略で大量にばらまかれたモノ(ただし、内容はホンモノの『秘密報告』とほぼ同じ)だったという記事が出ていて、唸ってしまいました。 さて、切手の世界でも、スターリンがらみの謀略というのはいくつかあるんですが、その代表的なものとして、こんな1枚をお見せしましょう。 ![]() この“切手”(画像はクリックで拡大されます)は、1943年11月のテヘラン会談を受けて、ナチス・ドイツが作成したプロパガンダ・ラベル(“謀略切手”と呼ばれている)です。 テヘラン会談とは、1943年11月28日、ルーズベルト、チャーチル、スターリンの3名がテヘテンで初めて直接まみえて連合国としての戦争方針を話し合った会談です。日本に関しては、前日の11月27日にまとめられたカイロ宣言(ルーズベルト、チャーチル、蒋介石の連合国首脳が対日戦の戦後処理に関してカイロで会談してまとめたもの。その主たる内容は、日本の無条件降伏と満洲・台湾その他植民地の返還、朝鮮の独立などでした)について、ソ連が原則承認を与えている点が重要です。 さて、この謀略切手は、テヘラン会談に対抗するための一手段として登場したのが、1937年にイギリスで発行されたジョージ6世戴冠式の記念切手(下の画像:クリックで拡大されます)をもとに作られています。 ![]() 両者を比較してみると、王妃エリザベスの肖像がスターリンに代えられているほか、左右の上部にはダビデの星が描かれています。また、印面上部の“POSTAGE”は“SSSR RUSSIA”に、“REVENUE”は“BRITANIA”に、印面下部の日付はテヘラン会談の日付に、それぞれ取り替えられ、王冠には共産主義のシンボルである“槌と鎌”が付けられています。さらに、中央の飾り文字は“SSSR”になっており、右側には鳥に代わって星印(ソ連の国章の一部)が入れられています。 この謀略切手で、ナチス・ドイツは、君主国のイギリスと共産主義国家ソ連との“野合”を痛烈に皮肉たっという訳です。 さて、3月上旬にちくま新書の1冊として刊行予定の『これが戦争だ! 切手で読み解く』(まだ、この本単独のページはできてないみたいです)では、「憎むべき敵の所業、嗤うべき敵の姿』と題して、今回の切手を含め、さまざまなプロパガンダ切手をご紹介しています。早ければ、来週末には一部書店の店頭に並ぶかとも思われますので、見かけた方は、是非お手に取ってご覧いただけると幸いです。 |
#65 こにゃにゃちわ
最近ブログをはじめようかと思ってるLICAです。http://jump.sagasu.in/goto/blog-ranking/を見ていたら記事が紹介されていたので、見にきました。また見に来ます!
#73 コメントありがとうございます
LICA様
はじめまして。これを機会に、これからもよろしくお付き合いください。 LICA様の楽しいブログを拝見できる日が来るのを楽しみにしております。 |
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