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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 武漢の肺炎 国内で初確認
2020-01-17 Fri 03:45
 中国・武漢で、新型のコロナウイルスによるものとみられる肺炎が相次いでいる問題で、神奈川県に住む中国籍の男性が武漢に帰国後、再入国した際に肺炎の症状を訴え、新型コロナウイルスへの感染が確認されました。国内で感染者が確認されたのは初めてです。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      第142野戦局風景印

 これは、支那事変(日中戦争)下の1941年2月11日、漢口に置かれていた日本の第142野戦局で使用された風景印で、中国大陸の漢口の場所に、時計塔で有名な漢口のランドマーク、江漢関大楼(税関庁舎)と日章旗が描かれています。

 現在の武漢市はかつて武漢三鎮とよばれた武昌漢口漢陽の3地区を統合したもので、地理的には、長江の東岸が武昌、長江支流の漢水(漢江とも)南岸が漢陽、漢水北岸が漢口(現在の行政では江岸区、江漢区、礄口区)という位置関係になります。

 さて、武漢では先月(2019年12月)以降、原因不明の肺炎の患者が相次ぎ、これまでに41人の患者から新型のコロナウイルスが検出され、このうち61歳と69歳の男性計2人が死亡しています。肺炎患者は、漢口地区の江漢区にある華南海鮮城(海鮮卸売市場)の関係者を中心に発生しているため、今年の元日以降、華南海鮮城は閉鎖され、消毒が行われています。また、今回、感染が報告された在日中国人男性は、本人からの報告によれば、華南海鮮城には立ち寄っていないものの、中国において、詳細不明の肺炎患者と濃厚接触の可能性があるとのことです。

 新型コロナウイルスに関するWHOや国立感染症研究所のリスク評価によると、現時点では、同ウイルスによる肺炎は、家族間などの限定的なヒトからヒトへの感染の可能性が否定できない事例が報告されているものの、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はありません。感染した男性はすでに症状が回復し、15日に退院して現在は自宅で療養していて、今の時点では神奈川県にいる家族や医療関係者などへの感染は確認されていないとのことで、厚生労働省では、この男性の周囲に感染が広がる可能性は低いとみています。

 ただ、問題のウイルスの性質については分かっていないことも多く、ウイルスの性質が変化して、ヒトからヒトに感染しやすくなったり、高い病原性を持つようになったりすることも考えられるため、今後も注意が必要なことには変わりありません。このため、国立感染症研究所で、今後、より早い段階で対応できるよう、武漢から帰国した人が医療機関で肺炎と診断された場合、重症でなくても保健所に報告するよう求めています。

 ちなみに、武漢とその周辺では、昨年10月の時点で156社の日系企業が活動しており、国内の航空会社では、全日空とLCCの春秋航空日本が成田空港から直行便を運航しているほか、外国の航空会社5社が武漢への直行便や経由便を運航しており、成田関西中部、福岡の全国4つの空港に就航しています。

 武漢といえば、昨年6月、世界切手展<CHINA 2019>が開催され、僕もコミッショナー兼審査員として参加してきました。新型コロナウィルスによる肺炎が問題となったのは、切手展終了後の昨年12月以降ですし、切手展の会場は、華南海鮮城のある漢口地区ではなく、漢陽地区にあるので、切手展の関係者がウィルスに感染した可能性はほぼないとみてよいのでしょうが、やはり、気にならないと言えば嘘になりますね。一刻も早く、事態が収まることを祈るばかりです。
 

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