2007-06-09 Sat 02:44
ドイツのハイリゲンダムで開かれていたサミット(先進国首脳会議)は、昨日(8日)無事に終了しました。今回のサミットは、開催地が旧東独(ドイツ民主共和国)地域であるばかりか、議長のメルケル首相も旧東独出身。ということで、久しぶりに旧東独のことを何となく意識させられた3日間でした。というわけで、今日はこの1枚を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1949年10月9日に発行された“万国郵便連合75周年”の記念切手です。ソ連占領下の東ドイツ地区では、それまでにも、西側地区とは別個の切手が発行・使用されていましたが、ドイツ民主共和国の正式発足後に新たに発行されたものとしては、この切手が最初の1枚となります。 第2次大戦後、ドイツは米英仏ソの4国によって分割占領されましたが、その後、東西冷戦の進行に伴い、西側地区と東側地区の分断が進んで生きます。特に、1948年6月、西ベルリンを含む西側地区で通貨改革が実施されると、ソ連は対抗措置としてベルリン封鎖を断行。封鎖は1949年5月に解除されたものの、東西両陣営の対立は決定的となり、西側地区では、1949年5月23日のドイツ連邦共和国基本法施行を経て9月7日に第1回連邦議会が開催されてドイツ連邦共和国(西ドイツ)が発足。これに対抗して、東側地区では、同年10月7日、ドイツ民主共和国(東ドイツ)が成立しました。 今回の切手は、その2日後の10月9日の発行ですが、国名表示は、後の東ドイツ切手のようなDDRではなく、単にドイツ・ポストとなっています。おそらく、切手の制作作業が進められていた時点では、この切手の発行と東ドイツ国家の正式発足のどちらが先になるか、確定していなかったということなのでしょう。 ちなみに、1949年の“万国郵便連合75周年”に際しては、加盟各国が記念切手を発行しており、結果として、デザイン・コンクールのようなかたちになっています。もちろん、わが国も記念切手を発行していますが(その一部はコレです)、さてさて、皆さんはどちらのデザインがお好みでしょうか。 |
#707 私の好みはドイツの方です
両者見比べてみると、日本の方は繊細に絵が描かれていますが、切手のテーマがわかりにくくなっています。
反対のドイツの方は、一見手がかかっていませんが、空色の色を基調に、郵便を象徴する手紙をくわえた鳥が描かれています。こちらの図案の方が色合いもよく、洗練されていて、非常に分かり易いのでよいと思いました。 #715 コメントありがとうございます
muraki様
たしかに、“わかりやすさ”という点では、日本の地図切手よりも東ドイツの切手に軍配が上がるかもしれませんね。デザイン面では、日本の地図切手も決して嫌いではないのですが…。 #734 承認待ちコメント
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